不動産屋が教える!マンション売却を成功させる査定のポイント
[公開日]2017/03/22[更新日]2017/12/11マンションの売却を成功するには査定価格はもちろん、良い仲介業者と契約することが重要です。
査定というと価格だけに目が行きがちですが、査定価格はあくまで目安です。
マンションを「高く」「早く」売るためには、有能な仲介業者の存在が不可欠です。
この記事ではマンションの査定を利用する際に注意すべきポイントを、プロの視点で解説いたします。
マンションの査定で見るべきは価格じゃない!?査定で見るべき本当のポイントを不動産屋さんに教えてもらったにゃ!
査定でマンションの相場価格を知ることが必要不可欠な理由
マンション売却のステップとして、最初に経験しなくてはいけないのが不動産会社による査定です。売主の方はみなさん「高く」「早く」売りたい、という共通の願いをもっています。
その願いが叶うかどうかは、「査定にどう取り組むか」そしてその過程で「どう信頼できる不動産会社を見つけるか」にかかっているといっても過言ではありません。
査定への取り組み方が売却成功に向けてとっても大事なのね!
「売れるであろう」見込み価格を設定するには不動産会社の査定が必須
マンション売却に置ける査定とは、「この価格なら3ヵ月程度で売れるであろう」と不動産会社が価格を設定することです。マンション売却時には不動産会社による査定があって初めて、適切な売却価格を設定することができます。
なぜなら、不動産には同じ物件は二つとしてありません。
たとえ同じマンションの同じ間取りであっても、階数や部屋の位置、売り出すタイミングや使用状況によって売れる価格は変わってきます。
確かに同じマンションであっても場所や状況によってだいぶ価値は変わってくるよね。
相場価格を知るプロだからこそ適切な価格を設定できる
不動産の売買は「売りたい人」の「売っても良い価格」と、「買いたい人」の「買える価格」がマッチングしたときに初めて成り立つ「市場価格」で取引されるものです。そしてそのときに、売りたい人も買いたい人も納得できるレベルが「相場」です。
相場を理解することは、物件を「早く」売ることに繋がり、結果的に「高く」売ることにも繋がります。
単純な相場はネットでも調べることはできます。しかし、物件の価値を見極めることができる不動産会社による査定がないと、マンションの適切な売却価格は設定できないでしょう。
高くても売れないし、安くしすぎても自分が損するし…値段をつけるのって難しいね。不動産のプロに任せるのが一番かな
査定と媒介契約が売却完了までの流れをスムーズにする
査定から売却までは以下の5つのステップです。
1.査定
2.不動産会社との媒介契約
3.販売活動
4.売買契約締結
5.引き渡し
2.不動産会社との媒介契約
3.販売活動
4.売買契約締結
5.引き渡し
この中でも特に重要なステップ「1.査定」と「2.媒介契約」での注意すべきポイントを、この記事では詳しく解説していきます。
売却を進める上で最初の2つがとっても大事なんだね!
複数社への依頼が基本!査定価格と相場観を比較しよう
価格と相場観を比べるために査定は複数に依頼する
不動産会社が価格に対して意見を述べる(査定する)ときには、「合理的な根拠を明示する義務がある」と法律で定められています。つまり、査定はそれぞれの不動産会社の相場観を指し示すものといって良いでしょう。不動産会社が100社あれば100通りの相場観があります。
査定は複数の不動産会社に依頼をすることが重要です。
不動産会社ごとに査定額はバラツキあり!査定結果の比較で中心値を見極める
同じ「不動産会社」と称していても、得意不得意があるのです。賃貸を専門にしている不動産会社があれば、新築住宅が得意な会社も、投資用の不動産売却が得意な会社もあります。
複数の不動産会社に査定を依頼すると、おのずと中心値がわかります。それが、あなたのマンションの相場だと思って良いでしょう。
複数の不動産会社に査定を依頼すると、おのずと中心値がわかります。それが、あなたのマンションの相場だと思って良いでしょう。
一括査定サイトであれば一度の入力で複数社に依頼可能
複数の不動産会社に査定を依頼する場合に便利なものが「一括査定サイト」です。
複数の不動産会社から同一の入力内容を元に、査定と説明を受けることができるため、何度も同じ説明をする煩わしさが減ることになります。例えば「Home4U」というWebサイトでは、1回の物件情報の登録で最大6社の不動産会社を選択し査定を受けることができます。
