【実験】4秒で固まる液体プラスチック!ボンディックでレンガは持ち上がる?
[公開日]2018/01/26
4秒で固まる液体プラスチック「ボンディック」に興味はあるけれど、価格の高さに購入をためらっている人も多いのではないでしょうか。
普通の接着剤は100円均一でも購入できますし、同じような役割に使える「UVレジン」も100円均一で購入できます。
しかし「BONDICスターターキット」は2,500円程度の販売価格です。
そこでボンディックにそれほどの価値があるのか、実際に購入して接着剤やUVレジンと比較してみました。
この記事を読めば、ボンディックを購入するかどうか決断できるはずです。
目次
《ガイド:高島麻呂》
引っ越しの神様にて企画編集を担当。手先がひどく不器用。
引っ越しの神様にて企画編集を担当。手先がひどく不器用。
接着剤とはどう違う?ボンディックとは
ボンディックは接着剤ではない
ボンディックは接着の用途にも使用できますが、接着剤ではなく「液体プラスチック」です。液体プラスチックの硬化する性質を活用して、ものを接着させることができます。
あらゆる状況下でものを接着させることができる接着剤とは違い、ボンディックは塗って乾かすだけでは接着しません。
何重も覆うようにボンディックを塗り重ね、塗り重ねた液体プラスチックを硬化させることで接着させるのです。
硬化した液体プラスチックで固定するようなイメージですね。
ボンディックは様々な素材の接着・修復・成形ができる
ボンディックは様々な素材の修理・修繕・成形に使用できます。ボンディックが接着・修繕・成形できる素材
プラスチック、金属、木材、石、レンガ、ガラス、セラミック など
具体的には以下のような用途に使用できるのが特徴です。
ボンディックを塗って、UVライトを当てれば4秒で硬化するので、素早く修復・修繕ができます。
・スマホの充電ケーブルの裂けた根本の補強
・割れた部品の修復
・欠けたルアーの修復や角度調整
・部品のスペアの作成
・家具の欠けた部分を修復
・ワイヤーの接続 など
・割れた部品の修復
・欠けたルアーの修復や角度調整
・部品のスペアの作成
・家具の欠けた部分を修復
・ワイヤーの接続 など
接着だけではなく、ゼロからの造形ができることがボンディックの特徴ですね。
ボンディックの強度を瞬間接着剤・UVレジンと比較してみた
ボンディックを接着に使用する際、どれほどの強度があるのか比較してみましょう。
ボンディックとの比較に使用するのは「アロンアルファEXTRAゼリー状」とダイソーで販売されている「UVクラフトレジン」です。
接着剤「アロンアルファEXTRAゼリー状」と「UVクラフトレジン」の特徴
アロンアルファEXTRAゼリー状(440円~)
スピーディーに接着できるので、急を要する補修にぴったり。プラスチック、金属、合成ゴム、革、木材、陶磁器に使用できる。ゼリー状なので固定しやすく、使いやすい。
UVクラフトレジン(108円)
ボンディックと同じように紫外線を当てると硬化する樹脂。ただし、ボンディックよりも硬化には時間がかかる。型にはめて造形し、アクセサリーの制作などに使われる。
スピーディーに接着できるので、急を要する補修にぴったり。プラスチック、金属、合成ゴム、革、木材、陶磁器に使用できる。ゼリー状なので固定しやすく、使いやすい。
UVクラフトレジン(108円)
ボンディックと同じように紫外線を当てると硬化する樹脂。ただし、ボンディックよりも硬化には時間がかかる。型にはめて造形し、アクセサリーの制作などに使われる。
何グラムまで耐えられる?接着強度実験
ウォーターダンベルに水を入れ、ホームセンターで購入したDIY用の「取っ手」を接着します。接着した取っ手が何グラムまで重さに耐えられるのかを試してみたいと思います。
ウォーターダンベルの中に入れる水の量をだんだん増やしていき、最後まで落ちずに残ったものがもっとも接着力が強いということになります。
まずは500gの重さに耐えられるか実験
ウォーターダンベルに満タンに水を入れると1kgになるそうなので、まずは半分の500gから試してみましょう。洗面台で水を入れ、タオル掛けに接着した取っ手を、棒に掛けていきます。
500gの水が入ったダンベルを掛けて30秒ほど待ちましたが、どれも落ちる気配がありませんでした。
どれも大丈夫そうなので、1kgで試してみましょう!
1kgの重さに耐えられるか実験
ウォーターダンベルに水を満タンに入れ、1つずつ棒に掛けていきました。実験結果を見てみましょう。UVレジンのウォーターダンベルは掛けて5秒で落下
UVレジンで取っ手をくっつけたダンベルを掛け、次のボンディックのウォーターダンベルを手に取ろうとした瞬間でした。
パキッ
ダーン!!
