株式投資とFXを比較するとどちらが儲かりますか?
[公開日]2014/12/09[更新日]2015/04/17
目次
質問:FXと株式投資はどちらが儲かりますか?
これから投資を始めようと思っています。
今、考えているのはFXか株式投資のどちらかです。オプション取引とか難しそうですし、バイナリーオプションはたんなるギャンブルっぽいですし、先物取引は情報をどう探せばいいか分からないし、さらにちょっと怖そうです。ですので、FXか株式投資のどちらかで考えています。
FXや株式投資は取引している個人投資家も多そうなので、なにかと情報も多そうな感じだからです。どちらが儲けている人が多そうなのでしょうか?金額的に多く儲けられるのはどちらなのでしょうか?どちらが個人投資家にとって有望な投資なのでしょうか?
今、考えているのはFXか株式投資のどちらかです。オプション取引とか難しそうですし、バイナリーオプションはたんなるギャンブルっぽいですし、先物取引は情報をどう探せばいいか分からないし、さらにちょっと怖そうです。ですので、FXか株式投資のどちらかで考えています。
FXや株式投資は取引している個人投資家も多そうなので、なにかと情報も多そうな感じだからです。どちらが儲けている人が多そうなのでしょうか?金額的に多く儲けられるのはどちらなのでしょうか?どちらが個人投資家にとって有望な投資なのでしょうか?
《回答》
FXも株式も、どちらも個人投資家に人気の高い投資です。ですが、どちらの投資でも個人投資家の9割は損失を抱えているとも言われています。特にFXでは、「トントンなら上出来」とさえ言われています。
それはひとまず脇へ置いておき、どちらの投資方法がより多くの金額を儲けているのか、儲けている人が多いのか、統計があるわけではないですが、考えてみたいと思います。
投資家の人口
FXと株式取引では、投資をしている人数「投資人口」が違います。国内株式は、日本国内の証券取引市場を通じて売買されるうえ、国内証券会社の口座開設数などからも投資人口を推計することが出来ます。
株式投資家の口座開設数は、証券会社の公表している開設済み口座数などを合計することで分かり、ざっくり言って日本全体で400万口座程度なのですが、一人で複数口座を開設するのが当たり前になっているので、これまたざっくり1/3にしてみると、約130万人ほどの投資家がいるはず、という事になります。
また、個人投資家とは別に、機関投資家もいます。資金量で言えば、個人投資家などと比較にならないほど多く、個人投資家全員の投資元本を合わせたよりも9倍とも10倍とも言われる資金量を誇っていますが、人数で言うとよくわかっていませんし、人数より資金量の方が重要なので人数を数えるのはあまり意味がありません。
一方、FXも口座開設数から推計するしかないのですが、こちらは300万口座ほどですので、個人投資家の人数は1/3にすると、ざっくり約100万人ということになるでしょう。
人数だけみれば、まだまだ株式投資家の方が多いのですが、FX取引を行う個人投資家が急増しており、株式投資人口を猛追している格好です。恐らく、FXの方がレバレッジを高く出来るため、少ない元手で投資できるためでしょう。
投資家の人数が多いほど、平常時の価格変動が緩やかになりますが、株式は銘柄ごとに投資家が分散しているのに対して、FXは数種類しかない通貨ペアに全ての投資家が集中しているわけで、人数での優劣は付けることが出来ません。
市場に投下されている資金量
では、為替市場と株式市場に投下されている資金量を比較して見ることにしましょう。前述の通り、国内株式は国内証券市場を通じて売買されており、売買代金も把握できます。東京株式市場などでは、活況な時に1日の売買代金は2兆円程度です。
一方のFXですが、全世界で売買されており、一説には1日に400兆円程度などと言われています。圧倒的にFXの方が市場規模は大きいということになります。
株式なら銘柄によっては1日に100万円程度の売買代金しかない銘柄もあります。翌日どうなるかは分かりませんが、一人の個人投資家がストップ高やストップ安を演出することさえ出来るような銘柄もあります。一方、FXではそんなことは不可能です。政府の為替介入でさえ10兆円程度です。10兆円規模で投じた時でさえ、場合によっては1時間程の間、価格を押し戻す効果しかないこともあります。
市場で売買されている資金量が豊富ということは、暴落や暴騰が起きにくいということです。同じ水でも、水蒸気のように密度が低いとその中を身軽に動ける一方、水の中など高密度な場所にいると、身動きが取りづらくなるのといっしょです。
商品価格の上昇余地
株式は、一晩にして20%も値上がりすることもありますし、最終的に会社が倒産してしまえば、価値は0にもなり得ます。長期的に見れば、株価が数万倍になることもある一方で、常に紙切れになってしまうリスクもつきまといます。
前述の通り、これは売買される代金がFXに比べて少ないため、日々の値動きが軽いことも一因ですが、株価に影響する要素がその企業の業績や税制程度と少ないためでもあります。一つ一つの要素が株価に与える影響が大きいのです。
