クレームを英語で伝えるには?そのまま使える英語表現7選
[公開日]2016/07/04海外へ行くと、日本のカスタマーサービスがいかに特別で親切でパーフェクトなものだと感じることが多いのではないかと思います。
日本から出て一歩アメリカに踏み出していけば、電車やバスが遅れたならまだいい方。バスなんて来ない場合もあるし、店で注文したものが来ないこともあります。美容室ではお願いしたヘアスタイルとはちょっと違う感じで仕上がることも珍しくありません。サービスが自分で思った風に受けられない、というのは生活の中でのストレスとなります。
これに比べて日本で暮らしていれば、大抵のことは思ったとおりに動くし、何より会社というのはお客様を神だと思ってサービスを提供してくれます。消費者の立場からいうとうれしい限りの社会です。
それだけに、アメリカでいればクレームをつけたくなる場面というのは頻繁にあります。がしかし、「え!?これは違う!一言文句を言いたい!」と思ったとしても英語力がままならないと、クレームを入れるのにも勇気がいりますよね。ちょっと小心者の人であれば、日本語でもクレームをつけるというのはちょっとした決心が必要になってきますものね。
英語に自信がないからといって、自分が願ったサービスが受けられず泣き寝入り、というのはちょっと避けたいところです。そんなの辛いですし、何より、「こいつは英語も分からないんだ、じゃあもっと押しても大丈夫だな」などと弱みに付け込む悪い業者がいないとも限りません。
自分の身は自分で守るが鉄則のアメリカでは、強くならなければなりません。やはり、不条理だと思ったらクレームするに限ります。
今日は、そのままでも使えるクレームに関する英語表現をご紹介します。
目次
クレームの始め方:"I have a complaint to make./I have a problem."
さて、何でもはっきりと言うのが重視される英語圏の文化ですが、文句を言うときにもこれは当てはまります。日本語ではしり込みするかもしれませんが、まず「私には文句があるのだ」ということを単刀直入にはっきりと言うことが大切です。
“I have a complaint to make.”(クレームがあります)
上の例文をみて、「あれ?なぜ”claim”という単語が使われていないのかな」と思った方もいらっしゃるかもしれません。この「クレーム」という言葉はなんと、和製英語なのです。日本語ではクレームクレームとよく言いますし、よく苦情を言う人を「クレーマー」と呼んだりしますよね。実は英語では「苦情を言う」という意味はないのです。
”claim”は「要求する」「主張する」という意味で、日本語で言うところの「クレーム」という意味はありません。
英語では”complaint”(苦情)という単語を使います。動詞は”complain”で「不平・不満を言う」という意味です。
お店や何かのサービスに対してクレームをつけたい時には上記のように言うことができます。また、クレームと言うよりもう少しカジュアルな場面で、日常会話として使うにはこんな風に使えます。
“Oh, Mary is complaining again so much about her husband!”
(もう、メアリーったらまた旦那さんの文句を言いまくってるわ!)
(もう、メアリーったらまた旦那さんの文句を言いまくってるわ!)
さて、何かのサービスを受ける場面で“I have a complaint to make.”(クレームがあります)と言ってしまえば、おそらく普通の店員さんやウェイトレスなんかははっとしてあなたの言うことを聞くと思います。それくらいはっきりと「私には言いたいことがあるのよ」という表現です。
もちろんサービスを受ける側としては、クレームを今から言わんとしているのでそのくらいの態度でも全く問題ないとは思いますが、「ここまではっきりと言うのはちょっと」という方にはこんな表現でも大丈夫です。
“I have a problem (with …)”(~に問題があります)
こちらですと少しやんわりとする印象でしょうか。誰のせいとは言わないけれど、何かに関して問題がありますよ、という感じです。これは日常茶飯事に使われる表現ですし、ハードルが低いかもしれません。
筆者も、よく行っていた中華料理の店で麺料理を食べていたら、気付いたら麺の中に明らかに食べ物ではない、袋をとめるような金属ぽいものが入っていたのでクレームをつけたことがあります。その時も“I have a problem with this…”と言って、ウェイトレスに見せました。
まずこんな表現で相手の注意をひきます。
これがおかしいのです:"It is not working."
