【不動産屋が教える】マンション売却を成功するコツと基礎知識
[公開日]2017/05/17[更新日]2017/12/11マンションを売却したいけど、「何から準備すべきか」「どれくらいの期間で売れるか」がわからない。
不動産の売却は初めてで、よくわからずに不安だという方も多いと思います。
この記事では不動産屋を経営する筆者が、「マンション売却に必要な基礎知識と売却成功のコツ」を解説いたします。
目次
- 1 マンション売却の流れと引渡しまでに必要な平均期間
- 2 マンション売却で準備しておくべき必要な書類とモノ
- 3 住宅ローンの残債がある場合は金融機関との打ち合わせ必須
- 4 マンションの売却査定は無料!複数の会社に依頼しよう
- 5 マンションの査定で比較すべきは不動産業者の対応力
- 6 マンション売却の仲介手数料は上限額を請求されることが大半
- 7 マンションを賃貸するよりも売却が得である理由
- 8 売却時期で相場は変わる?適切な値下げの検討タイミングとは
- 9 確定申告は必要!売却後の税金処理は要注意
- 10 まとめ:ノウハウを知ってマンションの売却を成功しよう
- 11 コラム:査定後にマンションの売却そのものを再検討するケースもある
マンション売却の流れと引渡しまでに必要な平均期間
売却査定から引渡しまでの流れ
一般の方がマンションを売却する場合、以下の5ステップが基本的な流れとなります。売却査定:マンションがどのくらいで売れるか不動産会社に見積もってもらう
媒介契約の締結:不動産会社に売却を依頼する契約を締結する
販売活動:不動産会社に広告などの販売促進、買主との条件交渉をしてもらう
売買契約締結:買主と売買契約を締結する
決済・引渡し:代金を受領し、マンションを引き渡す
不動産の売却経験がない人は、やはりその道のプロである不動産会社に依頼した方が、売却はスムーズにいきます。この5つのステップも、不動産会社に依頼することを前提にしています。
信頼できる不動産会社を見つけ、上手に活用していくことが、売却を成功させるための大事なポイントとなります。
不動産を売却することは滅多に経験しないからこそ、プロの力を借りることが重要だにゃ!
売却成立までの平均期間は3ヶ月
売却成立までの平均期間は、不動産会社と媒介契約を締結してからおよそ3ヵ月程度と考えればよいでしょう。この3ヵ月間の期間の内訳は、下記のようなイメージです。
およそ1ヵ月から2ヵ月
・媒介契約を締結
・宣伝活動を実施
・購入希望者を見つける
・価格などおおまかな条件面で合意
・宣伝活動を実施
・購入希望者を見つける
・価格などおおまかな条件面で合意
およそ1ヵ月
・詳細条件を詰めて売買契約を締結
・決済引渡し
・決済引渡し
3ヶ月の期間には「査定をしてもらい、売却の意思を固めて、不動産会社を選定するまでの期間(ページ下部へ)」を含めておりません。意思決定までの時間には個人差があるためです。
たしかに査定してもらった結果によっては、マンションの売却そのものを検討し直すこともありそうだね。
マンション売却で準備しておくべき必要な書類とモノ
マンションを売却するときには、必要なものを、あらかじめ準備しておきましょう。売却の段階によって、最低限必要なものがあります。
クリアファイルなどにまとめて保管しておくと、不動産会社との打ち合わせ時に便利です。
価格査定~媒介契約に用意すべき書類とモノ
・購入時の重要事項説明書・売買契約書
・権利証(登記済証)、登記識別情報通知
・固定資産税等納税通知書
・設計図、仕様書
・管理規約
・残置物(物件内に残しておく家具・モノ)のリスト
・権利証(登記済証)、登記識別情報通知
・固定資産税等納税通知書
・設計図、仕様書
・管理規約
・残置物(物件内に残しておく家具・モノ)のリスト
この時期は、マンションの最低限の情報を網羅する資料が必要となります。
こうした資料をベースに、不動産会社が査定を実施し、売り出し価格や購買層の想定、をすることになります。
より正確な査定のためには、正確な情報が必要となります。
不動産会社に伝える情報を整理したメモが必要な理由
売却の理由・希望価格・最低限必要な金額・期限などの伝えたい事、諸費用や税金・買換えの手順など聞きたい事を、事前にご自身で整理したメモを作成しておきましょう。
