初心者に贈るFXのトレード方法のまとめ

[公開日]2014/11/24[更新日]2015/04/17

FX初心者の方に、トレードの基本的な考え方から手法を網羅的に紹介し、それぞれの特徴を紹介します。

初心者のFXトレード入門

為替の変動に賭けるのがFX


FXは、為替というものの値段の変化を予測する金融商品です。為替は近代経済史が始まるはるか以前から存在している制度です。

日本と米国との間では、日本が第二次世界大戦で敗戦してから1971年に終了するまでの間、固定レートでした。1971年にはFXなんてありませんでしたが、もしあったとしてもこの期間は、こと米国ドルに関しては、FXなど成立しなかったわけです。

FXは投機か?投資か?


日本語の「投機」という言葉にはどうも良いイメージがないようです。投機とは刹那的に利益を求める行為であり、投資対象に対する思い入れが感じられず、またその必然性も薄い印象があるのでしょう。

一方の「投資」はどうでしょうか。こちらは投資対象と一心同体、一蓮托生というイメージがあるのでしょうか?投資対象の首根っこを押さえる、という意味においては、投資は投機よりもビジネスライク、悪く言えば冷酷なのかも知れません。

「投資」の定義が「長期的である」という事なのであれば、FXは「投機的」と言わざるを得ません。FXは少ない元手を高回転させることによる複利効果を追求するのに適した金融商品だからです。

FXは元々そのような金融商品なのですから、投機的だからといって、悪い印象を持つ必要はありません。また、投機には「流動性の供給」というちゃんとした大きな役割があります。流動性とは、売りたい時、買いたい時に、いつでも買うことが出来るということです。気に病む必要などないのです。

投機的なFXに向いているトレード方法


レバレッジという、リスクを容易に増加させ得る信用取引が行えという意味においても、FXはより投機的な性質の強い金融商品と言えます。「投機的な値動き≒乱高下」と言い換えることが出来るほど、投機的な金融商品は値が飛びやすいものです。

FXも長期投資に適さない面も少なからずあり、ハイレバレッジをかけてわずかなサヤ取りを素早く行うことでリスクを抑えるというトレード手法が一般的です。

最短1秒!短期決戦のスキャルピング


FXのトレードでは、ワンクリックで発注が完了するような高速さをウリとしているツールが人気です。ポジション保有期間=リスク保持期間という考え方が浸透しており、ポジションを建ててから決済(手仕舞い)するまで、最短で1数秒という短い期間で取引を終えることさえあります。

これを一日に何度も行い、小さな利益を積み上げていくのが「スキャルピング」です。こうした手法が採ることができるのは、FXでは売買手数料がかからないこと、それに高いレバレッジ率があるからです。

1pips抜きスキャルピング


スキャルピングはとにかく手早く手仕舞うことが大事なので、追求する利益もとても僅かです。利幅が1pipsを超えた瞬間に手仕舞います。

方向感がつかめていれば順張りでエントリーします。市場が変わった瞬間の下落を拾ってエントリーする逆張りは、そこで下げ止まるか分からず、下げ止まらなかった場合にあっという間に1円2円変動することもあり、資金がショートしてしまう可能性もあるため避けるようにします。

エントリー後、1pips以上変動したらそのポジションは手仕舞います。2pips抜けたらラッキー、ぐらいに考えておきます。

逆に、2~3pips以上含み損が出たらすぐに損切りします。後述しますが、一連の取引注文を自動で行ってくれる注文方法もあります。

指数連動スキャルピング


単純に為替チャートのみを見てエントリーするのではなく、日経平均やNYダウなどの株価指数を手がかりにエントリーするタイミングを見計らうのがこの手法です。

株価指数が一気に変化するのを待って、エントリーします。株価指数と為替が相関関係にあるのか逆相関なのかを意識しておきます。相関関係が転換期に差し掛かっているなら、トレードを控えます。

為替が株価指数を後追いしているような状況だと、とても分かりやすくて有効なトレード手法と言えます。

ローソク足スキャルピング


1分足や5分足の為替チャートを手がかりにエントリーを行います。陽線ならロング、陰線ならショート、またはその逆という手法です。

1分足のローソク足は、1分経過後に確定します。次の1分のローソク足は、表示はされるものの1分経つまでは未確定です。その未確定のローソクが何色になるかを予想するというものです。

上昇トレンドと下降トレンド、天井や底付近と遠いところでは足の出方が違うので、どのようなレンジやトレンドの時はどのように動くか、パターンを見つけることが成功の鍵です。

スイングは気楽なトレードが楽しめる


スキャルピングが行えるのはFXの醍醐味ですが、一方ではパソコンの前から一瞬たりとも離れることが出来ないという緊張を強いられるトレードでもあります。

一方、オーバーナイトも辞さないスイングトレードは、何日かかけて利益が出れば良いというのんびりしたものです。ロングならスワップポイントも付いてお得です。

さらに、FXは多彩な注文方法やその組み合わせで自動的な売買が行えます。こんなあり得ないところで約定したらラッキーだね、といった水準で指しておき、約定したら自動で反対売買まで行うことも可能です。