UVレジンで取っ手をつけた1kgのダンベルは、5秒程度で床に叩きつけられてしまいました…。
硬化する力は持っていますが、1kgのものを接着するほどのパワーは持っていないようですね。
UVレジンは紫外線を当てて硬化するまでに30秒~1分程度かかるので、接着させる作業も面倒でした。
接着剤「アロンアルファEXTRAゼリー状」は掛けた瞬間外れる
ボンディックで取っ手をつけたダンベルは難なく掛け終わりました。次はアロンアルファで取っ手をつけたダンベルです。アロンアルファで取っ手をつけたウォーターダンベルを掛けようとした瞬間です。
パキッ
ウォーターダンベルをかけた瞬間に取っ手が外れてしまい、ダンベルを掛けることができませんでした。
接着剤も重さには弱かったですね。この結果は意外でした。
強度はボンディックの1人勝ちだった
500gの時はどのダンベルも大丈夫そうだったのでいける気がしたのですが、重さを1kgに変更した瞬間、ボンディック以外は相手になりませんでした。
接着箇所はプラスチックでしっかり固まっており、ちょっとやそっとのことでは落ちそうにありません。
しばらく放置してみたところ、5分耐えた後で落下しました。
見た感じ「かなり耐えるのでは?」と思いましたが、長時間負荷がかかりすぎるとプラスチックがはがれてしまうようです。
次はボンディックの接着力をいろいろな素材で試してみましょう。
ボンディックは素材を選ばないって本当?木・レンガ・金属で強度実験
ボンディックのパッケージの「主な用途」の記載部分には以下のように記されています。
プラスチック・金属・木材・石・レンガ・ガラス・セラミックなどの修理・修繕・成形
本当にこれだけの素材に使用することができるのでしょうか?素材別に試してみましょう。
木材(木製のブロック)
まず手始めに木材のブロックから試してみます。取っ手の周囲を覆うようにボンディックを塗り、UVライトを照射。これを3回繰り返します。
すると、このようにしっかりと接着ができました。
木材は表面がザラザラシているので、ウォーターダンベルのプラスチックよりもしっかりと接着できました。
金属(中身の入ったフルーツ缶詰)
金属でも試してみましょう。サイズの大きなフルーツの缶詰に取っ手を接着します。
接着面がカーブしているので、こまめにUVライトを当てました。硬化させながら、重ね塗りを施していきます。
すると、このように金属にもしっかりと接着できました。
表面がカーブしており、波型の加工もされてあったので接着しづらいのではないかと思いましたが、とくに問題ありませんでした。金属も接着できますね。
レンガ
筆者が個人的にもっとも気になっていたのが「レンガ」です。液体プラスチックで重いレンガを接着し、持ち上げることができるのでしょうか。あまりイメージができません。
ボンディックを塗り、UVライトで硬化する作業を3回繰り返しました。
持ち上げる前にレンガの重さを計ってみたところ…。
942gありました。本当に持ち上げることができるのでしょうか…。
おそるおそる持ち上げてみます。
そーっと持ち上げると、しっかりとレンガが持ち上がりました。
突然「ガン!!」と落ちてしまうことを心配していましたが、意外と安定している印象です。
意外にビクともしなくて安定感があったので傾けたり動かしてみましたが、問題ありませんでした。しっかりと接着されています。
レンガは表面がザラザラしているので接着しやすかったようですね。安定して接着できたので驚きました。
ボンディックはいろいろな素材に活用できる
実験を行ってみて、ボンディックはパッケージの記載通りに、さまざまな素材に活用できることがわかりました。ただし、素材そのものには対応できても、表面がツルツルした素材には向いていないという特徴を持っています。
今回も写真のように接着する部分を目の粗い紙ヤスリで削って、断面をザラザラにしてから接着しました。
ボンディックの強度を高めるために必要な工程ですので、忘れないようにしてくださいね。
ボンディックの強度がわかってきたところで、今度は実際に想定されるシーンで修繕に活用してみましょう。
ボンディックでスマホのケーブルを修繕して強度チェック
スマートフォンの充電ケーブルの根本部分が裂けて使えなくなったという方は多いかと思います。
ボンディックを使えば、このような事態が起きても、素早くかんたんに修繕ができるそうです。
とは言うものの、組み立て式家具すら挫折したことがある不器用な筆者でも修繕できるのでしょうか…。
まずは、充電ケーブルが裂けてしまった部分にボンディックを塗っていきます。
ボンディックの先端は極細タイプのボールペンのようになっており、小さなものでも塗りやすい設計になっています。
不器用な筆者でも、液体をダラダラとテーブルに垂らすことなく塗ることができました。
塗ったあとは、先ほどとは逆の先端にある「BONDIC専用UVLEDライト」を塗った箇所に当てます。
4秒で硬化ということなので、塗った液体の各部分に4秒ずつ光を当てるイメージでライトを当てていきます。
液体プラスチックが硬化したのを確認したら、さらにその上に塗り、またUVライトを当てていきます。
これを3回繰り返すと、このようになりました。
ボンディックを塗った部分は、まさにプラスチックで覆われた状態になっており、カチカチでビクともしません。
ここまで固まれば、これからは断線を気にせずに使い続けられますね。
塗って光を照らすのを3回。作業時間は3分もかかりませんでした。この作業だけなら簡単だと思います。
ボンディックで割れたプラケースを修繕して強度チェック
今度は割れたプラスチックの修繕にチャレンジしてみたいと思います。
真っ先に思い出したのは、オフィスにあるトランプでした。
スタッフによって、休憩時間に週に2~3回の頻度で酷使されるこのトランプはもうボロボロ。
この大切なトランプケースをボンディックで修繕してみましょう。
まずは修繕箇所がズレないように、マスキングテープで固定しました。
その後、修繕したい部分にボンディックを塗っていきます。
一応、液体が垂れないように紙を敷いていますが、もし液体がテーブルや皮膚に付着しても、ティッシュなどで簡単に拭き取ることができます。
紫外線を当てない限りは硬化しないので、とくに焦る必要もないでしょう。
UVライトを当てて硬化させては、強度を確認していきます。
強度に不安を感じれば、再度液体プラスチックを塗って、繰り返しUVライトを当てましょう。
各部分に3~4回ほどこの動作を繰り返し、修繕が完了しました。
ケースの修繕跡は「初めから入っていた模様かな?」と思えるほど自然な仕上がりで、強度の不安はありません。
修繕した箇所が透明に仕上がるのが清潔感があっていいですね。割れたCDケースやおもちゃの修復などにもいいでしょうね。
ボンディックでケープル差込口を修繕!強度は大丈夫?
