「FXでの儲け方」等の情報商材を信用しても良いですか?

[公開日]2014/12/13[更新日]2015/04/17

FX情報商材と儲け方

《質問内容》
FX取引のご経験がある方々に質問です。私はFXを初めてから3ヶ月ちょっとの初心者です。ですが、既に30万円近い損を出してしまいました。取引方法は、チャートだけを見て取引するテクニカル取引です。

FXを始める前からも、新聞や投資関連の雑誌などはたくさん読んでいましたし、現在も読んでいます。ネットでも情報収集は頑張ってやっていこうと思っています。最近、ネットで投資の秘策を授けるといった投資顧問のような人のページを見かけました。自分は充分儲けたから、限られた人に自分の知識を分け与えるとか、そんな感じです。

こういう人の情報はアテになるものなのでしょうか?勝てないまでも、他に何か見ておいた方がよい情報源はありますか?自分には投資センスがないのかも知れないとも思い初めています。よろしくお願いいたします。

《回答》
まだ初めて間もない初心者ということで、負けているから何とかしたいということかと思います。このまま続けていたら、損は膨らむばかりなので、進退を測りかねているということもあるのかも知れませんね。

負ける原因を克服出来たなら勝てるはずですが、その原因が情報不足や情報源の質によるものなのか、迷われてもいるのだと思います。

「 投資の秘策を授ける」系の情報源


「投資の秘策を無料で授けます」とか、「無料でDVDをプレゼントします」という類の情報は数多くあります。大手ポータルサイトなどでも広告を見ることができるので、信憑性が高いように思えるかも知れません。無料でもらえるならと、情報請求してみようという方は少なくないと思われます。

ですが、よく考えてみて下さい。

その情報をもらう側は無料かも知れませんが、提供する側はコストがかかるのです。たとえば、広告を大手ポータルサイトなどに掲載しているわけです。出稿には掲載期間やスペースに応じて広告費がかかります。

独自ドメインのWEBサイトを用意した場合には、サイトのレンタル料に加えてドメインの維持費もかかります。メールマガジンの場合にも数千通単位で費用がかかります。同時送信数が増えれば、それだけコストも増えます。

それらのコストには消費税だってかかるのです。本当に親切心から、それらのコストを負担しながら、投資の秘策を授けたりするものでしょうか?慈善にお金を使いたいのであれば寄付でもすればいいはずです。その場合には非課税です。

つまり、無料を謳ってはいても、どこからか利益を得ているということになります。とはいえ、それが即、信憑性がなかったり、詐欺だったり、というわけではありません。有償の情報を販売することで利益を上げているのかも知れません。

投資は、味方が多いほど有利です。ある情報を売って、情報を販売している人も同じ情報に従って売買すれば、勝率は上がります。自動売買ツールやシステムトレードツールを販売するのも、似たような動機によるものです。

また、純粋に情報だけ販売している場合も考えられます。投資は少なからずリスクがあるものです。そうしたリスクは情報を売った相手だけに任せて、自分は情報分析・収集・販売だけに専念するのです。情報分析には長けていても、リスクコントロールに自身がないという人はいるはずです。そのような人にとって、情報販売が向いているのかも知れません。

一方、本物の詐欺まがいの情報も少なからず存在します。そのような人や団体も、無料情報提供だけではやっていけないので、有料の情報やツールなどを販売しようとします。

詐欺の場合には、ニセモノを売りつけることになるので、物事を見極められる確かな目を持つ人を排除する必要があります。そのため必ず、普通の人が見れば矛盾にしか思えないような宣伝文句や、誤りのある売り文句を散りばめたWEBサイトやメールマガジンを用意しています。

延々とメリットを説いているようなWEBサイトを見かけますが、上記のような理由で、モノを見る目が確かな人を排除しつつ、確実に騙せる人だけを選別していると言えます。ですから、そのようなサイトやサービスに頼る場合には、書かれている宣伝文句が理論的にあり得るのか疑ってかかることが大事です。

FXに限らず投資には必ず存在しているはずのリスクについて一切触れることなく、延々とメリットしか述べていないようなサイトは、それだけで無視してよいとさえ言えます。そして、そのようなサービスを利用するとき、実は無料で情報を入手しているのではなく、メールアドレスや住所氏名などの個人情報を、こちらから提供しているとさえ言えるのです。

他に見ておいた方がよい情報源 ニュース


世の中には投資や外国為替に関するWEBサイトや書籍などが数多くありますが、FX投資を行う上で、新聞ぐらいは読んでおいた方が良いでしょう。その時々の為替変動と世の中の雰囲気・出来事などがどのようにリンクしているか、知っておいて損はありません。