IFD


「イフダン」と読みます。英語の Ifとdoneという単語から来ています。単純な逆指値注文のことです。FXでは時々急に値段が跳ね上がった(下がった)後、すぐに戻ることがあります。ヒゲとかオーバーシュートとか呼ばれているものです。

こうしたヒゲや、市場の切り替わりのタイミングでの急変などを拾うため、現在のレートから数十~百pips程度離れたところに注文を出しておくというものです。

約定したところが天井や底とは限らず、それを大きく超えていくというリスクが存在します。

OCO


そのまんま「オーシーオー」と読みます。1度の注文で売りと買いの両方が行える注文方法です。高くなったら売って、安くなったら買うという単純な注文を同時に行えます。

どちらかが約定したら、もう一方は自動的にキャンセルされるので、つきっきりで監視する手間がかかりません。

IFO


「アイエフオー」と読みます。IFOはIFDとOCOの両方を合わせた3つの注文が1度に行える注文方法です。まず、IFDで約定させ、そのポジションを利確するか損切りするかをOCOに任せます。

損切りが出来ない人でも、自動的に手仕舞いまで持って行けるため、悩まずに済みます。IFD、OCO、IFOはスイングトレードに限らず、デイトレードやスキャルピングでも利用可能です。

スワップ狙いのノーリスク長期投資


FXは投機的で短期間での決戦に向いていると述べてきましたが、実は長期に渡ってリスクも殆ど無いというトレード手法も存在します。それは2つの口座を使ってスワップ金利差を得るというものです。

必要なのは、特定の通貨でショートとロングのスワップポイントに差が付くような2つのFX会社を見つけることだけ。

米ドル/円ロングのスワップポイントが70円のFX会社と、ショートのスワップポイントが60円のFX会社があったとします。

前者で米ドル/円のロングポジションを建てておき、後者でショートポジションを建てておきます。すると、70円のスワップポイントが入る一方で60円のスワップポイントを支払うことになります。すると、1日あたり10円ずつ手元に残ります。

為替レートは同一通貨のロングとショートですから、為替変動による利益と損失が打ち消し合うため、為替変動に対してはいつでもプラスマイナスゼロです。続ければ続けるほどほぼノーリスクでスワップポイントの差額だけが手元に残るわけです。

「ほぼ」ノーリスクと言ったのは、スワップポイントは日々変動するという事や、長期間放置しているとどちらか一方の口座がロスカットされてしまう可能性があるためです。日々、ポジションを建てなおしてくれるFX会社なら余力が下がっていると警告が出るので早めに気づけると思います。

トラリピ


マネースクウェア・ジャパンの専売特許ですが、「トラップリピートイフダン」というシステムトレードを略して「トラリピ」と呼んでいます。マネースクウェア・ジャパンは、スプレッドやスワップなど、他の諸条件は対して良くないのに、このトラリピがあるおかげで伸びている会社です。

トラリピは数週間から数ヶ月かけて、為替レートがサインカーブのように行きつ戻りつを繰り返すことを利用しています。

波形が下がっている間はロングの注文を指定した間隔で出し続けて、それらを約定させます。そして波形が上がっている間は、含み益が出たロングポジションを決済しつつ、今度はショートの注文を出す、といった寸法です。

それらをいくらずつ、どれくらいの値幅で注文を出すかだけ設定しておけば、後は自動的にトレードを行ってくれるというシステムトレードとしての側面も持っています。

とにかく手間なしなのですが、唯一の難点は一度始めたら止め時が見つけづらいということがあります。常に利益が出ている一方で、いくつか含み損のあるポジションを常に保有している状態に陥りやすいためです。最後の損切りが問題にならない位の利益が、それまでに出ていれば良いのでしょうが。

ファンダメンタルズ


政治・経済に強い興味があり、為替だけでなく、原油や輸出入、各国のバランスなどを総合的に考え、その考え通りに経済が動いており、為替の長期的なトレンドも読み取れるなら、各国経済指標に従って、上がる外貨に賭けるという基本に立ち返った手法が採れます。

為替は1国の経済だけで決まるものではありません。2国間のものとは言え、日本ほどの経済規模になれば、交易のある国も多く、輸入も輸出も莫大となれば、それら貿易相手国の経済や政治的思惑の影響も受けます。

そうした情報の全てが日本国内で報じられるとは限らず、非常に表面的な情報しか目にすることが出来ませんが、断片的な情報を拾って分析し、思った通りの展開となっているならそれで為替での長期投資が行えるはずです。世の中の多くの投資家も全てわかって投資しているわけではありませんし。

分析の結果、将来強くなると思った通貨のロングポジションを持てばよいだけです。

FXトレード手法 まとめ


まだまだ独自のトレード手法などは世の中にたくさんあります。肝心なことは、正しい、つまり勝率の良いトレード方法を見つけたら、それが有効である限りはしっかりと踏襲していくことです。

「有効である限り」と述べた通り、情勢が変化したりすれば通用しなくなる手法もあります。通用しなくなったのか一時的なのなのかもしっかり見極めることが大事です。