相手の注意をひけたら、具体的に何がおかしいのか言います。何かが正常どおりに作動していない、と言いたい時はこんな表現をまず使いましょう。
“The air conditioner is not working.”
(エアコンが作動していません)
“The shower is not working at all.”
(シャワーが全然ダメ)
(エアコンが作動していません)
“The shower is not working at all.”
(シャワーが全然ダメ)
例えばアメリカでホテルなんかに泊まったときに、こんなクレームを言いたくなる場面があるかもしれませんね。
“not working”という表現は非常に便利で、何かにつけて使えるので絶対に覚えておきたい表現です。上記のような物が作動しない、動かないという場合にはもちろん、例えば政権や人生にいたるまで、いろんな場面で使えます。
“The Obama administration is not working smoothly.”
(オバマ政権はスムーズにいかないな)
“This job is just not working out for me. I am going to quit.”
(この仕事はうまくいかない。辞めてやる)
(オバマ政権はスムーズにいかないな)
“This job is just not working out for me. I am going to quit.”
(この仕事はうまくいかない。辞めてやる)
このように見えるのですが:"It seems that…"
“not working”と言いきれるかどうかは分からないけれど、何かおかしい、と言いたい慎重派の方にはこんな表現はどうでしょうか。
“It seems that the toilet is not flushing.”
(トイレが流れないように見えるんですけど)
“It seems that I didn't get what I ordered.”
(私がオーダーしたのとは違うのが届けられたようです)
(トイレが流れないように見えるんですけど)
“It seems that I didn't get what I ordered.”
(私がオーダーしたのとは違うのが届けられたようです)
“It seems…”で「~のように見える」という意味になります。日常的にネイティブは使う表現ですのでこんな感じで言われたことがある方もいるかもしれません。
“You seem very happy today. What happened?”
(君、今日すごい楽しそうだね。何があったの?)
(君、今日すごい楽しそうだね。何があったの?)
すごい剣幕でクレームをつけたはいいけれど、実は自分が間違っていた、なんてことがあったら恥ずかしいですものね。なるべく角を立てないで問題解決をしたい方には“It seems…”の表現が良いかもしれません。
壊れています:"It is broken."
“not working”というより、もう壊れちゃってるよこれ、と言いたいならこちらの表現です。
“Excuse me, I think this handle is broken.”
(すみません、ここのハンドルが壊れちゃっていると思うんですけど)
“This lock is broken.”
(このロック(鍵)は壊れています)
(すみません、ここのハンドルが壊れちゃっていると思うんですけど)
“This lock is broken.”
(このロック(鍵)は壊れています)
滞在したホテルで何かが壊れていても困りますし、お店でお土産を見ているなか、壊れているものを売っていたりする場面もありますからね。自分から言わないと、海外では誰も面倒を見てくれませんから、このくらいは英語でハキハキと言えるようになりたいところです。
誰かに見てほしいのですが:"Can I have someone take a look at it?"
これはおかしい、と問題提起した後、どうしてほしいのかを述べられるようになりましょう。今まで見てきたように、「これがおかしい」「これは壊れている」と言えば、向こうから「ではこうしましょう」と言ってくる場合もあるかもしれませんが、ない場合もあるかもしれません。
海外のカスタマーサービスは日本ほど気が利いていないので、こちらからぜひ解決策を提示してください。
“Can I have someone take a look at it?”
(誰かに見てもらえますか)
(誰かに見てもらえますか)
と言えば、きっと、
“Sure. I will send someone over right away.”
(もちろんです。誰かをすぐに手配します)
(もちろんです。誰かをすぐに手配します)
と言ってくれるはずです。
筆者ももちろん長い在米生活の中で、クレームをつけたことはあります。両親が日本からアメリカへ訪ねてきてくれた時に、やはりモーテルのシャワーの具合がかなり悪かったので、こんな言い方で対応した覚えがあります。
“The shower seems to be broken. Can you send someone to fix it?”