最初はみんな初対面です。不動産会社にとっても、必要な情報や、疑問点を、正確にきちんと伝えてくれる売主は有り難いものです。
信頼関係を不動産会社と構築するためにも、必要な資料や要望は早めに用意しておきましょう。
最初はみんな初対面です。不動産会社にとっても、必要な情報や、疑問点を、正確にきちんと伝えてくれる売主は有り難いものです。
信頼関係を不動産会社と構築するためにも、必要な資料や要望は早めに用意しておきましょう。
なお、マンションの販売活動中は特に必要な書類などはありません。
売買契約~決済・引渡しで用意すべき書類・モノ
売買契約の締結時に必要なもの
・本人確認書(氏名、住所、生年月日を確認できるもの)
・印鑑(実印が望ましい)
・印鑑証明書
・領収書(手付金の授受がある場合に必要、個人の住居の売却には収入印紙は不要)
・収入印紙(契約書に貼付、金額は売買金額による)
・仲介手数料(売買契約時に不動産会社に媒介報酬(仲介手数料)を支払う媒介契約の場合に必要、通常は総額の半分)
・印鑑(実印が望ましい)
・印鑑証明書
・領収書(手付金の授受がある場合に必要、個人の住居の売却には収入印紙は不要)
・収入印紙(契約書に貼付、金額は売買金額による)
・仲介手数料(売買契約時に不動産会社に媒介報酬(仲介手数料)を支払う媒介契約の場合に必要、通常は総額の半分)
決済・引き渡し時に必要なもの
・権利証(登記済証)または登記識別情報
・実印
・印鑑証明書
・本人確認書
・固定資産税評価証明書
・抵当権抹消登記に必要な書類(住宅ローンの残債がある場合、金融機関と要打ち合わせ)
・委任状(登記申請手続きを司法書士に委任する。通常司法書士が用意)
・登記原因証明情報(通常司法書士が事前作成)
・鍵、告知書、残置物リスト、など関係書類・物一式
・領収書
・司法書士費用(移転登記費用、抵当権抹消登記費用)
・仲介手数料残額
・実印
・印鑑証明書
・本人確認書
・固定資産税評価証明書
・抵当権抹消登記に必要な書類(住宅ローンの残債がある場合、金融機関と要打ち合わせ)
・委任状(登記申請手続きを司法書士に委任する。通常司法書士が用意)
・登記原因証明情報(通常司法書士が事前作成)
・鍵、告知書、残置物リスト、など関係書類・物一式
・領収書
・司法書士費用(移転登記費用、抵当権抹消登記費用)
・仲介手数料残額
売買契約~決済・引渡しのステップでは、契約日に決済・引渡しまでを行う一括決済の場合もあります。
それ以外の「買主が金融機関の融資を利用して購入する」場合は、金融機関の事前審査ののちに売買契約を締結、その後、融資の本審査を経て融資実行日に、代金決済・引渡しが行われる、という流れが一般的です。
マンションの所有権移転に必要な手続きと内容
所有権の移転に必要な登記手続きと金額の負担については、以下の通りです。・抵当権等抹消登記:売主が負担
・所有権移転登記:売主・買主双方の名義で申請、費用負担は折半原則だが買主負担とする場合も多い。
・抵当権設定登記:買主がローンを利用する場合、金融機関が設定。通常、買主負担
・所有権移転登記:売主・買主双方の名義で申請、費用負担は折半原則だが買主負担とする場合も多い。
・抵当権設定登記:買主がローンを利用する場合、金融機関が設定。通常、買主負担
いずれも決済、引き渡し当日に実施されるので、売主・買主とも、同一の司法書士に任せることが経済的でもあり、一般的です。
住宅ローンの残債がある場合は金融機関との打ち合わせ必須
マンションを売却することが決定した場合は、本来であるならば売却時までに抵当権は抹消しなくてはいけません。
しかし、住宅ローンの残債があるケースでは「売却代金を残債の整理に使用する」ことがほとんどです。
通常は売却代金を受領後すぐに残債分を、抵当権を設定している金融機関に入金します。
入金後に弁済証書、解除証書、抹消登記委任状を発行してもらい、抵当権抹消登記手続きをすることになります。
そのためには、売買の予定と残債の金額、抵当権抹消の段取りなどについて、住宅ローンの残債のある金融機関と前もって打ち合わせをしておく必要があります。
住宅ローンの支払いが残っていてもマンションは売却できるのね!
