初めてキャッシングする前にチェックすべき10のポイント

[公開日]2014/11/25[更新日]2015/04/17

コンビニや銀行ATMなどで利用できる「キャッシング」は、金融機関などから直接現金を借りることができる便利なサービスです。急な出費があったあとで生活費が足りなくなってしまった時や、欲しかったモノの購入にクレジット払いが使えないお店にしか売っていない時などに力を発揮します。

初めてキャッシング

キャッシングには、サービスを提供している金融機関によって、利息や返済方法など異なる点が数多くあります。はじめてキャッシングを利用する方にとってはこうした違いを頭に入れておき、計画的に利用することがとても大事です。

ではいったい、どのような点をチェックすればよいのでしょうか?キャッシングサービス特有の特徴や借金全般に言えることなど、利用の前にチェックしておきたいポイントを10個挙げてご説明します。

金利はどれくらいかかるものなのか


金利とは何か


キャッシングを利用した場合、借入金に対して「金利」がかかります。申し込んだ人に適用されるので「適用金利」と呼ぶこともあります。金利は契約の際に決まり、そのキャッシングサービスを利用している間は変動することがありません。ですが、他の会社のキャッシングサービスを利用すると、違った金利が適用されることがあります。

日本国内において、金利の上限は「利息制限法」という法律によって規制されていますが、この法律によって定められた金利の最大値である「法定上限金利」未満ならば、キャッシングサービス提供会社毎に自由に決めることが出来ます。また、「法定下限金利」は存在しません。

同じ会社のキャッシングサービスであっても申し込んだ人によって金利は違います。収入は人によって違いますし、過去の利用実績があるなしによっても信用度が変わってくるためです。

金利の違いは信用度の違い


各社の適用金利がどれくらいなのか、契約する前に調べることができます。クレジットカードやカードローンなどの申込書やWEBサイトなどに、サービスの基本情報を記載した箇所があります。その中にキャッシングでの利用について書かれている部分があります。その中に「貸付利率」などと記載があります。「実質年率○○%〜○○%」と書かれていると思います。適用金利はこの範囲内となります。

レギュラーのクレジットカードの適用金利は、ほとんどの会社で最大が18%近くなっていると思いますが、これが利息制限法による法定上限金利です(利息制限法第一章第一条)。

また、ゴールドカードや法人向けカードは15%程度とレギュラーカードよりも低目になっているのが分かると思います。これはゴールドカード契約が結べるようなユーザーや会社員の信用度がそれだけ高く、多額の利用も期待できるという理由からです。

金利の違いによる返済額の違い


金利18%で10万円を1年間借りた時の返済総額は約11万円、2年間借りた場合は約11万9千円となります。金利15%で10万円を1年間借りた時の返済総額は約10万8千円、2年間借りた場合は約11万6千円となります。

このように、金利が大きいほど返済する総額は多くなります。長く借りれば借りるほど、返済総額の差も大きくなっていきます。上の例では1年間では2千円の差しかなかったのに対して、2年間では3千円の差に拡大しています。

わずかな金利差であっても、返済額に大きな影響があるので金利を知る事はとても大事なことなのです。

返済にはいろんな方式がある


キャッシングとカードローンの違い


一般的に利用できるキャッシングにはクレジットカードのキャッシング機能とカードローンなどキャッシング専用のサービスがあります。クレジットカードのキャッシング機能は、クレジットカードの利用限度額の一部をキャッシングとして現金引き出しに使えるという機能です。

一方、カードローンの限度額は全て現金引き出し用で、それ以外の用途はありません。

返済は自動引き落としが基本


カードローンやキャッシングの返済は、約定返済が一般的です。約定(やくじょう)返済とは、契約時に取り決めた返済方法に従って、一定期間ごとに口座からの自動引き落としによって返済する方法です。借入残高が多くなるほど約定返済額も多くなります。このように借入残高に応じて返済額が変化するものを「残高スライド方式」と呼びます。

また、借入残高が増えても返済額の変化しない「リボルビング方式」を選ぶこともできます。「リボ払い」などとも呼ばれます。ATMでキャッシングしたときに返済方法を選択する画面が出てきますが、このときにリボ払いなどを選択する事で利用できます。

返済方式の特徴とは


残高スライド方式の利点は、返済総額と返済回数が膨らみにくいことが挙げられます。借入残高が増えると毎月の請求額も増えるためです。欠点は毎月の請求額が一定でないため、返済が厳しくなる場合があり得ることです。