また、サイトの運営会社が不動産会社をあらかじめ厳選しているため、悪徳業者に声をかけてしまう可能性が減るのも安心です。
一括査定サイトがフィルターになって、厄介な業者を排除してくれているから安心にゃ。
マンションの査定前に知っておきたい査定額の基礎知識
複数の会社へ依頼するのが査定を成功させるためのポイントです。そして、その査定額・内容を正しく比較するためにも、査定価格を導き出すメカニズムを把握しましょう。
査定には「机上査定」と「訪問査定」の二種類あり
査定は、「机上査定」と「訪問査定」の2種類に区分されます。机上査定…物件のデータだけで査定する
訪問査定…実際に現地を訪問し様々な点をチェックして算定する。
訪問査定…実際に現地を訪問し様々な点をチェックして算定する。
もちろん「訪問査定」の方がより精緻な査定となるのが一般的です。
一般の「一括査定サイト」では、「机上査定」が提示されるケースがほとんどですが、前述のHOME4Uでは「訪問査定」を最初から希望することも可能です。
訪問査定の結果だけ知りたいって時には、査定の種類を指定できるのは便利にゃ。
「中古マンション価格査定マニュアル」が査定価格の根拠
マンションの査定方法として、「中古マンション価格査定マニュアル」というソフトの使用が推奨されています。
これは公益財団法人不動産流通推進センターが開発したもので、多くの不動産会社はこれを採用していることでしょう。
このソフトでは取引事例方式という価格判定方法を用いて、必要項目の入力・選択によって自動的に査定価格が算出されます。
取引事例方式での価格の決まり方
中古マンション価格査定マニュアルではまず、位置・周辺環境・建物のグレード・階数などが査定依頼を受けたマンションと類似しているマンションを選定します。そしてそのマンションと比較して位置や専有部分の状況、交通アクセス、周辺環境その他を判定し、査定依頼を受けたマンションの評価を行います。
過去の事例と比較することにより妥当であろう査定価格を求めるのです。
公益財団法人不動産流通推進センターのホームページでは、査定結果のサンプルをこちらからチェックすることができます。
職人のカンじゃなくて、不動産屋さんはデータを基に査定結果を決めているんだね。
価格査定マニュアルは客観的な評価がベース
上記リンク先のサンプルを見ていただくとおわかりになりますが、このマニュアルでは机上査定だけでも評価可能な項目と、訪問査定をしなければわからない項目の両方が含まれています。
机上査定だけでも評価可能な項目
・専有面積
・立地条件
・交通アクセス
・インターネットやバリアフリーの有無など
・立地条件
・交通アクセス
・インターネットやバリアフリーの有無など
訪問査定で評価可能な項目
・眺望や外観
・維持管理状況
・日照・通風の良否など
・維持管理状況
・日照・通風の良否など
さらに、この項目に程度による加点や減点、売却時期による補正などを加え、最終的な査定価格が算出されることになります。
このマニュアルは基本的には、客観評価が積み重なるように算定されています。
同じマニュアルで算出されるのなら、なんで会社ごとに査定金額が異なるのかしら?
不動産会社によって査定額が異なる要因は担当者の主観
複数の不動産会社に査定を依頼した結果に大きな隔たりが出るとすれば、次のような理由が考えられます。各社の査定結果がバラバラな要因
・取引事例の選定の相違
・主観による評価事項・補正事項の相違
・そもそもこのマニュアルを使用していなかった
・主観による評価事項・補正事項の相違
・そもそもこのマニュアルを使用していなかった
つまり訪問査定でも評価のバラつきが生じるのです。これは査定者の主観に寄るところが大きいので、ある程度の補正が可能です。
逆に言えば意図的に査定価格をあげることも可能ということでもあります。
査定する人も人間だからどうしても主観的な要素は入ってしまうんだね。
マンションの査定額を高くする3つの方法
多くの不動産会社が利用している「中古マンション価格査定マニュアル」は、近隣の取引事例を参考にして算出されます。リフォームやリノベーション等の部屋の状況を正確に伝える
前述のとおり、リフォームやリノベーションの有無、バリアフリーやインターネット対応などは評価対象です。そうした事実は査定前に不動産会社に正確に伝える必要があります。また、維持管理状況や日照・通風の項目も評価対象になります。
好感をもてる空間を演出する
訪問査定で最後に決めるのはやはり印象です。清潔で気持ちの良い家、という印象を不動産会社にもってもらうことは重要でしょう。査定額をあげるために、訪問査定の前には整理整頓を心がけ掃除をするくらいの努力は惜しまないで行いましょう。
