キャッシング前に知るべき低金利な公的融資制度まとめ

[公開日]2014/12/16[更新日]2015/04/17

急な出費で困ったけど色々な事情があり銀行などから融資が受けられない時に、高金利の金融会社から安易にキャッシングをしたりするより、公共で利用できる低金利の貸付を利用することを検討することをおすすめします。

低金利の公的融資とキャッシング

低所得の人や高齢者、障害者の方に対して経済的な生活の支えとなり、在宅福祉や社会参加を促進させることを目的としている貸付制度(生活福祉資金貸付)があり、就職に必要な知識・技術等の習得や高校、大学等への就学、介護サービスを受けるための費用等の貸付けをしてくれます。

まず自分が利用できるかできないか、が気になるところだと思いますので該当するかチェックしてみてください。貸付けを受けることのできる対象になる人は、下記のいずれかに該当する世帯です。

低所得世帯の方
資金の貸付けすることにより独立して自分で生活できる人と認められる世帯であって、その独立して生活するのに必要な資金を他から借り入れすることが難しいと思われる世帯です。お金の融資を受けるのに所得証明などを提出しないといけませんが、年収が低いと金融機関から融資を受けられにくいのが現状です。市町村民税非課税世帯などがこの低所得世帯にあたります。

障害者世帯の方
身体障害者手帳、療育手帳、精神障害者保健福祉手帳の交付を受けてる方がいる世帯が対象です。手帳などがなくても、今現在障害者自立支援法によるサービスを利用している等これと同程度と認められる方の世帯は含まれます。

高齢者世帯
65歳以上の高齢者の属する世帯のうち、日常生活を続けるにあたって療養や介護を必要とする高齢者の方がいる世帯などで、地域の消費生活水準と世帯員の年齢や家族の人数などから借入申込の生活基準額が居住地の標準的な生活費2.3倍より下回っている世帯。

どうでしょうか、貸付が受けれる対象でしたでしょうか?貸付にも種類があります、どういった用途で必要な目的で金額なども変わりますので種類別にみてみましょう。貸付の種類として以下の4種類の資金に分けられています。

①総合支援資金
②福祉資金
③教育支援資金(旧修学資金)
④不動産担保型生活資金(旧長期生活支援資金、旧要保護世帯向け長期生活支援資金)

このように大きく4種類にわかれていますが、それぞれ金額や利息について解説します。

総合支援資金


職を失ったことなどによって日常生活全般に困難を抱える人の為に生活支援費などを貸し付けてくれる制度です。(賃貸住宅入居時に必要な敷金、礼金等の資金、生活を支援するための資金など)
※補足として、あとに出てきますが、住宅支援給付というものの給付対象となる人は原則として総合支援資金貸付の申請も可能ですが、雇用保険(失業等給付)、年金等のほかの公的給付・貸付を受けることができる人は、総合支援資金貸付の利用はできません。

貸付金額
・生活再建までに必要な生活費とする生活支援費は単身で月15万円以内、二人以上で月20万円以内です。
・敷金、礼金など賃貸契約を結ぶ為に必要な資金は40万円以内
・生活再建に必要な一時的費用、例えば就職活動費、公共料金滞納費、債務整理手続費用、技能習得費などは60万円以内
※補足ですが借金返済の為などの費用は不可です。

貸付利息
・連帯保証人を付ければ無利子
・連帯保証人なしなら年利1.5%の貸付利息

貸付据置、償還期間
・最終貸付日より元金6ヶ月据置でその後20年以内に返済する必要があります。

あくまでもゆくゆく自立をすることが前提といった貸付の形となるので、継続的に社会福祉協議会とハローワークなどの就労支援や家計指導などの相談支援を受けながらという形となります。事前にハローワークへの求職申込み、職業相談などが必要となります。

福祉資金

  
貸付金額(と償還期間)
・生業を営むための費用は貸付460万円以内・償還期間20年、技能習得経費とその間の生計維持費は習得期間6月で貸付130万円以内・習得期間1年で貸付220万円以内・習得期間2年で400万円以内・習得期間3年で580万円以内、償還期間はいずれも8年、公営住宅の譲受に必要な費用は貸付250万円以内・償還期間7年、福祉用具等購入費用は貸付170万円以内・償還期間8年、障害者用自動車購入費用は貸付250万円以内・償還期間8年、中国残留邦人等の国民年金保険料の追納費用等は貸付513.6万円以内・償還期間10年、疾病による療養中の生活維持費は療養期間が1年以内で貸付170万円以内、1年超1年6ヶ月以内で貸付230万円以内、償還期間はいずれも5年、介護・障害サービス費用はサービスを受ける期間が1年以内で貸付170万円以内、1年超1年6ヶ月以内で230万円以内、償還期間はいずれも5年、災害による臨時費用は貸付150万円以内・償還期間7年、冠婚葬祭・住居の移転による給排水設備設置費・就職や技能習得等の支度費用・他日常生活に一時的に必要な費用についての貸付は50万円以内で償還期間は3年です。

