中学英語レベルの方がグッとくる!心揺さぶる名スピーチ&名言から学ぶ英会話上達のコツ

[公開日]2016/11/04

フォレスト・ガンプ 映画 名言 洋画マニアの筆者が好きな映画「フォレストガンプ」の中にこのようなセリフがあります。

“Life is like a box of chocolates.”
(人生というのはチョコレートの箱のようだ)

人生というのはサプライズに満ちていて、思っていたほど悪くなかった、そう感じたことは誰にでもありますよね。そんな素敵な名言をくれたのは、この映画でした。

簡単な英語なのに心に響く表現というのはあるのです。いや、実は簡単な英語での表現のほうが、ぐっとくることってあると思うのです。

今日はそんな心を揺るがす、名フレーズをご紹介します。

ポイントは、子どもでも知っている英単語を使うことです。そして、伝えたいことを明確にし、余計なものを徹底的に削ぎ落としてみましょう。名スピーチとされる文章はすべてこれらの共通点があります。



他人のレールを歩いていませんか?人生は自分が思う以上に短いものです


Our time is limited, so don't waste it living someone else's life.”
(時間は限られている。だから、自分以外の誰かの人生を生きるという無駄なことはするな)

ジョブスが2005年にスタンフォード大学で演説したスピーチには、忘れがたい名言がたくさんあります。この時にもうすい臓がんに侵されていた彼は、自分の生い立ちから考え方まであらゆることをこのスピーチに込めました。

彼は自分のそれまでの人生のことを振り返って、自分の価値観や直観に従って生きるということの大切さを若い世代である大学生に、素直に語りました。この彼の名言は世界中の誰にでも当てはまることではないでしょうか。

私たちは誰もが、周りの誰かや何かに影響された価値観で生きてしまうことがありますも。しかし、そんなことをしていたら、時間の無駄とジョブスは言いました。

誰もが自分の思う通りの道を、好きなことができる道を進まねばならないと長いスピーチの中で説きます。歴史上ではなく、同じ時間を生きた彼の言葉だからでしょうか、特に現代人である私たちに響く気がします。

スティーブ・ジョブズ 英語 名言 今や手放すことのできないiPhone、iMacなどを作ったアップル社。アップル社といえばこの人、スティーブ・ジョブズ。2011年に彼の早すぎる死を誰もが悼みました。アップル社が軌道にのって、これからと言うときの訃報でしたから、本当に残念だと思ったことを覚えています。

今でこそアップルコンピュータやiPhoneは当たり前のように世の中に出回っていますが、ずっと自分の信じていたことを曲げずに、やりたいことをやってきた彼にはやはり、人とは違う才能がありました。

アメリカ人でありながら、東洋思想や東洋医学、また禅などにも精通していたことが知られています。ビジネスマンとしてももちろん成功していますが、彼の人間としてのバックグラウンドもとても興味深かったようです。そんな彼の深さが、きっとビジネスでの成功にも通じたのでしょう。

筆者はジョブスが自分のことを語った、このスピーチが個人的にとても好きで、何度か動画を見たりスクリプトを読んだりしました。とてもユニークですが、奥深い彼の人間性が集結されている気がして、何度読んでも心にぐっときます。

これまでの積み重ねはムダにはならない


さて、今話題の人といえばこんな人のスピーチはどうでしょうか。ヒラリー・クリントンが、2008年に大統領候補選でオバマに敗れたとき、こんな言葉を残しました。

The path will be a little easier next time.  ”
(その道は、次回にはもっと簡単になるわ)

当時は敗退したものの、自分が本当にしたいことは、それを成し遂げる時にはもうちょっと簡単になるのだという前向きさが表現されています。文法的には未来形が使われていますが、これもとてもシンプルですね。”The path”というのは、おそらく女性が大統領になることを示していることだと思われます。

のちに紹介するキング牧師のスピーチもそうですが、心に残る名言というのは、めげそうな時でも、戦いに負けてしまったときでも、必ずポジティブな視点に変えるようなものであることが多い気がします。特に英語という言語は前向きになりやすい性格ですから、その方向に持っていきやすいのかもしれません。

アメリカ大統領 スピーチ 英語 アメリカは黒人の大統領が先に誕生しました。次は女性の大統領が誕生かと言われていますが、ヒラリークリントンはそれに今一番近い人ですね。今までも、ファーストレディであったり、アメリカの政治に精通し大統領というポジションに近い距離で活躍してきた方であるだけに、彼女の言葉も女性として、感慨深いものがあります。

意味のある人生にできるかどうかはあなた次第


ノーベル文化賞を受賞した音楽(レゲエ)の王様であるボブ・マーリーはどうでしょう。

Love the life you live. Live the life you love.

ちょっとだけ頭を使わないとすっと入ってこない英文かもしれません。「あなたが生きる人生を愛せよ。あなたが愛する人生を生きよ」とこういう意味ですね。

ちょっとした言葉あそびのように、同じような単語を前後で順番を変えて使っています。しかし、単語自体は全く難しいものはありません。私たちでも作れそうな英文です。

名言 英語 ボブ・マーリー 愛や人生を歌った歌が多かったボブ・マーリーらしい言葉ではないでしょうか。遊び心をもって表現したのも、人生や世界を愛した彼ならではといえそうです。

レゲエといえばボブマーリーというの風潮は今昔も変わっていませんよね。そんな彼に言わせれば、人生を愛すること、愛する人生を生き切ることというのはきっととても大切なことだったのでしょう。

