不動産屋が暴露!マンション投資初心者が知るべき儲かる土地・建物の選び方
[公開日]2016/10/12
「マンション投資って本当に儲かるのか」
サラリーマン大家という言葉があるほど不動産投資は身近なものになりましたが、「実際のところ儲かるのか」という疑問をお持ちの方も多いと思います。
まず他の投資内容と比較して考えてみます。2016年10月現在、個人向け国債は年利0.05%となっています。個人向け国債を1000万円で購入すると1年間で5000円の金利となります。元本・金利ともに保証してくれるので、リスクはほとんどないという点は、魅力のある投資商品といって良いでしょう。
しかし、せっかくの資金、もう少し収益が見込めるものはないものかと考える方も多いのではないでしょうか。
そんな時代に脚光を浴びているのが、マンション投資です。アパートやマンションを購入して、中長期的に比較的安定的な家賃収入を得ることができるマンション投資は、ミドルリスク・ミドルリターンの投資として人気が高まっています。金融機関の融資が利用できるため、自己資金も購入型の金融商品に比べ少額でよいことも人気の理由のひとつでしょう。
株式やFX、先物商品取引などの市場性取引への投資も、証券会社などの事業会社を介し信用取引を実施すれば、自己資金の何倍もの取引が可能です。しかし、限度額を超える損失が出てしまった場合、追加証拠金が必要になり、自己資金以上の出費がどんどんかさんでしまう可能性があります。ハイリスク投資といわれる理由がここにあります。
その点、不動産投資に対する融資は、通常当該物件を担保に、その評価を超えない範囲で実行されますので、最悪の場合でも、当該物件を売却することで、損失が限定されることになっています。投資にはリスクがつきものですが、不動産がミドルリスクといわれるのは、そのためです。
マンション投資を成功するために、最も重要な要件のひとつは、どのような土地・建物に投資をするのかを選択することです。つたない経験ではありますが、投資物件を売買してきた不動産業者から見た、「これは買いだな!」と思える不動産の見つけ方について、ご紹介していこうと思います。
マンション投資成功の大前提は「具体的な目的と目標を持つこと」
マンション投資によって、安定した収益を得ている人、着実に資産を増やし続けている人、つまり「成功している人」を、取引を通して、何人にも知り合う機会に恵まれています。
その人たちに共通しているのは、自己資金の額や、資産の大小ではありません。不動産投資をなんのためにやるのか、不動産投資を通して自分がどのようになりたいのか、という将来のビジョン・目的を明確に描いている、そしてそのために不動産投資によってどの程度の収益を得るのか、という目標を中長期的にしっかりと立てていることです。
スケジュールの中で目標を実行していくのが成功者
願望として、儲かれば良いなあ、ではなく、現在の自己資金から、1年後、5年後、10年後といったタイムスケジュールの中で、明確な目的と目標を立てて、それを実行し続けるという強固な意志が、成功している方たちからは、はっきりと伝わってくるものです。物件を紹介する不動産業者としても、常日頃から誠心誠意・分け隔てなく営業をしているつもりではありますが、そういった方々にお付き合いさせていただくと、お眼鏡に適うような物件を是非とも紹介しよう、とより真摯な気持ちになっていくから不思議なものです。
マンション投資の目的は3タイプ:物件の選び方も異なる
マンション投資をしてみよう、という目的は、人によって千差万別です。そして、目的によって選ぶべき物件も、違いが出てくるのです。
目的はさまざまと言っても、マンション投資を始める方は大まかに分けて3つのタイプに分かれます。マンション投資をする人のタイプ別に選ぶべき物件のポイントをご紹介します。
タイプ1:現金収入のある副業のためのマンション投資
お勤めをしているサラリーマンや公務員の方が、現金収入のある副業を始めたいということが、最近は増えてきています。給与が右肩上がりであった時代は既に終わりを告げています。今後の給与収入が増加するとは限らないため、安定的な副収入を望む人々が増えているのでしょう。会社の副業禁止の服務規定に反しない、管理会社をうまく利用すれば日常の業務はほとんどなく時間がとられないので本業に影響しない、勤め人はローンの審査が通りやすく少ない資金でも始められる、などがマンション投資の魅力となります。