マンションの売却査定は無料!複数の会社に依頼しよう
複数の不動産会社に査定を依頼すべき7つの理由
マンションの売却の最初のステップは、売却査定を依頼することです。売却査定とは、「不動産会社がおよそ3ヵ月以内に販売できると思う価格を算出すること」です。
必ず、複数の不動産会社に依頼しましょう。理由は以下の7つです。
- 査定価格は見込み価格に過ぎない
- 会社によって得手不得手もあれば、楽観的・悲観的などの差がある
- 媒介契約を締結したいがために、現実味の無い高い査定価格を出す会社もある
- 売却できないリスクを恐れすぎて相場よりも安い価格を提示するケースもある
- 複数社に査定してもらい説明を聞くことで、相場の中心値が自然と見えてくる
- 説明や応対を比較することで、信頼できるかどうかをある程度判断できる
- 売却査定は基本的に無料である
販売価格は、売却の最大のポイントです。あまり高く設定しても、売れ残ってしまいます。
一旦マーケットで売れ残りマンションとレッテルを張られてしまうと、結果的に思わぬ値下げを強いられることになりかねません。
なぜなら「価格だけではなく何か問題がある物件ではないか」と敬遠されがちになってしまうからです。
一方で、相場より安く売っては大きな損失ですよね。適正な査定価格が適正な販売価格を導きます。
複数の会社に査定してもらうことで、納得のいく査定をしてくれた不動産会社と媒介契約を締結することが必要です。
インターネットで査定する方法もある
現在では、実際に不動産会社に訪問しなくても、インターネットからも売却査定を申し込みことができます。「マンション 査定」で検索すると、様々な会社や査定サイトが検索できます。
検索結果は大きく分けて、各不動産会社の査定案内と、一括査定サイトに大別できるでしょう。
それぞれのメリット・デメリットを簡単にまとめてみました。
個別の会社の査定申し込み
メリット
・不動産会社を自分で選択できる
・個人情報が漏れにくい
・自社の見込み客と想定するので反応が早く、フォローも手厚い
デメリット
・複数の会社に申し込むのが、煩雑
・選択が大手会社に偏りがち
・結果的に複数の会社への査定依頼をしないで不動産会社を選択する場合が多い
・不動産会社を自分で選択できる
・個人情報が漏れにくい
・自社の見込み客と想定するので反応が早く、フォローも手厚い
デメリット
・複数の会社に申し込むのが、煩雑
・選択が大手会社に偏りがち
・結果的に複数の会社への査定依頼をしないで不動産会社を選択する場合が多い
一括査定サイトでの査定申し込み
メリット
・一度の申し込みで、複数の会社に査定依頼ができる
・地元密着、マンションが得意などの中小の不動産会社からの査定も受けられる
・自動的に必ず複数の会社の査定を比較することになる
デメリット
・他社との比較となることが想定されているため、時に機械的な反応もある
・不特定多数の会社に個人情報が漏れる可能性がある
・同じ期間に多くの不動産会社から連絡が来るため、煩わしく、混乱する場合もある
・一度の申し込みで、複数の会社に査定依頼ができる
・地元密着、マンションが得意などの中小の不動産会社からの査定も受けられる
・自動的に必ず複数の会社の査定を比較することになる
デメリット
・他社との比較となることが想定されているため、時に機械的な反応もある
・不特定多数の会社に個人情報が漏れる可能性がある
・同じ期間に多くの不動産会社から連絡が来るため、煩わしく、混乱する場合もある
インターネットでの申し込みは、確かに便利です。メリット・デメリットを理解して、上手に利用することをお勧めします。
マンションの査定で比較すべきは不動産業者の対応力
必ずしも依頼者の納得を得ることは必要とはされていませんが、合理的なものでなくてはなりません。
根拠の明示は法律上の義務ですので、遠隔地などへの出張が必須であるような特別な場合を除いて、査定に要した費用は依頼者には請求できないものとされています。
査定方法は「机上査定」と「訪問査定」の二種類