より多くの査定結果から高いものを選択する
また複数の不動産会社に査定してもらい、その中で査定価格が高めの不動産会社を何件か選ぶことも、査定価格を高くする早道だと言えるかもしれません。高すぎる査定額には要注意な理由
査定価格はあくまで「売れるであろうと不動産会社が思う価格」です。買い取り価格でも保証価格でもありません。
いたずらに査定価格を追い求めても実はあまり意味はありません。
「最高に高い査定価格」は、不動産会社を選択する際の、重大ではあるが必須の項目ではないのです。本当に大事なことは、マンションを「早く」「高く」売ることです。
査定額の根拠が信頼あるものかどうか見極めよう
自社の査定価格に自信が無かったり、気の弱かったりする不動産会社は、売主があまりに強気の価格に固執していると査定価格を意図的に上方修正してしまうかもしれません。査定価格の高低もたしかに重要ですが、もっとも大事なことは、その査定価格が信頼に足りるものなのであるかということなのです。
あんまりにも価格にこだわりすぎると大事なことを見失っちゃいそうね。
媒介契約が不動産会社の対応サービスを決める!注意すべき内容とは
複数の不動産会社に査定を出してもらったら、そこから価格レベルに納得でき信頼できると思える会社を選択し、仲介を依頼することになります。
正式に仲介を依頼するためには「媒介契約」を締結しなければなりません。
媒介契約で売却プランが決定される
「媒介契約」を締結する際には、不動産会社と次のことを決定し契約します。・マンションの売り出し価格
・不動産会社への報酬額
・どういった販売活動をするのか
・不動産会社への報酬額
・どういった販売活動をするのか
売り出し価格は査定価格を参考にして決定しますから、ここでも査定は重要になります。
査定時に十分に納得できる説明が行える会社が、信頼に足る不動産会社です。複数社を比較して検討してみましょう。
必ず知っておきたい媒介契約の3つのタイプ
媒介契約は、他の不動産会社に同様の依頼ができるかどうかや、販売活動の方法などで、以下の3種類に区分されています。■一般媒介契約
一般媒介契約では、売主は他社とも媒介契約を締結することができます。
売主が直接見つけてきた買主と売買契約を締結すること(自己発見取引)も可能となります。その場合は、不動産会社に仲介手数料を払う必要はありません。
その代わり契約期間や、業務処理状況の報告義務、指定流通機構(国土交通省が定める不動産物件情報システム:略称レインズ)への登録義務など、売主にメリットがある義務もありません。
売主が直接見つけてきた買主と売買契約を締結すること(自己発見取引)も可能となります。その場合は、不動産会社に仲介手数料を払う必要はありません。
その代わり契約期間や、業務処理状況の報告義務、指定流通機構(国土交通省が定める不動産物件情報システム:略称レインズ)への登録義務など、売主にメリットがある義務もありません。
■専任媒介契約
専任媒介契約では、他社とは媒介契約を締結することはできません。ただし、自己発見取引はできます。
■専属専任媒介契約
専属専任媒介契約では、自己発見取引もできません。必ず依頼した不動産会社を仲介させる義務が売主に生じます。
その代わり、契約期間は3ヵ月と定められ、報告義務やレインズへの登録義務は、専任から専属専任となるにつれ、厳しく定められます。
その代わり、契約期間は3ヵ月と定められ、報告義務やレインズへの登録義務は、専任から専属専任となるにつれ、厳しく定められます。
媒介契約を信頼できる不動産会社と結ぶ
媒介契約を締結するためには、この契約タイプの違いを理解することが大切です。不動産会社の説明を聞いたうえで、何度でも相談し、物件の状況にあった販売ができるように適切な契約をしなくてはなりません。
販売情報のレインズへの登録は、販売・広告活動においても重要なことなので、しっかり判断する必要があります。
国土交通省の「解釈・運用の考え方」にも「不動産会社はこうした契約の説明を事前にするべきだ」と明記されています。
売却のパートナーとして不動産のプロへ任せよう
納得のいく「査定価格」を算出し、売り出し価格・今後の販売活動方針・契約の内容など、十分買主の意向を汲みつつも、プロとしての提言を実施する。そんな不動産会社を見つけて媒介契約を締結することができれば、売却の3分の2は終了したと思っていても良いかもしれません。
あとは、販売状況報告を楽しみにしながら、逐次確認していけば良いでしょう。
