FX業者スワップ金利を比較 / 初心者おすすめの入門FX会社

「スワップポイント」は、FX取引の目的のひとつ？

日本は今、かつてない低金利時代のまっただ中にいます。先代日銀総裁の頃より、ゼロ金利政策を採っているためです。低金利で企業に資金融資することで、企業を元気にし、経済を活性化させることが目的ですから、長引くデフレから脱却しないかぎり、低金利時代に終わりを告げることはありません。

日本円が低金利にあると、FX取引には有利です。相対する通貨ペアとの金利差が発生しやすくなり、スワップポイントが大きくなるからです。「スワップポイント」は「スワップ金利」などと呼ばれることもあります。外貨の金利は年利で表されていますので、１日で受け取れる金利は年利を日利に換算した分になります。

年利といっても１年を３６５日としていない点に注意が必要ですし、手数料なども加味されているため、スワップポイントは２つの通貨間の単純な金利差というわけではありません。

さて、FX取引における「利益の出し方」とは何かと聞かれた時に、「スワップポイントを得ることである」と答える人はそうはいないでしょう。殆どの人は、FXで利益を得るためには外貨を安い時に買って高い時に売ること（あるいはその逆）だと答えるはずです。

FXに関する書籍などを見ても、スワップポイントを得るということの扱いが、自然と二次的な目的であるという捉え方をされていると感じるはずです。その大きな理由のひとつが、スワップポイントを得ることが目的でなのであれば、外貨預金の方が安全・確実だと感じるためだと思われます。

「スワップポイント」とは何か？

上でも軽く触れましたが「スワップポイント」とは、FXで取引を行う通貨ペアを構成する２つの通貨間の金利差です。当該通貨ペアのスワップポイントがプラス、すなわちスワップポイントが受け取れる金利であるときにその通貨ペアのポジションを保有したまま、ロールオーバー（繰越）を１日行うごとに、１日分のスワップポイントが手に入るということになります。

ですが、スワップポイントは不変ではありません。各国通貨の金利は日々変動しているためです。

「スワップポイント」を得るリスクとメリット

前述の通り、スワップポイントを得るためにはロールオーバーする必要があります。具体的にはニューヨーク市場がクローズした瞬間に保有していたポジションに対してスワップポイントが付加されます。

そして、年間を通じてスワップポイントを得るには、１年間ポジションを持ち続ける必要があります。

ですが、１年の間に１度でもポジションをクローズしてはいけないわけではありません。一旦手放したポジションも、ニューヨーク市場がクローズする瞬間に買い戻せばよいのです。ニューヨーク市場がクローズした瞬間にポジションを保有しているかどうかだけがポイントなのです。

そもそもFX取引では為替レートの変動リスクがあることも忘れてはなりません。さらにレバレッジをかけた状態で損失が拡大する方向に為替変動が起これば、損失額にもレバレッジ効果がかかります。１日でさえ大きな損失リスクがあるにもかかわらず、年間を通じてマネジメントしてゆくのはとても大変だと思うかも知れません。

年間を通じて安全にポジションを持ち続けるには、よほどの低レバレッジで運用するか、たっぷり含み益がある状態でのみロールオーバーを行うなどしてリスク回避を怠らない工夫が必要です。

もし暴落が起こりそうな日を事前に察知することが出来るなら、一旦手仕舞いしておき、相場が落ち着いてから再度エントリーすることでリスクを回避することが出来ますが、専業トレーダーならともかく、他に仕事もあるであろう初心者の方に、そのような芸当は難しいものです。

ですから、スワップポイント重視の取引を行うときは、長期投資でじっくり行うか、ロールオーバーの瞬間だけを狙った短期取引が良いようです。自然と取引回数や資金の回転数は減ることになりますので、FX会社を選ぶ際にはスプレッドの狭さを気にすることなくスワップポイントだけを比較して選ぶとよいでしょう。

外貨預金にも「スワップポイント」が

外貨預金で外貨を買った場合には、外貨に対して付く金利をまるごと貰えると思われるでしょうが実は違います。売買に手数料がかかることもそうですが、本来、円建て預金で得られるはずの金利を得ない代わりに外貨の金利を得ているからです。

日本円は預金ばかりではなく現金で持ち歩くことが出来て使えうことが出来るために、一般の人には非常になじみにくい考え方かも知れません。

スワップポイントは無意味などではない

初心者の方がスワップポイントに対して抱く印象は「含み損が出てしまったけれども、スワップポイントで減殺される」といった感覚ではないでしょうか。FX取引は短期で利益確定してしまいたいところですが、損切り出来ずにロールオーバーしてしまうと、こういう考えにすり替えてしまいがちです。

スワップポイントについて解説してきましたが、それではスワップポイントにはこのような意味しかなく、為替変動益だけ狙うべきなのがFX取引というものなのでしょうか？上で述べたような感想は間違ってはいません。損失を減殺する効果も持ちあわせているのですが、スワップポイントはそれ自体で利益を狙うことも可能です。