査定には、机上査定、つまり依頼者から連絡された住所や間取り、広さなどのデータのみで判断する査定と、訪問査定といって実際に不動産会社の担当がマンションを訪問調査して評価する査定の2種類があります。通常は、机上査定を経て質疑応答をしながら、気に入った不動産会社に訪問査定を正式にしてもらう、ということになるでしょう。
不動産会社が示す「査定価格の算出方法と根拠」は要チェック
不動産の価格を判定する合理的な方法としては、以下の3つの方式が代表的です。原価方式
現時点で同等の不動産を取得するコスト(再調達原価)を試算して、そこから老朽化などの要因を減算して(減価修正)、評価額を求める方法です。近隣に似たような建物の売却事例がさほど多くない、一戸建ての建物などを評価する場合に多く使われます。
取引事例比較方式
近隣の取引事例を参考に、事情補正や時点修正、個別の要因による修正を加えて評価する方法です。同様の仕様による取引事例を多く収集しやすい、マンションや土地を評価する場合に使われます。
収益還元方式
対象不動産が将来生み出すであろうと期待される収益から、現在価値を逆算する方法です。一棟建てマンションなどの賃貸用不動産や、テナントビルや店舗用などの事業用不動産を評価する場合に有効です。
「価格査定マニュアル」を根拠に不動産会社は価格を提示
不動産会社の多くが、合理的な査定の根拠を示すために利用しているものに、「価格査定マニュアル」があります。これは公益財団法人不動産流通推進センターが、国土交通省の指導の下に作成したもので、以下の3つのマニュアルが使用されています。
・住宅地価格査定マニュアル:宅地の査定用、取引事例比較方式を採用
・戸建住宅価格査定マニュアル:戸建住宅の査定用、土地分は取引事例比較方式、建物分は原価方式を採用し、合算して査定価格を算出する方式
・中古マンション価格査定マニュアル:取引事例比較方式を採用
・戸建住宅価格査定マニュアル:戸建住宅の査定用、土地分は取引事例比較方式、建物分は原価方式を採用し、合算して査定価格を算出する方式
・中古マンション価格査定マニュアル:取引事例比較方式を採用
マンションの査定は、取引事例比較方式を多く採用しています。
取引事例比較方式の場合、どの取引事例を比較対象として選択するか、その取引事例と比較して査定対象のマンションの差異のポイントがどれだけあるかが、査定金額を左右します。
従って、査定金額を上げるポイントは、立地条件、眺望、リフォーム歴、共用設備、間取りなどの特別仕様の箇所など、セールスポイントと思えるところを机上査定の段階から、積極的に不動産会社に伝えることです。
机上査定では、築年数とエリアと広さでマンションは評価されがちです。売主から積極的にアピールすることが大事です。
マンション売却の仲介手数料は上限額を請求されることが大半
仲介手数料の内訳は媒介契約時に確認
仲介手数料は、法律で400万円以上の売買の場合、(売買金額×3%+6万円+消費税相当額)と、上限額が定められています。この定めは、あくまで上限額であり、基本的には依頼者に業務内容を説明し、交渉の上、合意すべき事項です。
しかし、多くの不動産会社は、法定報酬として上限額を請求しているのが現状だといえるでしょう。
見落としがちな細部も忘れずに確認を
媒介契約を締結する時には、不動産会社は、売り出し価格や媒介報酬について定め、契約書を交付することが法律で義務付けられています。
曖昧な点がないかをしっかりチェックする必要があります。
曖昧な点がないかをしっかりチェックする必要があります。
仲介の媒介報酬は売却が成功した時に支払う
また、媒介報酬は、契約を成立させた場合の報酬ですから、成功報酬と定められています。販売のための宣伝や広告活動は、報酬に含まれるとされています。
販売のために調べた資料や、広告のためのチラシや宣伝費用、現地案内などの人件費などを別途請求されることは基本的にありません。
但し、依頼者の特別な要求による広告や遠隔地への出張などについては、事前に依頼者の了解を得ることを条件に費用を請求する、という特約を付けることも多いです。
媒介契約を締結する前には、契約書上の表記をしっかり確認しておきましょう。
契約書を読むのは大変だけど、細かいところも要チェックにゃ!