リボルビング方式の利点は、毎月の請求額が一定なため、不意に返済が厳しくなることないことが挙げられます。欠点は返済回数と返済総額が膨らみやすいことです。クレジットカードによるキャッシングの場合もカードローン利用の場合も、カードを使っての繰り上げ返済はいつでも行えます。基本的に手数料もかかりません。

返済方法を確認してから契約を


キャッシングサービスの申込書には、どの返済方法があるか記載されているので契約前に確認することが出来ます。借金の金利負担を抑えたい場合は「残高スライド方式」、安定して返済した場合は「リボルビング方式」と憶えておきましょう。

返済日は給料日の後とは限らない


返済日はキャッシングの使い勝手に影響大


キャッシングの約定返済は、毎月○○日で休日の場合は翌営業日となるのが基本です。給料日が25日なら、28日頃に請求が来ても問題なく引き落としができます。

ですが、キャッシングサービスによっては、請求日は給料日の後ではないこともあります。もし、給料日が10日で請求日が5日なら、給料日が出たらすぐに翌月の引き落とし額をキープしておく必要があります。

返した結果、再び借金するハメに


給料日直前はどなたでもお財布が寂しいもの。その時期に何万円も請求が来たら払えるでしょうか?給料が入ったらすぐに繰り上げ返済するという手もあります。ですが、サービスによってはいくら繰り上げ返済しても約定返済も請求されるというサービスもあります。返済を急ぎすぎてしまって、返済のために再び借金をする、など本末転倒なことです。

返済日もクレジットカードやカードローンの申込書で確認することが出来ます。地味なようですが使い勝手にとても影響する項目なので、ぜひ確認してから契約したいチェック項目です。

返済間隔は一ヶ月ごととは限らない


返済日が毎月決まった日じゃない?


給与振込みにしろ公共料金の引き落としにしろ、世の中ではお金の振込日というものは毎月同じ日に行われて、その後もきっちり一ヶ月おきにくるものです。そういう社会に慣れてしまっているのですが、キャッシングの会社によってはそれとは異なった間隔で請求してくるものもあります。

多く見られるのが35日おきに請求されるというものです。理由はともかく、請求されると思っていたタイミングで請求されなかったり、給料日直前に請求されたりといったことにもなるので注意が必要です。

誰のための「35日周期」なのか


なぜ35日おきに請求日がくるようなサービスがあるのでしょう?ひとつは、年間で考えた時に返済回数が10回ちょっととなるため、返済が楽になるだろうということ、そして返済間隔が長くなるとトータルの返済金利が増えるということです。

恐らく後者が目的で、前者が建前でしょう。確かに返済が楽になるケースもあるからです。

いずれにしても、返済間隔が変則的なキャッシングサービスを利用しているときは、いつ返済日が来るのか把握しておく必要があります。

限度額は会社や借りる人によって違う


限度額は信頼の証


キャッシングサービスやカードローンの利用限度額は、審査が通って契約完了した時点で決まります。金利同様、収入や過去の返済状況など、信用度の高さに応じて限度額も変動します。

キャッシングサービスごとに限度額がどれくらいになるのかについても、申込書や公式サイトのサービス詳細に記載されています。大きな融資枠を確保したければ、限度額が大きいキャッシングなどを選択することになります。

限度額はコントロール可能


限度額をいくら必要としているか契約者本人が決めることが出来ます。キャッシングサービスとして30〜500万円の範囲で限度額が決まるとされていても、申し込みの際に100万円でよいと記載すれば、それ以上の限度額になることはありません。

また、年収500万円の方が500万円以上の限度額を希望しても、その金額で契約できることはないでしょう。

借り入れ方法にはいろんな方法がある


ATMがあればいいわけではない


日本には、全国に約80万ものコンビニエンスストアがあります。そしてコンビニ店舗の多くにATMが設置されています。キャッシングやカードローンの借り入れはこのATMから行えます。これだけ環境が整っていれば他の手段は不要と考える方もいるかも知れません。ですが、コンビニに行く時間が無い方や近くにコンビニがない方、そしてATMを使うのが好きでない方もいます。

そのような方にはパソコンやスマートフォンでのインターネット取引が可能なキャッシングサービスがあります。銀行窓口が空いている時間に申しこめば、数十分から最短で数十秒後には指定した銀行口座に振り込まれます。但し、手続きに時間がかかるため、当日振込受付時間が14:49まで、14:39までとなっているところが多いので注意が必要です。

