FX会社の選び方/口座開設前の初心者のためのポイント10選

[公開日]2014/12/09[更新日]2019/01/31

昔と違って、現代は個人が簡単に投資を始められる便利な時代になりました。

インターネットの普及で、申し込みから口座開設に至るまで、家に居ながらにして行えるようになったためです。そして、パソコンや携帯電話、それにスマートフォンさえあれば、投資はどこに居ても行えるようになりました。株式取引に限らず、商品先物取引なども同様です。そして、FX取引もそのひとつです。

FX口座開設前のFX会社比較ランキング

FX会社の殆どはオンライン証券ですから、WEBサイトから申し込みをすれば誰でもすぐに口座開設できます。運転免許証や健康保険証などのコピーさえあれば、役所へ行って書類を取り寄せる必要などもありません。

FX取引に興味がある人にとって、最初につまずく事があるとすれば、FX会社選びではないでしょうか。あまりにFX会社が多いので会社を選ぶだけですっかり疲れてしまい、「もういいや」となってしまうのです。数あるFX会社の中から本当によい会社を選ぶにはどうしたらよいか、ポイントを10個挙げて解説していきたいと思います。

保証金が信託保全されるFX会社を選ぶべし


FX取引を行うためには、FX会社に現金を預け入れる必要があります。FX会社に預け入れるお金の事を「保証金」と言います。保証金は口座名義人がいつでも好きなときに出金することが出来るものです。

ただし、取引注文が成立している状態、いわゆる「ポジションを持った状態」では、ポジションに相当する額の保証金も「拘束」されます。拘束された分の保証金は出金や他の口座に移すなどの資金移動は一切行えなくなります。本来、いつでも好きな時に入出金出来る保証金ですが、例外もあります。それはFX会社が倒産するなどで返金に応じられない時です。

ですが、日本には保証金や投資家を守る制度があります。それが「信託保全」です。信託保全とは、証券会社などに預け入れられた資産を保証する「信託法」で定められた仕組みです。信託保全を行っているFX会社であれば、例えその会社が倒産しても保証金は全額戻ってきます。

また、信託保全には全額保全と一部保全があります。一部保全するということは、上限額や保全される条件が付いてくるわけですから、全額保全の方が優れた保全方法だと言えます。

FX会社を選ぶ時には、必ず全額信託保全されている会社を選びましょう。海外のFX会社などの中には全額信託保全していない会社も数多くあります。全額信託保全されているFX会社は、「みんなのFX」、「ひまわりFX」、「セントラル短資FX」などがあります。

手数料が安いFX会社を選ぶべし


FX取引を行うと、手数料がかかる場合があります。個人が取引を行う上では、手数料はできるだけ少ない事が望ましいです。現在のFX会社は「手数料無料、口座維持管理費無料、スプレッドあり」という会社がほとんどなので、実質的には「手数料=スプレッド」ということになっています。

「スプレッド」とは、買う時と売る時の値段の差です。スプレッドが0円で無い限り、外貨を買った直後に売ったとしてもスプレッドの分だけ損失が出ます。これは手数料がかかっているのと実質的には同じ事です。ですからスプレッドが安いFX会社を選ぶことが大事です。

「DMM FX」、「GMOクリック証券」、「外為ジャパン」は、スプレッドが0.3銭程度で業界最低水準です。

いろんな取引チャネルのあるFX会社を選ぶべし


FX会社の取引チャネルとは、取引の手段のことです。FX会社などのオンライン証券ではインターネットに接続できるパソコンさえあれば取引できます。ですが、携帯電話やスマートフォンでも取引できれば、外出先で取引できるので取引機会が増えます。外出先で取引出来るのにはチャンスを逃さないという意味合いもありますが、相場が急変したなどの不測の事態でも対処可能になるという意味もあります。

スマートフォンのAndroid向け取引ツールが高評価なのは「YJFX!」、「FXCMジャパン」、「GMOクリック証券」などです。

IPhone向けの取引ツールが高評価なのは「セントラル短資FX」、「YJFX!」、「FXCMジャパン」などです。古いですが、ガラケーなどの携帯電話での取引には、ほとんどのFX会社が対応しています。

画面デザインをころころ変えないFX会社を選ぶべし


FX取引は、パソコンやスマートフォンでインターネットブラウザを使って行うことがほとんどです。WEBサイトのデザインやレイアウトが変わると、取引の時に注文ボタンを探したり、情報が見づらくなったりします。

FX取引では瞬時の状況の変化に対応出来なければいけない場面もあります。レバレッジを掛けたリスクの大きい取引を行っているときです。僅かな値動きでの利益を狙っているので、タイミングが訪れたときにボタンを探しているようでは間に合いません。

FX会社も良かれと思って変更しているのでしょうが、一瞬を争うこともあるFX取引においては、使い慣れた画面から操作方法が変わっていると戸惑うだけでなく、チャンスを逃がしたり、誤発注したりと、とんでもない事態も起こり得ます。

