FX初心者のためのポジショントレード入門

[公開日]2015/01/26[更新日]2015/04/17

FXには数多くのトレード手法があり、ポジションの保有期間によって「スキャルピング」や「デイトレード」といったものがあります。その中の一つに、「ポジショントレード」と呼ばれるものがあります。入門書をしっかり読んだことのある方ならご存知かとは思うのですが、聞いたことのない方もいらっしゃるかも知れません。

FX初心者のポジショントレード入門

それはFXの持つ特徴ととても関係が深いからなのですが、では「ポジショントレード」とはどのようなトレード手法なのでしょう?FXの特徴を改めて説明し、その後でポジショントレードについて言及したいと思います。

FXのリスクを知ることがポジショントレードのはじまり


FXは、証拠金を「担保」にして取引を行う「証拠金取引」とひとつです。証拠金取引とは、金融商品と現金を1対1で交換するのではなく、前述の通り現金を「担保」として外貨を購入します。証拠金取引では「担保」の数倍もの金融商品が購入できます。FXの場合は「担保」の25倍もの外貨を購入できます。

これが「レバレッジ」というわけです。そしてレバレッジがかかった状態というのは、リスク量もそれに応じて増加していることでもあります。FXが扱う外貨は、各国の政策を大いに反映しています。2015年はじめにもスイスフランの上限撤廃によって急騰し、投資会社が破綻するほどのショックを与えました。

スイスフランの下落に掛けていた個人投資家がいたなら、ひとたまりもなかったことでしょう。FXは大きなレバレッジをかけて行うトレードが一般的です。そうなると、長期投資にはリスクが高すぎて少々不向きとなってきます。ポジションを保有している間にスイスフラン暴騰のような事が起きないとも限らないからです。

そのようなリスクに耐えられるような低レバレッジ下で利益を多くあげるには、それだけ多くの証拠金が必要なため、そのような大金を持っている人はもっと手堅い投資を行いがちだからです。

FXとは、少ない資金をハイ・レバレッジで運用し、短い期間で成果を上げることに向いている投資であったということです。日本円がこれほど低金利になるまでは。

ポジショントレードとは?


ポジショントレードとは何かの説明に戻します。ポジショントレードとは、早い話が長期保有するトレードスタイルを指します。ポジションの保有期間が長いこと、ポジションの保有そのものが重要であることなどから、こう呼ばれています。

FXのトレード手法の中では最もポジションの保有期間が長くなります。長期保有するのでテクニカル分析だけでなく、ファンダメンタルズ分析も重要となってきます。ポジションの保有期間が長いので、その間に核となる国家間の情勢や経済状況なども具にみていくことでどの国の通貨に賭けるべきか、またリスク回避をどのように行うべきか知ることができるからです。

スワップポイントによってメリットが出てきたポジショントレード


ポジショントレードのように長期投資を行うことが良い投資家も居ます。資金力がある方、時間がない方などです。スキャルピングはかなり長い時間をトレードに占有されますし、出張があればデイトレードも難しいでしょう。ですが、ポジショントレードなら1日2日ほど予定が変わっても比較的影響は限定的です。

前述の通り、日本の金利が他国に比べて低下したことによって、スワップポイントを得やすくなったことは、ポジショントレードの価値が上がってきたことを意味します。スキャルピングなどと比べて、心理的負担も少ないのもポジショントレードの特徴の一つです。含み損が少々あっても、トータルで利益が出せればよいからです。

ポジショントレードの基本スタンス


FXはハイ・レバレッジでの運用が一般的ですが、ポジショントレードを行う場合、ポジションを保有している期間中なにが起きても安全なように、レバレッジは極力低く抑えておきます。レバレッジはかけない、あるいは2~5倍程度と低めに抑えておきます。

0.5倍といった1倍以下の運用を行っても良いでしょう。それだけFXで大変動が起きるときには予想をはるかに超えた事態が起こりえるという認識が必要です。目指す利益は元本にもよりますが、100~1000pipsととても大きなものとなります。1つのトレンドの谷間で買って、頂上で売るといったことが基本的な戦略となります。

また、長期間ポジションを保有しているということで、スワップポイントが長期にわたって入ってくるというメリットがあります。FXでは金利負担はありませんから、高金利通貨のロングポジションを保有している間はずっとスワップポイントが入ります。

年利換算で10%近い金利の通貨もありますから、日本の銀行にあずけておくより、はるかに高い金利が手に入るのです。もちろん、レバレッジをかければ、それだけ多くのスワップポイントが入ります。一方、スワップポイントを負担するポジションを取るべきではありません。日本円とペアをなす通貨でのショートポジションは、ほとんどの通貨でNG、ということになります。

