【行政書士が教える】「相続税が払えない」と困った時の解決方法
[公開日]2017/05/30[更新日]2017/12/11「相続税が払えない」とお困りの場合、ほったらかしにする事は絶対に避けましょう。最悪の場合、罰せられます。
払えないという状況であっても、対応方法を知ればトラブルは回避可能です。
相続税を支払う方法と注意点について、この記事では解説していきます。
相続税が払えないから放置はNG!申告漏れはバレる
申告漏れは税務署に把握され、どちらにせよ相続税を支払わなければなりません。
相続税を支払うことを忘れたり、無視すると後で対応しなければいけなくなるにゃん!
相続税を払わないと税務署から通知→無視すると罰せられる
もし、相続税の申告漏れが分かった場合、税務署が税務調査を行った上で、修正申告する旨の通知が来ます。さらに、その通知を受け取ったにもかかわらず、修正申告しなかった時には、追徴課税が課せられると同時に、罰せられます。
相続税の申告漏れが発覚する理由は「死亡届」
人が亡くなった場合、死亡を知って7日以内に「死亡届」を遺族等が市区町村役場へ提出しなければなりません。その後、市区町村役場かは、その「死亡届」を受け取った後に、税務署に通知します。
ここで税務署は、誰がいつ亡くなったのかを把握することになるのです。
税務署は亡くなった人の固定資産税評価額も把握
併せて市区町村役場から税務署に対して、「死亡届」が出された人の「固定資産税評価額」に関する情報も通知します。この情報によって、税務署は亡くなった人が所有していた不動産の情報を把握します。
不動産情報を把握することで税務署は、相続税が発生しそうな人を特定することができるのです。
また、税務署は2001年以来KSKシステム(参考情報はページ最下部)を利用していますので、申告漏れが発覚しやすくなっています。
払わないといけないのに変わりはないのなら、期限を守って払いたいわね。
相続税が払えない時の8つの対処法と次の相続への対策
相続税を支払えない状況と言っても、それぞれの状況は異なるでしょう。
この記事内では、パターン別に以下の8つの方法を解説して行きます。
1.都心部ほど関係あり!持ち家を守るなら特例を使う
2.配偶者の相続ならば「配偶者の税軽減」を利用
3.農業を引き継ぐなら農地等納税猶予の特例を利用
4.不動産売却により所持金を増やして相続税を納税
5.土地やマンションをそのまま納める「物納」:現金が用意できない時
6.相続した財産を手放したくない場合は「延納」制度
7.税金の分割払いを避けたいなら借金をして相続税を払う
8.相続放棄は本当に払えない時の最終手段
2.配偶者の相続ならば「配偶者の税軽減」を利用
3.農業を引き継ぐなら農地等納税猶予の特例を利用
4.不動産売却により所持金を増やして相続税を納税
5.土地やマンションをそのまま納める「物納」:現金が用意できない時
6.相続した財産を手放したくない場合は「延納」制度
7.税金の分割払いを避けたいなら借金をして相続税を払う
8.相続放棄は本当に払えない時の最終手段
二次相続のことまで考えて節税対策を
しかし、配偶者が高齢者で数年後に亡くなった場合、再度相続手続きを行わなければなりません。
実際に相続手続きをやってみるとわかりますが、想像以上の時間と費用がかかります。
そこで、最初の相続の際に、次の相続を考えて行わなければなりません。
全ての不動産の相続を子供にする方法も
例えば、相続手続きで費用がかかる不動産を配偶者ではなく、子どもが全て相続すれば、配偶者が亡くなったには、不動産の相続を考えなくてもいいことになります。
ただ、このままでは配偶者が相続する遺産と、子どもが相続する遺産とに差があります。
差が生じるケースでは、その分を配偶者に預貯金を多めに相続してもらう等、バランスを取るなど調整が必要です。
ただ、このままでは配偶者が相続する遺産と、子どもが相続する遺産とに差があります。
差が生じるケースでは、その分を配偶者に預貯金を多めに相続してもらう等、バランスを取るなど調整が必要です。
相続税の対処は早めの対応が肝心だにゃん。
都心部ほど関係あり!持ち家を守るなら特例を使う
相続税の改正によって、資産価値の高い不動産を所有している世帯には、相続税の問題が現実的になってきました。
もし、相続財産が不動産のみで、しかもその不動産価格だけで、「基礎控除」を上回った場合、相続税を納めるために、相続財産である不動産を売却して支払うことも想定されます。
そうなると、現在住んでいる家や使用している土地を手放すことになりますから、何か事前に対策を打っておくべきでしょう。
