FX業者主催セミナーは実践に役立ちますか?
[公開日]2014/12/13[更新日]2015/04/17《質問内容》
FX業者などが主催している投資セミナーというものがありますよね。ネット経由で参加できるオンラインセミナーや、会議スペースなどを借りて開催されるセミナーなどもあります。また、無料で参加できるもの、有料のもの、さらには合宿セミナーなどもあるようです。
このようなFX業者などが主催しているFXセミナーって、実践にはどのくらい役立つものなのですか?また、FX業者にとっては、このようなセミナーを行うメリットがあるのでしょうか?
このようなFX業者などが主催しているFXセミナーって、実践にはどのくらい役立つものなのですか?また、FX業者にとっては、このようなセミナーを行うメリットがあるのでしょうか?
《回答》
FX歴5年目です。はじめのうちは酷い負け方をしていましたが、直近の約3年間はコンスタントに100万円前後のプラスが出せるようになりました。いくつかのFXセミナーに参加したことがありますので、ご回答したいと思います。
目次
無料のオンラインセミナー基礎情報
FX業者は著名人や証券会社内のトレーダーを講師に据えて、よくオンラインセミナーを無料で行っています。そのFX業者で口座開設していないと見られない、つまりログインしないと見られないものもありますが、ログインせずとも見られる動画セミナーなども頻繁に開催されています。
いまどきのFX口座開設は無料で行えるので、ログイン要否の違いはあるものの無料であることには変わりはありません。
こうしたオンラインセミナーは、相場動向の解説などに加えてその講師が考えるストラテジーも絡めながら、比較的短時間で行われます。参加者はチャットサービスを通じて参加することも出来ますし、講師の方にチャットやマイクを通じた音声でも直接質問を投げかけることも可能です。ただし証券会社ごとに違いはありますが。
無料オンラインセミナーのFX業者側のメリットとは?
営業に人員を割くことができないオンライン専業のFX業者にとっては、無料のオンラインセミナーは現在の顧客や将来顧客と直接接点が持てる重要な機会です。なるべく投資環境や展望に希望が持てて、投資を始めたい、口座開設したいと思ってもらえるようなセミナーを心がけるはずです。
一般的に誰でも勝てるような相場つきの時は良いのですが、円高進行中などの勝ちづらい状況下では、その状況が不利なことをオンラインセミナーではあまり積極的には喧伝したりはしないものです。良心的なところでは、「今は雌伏のとき」などと言ってくれるかも知れませんが。
円高進行中だと勝ちづらい理由は、円を持つ日本人にとってはショートポジションが自然と増えやすいために、スワップポイント負担が足かせとなるからです。
無料のオンラインセミナーで聴ける情報は、「今週末に米国で指標が発表されるので、それまで様子見ムードが続くでしょう」とか、「明日雲の上限を上抜けたらさらに上昇が期待できるが、上抜けなかった場合は雲下限で支えられるか注目となるでしょう」など、ネットで集められる情報の域を大きく超えるものではありません。
無料オンラインセミナーを受講することによる効果は?
このように、無料のオンラインセミナーというものは、総じて「参加者の気分を良くするためのもの」以上の効果はあまり期待できないと思っておいたほうがよいでしょう。特に、FX経験者にとってはその意味合いがとても強くなります。
そのため、無料のオンラインセミナーを受講することによって、FX取引がいきなり上手くいくようになるかと言えば、少々疑問が残ります。
なぜなら、誰でも聴講することができるようなセミナーなので、参加者だけが有利になるようなレアな情報が出てくることはほとんど期待できないからです。そのようなレアで本当に有効な情報なのであれば、情報提供元自身で利用することを考えるか、情報そのものを販売することを考えるでしょう。
とは言え、FX取引のいろはも知らないような素人さんにとっては、基本的なFXの知識や投資全般に通じるような考え方を知る上で、ある程度は役立つと言えます。
有料のFXセミナーや投資講座について
一方、有料のFXセミナーには、参加者も「有料だから」と期待を寄せてしまうものです。当然のことながら、有料セミナーや投資講座では無料セミナーなどよりも突っ込んだ内容になります。FXという金融商品の性質上、長期投資よりも短期的な取引を採り上げることが殆どで、さらに具体的なテクニカル指標の意味や分析方法、実際のトレードでの使いどころの解説などがメインになります。
世の中には非常に多くの指標が存在しているため、ご自身のトレードスタイルと合わない指標を有料セミナーで採り上げることはありえます。1分足や5分足、またそれぞれの移動平均など、指標によってはころころと数値が変化してしまうので、頻繁なチェックが必要なものも中にはあるでしょう。マメに指標をチェックできるような人には向いています。
それとは逆に、15日線や遅行・先行スパンなど、比較的長い目でみなければ意味をなさない指標もあります。のんびり投資を行いたい人にはこちらの方が向いているでしょう。性格がのんびりした人とそうでない人では、向いている指標や情報チェック頻度も違うというわけです。
さらに有料とは言え、セミナーの時間は限られていますから、どんな内容をメインテーマに据えているセミナーなのかによって、語られる内容は全然違ってきますし、世の中にある全てのFX関連情報をセミナーの時間内でカバーすることは到底出来ません。
つまり、有料であっても当たり外れはあると言わざるをえないわけです。
FX業者が有料のセミナーや投資講座を開くメリットとは
FX業者が有料セミナーなどを開催するメリットは、既存顧客の囲い込みや将来顧客の取り込みに加えて、セミナー自体で収益を上げることなどが挙げられます。セミナーに参加したあとで収益が上がった人が宣伝することで、新たな顧客を呼びこんでくれる可能性があります。このケースでは、セミナー自体で収益を上げる必要はないわけです。
FX業者や投資顧問などが確度の高い情報が入手できたときも、有料セミナーを開催するでしょう。
業者や投資顧問が自分自身でその情報を利用しようとすると、リスクも100%負わなければならなくなりますが、お金を取ってセミナーを開催すれば、セミナーで利益を上げること、で100%負うはずのリスクをいくぶん軽減することが出来るというわけです。
有料のセミナーや投資講座を受講することによる効果は?