日本の金利はどんどん低下していますから、ショートポジション保有時のスワップポイントも拡大傾向にあります。ですので、ポジショントレードでは底値が来るのを待って、押し目買いをするというのが基本スタンスになります。円を相手としない通貨では、必ずしもショートポジションを持たないわけではありませんが、金利差やスワップポイントは必ず知っておかなければなりません。

キャピタル・ゲインでは利益が出ていても、インカム・ゲインの方で損失が出ていてはプラマイゼロ、無意味だからです。ショートポジションはその名の通り、「ショート(short=短い)」ポジションであり、現物に対するヘッジ目的であることが本来の意味だとよく分かることでしょう。

ポジショントレードに向いている通貨ペア


ポジショントレードには、スワップポイントの高い通貨ほど利益を上げやすいものです。とはいえ、新興国などの情報は日本では取りづらいという欠点があります。ファンダメンタルズ分析もままなりません。

ですので、先進国の中でも比較的スワップポイントの高い豪ドル/円などが向いています。豪ドル/円はFXや外貨預金では人気の高い通貨ペアですので、情報量も豊富、流動性も確保できます。米ドルなどとも連動性があり、トレンドも読みやすい特徴もあります。

スプレッドに関しては無視して構いません。取引する機会は1ヶ月に2度ほど。ポジションを建てるときと決済するときだけだからです。ポジショントレードでは100とか1000pipsを目指しているので、1pips未満のスプレッドなど、誤差範囲でしかありません。今どきはどの通貨ペアであっても1pipsを超えるスプレッドはないでしょうし。

ポジショントレードに向いている時間帯


ポジショントレードのような中長期投資では、トレンドの見極めが重要となります。ポジショントレードでは前述のように取引する機会は多くありませんが、少しでも確実性を高くしたいのならば、他のトレードと同様に大きく動く時間帯を避け、かつトレンドの変化の有無を見極めて、その後でエントリーするべきと言えるでしょう。

日本時間の午前9時~11時、16時~18時、22~24時頃など、指標発表後からの2時間程度がそれに当てはまります。発表された指標によっては、その後のトレンドを変化させてしまうものも少なくありません。中には数年に及ぶ変化の開始点であった、ということも少なくありません。

上昇トレンド継続中のつもりでエントリーし、数日後に見てみたら下落トレンドへと転換していたとあってはポジション保有期間の長さも相まって、ダメージも大きくなりがちです。

ポジショントレードで参考にする指標


ポジショントレードでは、各国の通貨政策、政策金利、経済動向を押さえた上で、25日または75日移動平均線など、ポジションを保有する期間に応じたチャートを参考にします。一目均衡表との組み合わせもよく利用します。雲を上に突き抜けたらエントリー、上から下へ向かって雲に突入したら手仕舞いのタイミングです。

また、底値圏ではときどき投げを誘うための仕掛け売りによって、大きな下ヒゲが出る場合があります。この時の下落幅は3%に及ぶこともあります。これがいつ出るかは分かりませんが。

あえてリスクを取る戦法も


もちろん、金融当局の動きなどを事前に察知し、いつ起こるかはわからないけれど、自国通貨安政策などの撤廃が将来起こることを見越して、ハイ・レバレッジでのポジショントレードを行うことも可能ですが、その分だけリスクを多くとるということ、万一予想と逆の事態が起きたら大やけどする可能性があるという事は認識しておくべきです。

国際的金融戦争の様相を呈している21世紀初頭にあって、どの国も自国通貨安あるいは高政策を採っている、または取りたがっています。世界経済は全体で見ればまだまだ安定的とはいえず、火種も欧州だけでなくアジアや南米などにも存在しています。

2015年初頭のスイスのような政策転換はまさに想定外で、例えば日本が円高政策へ転換する時期がすぐ訪れるとは今はとても想像しがたいものです。ですが、数年後にそれが現実味を帯びてきた時、それに賭けるという手はあるかも知れません。ですが、少なくともこの1~2年の間には起こりえないでしょう。

それに賭けることがどれだけ気の長い話なのかは想像いただけると思います。また、明確な兆候が現れているときなどにショートポジションを取るという戦略もあり得ますが、スワップポイントがリスクになるという事をお忘れなきよう。

ポジショントレード入門 まとめ


ポジショントレードのリスクについて、少々しつこいくらい多く述べてきましたが、投資において、ポジション保有期間の長さはリスクだからです。それさえ忘れずにいるならば、ポジショントレードはエントリーポイントが分かりやすく、ストレスフリーなトレードと言えるでしょう。