角を立てずにやんわり断るときに使える英語表現8選

[公開日]2015/01/14[更新日]2015/04/17

ノーと言えない日本人。英語でははっきりとイエスとノーがあるから、外国人は日本人のように遠回しに答えを言ったり、やんわりとノーをほのめかしたりはしない。外国人ははっきりとものを言うものだ。そういう印象が強いからか、たまに筆者のアメリカ人の旦那といる時、びっくりしてしまうことがあります。

英会話で断る方法

よく、筆者と旦那(アメリカ人)と英語初心者の日本人の方三人で英語で話をしているときに、こんなシチュエーションがあります。まず、うちのフレンドリーな旦那はいろいろ質問をします。

「君は、こういう映画に興味ある?」
「インドの料理は好き?」
「今度、寿司を一緒に食べに行きたい?」

などなど。すると、英語にまだ慣れていない日本人の方で、こういう答え方をする人がいるのです。

「ノー!」

強い否定です。結構この「ノー」を強く言うのです。間にいる筆者は、ぎくりとなり、少し気まずい思いをします。もちろん「ノー」と強く否定されたのは筆者の旦那なのですが、いくら旦那とはいえ彼が傷ついてしまったりしていないかと気をもんでしまうのです。そして、強いノーだけにとどまらず、たいていこういう場合は、その後に何も言葉がないのです。ですので、旦那は

「ではこういうのはどう?」
「タイ料理は食べたことある?」
「生魚は嫌い?」

などと会話を続けるために、探り始めます。そしてようやく気まずい雰囲気を脱して、また会話を始めなければならないのです。

もちろん、うちの旦那は英会話教師なので、こういう日本時の癖に慣れており、全く個人的に傷ついたりはしません。筆者のとりこし苦労であることが多いのですが、それでも「ノー」から会話が途切れてしまい、続かなくなるのに気まずく感じることは多々あるようです。

日本語ほどではありませんが、英語でもやさしく断ったり、「ノー」と言う方法はあります。日本語と比べれば、尊敬語や謙譲語もないですし、相手との立場等を考えずにストレートに物を言うことは確かでしょう。しかし、相手を傷つけてしまうかもしれないリスクは英語にでもあるのです。

英会話に関して初心者のうちは、何かと語彙や表現が少ないのでそういった細かいニュアンスを出すのが難しいとは思いますが、だからといってぶっきらぼうな人と思われるのも損ですよね。できれば、ネイティブと円滑にコミュニケーションをはかりたいものです。今日は、知っていて損はない、角を立てずにやんわりと断りたいときに使える英語表現を紹介します。

Sorry, I can’t go.


まずは、何かの誘いを問いかけられたら、「ノー!」とだけ言うのではなく、「ごめんね、行けない」と言ってみるのはどうでしょうか。日本語で考えても、「ねえ、今度の週末XXへ一緒に行こうよ」と言われて「やだ」とだけ答える人はあまりいないでしょう。

そしてそこで会話が終わってしまうようなら、気まずいですよね。「ごめんね、行けないんだ」くらいは答えられるようになることは必須です。実は、中学英語で十分それが伝わります。

“Sorry, I can’t go”

最初にSorryをつけることで、「ごめんね」「悪いけど」というニュアンスが相手に伝わります。相手もきっと快く、

“Maybe next time, then”(じゃあ、また今度の機会にね)

と言ってくれるでしょう。

I am pretty busy.


“Sorry, I can’t go”(悪いけど、行けない)だけでも良いですが、と言った後に、少しだけ理由のようなものを付け加えれば一人前です。そして、そこから相手も話を自然と広げることができるでしょう。
言い訳としてはありふれていますが、「忙しい」と言ってみるのはどうでしょうか。

“Sorry, I am pretty busy this week”(ごめんね、今週結構忙しいんだよね)

ちなみに、”pretty”は「結構」「とても」という意味があり、よく使われます。仕事で忙しくなかなか時間がとれないことも実際多いと思いますので、知っておけば頻繁に使える表現です。相手もきっと

“Oh, I see. Maybe after you are done with your current project then”
(そうかあ。じゃあ、今やってるプロジェクトが終わったらにしようか)

などと言ってくれるでしょう。

I would love to, but…


「忙しいから」だけではなかなか引き下がってくれない相手にはどう言えばよいでしょうか。ここで役立つ構文があります。I would love to, but… (したい(行きたい)のだけれど。。。)例えば、

“Let’s go to the bar this weekend”(今週末一緒にバーに行こうよ)
“I would love to, but I already have a plan”(行きたいのだけど、もう予定が入ってるの)

という風に使えます。ちなみに、”I would love to”の後に動詞の原型を入れて、会話の内容に合わせることもできます。上の例であれば、こうです。

“I would love to go, but I already have a plan”

内容に合わせて、動詞を”do” “eat” ”dance”など変化させることもできますが、動詞を入れなくても十分通じますので、初心者にとっては一つでも表現が複雑化しないほうが良いですからここでは省略しました。慣れてくればそんなディーテールも追加することで、ますます英語力に磨きがかかってくることでしょう。