都会に住んでるからこそ、相続税の支払い額も大きくなるんだよね。
宅地の評価額を80%減額できる小規模宅地等の特例
そこで有効な方法としては、「小規模宅地等の特例」があります。「小規模宅地等の特例」とは、一定の要件を満たせば、宅地の価格を80%または50%引きで評価することができる制度です。
特例の対象となるのは「居住用宅地」と「事業用宅地」
対象となる宅地は、大きく分けて「居住用宅地」と「事業用宅地」の2種類です。どちらも、被相続人または被相続人と生計を同じくしていた親族が、居住用あるいは事業用として使っていた土地が対象です。
さらに、その宅地の上に建造物が存在していることも条件です。
小規模宅地等の特例対象者とは
この特例の対象者は、対象の宅地を相続等によって、取得した人です。相続人か親族かの区別はありません。ただし、被相続人の配偶者や一定の要件を満たす親族が宅地を取得した場合には、減額の対象面積、割合が大きくなります。
条件に該当する親族がいる時はメリット大
特例の対象となる宅地を取得した以下に説明する➀~➃に該当する親族がいるときは、「特定住居用宅地」として、240㎡までの部分が80%引きになります。
それ以外のケースでは、「その他の宅地」として、200㎡まで50%引きです。
それ以外のケースでは、「その他の宅地」として、200㎡まで50%引きです。
「特定住居用宅地」として、240㎡までの部分が80%引きになるケースは以下の4つです。
配偶者
被相続人または被相続人と生計を同じにする親族の住地を被相続人の配偶者が取得したとき同居親族
被相続人と同居していた親族が、宅地を取得し、相続税申告期限までに居住、所有しているとき3年間借家住まいの別居親族
被相続人に配偶者や同居していた法定相続人がいないとき※ただし、相続開始前の3年以内に自分または自分の配偶者の持ち家に住んだことがない人
生計を同じくする親族
被相続人と生計を同じくする親族が住居していた宅地をそのままその親族が取得し、相続税の申告期限まで引き続き居住、所有しているとき他方、被相続人が事業に使っていた宅地を、事業を引き継ぐ目的で取得し、相続税の申告期限まで宅地を所有していたときは、「特定事業用宅地」に当たります。この場合、400㎡までの部分を80%引きで評価することができます。
配偶者の相続ならば「配偶者の税軽減」を利用
被相続人が亡くなって、配偶者が残された場合、「配偶者の税軽減」という制度を検討しましょう。
多額の控除が適用されて、相続税対策になります。
利用できる制度をしっかり情報するにゃ。
法定相続分である「二分の一」の割合以下の相続金額であれば相続税免除
「配偶者の税軽減」という制度は、配偶者が取得した遺産の金額が、遺産総額に配偶者の法定相続分をかけた金額以下であれば、相続税が免除される
という制度です。
例えば、相続人が配偶者と子どもだった場合、配偶者の法定相続分は「2分の1」です。
もし、相続財産の総額が6,000万円だった場合、配偶者の法定相続分は「6,000万円×0.5=3,000万円」となります。
つまり、遺産相続の総額がこの金額の場合、配偶者の受け取る相続分が3,000万円までは、配偶者は相続税を納める必要はない(免除)ということです。
しかも、この免除額に上限はありませんから、もし遺産総額が4億円だったとしても、2億円までは相続税がかからないということになります。
もし、相続財産の総額が6,000万円だった場合、配偶者の法定相続分は「6,000万円×0.5=3,000万円」となります。
つまり、遺産相続の総額がこの金額の場合、配偶者の受け取る相続分が3,000万円までは、配偶者は相続税を納める必要はない(免除)ということです。
しかも、この免除額に上限はありませんから、もし遺産総額が4億円だったとしても、2億円までは相続税がかからないということになります。
配偶者の相続分は1億6000万円まで課税されない
相続財産に配偶者の法定相続分をかけた金額が、1億6千万円を下回っても、配偶者の相続分が1億6千万円までは相続税がかからない仕組みです。これは遺産総額が少ない場合でも、配偶者の生活を保障するという理由です。
相続総額二億円の場合でも1億6千万円までは非課税
例えば、相続財産の総額が2億円、相続人が配偶者と子どもの場合、配偶者の法定相続分は「2億円×0.5=1億円」となり、1億6千万円を下回っています。
しかし、上記の説明のとおり、2億円のうち配偶者が1億6千万円を相続しても、相続税は課税されないということです。
