初めてのFX投資金額はいくらですか？

《質問内容》

最初に投じた投資資金

まず、『初めてFXをするときに用意した投資資金の金額はどれくらいでしたか？』への回答です。筆者は、開始当初に投資資金として３０万円以上は絶対に使わないと決めて、その３０万円をFX証券口座に入金したのが初めてでした。

自分の場合は、ずっとサラリーマンをやっていて現在もサラリーマンなのですが、マンションのローンも繰り上げ返済するなどして支出削減に努めていたおかげで、ある年のボーナスがほとんど手付かずのまま、１年間ほど銀行口座に残っていたことがあったのがきっかけでした。

新聞やニュースを見るのが好きでFXに興味を持っていました。経済の動きなどもわかっていた気がしていたので、空き時間や休日に「自分の知識の力試し」としてちょっとのつもりで始めました。

始めたときの投資資金の結末

リーマン・ショックが起こる１年前の夏に、豪ドルをメインに始めました。その後の１年間は一進一退といった感じで、大勝ちもなければ大損もなく、当初資金もほぼそのまま残っていましたが、翌年の秋に発生したリーマン・ショックの影響をもろに受けてしまいました。リーマン・ブラザーズが破綻する一週間前には３１万円ほど口座にあったのですが、その後、わずか１ヶ月の間に、３０万円などあっという間に溶けてなくなってしまいました。

FXを始めるとき、外貨預金とFXとで迷ったのですが、レバレッジを使って大量の取引を行い、１日に１～２万円稼ぎたい、などと考えてFXを選んだこともあって、平均レバレッジは２０倍を超えていました。そこに起きたリーマン・ショックの余波を食らってロスカットされてしまったために、あっけなく資金がショートし、さらに追証に見舞われてしまいました。追証は３万円ほどでした。

追証を入金したあとは、すっかりFXはやめてしまっていたのですが、そこでFXを辞めずに「今が底」だと考えて、リーマン・ショックが落ち着いたように見えた翌年に再度エントリーしました。次の質問への回答も含みますが、この時にも３０万円を追加で投資しました。

初めて投資した金額を決めた理由

ですが、今度はレバレッジが１０倍を超えないように自己規制しながら取引するように気をつけるようになりました。初めて投資する金額は、自分のように副業や運試し的に始める人は、１０～５０万円程度ではないかと思います。

FX会社では口座開設や初回取引を行うとキャッシュバックしてくれるキャンペーンなども行っており、５０万円もあれば余すところなくキャッシュバックを受けられる場合が多いからです。自分の周りでもFXをやっている人は数人いますが、みなさんどういうわけか、初回投資金額は３０万円だったそうです。

自分の周りでFXをやっていた人たちのボーナスは８０～１００万円程度でしたので、その半額以下でキリのよい金額だからではないかと推察します。自分の場合はそんな感じで金額を決めたからです。

始める動機によって金額は大きく異なる

ですが、FXの雑誌か何かで読んだのですが、FXで一旗あげようとして、結果として大成功している人の中には、数百万円貯まるのを待って会社を辞めてFX専業になったという人もいます。

そういう人は、会社を辞めるまでFXをやったことが無いのかというとそうではないようで、デモトレードや独自に作ったシミュレーターを使ってバックテストという過去の値動きデータを検証して投資手法を確立するということを行っているようです。

どんな経済情勢になってもFXでやっていけるという根拠が得られたとき、そのために貯めた資金を元でに専業として独り立ちする、というわけです。こうした人は、生活に必要ない余ったお金ではなく、会社を立ち上げる資本金のように資金を捉えています。会社もFX専業も同じで、資本金がなくなれば倒産だからです。

FXに投資したお金は、お金であってお金では無いと捉えているので、損切りもためらうことなく行えるのだとか。

投資資金を増やしたり減らしたりする時

つぎに、『どんな風に資金を増やしたり減らしたりしましたか？』についての回答です。自分の場合は、前に述べました通り、一度資金が尽きてしまい、再度戻ってきたときに初めて追加資金を投入しました。前回失敗した時と比較するために、敢えて同じ金額の３０万円を投資しました。

その後は、余剰資金が１００万円を超えたときに、気分やFXの成績が良ければ１０～３０万円ずつ追加で投資したことが数回あります。また、追証によっても資金を追加で投入したことも幾度かあります。この場合はギリギリの金額だけにする場合がほとんどで、数千円から数万円の幅です。