誰でもパソコンを持っているわけではない


それでも問題は残ります。パソコンやスマートフォンを持っていない方も多くいます。そのような方には電話での借り入れが行えるキャッシングサービスがあります。

どのような取引環境が必要か、契約前にチェックすることをおすすめします。

手数料の心配はいらないのか


手数料はしっかりかかる


キャッシングやカードローンを利用するときには、銀行キャッシュカードのように利用の度に手数料がかかることもあります。利用したキャッシングサービスのグループ会社ではないATMを利用したときなどにはATM利用手数料がかかることがあるのです。昼間時間帯では105円、夜間なら210円などがかかってしまいます。

これらの手数料は借り入れの時だけではなく、返済の時にもかかるのがポイントです。

手数料がかからないという説明がされた場合には、但し書きに注意が必要です。提携ATMだけとか、残高が一定金額以上ある方のみといった条件があるかも知れないためです。各種マイレージサービスで一定ランク以上のグレードの方のみ手数料無料を謳う会社は多いです。

さらに金利もかかる


さらに、借入期間に応じて金利もしっかりかかります。ただし、当日中に返済すれば金利はかかりません。

よく利用するコンビニに設置してあるATMがどこの銀行のものかを調べて、その銀行と提携している、もしくはグループ企業であるローン会社のキャッシングサービスと契約すると手数料が無料になるかも知れません。

キャッシング会社には2種類ある


「銀行」と「銀行系」の区分は誤り


キャッシングサービスを提供している会社は数多くありますが、全く違う3種類の会社があるのです。ひとつは銀行。もうひとつはクレジット会社。最後が消費者金融です。

よく、「銀行」と「銀行系」という括りで区別されることもありますが、正しくはこの3種類です。分ける基準は適用される法律です。それに従えば、「銀行」と「その他」に別れます。銀行には「銀行法」が適用され、信販系と消費者金融には「貸金業法」が適用されるからです。

区分の違いは法律の違い


キャッシングサービス利用者にとっての違いは、取立て方法などではなく、総量規制の対象となるかならないかでしょう。総量規制とは申込時に申告している年収の1/3を超えては借り入れが出来ないという規制です。

この法律は改正貸金業法の条項になるので、銀行法の元で営業している銀行キャッシングサービスには適用されないのです。

もし、銀行キャッシングカードを3枚持っていて、それぞれ限度額が年収の1/5程度であっても3枚とも限度額いっぱいまで借り入れしてしまえば年収の3/5まで借り入れ出来てしまいます。もう年収の過半数を超えています。そうならないためには、借り入れする方ご自身でキャッシング利用を控えること以外にありません。

申し込みの際には、そのキャッシングサービス会社がどちらの区分に相当するか、調べておくことが大事です。

無利息期間のワナ


問題は無利息期間終了後だけではない


消費者金融系キャッシング会社には、無利息期間が何日、長いものでは半年近くあるサービスがあります。これは利用促進のためですが、無利息期間が終わったあとの利息はどうなるのでしょう?

もちろん、利息はかかるようになります。しかし、それ以外にも利息がかかるパターンがあるのです。それは無利息期間が適用される金額には限度があり、借り入れ金額がそれを超えている、というパターンです。

例を挙げてみます。180日間無利息というサービスがあるとします。無利息となる限度額は5万円です。ですが6万円借りてしまいました。180日後に6万円返済したら、1万円分については180日分の利息がかかっている、というわけです。

悪質?親切?


これを悪質と見るか親切と見るかは人ぞれぞれでしょう。サービス提供会社にとってみれば、無利息にするということは身銭を切っているわけですから悪く言われる謂れはないでしょう。ですが、どういうシステムになっているかを知っておかないと、こういったことが起きてしまいます。

遅延損害金


遅延損害金には謝罪が上乗せされている


キャッシングを利用して約定返済日に口座残高が不足していると、キャッシングサービス会社は返済を受けることができません。しばらくするとその会社から電話がかかってきたり、返済の督促ハガキが届いたりすると思います。約定返済できなかった場合には、適用金利が変更になります。それが「遅延損害金」です。遅延損害金も金利で計算されますが、通常の適用金利よりも利率が高くなっています。

その理由は明らかでしょう。督促の電話をかけたり督促ハガキを送付したりするコスト、通常とは異なる処理をしなければならない手間がかかるためです。

返済遅延させない抑止効果も


また、高い金利にしておくことで、返済が滞ることを抑制する効果もあります。度々返済遅延してしまえば、事故情報(ブラックリスト)に登録されますが、これは利用者には知り得ないことです。心配だという方は遅延損害金の金利を予め調べることができます。適用金利などと同じく、申込書や公式サイトのサービス詳細に記載されています。