FX業者レバレッジを比較、初心者におすすめしたい入門FX会社

[公開日]2014/12/09[更新日]2015/04/17

レバレッジの上限は決まっています

FX会社レバレッジを比較

FX取引を始めとして、「証拠金取引」と呼ばれる金融取引では、「レバレッジ」が利用できます。レバレッジとは、投資の原資以上の金融商品を購入できる仕組みです。商品先物取引などに古くから利用されている仕組みであり、株式の信用取引、FX、指数先物などのデリバティブ商品で利用できます。

本来は農作物や鉱物資源そのものである「現物」を売買している生産者が、生産時期と販売時期のズレから生じる価格変動リスクをヘッジ(減殺)するために考えだされた仕組みです。

現在の金融取引におけるレバレッジは、現物資産を持たない人がリスクを余分に取る代わりに利益も多く得ようとするための手段として使われることがほとんどです。

レバレッジは際限なく上げていくと、支払い能力をはるかに超えた取引が行えてしまいます。現物取引なら価格がゼロになること以上の損失はありませんが、レバレッジをかけた取引の場合には原資を全て失ってもまだ損失の穴埋めが出来ない状態が起こりえます。

これが追加証拠金、略して「追証」なのですが、余裕資金だけで運用していたつもりでも、自宅を手放さなければならないほどの追証を抱え込むことが可能となってしまいます。

それを防ぐために、日本国内においてレバレッジには上限が定められています。また、商品先物などにおいては建玉数の上限が設けられています。日本国内のFX規制は最大25倍までとなっており、400倍などのハイ・レバレッジで営業しているのは海外FX会社ということになります。

レバレッジ規制は強化の歴史


今では25倍までとなったレバレッジですが、日本国内のFX会社であっても過去には100倍を超えるレバレッジが利用出来ました。ですが、資金力を超えた取引を簡単に行えてしまうために投資家保護を目的として、年々規制が強化されてきました。

2010年8月には最大が50倍まで、翌年8月には現行の25倍までと段階的に規制強化されてきました。

当面のレバレッジ規制はこれで完了ですが、為替相場の乱高下で損失を被る投資家がまた急増するようなことがあれば、再度の規制強化の動きも出かねません。

ですが、一方で過度のレバレッジ規制は為替流動性を失わせることもなるので、それはそれで深刻な影響が出る可能性があるため、規制にも慎重という側面もあります。勝っても負けても、市場には流動性、つまり買いたい時に買うことができ、売りたい時に売ることが出来るということも大事なのです。

ある商品に1億円などの値段を付けるのは自由ですが、手放したい時に誰も買い手が付かずにどんどん値下げしていった結果、1000円でやっと売れたということになれば、そのモノの価値は実は1000円分しかなかったという事が起こり、時価総額というものがアテにならなくなってしまうのです。

そして、レバレッジを規制すると投資家自身だけでなく、取引量が減ることによってFX会社の利益も目減りしてしまいます。FX会社としては、投資家に退場して欲しくない一方、投資家にはハイ・レバレッジで取引して欲しいというジレンマを抱えています。

ハイ・レバレッジのもう一つのメリット


ハイ・レバレッジであるということは、わずかな資金で大量のポジションを持てるということですが、別の使い方をすればもうひとつのメリットを享受できます。

それは、ロスカットにかかりにくい、ということです。

ハイ・レバレッジのFX会社を使い、あまりレバレッジをかけないよう少ないポジションで取引を行うと、低いレバレッジしか認めていないFX会社に比べて、ロスカットになるまでのゆとりが多く取れるのです。

同じ原資、同じポジションを最大レバレッジ10倍のFX会社と100倍のFX会社で持っていたとすると、最大レバレッジ100倍の会社の方が、証拠金率にして10倍もの余裕があります。

ポジションを建てていたときには証拠金率の範囲内であっても、為替変動によってポジション価値が毀損すると、証拠金率は下がります。FX会社や投資家自身が設定したロスカット水準を一瞬でも割り込んでしまうと強制ロスカットされてしまいます。

それを防ぐために、設定マージンを割り込むと「マージンコール」と呼ばれる警告が発せられ、そのまま値を戻さず放置しているとロスカット発動ということになります。

ですが、スイング派やスワップポイント派の人にとっては、長期運用前提なので、一瞬の為替変動でいちいちロスカットされていたのではたまりません。

こうした方にとって、最大レバレッジが高いFX会社は比較的安心して放置出来るわけです。もちろん、証拠金率限度いっぱいまでポジションを建ててしまうと、意味が無いので注意です。

国内FXのほとんどがレバレッジ25倍をサポート


規制が一段と強化されたことにより、FX会社ごとに最高レバレッジを選択する余地が少なくなったためか、国内FX会社のほとんどがレバレッジ25倍まで(必要証拠金率4%)となりました。

それ以上のレバレッジで取引するためには、海外のFX会社を利用するという方法があります。海外のFX会社には日本の規制当局の手が及ばないというリスクはあるものの、しっかり会社を選べば取引上、問題となるようなことはありません。