長い年月安定的な収益を得るためには、空き室や家賃の低下の少ない都心部のワンルームなどが望ましいでしょう。そうなるといきなり1棟マンションの購入は、ハードルが高いかもしれません。1部屋投資から始め、部屋数を増やしていくことも視野に入れることになります。利回り目標を明確にして、最低限の目標をクリアしなければ投資の意味はない、と該当する物件が現れるまで待ち続ける、位の覚悟が必要だと思います。
もちろん高望みばかりしていても、目的は叶いません。理想と現実の折り合いのついた目標設定が肝要です。
タイプ2:老後の備えとしてのマンション投資
老後を控えて、公的年金に加えて私的年金の意味合いで投資を考える方も増えています。公的年金システムの株式投資の運用実績が2016年で5兆円を超える損失を抱えるなど構造的不安が連日報道される中、企業年金などもかつての高金利時代の年利は望むべくもなく、確定拠出型年金も2016年度は株式・債券市場低迷で目減りが続く毎日です。定年退職前後の年代の方が、不安に思うのも無理はありません。退職金や積み立ててきた預金の一部を、比較的安定的かつ毎月収入のある家賃収入のために、投資を検討されるのでしょう。
私は先日、利回りはそれほど高くはありませんが、国内第1位のコンビニエンスストアが20年の定期借地・借家契約を締結した新築の土地・建物を、退職金の運用目的のお客様に販売させていただきました。収益率よりも20年間の賃貸料保証が決め手であったと、喜んでいただきました。お客様の目的意識がはっきりしていたので、こちらも自信を持ってお勧めすることができました。とても良い取引であったと、自画自賛しています。
タイプ3:節税対策としてのマンション投資
相続税対策や、所得税・市民税などの節税対策として、不動産投資を検討される資産家の方は、バブル時代に比べて割合は減りましたが、相変わらず一定の数を占めています。相続税は、相続した資産に対して法で定められた税率によって算出されます。財産が現金で残された場合には、対象額はその金額100%となります。1億円の現金が残された場合、1億円に対して税金がかかるということです。それに対し、不動産は固定資産税評価額や路線価によって算出される「評価額」が税金の対象となります。
土地は通常、時価の70~80%、建物は新築の方が中古に比較して評価が下がりやすいなど築年数にもよりますが、30~70%で評価され、第3者に賃貸されている場合、さらに評価は下がります。したがって、1億円で購入した物件の相続税額は、現金の相続税額よりも数段安くなるという節税効果があります。
また、マンション投資によって、固定資産税や減価償却費、金利などが発生しますが、これは経費として収入から差し引くことができます。減価償却費が大きい新築物件などや土地の資産価値が大きい都心の物件などは経費が大きくなり、赤字となることもありますが、確定申告により他の収益と通算することができます。本業が大きく儲かっているような場合、資産価値の高い物件を購入することで、資産を増やしながら収益を圧縮し、所得税や市民税を節税することが可能となります。
他の資産や事業収益などの状況に応じて、目的物件の価格や特性が変わるので、物件選びについても、不動産会社とのきめ細かい相談が必要となるでしょう。
予算決定のポイントは自己資金と融資のバランス
目的・目標をはっきりさせたら、物件選びに入れるでしょうか?その前に、もう一度予算をしっかりと立てることが必要です。物件は数十億円のものから、ワンルーム投資であれば百万円単位のものまで無数にあります。予算の範疇で、最も目的に沿った物件を選ばなければなりません。
まずは自己資金の把握が必要です。自己資金は「長期に眠らせても良い資金」と割り切れる金額であるべきでしょう。マンション投資はあくまで投資であり、貯蓄ではありません。目減りすることも考えられます。日々の生活資金や子供の学費などとは別に、用意できる金額を冷静に判断する必要があります。
自己資金だけにとらわれない!融資の活用も選択肢に