美味しいFX会社を見つけよう

スワップポイントは金利差によって決まっていると述べたのですが、FX会社が提供しているスワップポイントと、インターバンク市場で決まるスワップポイントはイコールではありません。

FX会社ごとにスワップポイントに差があるのがその証拠です。FX取引には手数料と呼ばれるものがない代わりに、スワップポイントをインターバンク市場より低く設定し、その差額を利益としているFX会社もあるのです。このことは別に違法でも何でもありません。

一方で、キャンペーンなどで優遇スワップポイントを提供するといったことを行うFX会社もあります。キャンペーンは一時的なことなのですが、FX会社ごとのスワップポイントの差は、長期にFX取引を行っていくことで、大きな差となり得ます。

金利の低い米ドルと日本円のスワップポイントは１万通貨あたり０～３円程度ですが、豪ドルやNZドルのように金利の高い通貨とのスワップポイントは８０円を超えることもあります。これらの通貨ペアではスワップポイントが１０円違ってくることも普通にあることなので、スワップポイントの有利なFX会社を使えば大きな取引コストとしての差となって現れます。

また、レバレッジを併用することで、証拠金に相当するような額のスワップポイントを得られることもあり得ます。それでは、スワップポイントが有利なFX会社をいくつかご紹介していきたいと思います。

ライブスター証券

ライブスター証券は、ひまわりホールディングスを傘下におさめたISホールディングスのグループ会社です。前身はセンチュリー証券で、日産センチュリー証券と縁深い会社でもあります。若干、外国企業の雰囲気を漂わせる入会ページですが、れっきとした日本のFX会社です。資産も100%信託保全となっています。

2011年から現在の商号でしたが、2014年に業界最高のスワップポイントを引っさげて突如頭角を表してきた証券会社でもあります。

とにかくあらゆる手数料が無料なのが特徴で、マーケット情報やロスカット手数料さえも無料です。もちろん取引手数料も無料。気になるスワップポイントは、米ドル／円が５円、NZドル／円が８４円と、他社より１歩抜きん出ている水準です。

GMOクリック証券

いまや日本有数のFX会社となったGMOクリック証券は、世界第一位の取引高を誇る巨大FX会社へと成長しました。会社へと成長しました。スプレッドの狭さもさることながら、スワップポイントの高さも魅力のFX会社です。

低金利通貨同士である米ドル／円でさえスワップポイントは４円、豪ドル／円は７５円、NZドル／円なら７９円という高い水準となっています。

SBI FXトレード

SBI証券が手がけるFX取引サービスがSBI　FXトレードです。日本で１・２を争う証券会社のグループ会社が手がけているだけあり、全てのサービスが高水準です。SBI　FXトレードはスプレッドも業界最高水準ですが、スワップポイントも高水準です。

米ドル／円では４円もさることながら、南アメリカランド／円は１３０円（１０万通貨単位）と業界最高です（２０１４年８月現在）。そして、SBI FXトレードは何と言っても１通貨単位からの取引が可能。証拠金もなんと数円で取引が行えるのは初心者の方にとって魅力でしょう。

セントラル短資FX

スプレッド、スワップポイント、様々な取引方法など、セントラル短資FXは常にFX業界ランキング上位の常連です。

米ドル／円は３円、ポンド／円は１８円など、大手に次ぐ水準となっていますが、ユーロ／円は１３円と業界最高となっています。口座維持費もかかりませんので、ユーロへの長期投資を考えている方なら、セントラル短資FXをユーロ専用口座として開設しておいて損はありません。

FXトレード・フィナンシャル

FXForJapanから社名変更した会社がFXトレード・フィナンシャルです。２０１４年のランキングに顔を出すようになり、スワップポイント水準で頑張っている会社と言えます。

この会社の特徴は売りと買いのスワップポイント差が無いということです。空売りから入れるFXでは売りスワップの方が高めに設定してある会社が多く、差額はFX会社の利益となっていますが、この会社ではそこから利益を得ませんと宣言しているようなものなのです。

もちろん、他から利益を上げているわけですが、長期投資でのスワップポイント狙いの方にとってはスプレッドで利益を得ていようとあまり関係ないと言えるわけです。

FX業者スワップ金利を比較 まとめ

スワップポイントの大きさは金利差、つまり一方の外貨は高金利だということです。金利はリスク量と比例しますので、スワップポイントが高いということは為替リスクも大きいのだという認識を持つことが重要になります。

ですが、先進国においては特定の通貨が危機に陥るようなことは１０年に１度もない事態と言えます。日々の取引で神経をすり減らすよりは、どっしり構えた長期投資が向いている方もいらっしゃるでしょう。

スワップポイントの高い通貨に対して長期投資するということは、低金利の日本で預金として眠らせておくよりもはるかに資金効率の高い投資となります。これがスワップポイント狙いのFX投資の醍醐味と言えるのです。