マンションを賃貸するよりも売却が得である理由
「売却」か「賃貸」か迷った時の判断基準
住み慣れたマンションから引っ越しをしなくてはならないので売却を考えていたけれど、近頃ではマンション投資も流行っているようだし、賃貸物件としてそのまま保有していた方がいいかもしれない、とお悩みになる方も多いでしょう。どちらが良いのかその判断基準は無いのでしょうか?
どちらか迷った時には、以下の点を自問自答してみましょう。
保有のマンションを賃貸に出して、住み替える、というのは、いわば中古マンション投資をすることと一緒になります。
本人はそう思っていなくても、収益物件を保有することとなります。投資には必ずリスクがあります。
住宅ローンの残債が残っているような経済環境で、上記のいずれかの決意なしでうかつに投資に手を出すことはお勧めできません。
賃貸や売却の場合のメリット・デメリットを理解したうえで、決意を以て賃貸に望むのでなければ、売却した方が無難です。
賃貸として貸し出すメリット・デメリット
◆賃貸のメリット(1)定期的な家賃収入が見込める
(2)住宅ローンの残債があっても低金利のため、家賃収入が返済を上回ることが多い
(3)資産がそのまま残る
(4)減価償却費、金利、補修費など経費が発生するため、節税メリットがある
(2)住宅ローンの残債があっても低金利のため、家賃収入が返済を上回ることが多い
(3)資産がそのまま残る
(4)減価償却費、金利、補修費など経費が発生するため、節税メリットがある
◆賃貸のデメリット
(1)空き室は100%の赤字となる
(2)延滞や家賃低下のリスクとなる
(3)住宅ローンの残債がある場合、住み替え先の購入に融資を利用しようとしても、住宅ローンを利用できない、金利が高くなる場合が多い
(4)修繕費・ハウスクリーニング代などコストがかかる
(5)長期間保有しているうちに、収益性が悪化し、資産価値が落ちる場合がある。
(6)そもそも立地条件や間取りが賃貸に向いていない場合も多い
(7)元のマンションに戻ろうとしても、居住者が立ち退かないリスクがある
(8)居住者の近隣とのトラブルは所有者が責任を取らなくてはいけない場合が多い
(2)延滞や家賃低下のリスクとなる
(3)住宅ローンの残債がある場合、住み替え先の購入に融資を利用しようとしても、住宅ローンを利用できない、金利が高くなる場合が多い
(4)修繕費・ハウスクリーニング代などコストがかかる
(5)長期間保有しているうちに、収益性が悪化し、資産価値が落ちる場合がある。
(6)そもそも立地条件や間取りが賃貸に向いていない場合も多い
(7)元のマンションに戻ろうとしても、居住者が立ち退かないリスクがある
(8)居住者の近隣とのトラブルは所有者が責任を取らなくてはいけない場合が多い
分譲マンションは、賃貸用に建てられたマンションに比べて、仕様や間取りが立派、共用部分が充実している、居住者の移動が少なくマナーが良いなどの利点があり、賃貸に出しても人気があります。
しかし、そもそもの立地条件が、利便性よりも居住性を志向している場合もあり、本当に、入居者が決まるかどうかは条件次第といえるでしょう。
また、些細な不都合が生じた場合であっても、入居者や近隣の要望や不平やクレームに、大家として対応しなければならなくなります。
他に仕事をしながらだったりすると、大家さんの対応をするのは大変そうだね。
売却する場合のメリット・デメリット
◆売却のメリット
・まとまった金額を手にすることができる
・売却益が出た場合は、3000万円控除や買換え特例などの優遇税制を利用できる
・売却後買換える場合は、住宅ローンを再度利用できる
・売却前の買換えの場合も、買換えローンやつなぎ融資などの利用が可能
・売却益があった場合、ゆっくり金額と志向にあった収益性の高いマンション投資を検討することも可能
◆売却のデメリット
・マンションという資産をひとつ手放すことになる
・まとまった金額を手にすることができる
・売却益が出た場合は、3000万円控除や買換え特例などの優遇税制を利用できる
・売却後買換える場合は、住宅ローンを再度利用できる
・売却前の買換えの場合も、買換えローンやつなぎ融資などの利用が可能
・売却益があった場合、ゆっくり金額と志向にあった収益性の高いマンション投資を検討することも可能
◆売却のデメリット
・マンションという資産をひとつ手放すことになる
「売却」か「賃貸」か迷った時の比較のポイント
マンションを賃貸に出す場合には、メリットもありますが、デメリットも数多くあります。賃貸を選ぶ場合の一番のポイントは、そのマンションは賃貸に適したマンションかどうか、ということです。
賃貸に適したマンションとは「売却できるであろう想定価値に対して、将来の家賃収入とコストといった収益のバランスが取れる、利回りが得られる」と予想できる物件のことです。
「入居者の募集に困らないような人気の好立地であること」や、「家賃相場が高いこと」、「長期間の保有にもかかわらず売却価格の目減りが少ないこと」が予測できるかどうか、ということになります。
入居者が長期的に確保できる、と確信できなければ、売却して利益を確定して、別途、収益性の高いマンションを、きちんと「投資対象」として選定して、購入して賃貸に出した方がいいと、筆者は考えます。
目的をはっきりさせて対応した方が良さそうね!