しかし、上記の説明のとおり、2億円のうち配偶者が1億6千万円を相続しても、相続税は課税されないということです。
農業を引き継ぐなら農地等納税猶予の特例を利用
農地の相続に関しても相続に役立つ制度があり、それは「農地等納税猶予」という制度です。
被相続人の相続財産の中に、農地があった場合、一定の条件のもと納税が猶予されます。
農地等納税猶予は農業も引き継ぐことが条件
農地を受け継いだ相続人が、今後農業を営む場合、一定の相続税額の支払額を先延ばしにするという特例があります。この「先延ばし」が納税の「猶予」です。さらに、相続人が終生農業を続けていけば、納税が免除される特例もあります。
農機具の設備投資が生じた場合も猶予あり
また、相続人が農業を引き継ぐ際に、農機具等の設備投資を新たに行った場合、相続税が猶予されます。
不動産売却により所持金を増やして相続税を納税
相続税は「現金で一括払い」が基本です。相続財産の中で、高額な不動産の占める割合が多い一方で預貯金が極端に少ない場合は要注意です。
相続税を支払えない可能性が出てきます。
そこで、相続手続きが始まる前に、今後使用しない不動産をあらかじめ売却して、現金を準備しておく方法などを考えておかなければなりません。
現金の一括払いって聞くと大変そうだから準備を万全にしたいわね。
不動産売却の前の準備:名義変更や抵当権抹消などの対応が必要
不動産売却の際に、注意すべきことが2つあります。不動産の名義の確認
まず、不動産の名義を確認しておくことです。不動産の場合、過去に相続手続きを行わず、亡くなった人の名義のままに放置している例が少なくありません。
そこで、前もって存命している人の名義にしておき、売却手続きがスムーズに行くようにします。
不動産の抵当権の確認
2つ目は、「抵当権」の確認です。抵当権とは、不動産を担保に借金をした際に、登記事項証明書の欄に記載される事柄です。
不動産を購入する人は、登記事項証明書の内容を確認しますから、「抵当権」が設定されているとすぐに売却予定者にわかってしまいます。
抵当権が設定されたままの不動産は売れない
そして、「抵当権」が設定されている不動産だとわかったら、ほぼ100%の人が購入しません。
ただ、借金を全額返済したのに、「抵当権」の抹消を忘れているケースもあります。
借金を完済しているのか否かの確認も含めて、完済していたら「抵当権」の抹消を行うようにしましょう。
ただ、借金を全額返済したのに、「抵当権」の抹消を忘れているケースもあります。
借金を完済しているのか否かの確認も含めて、完済していたら「抵当権」の抹消を行うようにしましょう。
譲渡所得税軽減などのメリット
譲渡所得税の特例措置として、居住用の不動産を売却した場合、売却代金から「特別控除」として、最大3,000万円を差し引くことができます。つまり、3000万円以下で売れれば、譲渡所得税が免除されるのです。
譲渡所得税の免除に必要な手続き
この特例を受けるためには、税務署へ申告しなければなりません。申告の際には、
・「譲渡所得の内訳表」
・「不動産を売却して2ヶ月後に交付された住民票」
も併せて提出します。
売却する不動産は「居住用」でないとダメ
なお、売却する不動産は、「居住用」でなければなりません。ただ、現在住んでいなくても、住まなくなって3年目の年末までに売却できれば、この特例が適用されます。
しかし、親子間や夫婦間で売買した不動産には適用されませんので注意が必要です。
m相続税の支払いに充てる場合は10ヶ月以内に売却を
以上のように、相続財産の中の不動産を売却することで、現金を準備することができ、それを相続税納付に充てることができます。相続税の納付は、「現金、一括払い」が原則であることを考えると、是非実行したい方法です。
しかし、相続税の申告、納付は、被相続人が亡くなって10ヶ月以内に行わなければなりません。
相続税の申告、納付期限以降に売却だと所得税がかかる
相続財産すべてを把握して、全相続人で売却する不動産を決定し、それを売りだすことを考えれば、限られた日数ということになります。もし、相続税の申告、納付期限以降に売却すれば、所得税がかかってしまいますから、注意が必要です。
土地やマンションをそのまま納める「物納」:現金が用意できない時
相続税を納める方法は、現金が基本です。
しかし、十分な現金が準備できない場合、株式等の有価証券や土地等を納付する方法があります。
これが「物納」です。
不動産の売却は時間がかかるよね。でも物納なら、すぐにできそうだけどどうだろう?
