初心者が押さえるべき1000通貨単位で取引できるFX会社

[公開日]2015/03/11[更新日]2015/04/17

1000通貨単位のFX会社


資金が1/10で済む「1000通貨単位」の意味


「1000通貨単位から取引できる」。そのようなFX会社の広告は少し前から経済誌やネット上で見られるようになりました。FX会社の中には1通貨単位から取引できるものもあります。最小投資額を小さくするというFX会社の決断は、FX業界だけでなく投資初心者にとっても良い影響をもたらすはずです。特に、初心者にとってはハードルがとても下がる事はメリットです。

どれだけハードルが下がるのかは具体的に分かっています。ズバリ、1/10の高さになるのです。1000通貨単位でのトレードに対応しているFX会社を使えば、レバレッジを最大までかけた場合、通貨ペアにもよりますが1トレードあたりわずか4~5000円ほどでFXトレードが行えるようになります。

1000通貨単位で取引できることによって必要になる金額は具体的にどれくらいになるのでしょう。1ドルが120円だった場合、10000通貨単位を購入する際に日本国内での限度であるレバレッジ25倍で運用したなら、証拠金は最低でも48000円必要でした。必要証拠金は以下の計算で求まります。
必要証拠金=為替レート×通貨数÷レバレッジ倍率
これが、1000通貨単位ならその1/10、わずか4800円で済むようになるのです。

通常は10000通貨単位が基本


はじめてFXトレードを行う初心者の方は、その金額的なスケールの大きさに驚かれると思います。扱うお金の単位や額がすごく大きいからです。これまでのFXトレードでは10000通貨単位が最低売買単位でしたので、例えば米国ドルを10000通貨単位売買するということは、1万ドルを売買するわけです。

1万ドルが日本円に換算していくらになるか、ピンとこないかも知れませんが、1ドルは100何円とかニュースで報じられているのを耳にしたことはありませんか?本記事掲載時点では1米国ドルが120円ほどです。1万ドルということは、その1万倍。日本円にして実に120万円もの大金なのです。

「1回のトレードで120万円もやりとりするなんて。」そう考えて尻込みする人は少なくありません。120万円も出したらクルマが一台買えてしまいます。日々クルマを売ったり買ったりするほどお金を動かすなんて、とてもじゃないが手は出せない。普通ならそう考えてしまうでしょう。

かつて、投資と言えば比較的お金が沢山ある人たちだけのものでした。現在ではインターネットやスマートフォンの普及と通信コストの低下によって、誰もが簡単にオンライン証券を利用することができるようになりました。制度上も特定口座や税制改正によって、一般の人も気軽に投資を行える環境が整いつつあります。とは言え、勤勉実直に働くことが美徳という価値観を持つのが日本人。不労所得に対する風当たりは決して弱くなってはいませんが。

それはさておき、投資人口は確かに増えましたがそれ以上にオンライン証券も乱立状態です。はっきり言えばFX会社などは薄利多売もいいところです。競争激化による部分も大きいですが、FXの顧客は個人投資家がメイン。投資というより投機的なFXでは大量の資金を運用してくれる機関投資家は集まりにくいのです。

もちろん、大口投資家だけを顧客としているFX会社も一部にはあり、そのようなFX会社では50000通貨単位が最低単位といった大きい単位でしかトレードが出来なくなっています。

FX投資へのハードルがとても下がる「1000通貨単位」


競争が激化しているFXが業界では、新しい投資家を呼びこむために敷居を下げる必要がありました。

大口投資家はFXが解禁になる前から投資を行っている上、新規に参入してくる人の多くは一般のサラリーマンや主婦といった余剰資金をたんまり持った大金持ちなどではないからです。

そうした個人投資家の方々は、へそくりやボーナスの残りなどといった余裕資金を運用するのが一般的です。金額も数万円から数百万円程度。投資の世界からすれば「わずかな」金額です。また、本業が多忙だったりするので、それをシステムトレードなどの自動トレードを使って何度も取引することで複利運用したいわけです。一方のFX会社も、一回あたりの手数料はわずかでも、何度も取引してくれることによって利益を積み上げることが出来ます。

そうした人たちをFXの世界に呼びこむためには、敷居を下げる必要があります。そのため、従来は出来なかった「1000通貨単位」などの少額投資を始めるようになったのです。マーケティングの匂いはするものの、システムとして折角用意してくれたものですから、それを利用しない手はありません。

ここでは特におすすめなFX会社をいくつかご紹介します。

1000通貨単位でトレードできるFX会社一覧



米国ドルスプレッド 売買手数料 通貨ペア数 おすすめ度
SBI FXトレード 0.27銭 0円 12通貨ペア 5
みんなのFX 0.4銭 0円 16通貨ペア 4
外為ジャパン 0.3銭 0円 15通貨ペア 4
外為どっとコム 0.3銭 0円 20通貨ペア 5
JFX 0.3銭 0円 24通貨ペア 5
ヒロセ通商 0.3銭 0円 50通貨ペア 5

SBI FXトレード

業界最低水準のスプレッドが魅力なのがSBI FXトレードです。こちらはなんと1通貨単位から取引が可能です。最大で1000万通貨単位まで対応できる、初心者からプロまでカバーするFX会社でもあります。