売却時期で相場は変わる?適切な値下げの検討タイミングとは
「売却のしやすさ」は時期の影響は受けにくい
俗に、不動産の流通が活発になる時期は、4月の新年度を目途に2月~3月といわれています。賃貸の市場では、学生向けの需要が重なりますので、かなり顕著なピークがその時期に生まれます。しかし、マンションの売買の場合は、さほど気にする必要はないでしょう。購入希望者は、いつでも自分の欲しいエリアの情報を探しています。
しかし、最終的な購入は内覧の印象で決断する場合が多いと思います。
6月の梅雨の時期、8-9月の猛暑、台風の時期などは、売りにくくなるのは事実です。西日の差す部屋を猛暑の日に内覧するのはきついですよね。暴風雨の日に内覧する方はあまりいません。
お天気の良い穏やかな日に内覧した方が、マンションの印象も良くなるに決まっています。
売却価格も時期によって変動することはないが新築物件の影響は受ける
売り出し時期によって価格は変動しません。強いて言えば、新築マンションが販売される時期は、予算期変わりの4月、10月が多いようですね。これに販売時期を合わせた方がよいかどうかは異論のあるところでしょうが、筆者は、同じエリアに新築マンションが販売される時期は、ねらい目だ、という方です。
筆者が新築マンションとあえて販売時期を競合させる狙いとは?
新築マンションは相場と言うよりも、コストを勘案して値付けがされるので、どうしても新築プレミアムといって価格は高くなります。
そのため、エリアとして注目しても新築の価格までは手が届かない購買層も、中古マンション市場に目を向けることになり、購買層が広がります。
また最初から中古マンションの購入を検討している購買層よりも、お得感を感じて購買を決定してくれる場合も多いのです。
そのため、エリアとして注目しても新築の価格までは手が届かない購買層も、中古マンション市場に目を向けることになり、購買層が広がります。
また最初から中古マンションの購入を検討している購買層よりも、お得感を感じて購買を決定してくれる場合も多いのです。
値下げを検討すべきタイミングは「媒介契約を締結してから3ヵ月後」
マンションを売りに出してもなかなか売却に結び付かない場合があります。そんな時は値下げを実施した方がよいのか、とお悩みになる方も多いです。結論から言うと、値下げを検討するべきタイミングは「媒介契約を締結してから3ヵ月後」です。
中古マンションの購入希望者は、気にいる物件がないかと、自分の希望するエリア・価格・間取りの情報を常に探しています。
通常、媒介契約を締結して購入希望者の目に触れるまでは、1ヵ月程度もあれば十分だと考えられます。
1ヶ月で売却が進まないのは2つの理由あり!