海外FX会社を選ぶ際には、レバレッジの高さ以上に、信託保全度や外部監査機関の有無、なにより金融免許を有しているかどうかが最重要ポイントです。

いくらハイ・レバレッジで利益を上げても、無事に出金出来なければ意味がありません。

これから、25倍以上のハイ・レバレッジ取引が可能な海外FX会社の中で、日本語による取引が行え、資産の保全状態が良好であり、入出金トラブルが報告されていない優良な会社4社と、レバレッジに関して特筆すべき特徴を持つ国内FX会社1社をご紹介します。

Pepperstone

http://fxp.pepperstone.com/

オーストラリア証券投資委員会(ASIC)から許認可を受けて営業している海外FX会社の一つがPepperstone(ペッパーストーン)です。Pepperstoneの魅力は、なんと言っても最大400倍というハイ・レバレッジでしょう。外部監査を受けており、業務内容には常にチェックを受けている大手金融ブローカーです。

Pepperstoneには2つの口座タイプがあります。取引手数料が無料になる代わりにスプレッドが0.3pipかかる「スタンダード口座」と、取引手数料がかかる代わりにスプレッドが0.1pipしかかからない「レーザー口座」の2種類です。

スイング派やスワップポイント派で比較的取引回数が少なく、ポジション保有期間が長い投資家にはスタンダード口座、少ロットでのスキャルピング取引を行う投資家にはレーザー口座が良いのではないかと思われます。

そして、インターバンクサーバへ直結できる回線を有しているため、スムーズかつ公正な取引が可能となっている点も高いプラス要因と言えるでしょう。

AXITRADER

http://axitrader.com/jp/

オーストラリアに拠点をもつ海外FX業者をもう1社ご紹介します。メタトレーダー4という有名な取引ツールを利用出来る会社がAXITRADERです。

オーストラリアASICから許認可を受けて営業しているFX業者で、最低必要証拠金は200ドルからとなっています。メタトレーダー4は、他の多くのFX取引ツール同様、証拠金維持率をリアルタイムで把握することができ、ハイ・レバレッジになるにつれて「危険である」といった表示を行ってくれます。

AXITRADERの最大レバレッジは400倍。適切なポジション管理を行うことで、ロスカットのリスクを激減させることが出来ます。

DUKASCOPY

http://www.dukascopy.com/swiss/japanese/forex/trading/

スイスに本拠を持つFX会社がDUKASCOPY(デューカスコピー)です。10万CHF(10万スイスフラン=約1140万円)までの保証金プロテクションがなされ、安全性の高い海外FX会社の一つです。

DUKASCOPYも日本のFX会社には無いハイ・レバレッジが魅力です。英ドル、米ドルでは30倍のレバレッジが、他通貨では100倍のレバレッジでの取引が可能となっています。

また、口座開設後に別途申請することで、200倍での取引も可能となるようです。

FXDD

http://www.fxdd.com/mt/jp/

メタトレーダー4などの取引ツールで名前が広く知られている海外FX会社の一つがFXDD GLOBALです。FXDDは地中海に浮かぶマルタ島を有するマルタ共和国に本拠を置いているFX会社です。

マルタ規制当局の規制に従って健全なFX仲介業を営んでいる会社です。マルタ金融庁、EU金融商品指令(MiFID)にも完全準拠を謳うなど、信頼性の高い会社と言えます。FXDDのレバレッジは、取引を行う通貨ペアや取引ツールにもよりますが、最大200倍までのレバレッジが可能となっています。公式サイトでは確認できませんが、公式ブログやデモトレードで確認することが出来ます。

楽天FX

https://www.rakuten-sec.co.jp/web/fx/

楽天市場でお馴染み、楽天株式会社の傘下である楽天証券が手がけるFXサービスが、楽天FXです。

この会社は日本国内のFX会社であり、日本のFX規制を受けているので最大レバレッジは25倍までに制限されているのですが、特筆すべき特徴として、投資家が自分でレバレッジの上限を決めることでリスク管理を行うことが可能になっています。

レバレッジの最大倍率に応じて取引コースが別れており、最大25倍のレバレッジを利用できるスタンダード25倍コース、10倍までに抑えるレバレッジ10倍コース、5倍までに抑えるレバレッジ5倍コース、2倍、1倍などのコースもあります。

必要証拠金率もそれぞれ4%、10%、20%、50%、100%となっています。超長期運用を考えているなら2倍や1倍コース、スキャルピングなら25倍コースといった具合に選んで口座を開設します。

ですが、レバレッジ1倍であってもめいっぱいポジションを建てていると、追証の可能性はゼロではありませんのでお間違えのないように。

FX業者レバレッジを比較 まとめ


海外FX会社を選ぶ際には、まず金融商品取引仲介者としての免許を持っていること、信託保全状況と監督官庁による規制の有無などを重視すべきです。理由は前述の通りで、詐欺を目的に存在しているFX会社を避けるためです。

また、ハイ・レバレッジをフルに活用するということは、万一追証発生となった時に、その額も巨額になるということを念頭に置かなければなりません。

たとえ10年間勝ち続けていても、1日にして全てパーにすることも可能なのが、ハイ・レバレッジ取引の怖さ。優良なFX会社は、こうしたリスクについて再三警告してくれるという特徴もあります。こうした警告の声にしっかり耳を傾けつつ、安全に楽しく取引を行って頂きたいと思います。