I wish I could, but…


先ほどと似た表現にこんなものもあります。

“I wish I could, but I have to see my mother this weekend”
(行けたら良いのだけど、今週末は母に会わないといけないんだよね)

構文のつくりとして、3の表現と似ているので覚えやすいかもしれません。こちらもcouldの後に動詞の原型を入れることも可能です。

“Wish” は、「~と望む」「(現実には不可能であるけど)~であったら良いのにと思う」という意味です。英語独特の概念なので、学校でこの文法に躓く人も多いのではないでしょうか。筆者も、高校のころ”hope”と “wish”の違いがいまいち分からず、”wish”の使い方が良く分からない、という経験をしました。いまいち意味が分からない英語表現や文法も、使っているうちに段々と慣れてきたりネイティブが使っているのを聞いて、「そういう風に使うのか」と腑に落ちてくることもあります。

この表現は比較的シンプルですのでこれをまる覚えして使ってみる、というのから始めてみれば”wish”の意味もマスターできて一石二鳥です。

Sorry, I don’t feel like going out today.


言い訳を並べたり、半ばウソのような話をして断ったりするのが苦手な人はストレートに気持ちを言ってみるのはどうでしょう。

“Sorry, I don’t feel like going out today”(ごめんね、今日は外にでかける気分じゃないんだよね)

ここでも文頭にSorryを持ってくることで、悪いと思っているというニュアンスを含めます。“I don’t feel like XX”で「XXする気分じゃない」という意味になります。例えば

“I don’t feel like drinking”(飲む気分じゃない)
“I don’t feel like studying”(勉強する気分じゃない)

色んなシーンで使えるとても便利な表現です。

I really shouldn’t…


「今日は出かける気分じゃないから」と前項の表現を使って言ったとしても、

“Oh, don’t say that and let’s just go!”(あら、そんなこと言ってないで行きましょうよ!)

と言ってきたらどうでしょう。他にもやんわり断る表現、あるでしょうか。

“I really shouldn’t go out tonight. I have a big plan for tomorrow”
(今夜は本当に出かけるべきじゃないんだよ。明日は大きな予定があって)

“Should”は「~するべき」という助動詞ですが、”not”が加わって否定形になると「~するべきでない」となります。本当は出かけたいけれど、(自分ではない)誰かや何かのために、出かけるべきではない、という表現で、本当は行きたい、というニュアンスが強くなるので相手にとってはポジティブな断り方と言えるでしょう。他にもこんな風にも使えます。

“I really want to, but I shouldn’t. I promised with my son to go to the zoo this Sunday”
(とても行きたいのだけど、するべきじゃないんだ。というのも、日曜に動物園に行くと息子と約束したんだよ)


I really have to…


前項とよく似た表現でこういうのもあります。

“I would love to(want to), but I really have to bathe my daughter tonight”
(行きたいのだけど、今夜はどうしても娘を風呂に入れなければならないんだよ)

“Have to”は”must”とほぼ同義であると学校で教えられますよね。口語では”have to”が圧倒的に多いですので、こんな表現でも使えます。何かを絶対しなければならないから、というのを言いたいときにこれを使いましょう。また、”have to”の後に”really”をつけることで、「本当に」「どうしても」というニュアンスを付け加えられます。

“You have to do what you have to do”(しなきゃいけないことは、しなけりゃだもんね)

ときっと相手も言ってくれることでしょう。

I will think about it.


誘われて、本当はノーと言いたいのだけど言えなかったり、本当に今は行けるかどうかわからない、というような時にはこの表現が役立ちます。すぐに決められない優柔不断な筆者はこの表現をよく使っていました。例えばこんな感じです。

“Do you want to go out after work with everyone?”
(仕事の後で、皆で遊びに行かない?)
“I have some things to do tonight but I will think about it”
(今夜はやることが少しあるのだけど、考えてみるわ)
“Ok, let me know when you decide”
(オッケー。じゃあ決めたら教えてね)

“I will think about it”で「考えてみる」という意味になります。これと同じような意味で “Let me think about it”(考えさせて)もよく使われる表現です。今すぐには答えを出せない、出したくないときは、とりあえずこれを言っておきましょう。初心者は何かとすぐにイエスかノーかを言わないとダメと思ってしまい、即座にその場で考えて、言ってしまった答えにしばられることもしばしば。

自分をストレスでがんじがらめにしないためにも、とりあえずの英語表現を知っておくことでコミュニケーションにも余裕が生まれます。

角を立てずにやんわり断るときに使える英語表現 まとめ


さて、いかがでしたか。今すぐ使える表現がいくつかはあったのではないでしょうか。これらは全て、簡単な英語表現ですのであまり考え込まずに使えると思います。異文化の人と外国語でコミュニケーションをとることはなにかと難しいですし、誤解を招くこともあります。イエスやノーを言うのは時に難しかったりもしますが、キーはとにかく慣れること。

これらの表現を使ってみて、ぜひ慣れてください。そして語彙な表現を増やしていきながら、自分なりの細かいニュアンスやディテールを表現できる力を培えば、円滑にコミュニケーションを図れることは間違いありません。