1ヵ月以上経っても、なかなか具体的な売却が進まない場合、大別して2つの理由が考えられます。
一つは、マンションの魅力が購入希望者まで伝わっていない、もう一つは、マンションの魅力が価格に見合っていない、ということです。
まずは、マンションの魅力を購入希望者まで届ける努力を、不動産会社が本当にしているかを確認するべきです。
販売状況報告をチェックし、インターネットの掲載や宣伝方法に漏れは無いか、購入層の設定やアピールポイントは的確か、などを不動産会社と相談し、改善点を見つける必要があります。
一つは、マンションの魅力が購入希望者まで伝わっていない、もう一つは、マンションの魅力が価格に見合っていない、ということです。
まずは、マンションの魅力を購入希望者まで届ける努力を、不動産会社が本当にしているかを確認するべきです。
販売状況報告をチェックし、インターネットの掲載や宣伝方法に漏れは無いか、購入層の設定やアピールポイントは的確か、などを不動産会社と相談し、改善点を見つける必要があります。
「両手仲介」が原因で売却が長期化するケースも
不動産会社は、買主を自社で見つけてきた場合は、買主からも仲介手数料をもらうことが認められています。これを「両手仲介」というのですが、一件の売買で収益は倍になるわけです。
大手をはじめとして、多くの不動産会社は、収益向上のため「両手仲介」が望ましいとして、自社の販売網や顧客への営業活動を優先します。
なかには「両手仲介」に拘るあまり、他の不動産会社からの買主の紹介を断ったり、販売物件の情報を他社に漏らさなかったり、といった「囲い込み」といわれる悪質な手口に走る会社も後を絶ちません。大手といえども安心はできないのです。
売却を依頼した会社には、販売状況報告を定期的にしてもらい、どのような情報公開をしているか、しっかりチェックすることをお勧めします。
価格の見直しにはライバル物件の状況をチェック必須
3ヵ月の間に、販売方法に特に問題がない、改善をしていっても、なかなか売却が進まない、といった状況では、価格に見合った魅力がマンションにないのかも、と考慮する時期になったといえるでしょう。立地や間取り、管理状況、ランニングコストなどを踏まえた上で、もう一度近隣の相場と比較して、価格を見直す必要があります。
当初の価格設定は正しくても、近隣にマンションが大量に売り出されれば、相対的に高いものとなってしまう場合もあります。
3ヵ月も経てば近隣の状況に変化がある可能性があるので注意しなければなりません。
売れ残り物件のイメージがつくことは絶対に避けたい
3ヵ月も経てば購入希望者は、インターネットサイトで何度も見かける物件、いつまでも掲載されている物件、と認知してしまいます。
そうした物件は「売れ残り物件」として、「高いのでは」「価格の他にも売れない原因があるのでは」といった悪いイメージがついて敬遠されてしまいます。
3ヵ月を目安に、値下げを真剣に検討して、売り切ってしまうことが重要です。
そうした物件は「売れ残り物件」として、「高いのでは」「価格の他にも売れない原因があるのでは」といった悪いイメージがついて敬遠されてしまいます。
3ヵ月を目安に、値下げを真剣に検討して、売り切ってしまうことが重要です。
売れ残りにならないように不動産屋さんと密に連携をとるんだにゃ!
確定申告は必要!売却後の税金処理は要注意
マンション売却後の確定申告は必須!対応のポイント
マンションを売却して、代金をもらい、司法書士や不動産業者への支払いも終わりました。これにて一安心。というわけには残念ながらいきません。不動産の売買をすると、登記情報が税務署に届きますので、確定申告のお知らせが、送付されてきます。
マンションを売却して利益が出た場合は、確定申告をして所得税を納付しなければなりません。制度上は、利益が出ていない場合は、確定申告の必要はありません。
しかし、損失が出た場合にも申告をしておけば、所得税を大幅に減税できる場合がありますから確定申告はした方がよいでしょう。
確定申告をする時期は翌年の2月16日から3月15日まで
確定申告とは、税金を納付したり、払い過ぎた税金の還付を受けたりするために、収入や経費などの控除額を申告するものです。源泉徴収をされているサラリーマンなどは、通常、年末調整だけで済むのですが、自営業や、不動産の売却などの臨時収入があった場合や医療費の支出などの臨時出費があった場合に必要になります。
マンションの売却の確定申告は、売却した翌年の2月16日から3月15日までに所管の税務署に申告する必要があります。
確定申告の書式は国税庁のホームページに掲載されています。詳細はご確認下さい。
※国税庁ホームページへ
確定申告をしなければ、特例等の節税メリットを受けることができません。
さらに、所得があるとみなされた場合は、延滞利息や追徴課税が課せられる場合があります。
マンション売却をした場合は、「翌年2月に必ず確定申告をすること」と覚えておきましょう。
確定申告をしておけばメリットはある!