有料セミナーは、無料オンラインセミナーなどよりも技術的にも高度な内容に触れますので、指標の意味を理解し、素人さんとは違う視点でFX取引を行うように投資スタイルが変化することで、短期間で効果を上げる可能性は高いと言えます。
さらに、奥深い内容も紹介されます。特に、機関投資家と個人投資家のパワーバランスや共生関係、機関投資家が指標をどのように利用しているかなど、書籍やネットなどで簡単に得られる情報の裏側を紹介してもらえることも多いものです。
その結果、「常識」と思っていた知識が全く違ったものに見えてくるならば、負けっぱなしだった人が突如勝ちはじめるなどということもあり得る話です。
もし、参加者自身のトレードスタイルとばっちりハマれば、セミナー終了直後からでも、いきなり効果が現れはじめることさえ充分に考えられます。逆に、「何万円も支払って参加したのに、大した効果は無かったのだけど」、といった残念な結果もあり得ない話ではありません。
合宿形式のFXセミナーについて
有料セミナーも比較的短い開催時間ですが、ランチやディナーが付いたり、リゾート施設などに宿泊しながら合宿形式で行ったりする形式の有料セミナーもあります。
有料セミナーよりもさらに時間が長くなることで、さらに詳しい解説を聞くことができますし、ワークショップやグループ・ディスカッション、デモトレードなども行うので、より実践的な演習課題などをこなすことが出来ます。もちろん、その分だけお値段も張ります。数万円程度の出費は覚悟しなければなりません。
FX業者や投資顧問会社などが主催するものは大丈夫なのですが、そうでない場合はなんらかの金融商品購入の勧誘が伴うような怪しいセミナーも少なくありませんので注意が必要です。
合宿セミナーの効果は?
高い費用を徴収することによって、より有力な情報やテクニックを持つ講師や各界の専門家を呼べますので、より高度な投資手法を学べますが、そこはFXなのでテクニカル重視であることに変わりはありません。
確かに勉強会の意味も強い合宿セミナーですが、個人投資家同士の交流会的な意味合いも強くあります。合宿セミナーの真骨頂はFX投資仲間が出来ることと言っても過言ではないでしょう。
投資家同士が知り合いになることで情報交換が行えるようになりますので、自分の投資戦略やアイデアが有効かどうか、客観的な意見交換や確認をしあいながらFX投資が行えるので、より勝率は高くなるでしょう。他の種類のセミナー同様に、FX業者や投資顧問にとっては顧客の囲い込みや投資促進、将来顧客の獲得などがメリットとなります。
FX業者主催セミナー まとめ
セミナーの時間が長く、参加値段が高いからと言って、その分だけ勝率が高くなるわけではありません。無料オンラインセミナーであっても「目からうろこ」を体験できることもあります。ですが、なかなか勝てない人が他人の意見に耳を傾けることによって、ガラッと成績が好転することもあります。視点を変えてみることにより、正しいと信じていたものが間違いだったと気づくことが出来るからです。
特に、FXのようなゼロサムゲームでは、個人投資家対機関投資家という構図になりやすいものです。個人投資家が有効だと信じているテクニカル指標が、実は機関投資家が個人投資家を嵌め込むためのタイミングとして利用されるケースも少なくありません。
そうした裏の事情などは、ぶっちゃけてくれる機関投資家やそれに近い存在の人が居なければ通常では知り得ません。有料セミナーとは、そうした「ぶっちゃけ」の場という性質もあるのです。
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