FX初心者が知っておくべき用語集 保存版
[公開日]2014/12/09[更新日]2015/04/17
一昔前までは、「株や投資をやっている」なんて聞いたら、博打打ちや変人を見るような目を向けられることも少なくなかったのです。今では、オンライン証券が普及してきたことにより、サラリーマンや専業主婦の方でも投資に参加できるようになってきました。便利な世の中ですね。
一部の用語は投資以外でも目にすることがありますが、投資用語は非常に教義で扱われることが多いものです。そこで、FX初心者であっても最低限憶えておきたい代表的な用語をいくつかピックアップして解説させて頂こうと思います。
目次
注文
一般的に使う場合と意味は変わりません。ある投資商品を売ったり買ったりしたい意思表示をする事を「注文」と呼びます。ポイントは、買う時だけでなく、売る時にも「注文」と言うということです。
注文の出し方には、価格を指定しない「成行(なりゆき)」注文と、価格を指定する「指値(さしね)」注文とに分かれます。後述しますが、FXでは成行注文を行うと様々な問題が起こります。
「USドル100ドル分の成行買い注文を出す」という使い方をします。
約定
約定は一般的にはあまり見られない用語です。クレジットカードの請求が口座から自動で引き落とされる形で返済することを「約定返済」などと言うのですが、それほど一般的ではありません。投資で使われる時の「約定」とは、注文が成立する事を指します。
「100ユーロの売り注文が約定した」という使い方をします。
市場が開いている時間帯に成行注文を出せば、一部例外を除けば必ず約定するという特徴があります。
トレンド
一般的に使う場合には「流行」を指す言葉ですが、投資の世界では「傾向」を意味する用語となります。
数週間から数ヶ月の期間全体を分析して、投資商品の価格が上がっている場合には「上昇トレンド」、下がっている場合には「下落トレンド」などと言います。
板
一般的に使う時は、文字通り平べったい単一素材などで出来た固形物を指します。
投資の世界では、投資商品を売りたい値段、買いたい値段を指定して画面上などに表示しているものを指します。性質上、指値注文が出た時だけ板に表示されます。
電光掲示板などの電子表示装置が導入される前は、黒板などに注文を書き込んでいたために、その名残で今でも「板」と呼ばれています。
ポジション
一般的に使われる「ポジション」という場合には、人やモノの位置を指して使いますが、FXを含む投資用語として使われる時は意味が違ってきます。
「ポジション」とは、投資対象物を保有している状態を指す用語です。日本語にすると「建て玉(建玉、たてぎょく)」という用語に相当します。「投資家の現在の立ち位置」と言い換えるとイメージとして繋がりやすいと思います。
「ポジションを持つ」、「ポジションを解消した」というような使い方をします。
FXの場合は外貨を購入するだけでなく、空売りすることもできるので、必ずしも外貨を保有しているわけではありません。ですので、「決済すべきものを保有している状態」と言い換えることができるでしょう。
「ポジショントーク」という言葉を聞いたことがある方もいるかと思います。自分に有利な方向へ導くための発言を指すのですが、ポジションという用語から来ています。ポジションを持っている人が、時にはポジションを持っていないフリをしつつ、自分のポジションが含み益を出せるような発言をする事で、世間を誘導している時に使われる言葉で、侮蔑的なニュアンスを含んだ言葉です。
ロング、ショート
一般的に使う場合は、「長い」、「短い」ですが、投資の世界では意味が違います。
「ロング」とは、投資対象物を買う行為を指す用語です。日本語にすると「新規の買い注文」となるでしょう。空売りを返済するための買い注文は「ロング」とは言いません。
「ショート」はちょっと注意する必要があります。投資対象物と売る行為を指すわけではないからです。日本語にすると「空売り」となります。
ポジションとセットで使われる事が多く、「ロングポジションを保有する」、「ショートポジションを解消した」などのように使ったり、トレンドを指して「ショート勢の売りに押されがち」などのように使ったりします。
なぜロングやショートと呼ばれるようになったのかは定かではありませんが、先にショートという用語が生まれて、それの反対なのでロングと呼ばれるようになったようです。
ショートの語源は「短期取引」であったとされています。
かつて、商品取引は現物売買しかありませんでした。ですが、原材料価格の変動が大きすぎるBIDと商売に支障をきたすため、商品を保有している人が、空売りする事によって変動リスクを解消する仕組みが生まれました。これが「空売り」です。
現物の取引期間は長期に渡るのに対して、空売りは一時的な取引であるため、投資期間は現物取引よりも必ず短くなります。そのため、まず空売りが「ショート」と呼ばれるようになり、便宜上、買いが「ロング」と呼ばれるようになったようです。