・緊急で一時的に生活を維持することが困難になった場合の少額の緊急小口資金の貸付けは10万円以内で償還期間は2ヶ月です。

貸付利息
・福祉費は保証人ありだと無利子、保証人なしだと年利1.5%
・緊急小口資金は無利子

貸付据置、償還期間
・福祉費は最終貸付日より元金6ヶ月据置で、償還期間については資金の目的に応じて様々です。
・緊急小口資金は最終貸付日より元金2ヶ月据置でその後2ヶ月以内に返済する必要があります。

教育支援資金


低所得世帯として暮らしている人のうち、義務教育期間終了後、就学費用や入学に必要な費用を貸し付けてくれます。

貸付金額
・就学費用として、高等学校は月3.5万円以内、高等専門学校・短期大学は月6万円以内、大学は月6.5万円以内
・高等学校・大学・高等専門学校へ入学するのに必要な費用は50万円以内

貸付利息
・いずれも無利子(連帯保証人も不要ですが世帯内で連帯借受人が必要です)

貸付据置、償還期間
・いずれも卒業後6ヶ月据置でその後20年以内に返済する必要があります。

不動産担保型生活資金


貸付金額
・不動産担保型生活資金(低所得の高齢者世帯に対して、一定の居住用不動産を担保として生活するための資金を貸し付けてくれる資金)の限度額は土地の評価額の約70%程で、月30万円以内
・要保護世帯向け不動産担保型生活資金(要保護の高齢者世帯に対して、一定の居住用の不動産を担保にして生活するための資金を貸し付けてくれる資金)の限度額は土地・建物の評価額の約70%程で集合住宅だと約50%程になり、生活扶助額の1.5倍以内です。
 
貸付期間
・いずれも借受人が亡くなるまでの期間か、もしくは貸付元利金が貸付限度額に達するまでの期間

据置・償還期間
・いずれも契約終了後3ヶ月据え置きで償還期間は据置期間終了時です

貸付利息
・いずれも年3%か期プライムレートのどちらか低いほうの利率です。連帯保証人は不動産担保型生活資金の貸付を受ける場合は必要です。推定相続人の中から選任することになります。

以上が生活福祉資金についての主な説明になります。

このほかにも離職により住居を失ってしまい困っている人や失業保険の受給が終了してしまって就職活動中だったり、そもそも受給資格がない人などのために支援策も取られています。臨時特例つなぎ資金と住宅支援給付についてご説明します。

臨時特例つなぎ資金


対象になる人は以下のすべてにあてはまる人です

・住居のない離職者
・公的な給付や貸付などの申請は受理されているものの、その資金がおりるまでの間困窮している人
・本人名義の金融機関の口座を持っている人

貸付金額は10万円以内、償還期間は申請している公的給付や貸付の振込が行われた時点で即時一括もしくは分割にて返済します。貸付利息は無利子です(連帯保証人も不要)

住宅支援給付


住宅支援給付とは離職している人で、働く能力、意欲があるのに住むところがなかったりまたは住むところを失うおそれがある人のために住むところや就労の支援をすることを目的としている制度で、地方自治体とハローワークによる就職支援を受けれる制度です。

支給額・支給期間
住宅支援給付の支給額は、住宅家賃の補助という形をとるので、賃貸住宅の家賃額となります。支給額は地域ごとに上限額が違い、収入に応じた調整があります。

支給期間
原則3ヶ月で、一定の条件を満たした場合に最大9ヶ月間受給することができます。

また、年金の受給額が減っており実際年金だけでは生活できなくなっている方が急にお金が必要になった時の準備手段として年金受給者を支援してくれる年金担保貸付という制度があります。

年金担保貸付


対象者
年金担保貸付を取り扱う独立行政法人福祉医療機構では、厚生年金保険、船員保険、国民年金(老齢福祉年金を除く)または労働者災害補償保険の年金の支払を受けている人を対象としています。

使用用途
保健医療、介護福祉、住宅改修等、冠婚葬祭、教育、事業維持、債務の一括整理、臨時生活資金を対象としています。

融資金額
次にあげる要件を満たすことが条件での範囲で金額が設定されます。

・10~250万円の範囲内(1万円単位)※臨時生活資金の場合は上限100万円
・受けている年金額の1.0倍以内
・定額返済の場合1回あたりの返済額の15倍以内

金利は1.6%(平成25年9月3日現在)なのでかなり低金利と言えます。連帯保証人は必要。(信用保証機関を利用により不要)

返済額
1回の年金支給額の半分以下

資金使途区分
「保健医療」「介護・福祉」「住宅改修等」「冠婚葬祭」「教育」「事業維持」「債務等の一括整理」「臨時生活資金」

※生活保護受給中の人は利用できませんし、この年金担保融資を利用し返済期間中の人は生活保護は適用できなくなります。また、生活保護廃止後5年経過していない人は年金担保融資は利用できません。


以上のことを踏まえて安易に高金利のキャッシングを利用せず、生活が困らないように利用を低金利で融資を受けることを検討することを考えてみてくださいね。以上キャッシング前に知っておきたい低金利な公的融資制度/完全まとめでした。