みんなのFX

変わった名前のFX会社ですが、新しい金融商品をいち早く世に広めることで有名な会社です。1000通貨取引をことさら取り上げているので特殊な扱いかと思うかも知れませんが普通に1000通貨から取引が可能です。

外為ジャパン

FXが「外為証拠金取引」と呼ばれていた頃からある老舗FX会社です。全通貨が1000通貨単位から取引できます。老舗らしく、行き届いた24時間電話サポートも魅力です。

外為どっとコム

こちらも外為ジャパンと並んで老舗中の老舗です。豊富なキャッシュバックキャンペーンを常時行っています。外為オンラインと並んで「外為3社」と呼んでもよいかも知れません。スプレッドは最低水準でスワップ優遇キャンペーンなども随時行っています。

JFX

スプレッド競争の一翼を担っているのがJFXです。この会社はなんと24通貨ペアというマイナー通貨好みの人には御用達と言えるFX会社です。

ヒロセ通商

老舗中の老舗、ヒロセ通商はJFXをはるかに上回る50通貨ペアに対応してます。その上、スプレッドも業界最低水準。豊富な取引ツールもありますが、種類が多すぎて迷うほどです。

やはり初心者は少しずつ慣れるべき


ここからは、1000通貨単位に関するメリットやデメリットについてのお話です。

1000通貨単位で取引できることは、心理的な不安を和らげてもくれます。投資を始めた瞬間、投資家はすでに含み損を抱えています。手数料がかかるからです。手数料はわずかな金額かも知れませんがそれでも何かものが買えるほどの金額ではあるわけです。FXではスプレッドがあるため、エントリーした瞬間にはスプレッドの分だけ含み損が出ます。

初心者投資家だけではありません。投資歴が長くてもなかなか勝てていない人は含み損がでることに慣れていないといえます。もし、10000通貨単位やそれ以上で取引を行っていて、為替の急変動が起こったりすれば、一瞬で何万円、何十万円、何百万円もの含み損が出ることにもつながります。最大レバレッジでポジションを建てていたなら、ロスカットされて即終了という事だってあり得ます。

含み損を割りきって考えることができない理由は、含み損の金額と現実世界で使える「お金」としての金額を分けて考えることができないからです。損切りするということは、それだけの「お金」を失うのとイコールだからです。

含み損はストレスにもなります。ずっと含み損を抱えていると気が気じゃなくなります。やがて、含み損を持ち続けていると正しく状況判断することにも悪影響が出てくる場合もあります。夜寝れないといったことにも繋がります。

1000通貨単位でのトレードは、そうしたダメージを和らげてくれます。損切りしても数千円で済むと思えば「痛い授業料だった」と割り切ることの容易さも高くなるでしょう。それが数十万円だと「痛い」と思ってしまうのです。損切りの「痛み」に1000通貨単位で慣れておくというのは有効です。、

投資の楽しさが広がる


1000通貨単位で取引できることは、何も損切りしやすいばかりではありません。いろんな国の通貨をちょっとずつ購入して保有することも容易にしてくれます。多くの通貨ペアを保有していると、いろんな国の通貨がどのように連動しているか、連動していないかが分かるようになります。

保有通貨の発行国への興味も湧いてくるかも知れません。スイスの通貨がフランだったことや、ユーロに対して通貨防衛していたこと、通貨防衛をやめたとたんに急騰したことなども、フランを運用していれば当然のように目に入るニュースでしょう。遠い国への理解も深まります。その国へ旅行したいという気になるかも知れません。

また、多くの通貨を保有していると、損失リスクを限定する「ヘッジ」にとっても有効です。先ほどのユーロとフランのように、綱引き関係にある通貨を保有することで、一方では暴落しても一方では急騰することになるからです。

可能性も広がります


楽しさばかりではなく可能性も広がります。まず、資金が少なくても両建が容易にできるでしょう。例えば、今あなたはドルの上昇に賭けてはいるものの、悪いニュースが出そうな気配なので一時的に損失を限定したい。そんな時には売りポジションを新たに建てることで、損失を回避出来ます。何事も起こらずに済めば売りポジションだけ手仕舞いすればよいわけです。少ない資金でこんなことができるのも、ちょっとずつ取引できるからこそです。

一方ではデメリットも


ご紹介したFX会社の中にはありませんでしたが、取引する通貨単位が少ない場合には手数料が別途かかるFX会社もあります。取引ツールが使いやすいなどの理由でそうしたFX会社を使う事も出てくるでしょう。ただし、売買額が小さいため手数料の金額もとても小さいものになります。

取引総額が小さいうちは手数料を気にすることはないでしょう。ただ、金額は小さくでも率で考えると大きくなります。それ以上に「手数料がかかるから」という理由で注文を躊躇してしまう事の方が怖いのです。特に損切りを急ぐ必要がある場面ではそうです。

トレードに慣れてきて頻繁に取引するようになったら、手数料がかからないFX会社でトレードするか、通貨単位数を上げて手数料がかからないようにすることを検討した方がよいかも知れません。