ASK、BID
ASKは日本語にすると「尋ねる」、「依頼する」という意味です。
投資の世界では、「最低売り価格」となるでしょうか。「最低」と付けた理由は、市場参加者が保有している投資商品を売る場合、好きな値段で売り注文を出しておく事ができるのですが、最も安い価格で約定し得る価格を「ASK」と呼ぶからです。
BIDは日本語にすると「入札」という意味が一番ポピュラーでしょうか。
投資の世界でも、そのままの意味で使われていて、「最高買い価格」となります。まさに競りに参加している様子を思い浮かべるのが一番分かりやすいでしょう。競りで次々に提示される一番高い値段がBIDだからです。
FXでも、取引画面を見るとASKとBIDが通貨ペア毎に一番目立つ形で提示されているのが分かると思います。
保有しているポジションを売る時はBID価格で、新規にポジションを買う時はASK価格でなら約定可能という事になります。
「現在のUSドルのASKは104円30銭、BIDは104円28銭」というように使います。
スプレッド
一般的に「スプレッド」と言えば、パンに塗るジャムや練ったものを総称した呼び名です。意味としては「広げて伸ばすもの」でしょうか。
投資の世界では「スプレッド」はハッキリしています。「ASKとBIDの価格差」です。
ASKとBIDの価格差が、なぜ「広げて伸ばすもの」なのか、ピンと来ないでしょう。ASKとBID価格差は証券会社が自由に広げることができるためです。
手数料無料が一般的となったFXにおいて、スプレッドが唯一の手数料となります。
「○○証券のスプレッドは1通貨あたり○○銭」という使い方をします。
チャート
「チャート」という単語にも色んな意味がありますが、グラフとか早見表というイメージが一番しっくり来るのではないでしょうか。
投資の世界での「チャート」は、投資商品の価格推移グラフを指します。世界には色んな投資商品がありますが、投資で使うチャートは、縦軸が価格、横軸が時間軸で統一されています。
時間軸の表示方法もほぼ共通化されていて、1つのプロットが1分を表す「1分足(いっぷんあし)」、「5分足」、「日足」、「週足」、「年足」などがあります。
「5分足チャート」という使い方をします。
レバレッジ
「レバレッジ」は、あまり一般的に使われる単語ではないようです。直訳すると「力点」などとなるでしょう。
FXや投資の世界での「レバレッジ」は、証拠金の何倍ものポジションを持つことを指しています。証拠金取引や信用取引で利用することができる取引方法です。
「5倍のレバレッジをかけて取引する」という使い方をします。
よく、レバレッジ取引を説明する時に「テコの原理」を引き合いに出して説明しているのを見かけますが、少しの力で大きな岩を動す様子が、少しの証拠金で多額の外貨を取引できるのと似ているから、と言えば分かりやすいでしょうか。
スワップ(ポイント)
「スワップ」は、「交換する」、「入れ替える」という意味で使われる言葉です。一般的でもありませんが、この言葉も投資の世界では使われ方が違います。
「スワップ」は、FX特有の用語で、通貨ペアで扱われる2つの通貨間の金利差を指す言葉です。「スワップポイント」とも言います。
低い金利の通貨を売って高い金利の通貨を買うと、保有期間に応じて1日単位で金利差が手に入ります。
ただし、スワップポイントが入手できるのは売る通貨よりも買う通貨の金利が高い場合にロングポジションを持っている間になります。例えば、日本円はUSドルよりも金利が低い為、USドルのロングポジションを持ったまま日をまたげばスワップポイント入手になります。
逆に、USドルのショートポジションを持ったまま日をまたいでしまった場合は、スワップポイント相当額を支払うことになるので注意です。
ロスカット
「ロスカット」は、一般的に使うとしたら「無駄防止」のような意味になるでしょう。投資の世界では、違う意味で使われています。
投資で使われる「ロスカット」とは、投資商品の価格が相場急変時に急落した時に、それ以上の損失拡大を防ぐために自動的に売却されるシステムの事を指します。ロスカットされるような事態は一時的なものであり、ロスカット後に価格も元に戻ってしまう事も少なくありません。
「相場急変によりロスカットが発動された」、「ロスカットで損失拡大」などのように使う、不吉な言葉です。
どれくらい価格が下落したらロスカットされるのかは、証券会社ごとに異なっています。
FX初心者が知っておくべき用語集 まとめ
英単語なども多く、単語の意味からは類推しづらいFX用語ですが、基本的なものはここで挙げたものぐらいです。「ロング」や「ショート」、「ASK」や「BID」など、間違えやすい用語から先に押さえてしまうのがポイントです。
デモ取引などを通じて触ってみるのもよいでしょう。投資の世界でも「習うより慣れろ」です。