忙しい毎日の中でふと考えてみれば、実は本当に大事なことはそれだけだったりします。そんなことを大きな語彙ではなくあえて言葉遊びで伝えられると、逆に私たちの心に残ります

不可能と思える夢も言いきることで可能になる


あの有名なあの人もこんな言葉を残しました。

If you can dream it, you can do it.”
(それを夢見ることができるのなら、実現可能なのさ)

これも中学英語でできる、”If~”の構文での名言ですね!こんなにシンプルにできるなら誰にでも言えそうですが、世界中に夢見る王国を作ったウォルト・ディズニーは、「夢見ることができるのなら、実現できる」と言いきりました。

想像力を使った物語のマジシャンであったディズニーですが、彼は夢みることに一生を捧げましたよね。そんな彼の言葉なら、私たちも信じてしまいます。

ディズニー英語 名言集 私たち凡人は、色んなことにつけて言いきることを恐れてはいないでしょうか。日本人は特にグレーゾーンが好きで、ビジネスなどでも断言することは避けたがりますよね。しかし言いきってしまうとその言葉から自信が垣間見えて、説得力が出てきます。英語なら日本語よりもまだ簡単に明言することができるかもしれません。

ひとりの意識から世の中は変えられる


One child, one teacher, one pen and one book can change the world. Education is the only solution. Education First.”
 (1人の子ども、1人の教師、1本のペン、そして1冊の本、それが世界を変えることができます。教育こそがただひとつの解決策なのです。教育第一。)

パキスタン出身である、人権運動家のマララ・ユスフザイさん。若干まだ17歳だった当時、史上最年少でノーベル平和賞まで受賞した彼女の言葉にはとても重みがあります。国連演説のスピーチでのワンフレーズです。ご存じの方も多いのではないでしょうか。

英語 スピーチ 名言 教育 熱心な活動ゆえに、命の危険に何度もさらされ、銃撃受けてもまだ少年少女の教育や彼らの生きる権利の為に活動を続ける彼女の言葉は、自身の経験からにじみ出ています。彼女の言葉は、文法的には全く難しくありませんが、内容にウェイトがあります。

”One child, one teacher, one pen..”と、”one”という言葉の繰り返しで、「たった一つの」というニュアンスを強調しています。「そんな小さなものが、大きな世界というものを変えられる可能性を持っている」と訴えているのが分かりますよね

そして、その後に続く”can change the world”も、中学英語が分かれば理解できる程度の英語です。こんなシンプルな英語でも、とてもパワフルな言葉になりえます。


逆境の中でも垣間見える前向きさ


シンプルなのに、という点では彼のこの有名なスピーチもそうでしょう。

I have a dream
(私には夢がある)

1963年にマーティン・ルーサー・キングが、人種を超えた平等を訴えた演説の中で何度も繰り返し、言った言葉です。これこそ、基本的な英語の文法で謳われていますよね

「主語、動詞、名詞」というお馴染みの順序で
、中学校一年生でも分かる英文ですが、今でも、アメリカでは歴史上最高である、とされているスピーチです。

希望 キング牧師 スピーチ 英語
I have a dream that my four little children will one day live in a nation where they will not be judged by the color of their skin but by the content of their character.”
(私には夢がある。それは、いつの日か私の4人の小さな子どもたちが、肌の色によってではなく、人格によって評価される国に住むという夢だ。)

こうなってくると、若干複雑化してくる文法ですが、基本的な中学と高校の英語の文法が分かっていれば、何となくでも頭に入ってくる内容です。

人種差別によって苦しんだアメリカに住む当時の黒人たちの代弁をしたキング牧師。彼の個人的な視野が入ってくるので、スピーチから人々へ訴えかける強さは絶大です。彼のスピーチの中に"I have a dream"というフレーズが何度も入ってきますが、これも前項と同じく反復の力の用法なのでしょうね。

また、こんな逆境の中でも"dream"という前向きな言葉を使ったことに、人々は驚きと希望を持ったのでしょう。

黒人大統領が出てくるなんて夢にも思わなかった当時のアメリカを考えると、キング牧師が訴えかけることは本当に「夢」だったのでしょうね。

工夫しながら自分なりに表現する


英語 スピーチ おにぎり この間、我が家の長男の幼稚園の親子遠足へ行ってきました。その時に一緒にお弁当を食べていた息子のお友達が、お母さんの作ってくれた嬉しそうにおにぎりを食べながら、
「中に何が入っているかなあ」
と言っているのを見て、冒頭に紹介したフォレスト・ガンプの中に出てくるセリフを思い出しました。
“Life is like a box of chocolates.”
(人生というのはチョコレートの箱のようだ)

ナッツなのか、キャラメルなのか。開けてみるまで、食べてみるまでチョコレートの中身は分からない。おにぎりも一緒だなと思ってしまいました。

この映画を見てから十何年と経つのに、こんな風にふと蘇ってくるなんて、フォレストガンプのセリフは当時の自分の心に響いていたのだなと、改めて感じました。忘れられない英文の名言を作れたら素敵ですよね。しかもこのセリフは、難しい表現や単語も使われていません。

今回は、英語での名言やフレーズをご紹介してきましたが、グッとくる言葉は、意外に短くて、簡単な単語ばかりということがおわかりいただけたのではないでしょうか。

うまく伝える必要はありません。あなたが何を伝えたいのか、そのコアな部分をシンプルにしてみればいいのです。難しい単語や文法を使う必要もありません。そんなのウソだと思うかもしれませんが、アメリカに留学し、10年も住んだ筆者が言うので間違いありません。