(シャワーが壊れているように見えます。直してくれる人を手配してもらえますか)
(シャワーが壊れているように見えます。直してくれる人を手配してもらえますか)
もちろん先に紹介した“Can I have someone take a look at it?”でも通じるのですが、Can you send someone to fix it?”こちらのほうが、直接的な感じです。
“Can I…?”や “Can you…?”の表現はどんな場面でも使えるのでまずは覚えてほしい表現です。
注文したものと違います:"I have ordered a different thing."
さて、ルームサービスを注文したり、レストランやお店で何かこれというものを注文したのに、注文したものとは違うものが出てきた場合はどうしましょう。
こんなことは運の問題もありますが、いつも使いなれない英語で日常とかけ離れて旅をしていますとこういうこともあるかもしれないので、知っておくほうが良いでしょう。
“I ordered a different dish! I ordered the meat sauce spaghetti but this is a shrimp cocktail!”
(これとは違う料理を注文したよ!ミートソーススパゲッティを頼んだのに、これはシュリンプカクテルだ!)
“I have ordered a different colored one.”
(これとは違う色を注文したんだけど)
(これとは違う料理を注文したよ!ミートソーススパゲッティを頼んだのに、これはシュリンプカクテルだ!)
“I have ordered a different colored one.”
(これとは違う色を注文したんだけど)
こうやっていえば、きっとこんな感じで返ってくるでしょう。
“Oh, my mistake! I will get you the right one.”
(あら、私の間違いでした。すぐにオーダーをお持ちします)
(あら、私の間違いでした。すぐにオーダーをお持ちします)
遅れているのですか:"Is it delayed?"
何かが遅れているということは本当によくあります。乗り物が遅れるというのは当たり前なので、アメリカではぜひ日本のような感覚ではいない方が良いです。時間どおりにくると思うとたいへんストレスに感じます。
筆者も長距離バスを待ったときは、なんと5時間くらい遅れました。そうするともちろん到着時刻も遅れますので、それからの予定も狂ってきます。そんな覚悟でいたほうが精神衛生上良いです。
しかも信じられないのが、これでもクレームをつける客がいないところです。案外現地の人は慣れていますので、のんびり待っていたりします。日本の感覚に慣れている日本人の私たちは、やはりクレームをつけたかったり、ちらりと文句を言いたいときもあるかもしれませんので、参考までに紹介します。
“The bus is supposed to come an hour ago. Is it delayed?”
(バスは一時間前に来るはずなんだけど、遅れているのですか)
“Yes, I am afraid so.”
(残念ながら、そうです)
“Do you know when it is going to come?”
(いつ来るのか分かりますか)
“It should come anytime.”
(いつ来てもおかしくないですね)
(バスは一時間前に来るはずなんだけど、遅れているのですか)
“Yes, I am afraid so.”
(残念ながら、そうです)
“Do you know when it is going to come?”
(いつ来るのか分かりますか)
“It should come anytime.”
(いつ来てもおかしくないですね)
こんな感じで、のらりくらりとかわされると、文句を言った側もイライラすると思いますが、大抵の場合謝罪の言葉というのは聞けません。
筆者も色んなことにつけてクレームを入れても、謝罪の言葉が全く出てこないアメリカ社会に腹が立ったことがよくあります。どう考えても会社が悪い場合でも、顧客としてこちらが怒った態度に出ているのに、全くこたえないのです。
訴訟社会アメリカでは、『誤った方が負け』、という数式が成り立っていますので、少しのことでは”I am sorry”は聞けません。
日本では何かにつけて「申し訳ありません」と誰でもすぐに言うので、特にアメリカとの温度差が感じられるでしょう。
堂々と自信をもってクレームを!
さて、いかがでしたか。クレームを英語で伝えられると自信が出てきたでしょうか。
どの国でいても受けられるべきサービスは堂々と受け、クレームをつけなければならない時は堂々とつけたいもの。ぜひこれらの英語表現を使って、やってみてください。
クレームといえども人間同士のコミュニケーションなので、きっと少しくらい英語の間違いがあったとしても、相手は聞き入れてくれるはずです。自信をもって自分の意見を述べてください。
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