投資資金を増やすことは多いのですが、減らすことはほとんどありません。FXに投じた資金はお金ではないという意識を持っていることが一番の理由です。

恐らく、生活が苦しくなればポジションを整理して出金したり、口座を閉じたりしてしまうのでしょうが、今のところはそれほど追い込まれたことはありません。お金が必要なことはありましたが。

投資資金を減らさないように気をつける

自分の周りでFXが絶好調な人が一人います。その人も本業はサラリーマンですが、定期的に利益の一部を出金して、マンションのローン返済に充てているようです。利益が５０万円あれば、２５万円出金する、といった具合です。

投資資金を減らすと、利益を出すのが大変になります。同じ１万円の利益を生み出すにも、１００万円の資金を使うなら１％分の利益になりますが、５０万円の資金となった場合には２％分の利益を出さなければならなくなるからです。

無理せず運用することで、利益を追求しすぎて引き際を見誤るといったことがなくなる、だから負けにくくなるのだと言っていましたが、その通りだと思っています。

欲しい利益を前面に出さないのがコツ

自己資金に関係なく、「俺は１日に○○万円ずつ利益を狙う」という人もいます。このように考えてしまうと、上で述べたように、よりシビアな条件で戦うことを余儀なくされます。例えば、あと１０００円で目標利益達成という時に、為替レートが反転してしまったとします。目標額が頭の中にあるので、そこで利益確定せずに再び含み益が乗るまで待ってしまいます。

そこまで狙い通りになれば良いのですが、そうならなかった場合にはその時点ではあった利益を手にすることが出来ないばかりでなく、含み損になる場合はとても多いのです。

為替がその人の希望通りに動くということなど絶対にありません。前場は２円の円安、後場は３円の円高といったことが起こる可能性もゼロではありません。含み益を確実に利益確定できることの方が大事です。一度も含み益が乗らずに終わってしまう日だってあるからです。

利益を伸ばすためにはレバレッジを抑える

含み益がちょっとでも乗ったからといってすぐに利確してしまっていたら、大勝ちを手にできないと思われるかも知れません。大勝ちするためには、２通りの方法があります。ひとつは大量の資金を使って安全に僅かな利ざやを抜くことと、もうひとつはわずかな資金を使って長期に運用して、含み益を伸ばすことです。

前者は楽な投資法です。０．１％の利益でも、投資資金が１０億円なら１００万円にもなります。０．１％などちょっとした変動があればよく、実に簡単に利益が出せるでしょう。

後者は大変です。長期投資ということは、利確するまでその資金は再投資できないということになります。前日の利益を再投資することで得られる複利効果も効きません。１年間かけて１０％の利益が乗っても利益率は１０％です。日々０．１％だとしても毎日利益が出せれば、１年後には１０％の利益どころではありません。

ですが、自分も含めて誰もが最初は大金を投資するなんてことは出来ません。そのため、地道に利益を伸ばして投資資金を増やす戦法と採っています。それを可能にするためには、レバレッジをできるだけ低く抑えておくことです。

事件や事故による相場の急変があっても、レバレッジが低ければ問題ありません。円安に賭けて読み通り円安に進んでいる間、安心して保有できます。もちろん、読みが外れた場合はいち早く損切りし、逆の方に賭ける勇気と素早い判断が必要です。

投資資金を増やすために入金する

できるだけ投資資金が多い方が、楽に勝てるということはお分かり頂けたかと思います。追証など止むに止まれぬ事情はともかく、生活に支障がなければ、投資資金を増やしたいと考えています。

理想は、FX取引だけでどんどん資金が増えていくのが理想です。毎日たった０．１％の利益でも、半年もすれば元金の１１０％程度には増えているはずです。ですが、複利効果は当初資金が大きいほど大きく効いてくる計算方法です。

日々の投資が楽になるために、不定期で入金します。自分の場合はボーナスなどが入った後で、１０万円～３０万円ほど追加入金する場合があります。必要なものを買ったり、各種保険料を前納したりした上で、それでも余剰金があるときだけ、入金しています。でないと、生活が苦しくなり、FX口座から出金しなければならなくなります。

目的は「ゆとりあるFX投資」なので、そのために生活苦になっては本末転倒なのです。