操作方法に慣れるには時間もかかるので、あまり頻繁に画面やデザインを変える会社は避けた方がよいでしょう。「楽天証券」などはデザインを頻繁に変える会社です。

トラブルが少ないFX会社を選ぶべし


FX会社によっては、取引に参加するためにネットワーク接続するユーザーが増えてくると、接続出来なくなる、注文が出せなくなるなどのシステムトラブルが起こることがあります。

FX会社のWEBサイトにネットワーク接続してくるのは口座開設した会員だけでなく、表示されている株価を見るだけという人も含まれます。サーバーの台数や能力が劣っていると、こうしたトラブルが起こりやすくなります。

FX会社には、会員がいつでもちゃんと注文が行えるように、サーバーやネットワーク機器能力を維持する事が義務付けられており、過去にはそれを放置していたとして、行政処分を受けた業者もあります。

トラブルが起こりにくいよう、普段からサーバーの増強をしっかり行っている会社を選びましょう。「マネックス証券」はトラブルが多く、過去には「楽天証券」、「SBI証券」などがよくトラブルを起こしていました。

スリッページが少ないFX会社を選ぶべし


スリッページとは、成行注文を出したときに大きく値段がずれたところで約定してしまうことです。FX会社のサーバーの能力が劣っていたり、ネットワーク回線が細かったりすると、スリッページが発生します。

FX会社によっては、極端に値段がずれて約定しそうになると、注文を取り消すことによってスリッページを防げます。指値注文すれば、スリッページは全く起きませんが、他の条件が許すならスリッページ対策が行える証券会社を選ぶとよいでしょう。「GMOクリック証券」、「ひまわり証券」などがスリッページに強いFX会社です。

提供されている情報が多いFX会社を選ぶべし


FX会社には、口座を持っている会員のみが利用できるニュースを提供していることがあります。外国為替には、日本国内だけでなく海外で起きたニュースなども影響してくるため、
情報源は多いに越したことはありません。

国内のニュースサイトでは知り得ない情報や、FX会社のアナリストが出す独自の解説記事など、多くの情報が提供されているFX会社を選ぶことをおすすめします。

スワップポイントの高いFX会社を選ぶべし


スワップポイントとは預金でいうところの金利に似ています。スワップポイントとは、2つの通貨の金利差です。FXのスワップポイントで利益が出せるのは、日本円の金利が無いも同然といえるほど低いからです。どの国の外貨であっても、日本円より金利が高く、買えば必ずスワップポイントが付きます。ただし、スワップポイントはポジションを持ったまま、日をまたがなければ付きません。これをロールオーバーと言いますが、デイトレードではスワップポイントは得られないのです。

また、外貨のロングポジションを持ったままロールオーバーすればスワップポイントを得られますが、ショートポジション(空売り)では逆にスワップポイントを支払う立場になるので注意が必要です。ショートしたまま塩漬けなどになった場合には、日々スワップポイントがかかっているわけです。

外貨や日本円の金利はどのFX会社であろうと同じはずですが、実際にはFX会社ごとに差があります。ロングポジションだけで取引しようと考えているならスワップポイントが多くFX会社を選ぶとよいでしょう。ショートポジションで取引しようと考えているならスワップポイントが少ないFX会社の方が有利です。

「YJFX!」や「FXCMジャパン証券」はスワップポイントが高いFX会社です。

最小取引単位の小さいFX会社を選ぶべし


FX会社では、ポジションを持つ時に外貨をいくら単位で購入できるかが決まっています。多い会社では10万通貨単位でしか購入できません。USドル/円の通貨ペアの場合、10万ドル単位でしか購入できないということです。

10万ドルといえば、1ドル100円なら1000万円です。いきなりこのような多額の取引は行うべきではないでしょう。最小では100通貨単位から購入できるFX会社があります。取引に慣れて、しっかり利益が出せるようになるまでは、より少ない通貨単位で売買経験を積みましょう。

「マネーパートナーズ」の「FX nano」は100通貨単位での取引が可能です。

扱っている通貨ペアの多いFX会社を選ぶべし


通貨ペアとは、円/USドルや円/ユーロなど、日本円と外貨の組み合わせのことです。FX会社で扱っている通貨ペアが多いと、いろんな外貨に対して投資が出来るメリットがあります。また、取引画面などに表示される為替レートも増えるため、慣れてくるとそれを参考に世界中の為替レートのトレンドが見てとれるようにもなります。

最も通貨ペア数が多いのは「IG証券」の87通貨ペア、次いで「OANDA Japan」の72通貨ペア、「アルバリジャパン」の「プロ口座」の65通貨ペアのなどです。

FX会社の選び方 まとめ


FX会社のあまりの多さに諦めかけてしまう気持ちは分かります。圧倒的No.1があればよいのですが、一長一短があるのも選ぶのを大変にしています。

今ではFX会社の比較サイトも数多くあるので参考にするとよいでしょう。そして、実際にFX会社を使ってみて不便を感じたらすぐに乗り換える事もオススメします。大事なお金を預けるFX会社ですから、信頼のおける会社を選びたいものですね。