ボンディックで壊れたモノを修繕してきましたが、もっと繊細な部品でも試してみたいと思います。
実は、筆者にはずっと「なんとか補修できないか」と気になっていたものがあります。
それはテレビの「光デジタルケーブルの差込口」です。
筆者の自宅では、テレビの光デジタルの音声出力端子からテレビ台型のスピーカーに接続し、迫力ある音質で映画や音楽を楽しんでいました。
しかし、息子にケーブルをガチャガチャいじられた上に引っこ抜かれ、差込口の部品を壊されてしまったのです。
この黄枠の部分があるおかげで、ケーブルは「カチッ」と差し込まれていました。
しかし、息子に壊されてしまったせいで、どんなに念入りに光デジタルケーブルを差し込んでも、ケーブルがポロッと抜けるようになってしまったのです。
でも、ボンディックなら補修ができるのではないでしょうか。
この黄色い部分に何重にもボンディックを塗り重ねて差込口を補修すれば、差し込んだケーブルが固定されて抜けなくなるはずです。
差込口をライトで照らしながら、硬化させながら何重にも塗りすすめ、なんとか光デジタルケーブル差込口の補修が完了しました。
筆者は不器用なので、あまり美しくありません…。
しかし、必要な部分にプラスチックの補修をすることができました。
試しに光デジタルケーブルを差し込んでみると、しっかりと差し込むことができたのです。
久々にベース音が響いた時は本当に感激しました…。補修成功です。
この差込口の破損だけが原因でテレビの買い換えまで検討していたので、本当に助かりました。
ボンディックは「もう無理だろう」と諦めていた補修を可能にしてくれるという点で大きな価値があります。手に入りにくい純正部品の補修などでも活躍するでしょうね。
ボンディックの修繕強度は抜群!ただし向き不向きあり
液体プラスチックは4秒でカチカチに硬化する
ボンディックの液体プラスチックはUVライトを当てれば、たったの4秒でカチカチに固まります。そのため塗り重ねの作業が非常にスピーディーに進められるのが魅力です。
筆者はこの塗って、照らして、また塗って…という作業が楽しいな、と感じました。
ただし、硬化した後の液体プラスチックはとても硬く、ほとんど柔軟性がありません。
そのため、プラスチックの柔軟性を活用した部品の修繕には向いていないでしょう。
たとえば、LANケーブルの差し込み部分を補修すると硬すぎて差し込めなくなってしまいます。
修理できる部品の向き不向きを考えて、使うようにしましょう。
接着面の少ない接着はあまり得意ではない
ボンディックは接着剤ではなく、液体プラスチックです。そのため、断面に塗るだけでは接着することはできませんし、断面の間に塗るだけでは紫外線が当たらず硬化すらしないので接着できません。
接着する際は図のように、接着したいものを覆うように塗る必要があります。
覆うように塗る⇛UVライトを照射する⇛覆うように塗るを繰り返し、強度を増やしながら接着させます。
紫外線が当たらない空間や接着面の少ない接着は難しいので、いかに覆って固定できるかが鍵になりますね。
ボンディックの強度は抜群!一家に一本あれば便利
ボンディックをさまざまな重さ、素材、シーンで試してみましたが、どんな使い方をしても強度はしっかりしていました。
とくに便利だと感じたポイントは4秒で硬化するところです。硬化時間が短いので、作業がサクサク進むのは快感で「楽しい」と感じる方も多いのではないでしょうか。
また、一般的な接着剤とは異なり、紫外線を当てないと硬化しないので、手や床に付着する心配もいらない点もいいですね。
BONDICスターターキットは1本2,500円~と高額ですが、一度に使用する量が少ないので液体プラスチック4gはなかなか無くならないかと思います。
いざという時のために1本持っておくと、様々なピンチで活躍してくれるので一家に一本持つ価値のある製品ではないでしょうか。この記事を参考に、検討してみてくださいね。
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