マイホームであった居住用マンションを売却した場合は、利益があっても、3000万円の特別控除や、長期譲渡所得の課税の特例等、税額が減免される制度があります。買換えの場合は、買換え特例という制度を使えば、買換えたマンションを将来売却するまでは、納税額の一部を繰り越すことも可能になります。
売却で損失が出た場合もメリットあり
損失が出た場合にも、マイホームを売却した場合は、他の事業所得や給与所得と通算することで他の所得にかかる所得税を減免することができる特例があります。
これを「特定のマイホームの譲渡損失の損益通算の特例」といいます。損失が大きい場合は3年間赤字を繰り越すことも可能となります。
居住期間や売却先、申告期限内の申告か、他の税務上の特例などを利用しているか、などによって、特例が適用される条件があります。
これを「特定のマイホームの譲渡損失の損益通算の特例」といいます。損失が大きい場合は3年間赤字を繰り越すことも可能となります。
居住期間や売却先、申告期限内の申告か、他の税務上の特例などを利用しているか、などによって、特例が適用される条件があります。
国税庁ホームページの説明をよく読んで、自分の状況に合わせて申告することが必要です。
確定申告は自分でできるが不安な場合は専門家に相談
確定申告をするには、大きく分けて、自分で申告する方法と、税理士事務所・会計士事務所などの専門家に依頼する方法の、2つの方法があります。自分で確定申告をする場合
メリット
・コストがかからない
・自分でやることによって理解が深くなる
デメリット
・間違いやすい
・手間がかかる
・特例の申請などに漏れが出る可能性がある
・コストがかからない
・自分でやることによって理解が深くなる
デメリット
・間違いやすい
・手間がかかる
・特例の申請などに漏れが出る可能性がある
売却したマンションをローンで購入した場合は、住宅ローン控除の申告をしている人も多いでしょうから、既に馴染みがあるものでしょう。
国税庁のホームページの申告書作成コーナーでは、指示通りに記入していけば申告書が完成するように丁寧に、注釈がついています。
また、そのまま電子申告する「e-Tax」という制度も利用することができます。お時間がある方や、今後も申告の必要がある方は、「e-Tax」の利用を検討しましょう。
専門家に確定申告を任せる場合
メリット
・間違いがほとんどない
・状況に応じて適切に特例を申請できる
・わかりやすく説明してくれる
デメリット
・10~20万円の費用が必要
・間違いがほとんどない
・状況に応じて適切に特例を申請できる
・わかりやすく説明してくれる
デメリット
・10~20万円の費用が必要
専門家に確定申告を依頼する料金については、一般的なガイドラインなどはなく、基本的には個別案件毎になっています。マンションの売却による所得申告については、売買金額に応じて左右されますが、相談などの費用も含めて、概ね10~20万円の範囲内のようです。
確定申告は想像以上に面倒だったりするから、時間に余裕のない人は専門家に頼むことを検討した方がいいかもね。
まとめ:ノウハウを知ってマンションの売却を成功しよう
それだけマンションの売却の前には、知っておいてもらいたいことが多いのだとご理解いただければ幸いです。
マンションを売却するためにもっとも重要なことは、「信頼でき相談できる不動産会社を見つけること」です。
査定の段階から信頼関係を作ることができれば、不動産会社はきっと力になってくれることでしょう。
コラム:査定後にマンションの売却そのものを再検討するケースもある
マンションを売却するといっても、せっかく一大決心をして購入したマンションです。売却してしまえば後戻りはできません。
どうしても売却しなければならない、という事情がない限りは、売却を決心するまでが一番迷う時期、一番長い時期かもしれません。
こればっかりは他人が決めることはできません。売却の意思を固める期間は、まさに人それぞれです。
最初に査定をしてから2年後に売却を決めたお客様も、何人かいらっしゃいます。決して珍しい話ではないのです。
ただし、不動産会社としてお手伝いできることは、親身になって相談を聞き、合理的と思われる助言をするのが精一杯です。
また、とにかく売却を勧める不動産会社よりは、事情を良く聞いて、場合によっては売却以外の選択肢を提案するくらい親身になってくれる不動産会社の方が信頼できるかもしれません。