もちろん、紙の新聞でなくて、今ご覧になっているようにWEB上のニュースであっても良いでしょう。コストをかけないという意識をもつことは、生活全般だけではなく投資においても重要です。テクニカル分析だけでFX投資を行うとしても、時としてイレギュラーな値動きというものは存在します。世の中で起きている事件などに為替が連動することも少なくありません。

事件や事故は予測不可能なものですが、政治や国際関係となると話は別です。国同士の紛争には必ず政治的緊張やその国内での動乱などといった予兆があり、多くの人が予兆を感じ取ることで市場は反応します。そして地政学的リスクが高まると、当事国から資金逃避などが起こりやすくなります。これは為替についても同様です。

そうした情報の多くは新聞を通じて多くの人に読まれます。多くの人が目にするメディアは、それだけ多くの人が投資商品を売買するきっかけになり得ます。投資は美人投票とよく言われます。多くの人が美人だと思う人に投票すると、投票結果が予想通りになりやすいというわけです。これは、情報媒体についても同じことが言えます。

新聞以外では、いくつかの証券会社が提供しているニュースを見ると良いでしょう。証券会社のWEBサイトや取引ツール上で、見ることが出来ます。そして何より、新聞は有料ですが、こうした情報は無料で見ることが出来ます。証券会社の口座開設は無料で行えますし、口座開設しなくてもニュースだけを見ることが出来る証券会社もあります。

証券会社が提供するニュースは為替や証券市場に関するものについて、とてもよくまとめられているので、色々なサイトを見て回る必要もありません。

いくつかのニュースサイトを見ると分かると思いますが、異なる証券会社であっても同じニュースを見つけることが出来ます。それはニュースの提供元が同じだからです。ですから、1つか2つの証券会社が提供するニュースだけチェックしておけば良いでしょう。

他に見ておいた方が良い情報現 過去の為替チャート


そのほかに見ておいた方がよい情報源があります。それは、過去の為替チャートです。テクニカル分析をされているということなので、過去のチャートはご覧になっているかと思いますが、数週間、数ヶ月前だけではなく、時には数年前にまで遡って見ておいて損はありません。

数ヶ月の範囲内で見ればとてもそこまで値動きしないだろうと思えるような為替水準であっても、範囲をちょっと広げるとそれほど珍しいことではないと分かるでしょう。為替チャートで狭い範囲だけ見続けるということは井の中の蛙になりやすいので注意が必要です。

また投資仲間などの知り合いなどからの情報も、客観性がないので注意した方が良いでしょう。

ご自分が得た情報は、全て裏を取ろうと思うぐらいの勢いが必要です。少なくとも匿名掲示板の情報のみを鵜呑みにして売買するようなことはすべきではありませんし、上手く行ったとしても、同じ情報源に巡り会える確率は果てしなく低いと言わざるを得ないでしょう。

「FXでの儲け方」信用しても良いか まとめ


FXを含む投資には、情報源の優劣だけではなく、ある程度のセンスが必要です。そして、センスがあるかないかは一朝一夕には分かりません。経験を積むことによって、センスを磨くことも出来ます。初心者にセンスがないのは当然なので、センスがないのかと気に病むことはないと思います。ですが、センスがないうちから積極的な取引を行うのはよくありませんので、抑えめの取引を心がけるのが鉄則です。

センスは、情報源を選別するにも必要ですが、こうした場合でも徐々に磨かれていきます。個人的な感想ですが、センスとは投資したお金と生活を切り離して考えることが出来ることのように思えます。すると、躊躇なく損切りが出来るようになります。損切りが出来ないと、いざという時に逃げられないばかりかチャンスも逃してしまいます。

こうした意識を持つために、投資の基礎の本をいくつか読まれることを強くオススメします。ただし、特殊な投資法や何億儲けただのという体験談ばかりの本は役に立ちません。結果として勝ったというだけの話は、未来においてずっと通用するとは限りません。

それよりもっと、為替とはどういうものかを解説した本や、経済に関する本を読まれると良いでしょう。そうして得た知識は投資を行わないとしても無駄にはなりません。情報を集めて勉強していくうちに、明らかに誤った情報を見分ける能力や、何か不自然な値動きだと察知することが出来るようになるかも知れません。そうしたことが、勝率を上げることにつながってくるわけです。

情報源の話にも一部は通じることなのですが、もしご自分がちょっとでも疑っているなら、それを元に売買しないことです。勝てばいいのですが、負ければ後悔ばかりが募ってしまいますので、注意が必要です。