金融機関はマンション投資のための融資を、アパートローンというような名称で商品化していますので活用も検討しましょう。自己資金が500万円だとして、年10%の利回りの物件を探すとします。自己資金のみでマンションの1室を購入した場合、家賃収入が50万円/年で、10%の利回りとなります。
自己資金を10%として残りの90%、4500万円を融資してもらうと5000万円の物件が購入できます。10%の利回りで500万円/年の家賃収入です。融資に対する金利が年率3%とすると135万円の金利が発生するので実際の収入は差し引き365万円です。自己資金500万円に対しての利回りは73%ということになります。融資がつくならば利用した方が良いのはこういう計算に基づくからです。
融資ありきでの予算設定では物件の選定に縛りが生まれる
予算の段階で、融資を受けることが前提だと、物件の選定にも影響があります。築年数が古い物件だと、法定耐用年数を超えている場合には、融資がつかなかったり、融資期間が短くなったりします。1981年以前に建てられた物件は、新耐震設計法の施行前となるため、融資条件が厳しい場合が多いでしょう。建築確認済証のある物件かどうかも融資の利用の際には重要です。それがないと、用途変更や増改築に制限が出てしまうので、融資の承認がとれない場合がほとんどです。
物件の条件は非常に良いのに、なぜ売れ残っているのだろう、という物件は、建築確認済証がない場合が、経験上多いです。
自分が住むつもりで物件を選ぶ!投資だからこそ重要な3大要素
目的や目標を決め、予算も決めてから、いよいよ物件選びです。予算や表面利回りなどを確認して、その範囲で具体的な物件を候補の中から選定していくことになります。物件選定のキーワードとして特に留意すべき点は、「エリア」「周辺環境」「設備・仕様」です。
都心部など条件の良いところは、比較的価格が高く利回りが低いことが多いです。一方で地方都市や郊外は価格も安く、利回りも高い物件が多いです。どちらが良いかはその特性を十分考慮する必要があります。
都市部の価格が高いことは、土地としての資産価値が高い、人気が高いので家賃が高くても空き室率が少ない、などの安定的なメリットがオーナーにとってあるからです。郊外は価格が安く利回りが高いのはメリットですが、住居需要自体が少なく、空き室が出た場合すぐに新しい借主が現れない、資産価値が低い、転売しづらい、などのデメリットがあります。目的や予算に応じてエリアを選定するべきでしょう。
ワンルームタイプを借りる場合には、駅からの距離や、通勤・通学の距離、コンビニエンスストアが近くにあるか、などの利便性を重視する傾向が強いようです。一方でファミリータイプの場合は、閑静な住宅街であることや、小学校・中学校の学区、大型スーパーが近くにあるか、などを気にする場合が多いようです。
トイレ・バスは個別が常識です。和式は論外です。ウォシュレットが標準装備となる時代です。個人的には、トイレに関しては、購入時にリフォームをお勧めするほど大事なポイントだと思っております。
近年人気が上昇して重視されているのが、セキュリテイ設備です。オートロック・TVインターフォン・監視カメラなどの設備がついている物件は、女性のみならず男性やファミリー向けの物件でも人気が高くなっています。これも時代の要請かと思うと少し悲しい気にもなりますが。
その他、インターネット対応、浴室乾燥機、ウォークインクローゼットなどが人気のある設備です。物件選びの際には、修繕履歴やリフォーム歴を確認すると同時に、こういった設備や仕様について確認する必要があります。
まとめ:前提知識+信頼できる不動産業者のフル活用で最適な物件を見つけよう
マンション投資にあたって、大事なことは
2.予算を決める
3.設備・仕様をチェックする
ご自分一人で全て決定していくのは大変だなあ、と躊躇される方も多いかもしれません。確かに最終的に決断するのも、結果を受け止めるのも、ご本人です。しかし、その意思決定の過程の中で、ご本人だけで考え決める必要はありません。
専門知識と成功例を見てきた経験を活かし、相談に乗り、時には意見をし、様々な意思決定をサポートするために不動産業者はいます。何度も色々な相談をし、信頼できる不動産会社を見つけ、不動産会社を存分に使い切るつもりで活用することが、自分にとって最適の投資物件を見つける「最大のコツ」といえるでしょう。