良い不動産屋さんと適切な媒介契約を結ぶのが売却成功のポイントだにゃ。
売却を成功するための不動産会社の選び方
マンション売却を成功させるためには、査定内容が重要なのは間違いありません。
それと同時に、大事な財産の売却のパートナーとなるべき不動産会社を査定を通して見極めて、選択することも重要となってくるのです。
まさに査定依頼を通して、不動産会社を「査定」するべきなのです。
悪徳な不動産業者を見抜くチェックリスト
以下の内容に1つでも当てはまるような不動産会社は要注意です。
1つでも当てはまるとNG!悪徳業者の特徴
査定価格が、他の会社より極端に高い、または安く、その説明が不十分
媒介契約を結ぼうとしない、説明をしない
報酬額についての説明をしない、定額だと説明する
販売方針について明らかにしない、レインズへの登録をしない
媒介契約を結ぼうとしない、説明をしない
報酬額についての説明をしない、定額だと説明する
販売方針について明らかにしない、レインズへの登録をしない
査定価格が他の会社より安い場合は論外ですが、極端に高い場合も注意が必要です。
他の業者を押しのけて媒介契約を結びたいがために、査定価格を高く提示する業者もいないわけではありません。
また、不動産会社が媒介の業務を行う場合は、媒介契約を締結しなければなりません。そこでは売り出し価格や販売方針、報酬についての合意が必要です。
そういった義務を実施したくない会社は、「契約を結ばない方が都合が良い」と考えています。
不動産会社の報酬は上限が定められていますが、あくまで上限であって定額ではありません。そういった説明をしないであたかも定額だと偽る会社も信用できるものではありません。
説明がいい加減だと感じたら納得できるように質問しよう!怪しい業者に任せるのは怖いからね。
両手仲介と囲い込みで得をするのは不動産業者だけ!
また、買主を売主側の不動産会社が独自で見つけた場合、不動産会社は仲介手数料を買主からも貰うことができます。これを「両手仲介」といいます。
不動産会社にとってはお得ですが、この「両手仲介」に固執するあまり他の不動産会社が介入するのを嫌がり、レインズなど情報システムに登録せずに自社だけで仲介しようとする会社もあります。
その結果、他社から引き合いがきても「商談中」「他業者不可」などと断るケースが多いのです。これを「囲い込み」といいます。
広く情報を出さなければ、取引が成立するのが遅くなってしまいます。これでは売主の利益にはなりません。
不動産会社にとってはお得ですが、この「両手仲介」に固執するあまり他の不動産会社が介入するのを嫌がり、レインズなど情報システムに登録せずに自社だけで仲介しようとする会社もあります。
その結果、他社から引き合いがきても「商談中」「他業者不可」などと断るケースが多いのです。これを「囲い込み」といいます。
広く情報を出さなければ、取引が成立するのが遅くなってしまいます。これでは売主の利益にはなりません。
信頼できる不動産会社の6つの特徴
宅地建物取引業の免許をもっていること
営業マンが宅地建物取引士であることが望ましい
自信をもって査定価格の説明をしてくれること
依頼者の疑問に誠意をもってプロの見識を説明してくれること
販売方針を明らかにしてくれること
購買層や宣伝方法に具体的なイメージをもっていること
営業マンが宅地建物取引士であることが望ましい
自信をもって査定価格の説明をしてくれること
依頼者の疑問に誠意をもってプロの見識を説明してくれること
販売方針を明らかにしてくれること
購買層や宣伝方法に具体的なイメージをもっていること
どれも当たり前のことですね。一括査定サイトを利用するメリットは、良心的な不動産会社を見つけるために、余計な手間暇をかけないですむことです。
査定の現場ではとにかく対話を重ねて、「これは!」という不動産会社を探しましょう。
査定では話を聞くだけじゃなくて、しっかりコミュニケーションをして売却のパートナーを決めるぞ!
まとめ:査定では不動産会社を見極める「査定」が売却成功のポイント
本来、不動産会社はプロの集団であり、マンションの売却を依頼されたからには、査定から引き渡しまで安心して任せられる集団であるべきです。
しかし残念ながら、そんなプロフェッショナルのイメージを落とすような、自社の利益のみを追求する会社が存在するのも事実。
そうした環境への1つの答えが、一括査定サイトだと言えるかもしれません。
一括査定サイトなどを通じて不動産会社と知り合い、大事な財産を売却するパートナーを見つけましょう。
それがマンションの売却を成功させる早道です。