一方、FXで取り扱っている外国為替ですが、大暴落と言われるようなケースでも10%もの変動になることはほとんどありません。一方、国が無くなってしまうほどの事態に見舞われたとしても、価値が0になるようなことはありません。ハイパーインフレで数兆分の一になることはありますが、FXで取引できないような新興国でのことなので、そのようなケースを考慮に入れる必要はゼロと言って良いでしょう。
少なくとも、日常的に取引可能な先進国の通貨価値が0になる確率は、会社が倒産する確率に比べれば無に等しいと言えます。もしアメリカが一夜にして消滅するような事態が起これば可能性は0ではありませんが、ユーロならば18カ国で使用されているので、18カ国全てが無くなるようなことはそれこそゼロと言えるでしょう。
その理由は、外国為替の売買代金も多さだけでなく、影響している要素の多さも関係しています。そもそも外国為替の価格は1つの国の問題だけではなく、相手国の内情も関係しています。強力な力で綱引きしている状態なため、あまり価格変動が起きないのです。先進国同士の場合は貿易額も多額なため、その傾向がさらに強まります。
このように、商品価値の上昇余地で見れば、圧倒的に株式の方が高いことになり、同様に資産を失うリスクも株式の方が圧倒的に高いと言えます。
ただし、レバレッジはFXの方が高くできます。日本国内のFX会社は最大レバレッジ25倍、一方株式のレバレッジは最大3.3倍までです。わずかな価格変動でも稼げる可能性はFXの方に分があると言えます。
長期投資でリスクを取ってでも資産を激増させたいなら株式取引、日々の値幅変動で少しずつ資産を増やしたいならFXと言えるでしょう。
投資した資金を多く増やしているのはどちらか
いよいよ本題です。投資で多く資産を増やすのに必要なのはどちらなのかですが、それは市場規模や投資人口とは直接的な関係にありません。
投資で資産を増やすことが出来るのは、投資対象の価格が変動した時です。いくら市場規模が巨大であっても、安定した価格を維持している投資対象は、資産を増やすのが目的の積極投資対象としては、あまりふさわしく無いということになります。
前述した通り、FXが投資対象としている外国為替の為替レートは、日々変動しているものの、1日の変動率は数%程度です。長期的にみてもFXで投資できる先進国の為替レートが100%を超えて変動するような事態は殆ど起こりません。
FXで激しい価格変動が起こるとしたら、投資としての利益を期待する以前に、物価不安定やハイパーインフレ、政情不安などを心配しなければならなくなります。
一方、株式投資では、適切な銘柄に投資することが出来れば、数年で数100%を超えるような「適正な」成長をする企業はゴマンとあります。そして、投資対象である企業にそのような成長を期待することは自然なことです。物価が不安定になったり、インフレになったりする心配の必要もありません。
株式市場の市場規模が小さく、さらに企業の時価総額も為替市場に比べればはるかに小さいため、特定銘柄に人気が集まりさえすれば、企業利益の現状を超えた株価上昇を見せることさえあります。もちろん、意味の分からない暴落も時には起こりますが。
このように劇的な価格変動が期待できるという点では、FXは株式投資にまったく敵いません。FXは再投資による複利効果を毎日こつこつ積み上げていくことで、株式投資の成長率を追いかけていくことになります。
どちらの方が個人投資家に勝ち目があるか
個人投資家にとって、FXと株式のどちらの方が勝ち目の高い投資なのでしょうか。実績だけみると大差はなく、個人投資家は機関投資家にとっていいカモにされてしまっています。9割の個人投資家が負けているというのは前述の通りです。
そんな中でもどちらが勝っているのかは正確には分かりませんが、勝てる機会の多さで言えば、FXに分があると言えます。FXは土日を除く毎日24時間市場が空いています。サラリーマンが仕事を終えて帰宅後にFX取引を行うことが出来るわけです。一方、株式市場の方は、おやつの時間にはすでに閉じてしまっています。
以上が売買する機会の比較ですが、金額的にも少ない元手で大きな利益を狙い得るのはFXの方でしょう。
ハイ・レバレッジで取引し、狙いが外れたら瞬時に損切り。そして、投資金額は全額再投資します。複利効果を得ることは株式でも可能ですが、FXの方が手数料は安く、より多くの回数売買できるため、複利効果も高くなります。
FXでスキャルピングを大量に行うならば、1日で資金を倍にすることさえ可能かも知れません。但し、損切りは確実にすぐに行うなど、負け越している投資家と一線を画する行動が必要です。
株式投資とFXどちらが儲かるか まとめ
投資が成功するには、投資商品の価格変動が大きいことが必要です。この点でFXは株式に敵わないわけですが、変動が少ないということは損失リスクも少ないということになります。
リスクを追求してまでもキャピタルゲインを追求するなら株式に投資するのが良いですし、毎日コツコツと利益を積み上げて、複利効果によって資産を激増させるならFX投資が良い、という結論にたどり着くと思います。