物納に必要な条件は相続で取得した財産である事
物納による納税は、納付の期限を延長しても支払う目途が立たなかった場合、納税者の申請によって、納付困難な金額を上限
として認められています。
ただし物納できるのは、相続で取得した財産のみです。また、土地を物納する場合は、相続税評価額で計算します。
税務署の指示に基づいて物納の手続きする
物納の手続きは、「物納申請書」と「物納手続き関係書類」をまず税務署に提出します。その後は、税務署の指示に従って、物納の手続きを進めていきます。
物納の許可限度に要注意
「物納」によって相続税を納める際に、注意することがあります。それは、物納許可限度を超えて、物納を行った場合に、その超えた部分は現金で返ってきますが、その返金額については、譲渡所得税が課税される点です。
物納を行う際には、納めすぎないよう、注意する必要があります。
物納が許可されるまでには時間がかかる
相続税を納める際に現金が不足する場合に、「物納」は便利な方法です。しかし、手続き自体が難しく、さらに物納が許可されるまでに、ある程度時間がかかります。
利子税も要注意:必要に応じて税理士へ相談
その上、許可されるまでは、「利子税」が課税されますから、被相続人が亡くなった後に、速やかに手続きに入る必要があります。できれば、税理士等の専門家に相談されることをお勧めします。
相続した財産を手放したくない場合は「延納」制度
そのようなときは、相続税を分割で納める「延納」という方法があります。
一括払いは無理でも、分割ならなんとか!って時は延納が良さそうね。
相続税の延納に必要な条件
「延納」は、相続税を5年から10年に分けて支払うものですが、相続税の他に利子税を支払う必要があります。この利子税は、ローンの利息に該当するものです。
ただ、「延納」は無条件に認められるものではなく、次の要件を全て満たさなければなりません。
「延納」に必要な4つの要件
➀相続税額が10万円を超えること
➁金銭で一度に納付できない理由があること
➂延納額が50万円以上で、延納期間が3年を超える場合、延納額と利子税に相当する担保があること
➃相続税の申告期限までに、必要書類を税務署に提出すること
➁金銭で一度に納付できない理由があること
➂延納額が50万円以上で、延納期間が3年を超える場合、延納額と利子税に相当する担保があること
➃相続税の申告期限までに、必要書類を税務署に提出すること
延納のメリット:分割で払えて相続財産を手放さずに済む
この「延納」の最大のメリットは、相続税を分割で支払えることに加え、相続した不動産を処分する必要がない点です。相続した財産の利益を支払いに充当可
例えば、相続した財産が駐車場だった場合、そこから得られる利益を相続税の支払いに充てることができます。
その駐車場を物納という方法で納めることもできますが、利益を生む土地を手放すことになるため、長い目で見れば不利益です。
その駐車場を物納という方法で納めることもできますが、利益を生む土地を手放すことになるため、長い目で見れば不利益です。
利子税がかかるというデメリット
一方、延納には利子税がかかりますから、納める相続税の総額は、通常の一括払いよりも高額になります。また、数年に渡って支払うことになりますので、完納するまでは人によって、ストレスを感じるかもしれません。税金の分割払いを避けたいなら借金をして相続税を払う
「相続した財産も手放したくないし、税金を分割で支払うことも気がひける」
といった人の有力な選択肢は、金融機関からお金を借りて、一括で支払うという方法です。
金融機関から資金を借りることも選択肢
例えば、相続した土地にある程度の資産価値があれば、その土地を担保にして、銀行からお金を借りるという方法が取れます。相続放棄は本当に払えない時の最終手段
寂しいけど、どうしても相続放棄が必要な場合は、早めの対応が重要だね。
相続放棄を行うと相続税の支払いがなくなる
相続放棄を行うと、相続財産が国庫に入りますから、相続税を納める必要がなくなります。相続放棄の期限は3ヶ月
ただ、注意すべき点は期限です。被相続人が亡くなったことを知って、3ヶ月以内に所定の手続きを取らなければならない点です。
もし、この期限を過ぎてしまうと、相続放棄ができず、全ての財産を相続しなければなりません。
もし、この期限を過ぎてしまうと、相続放棄ができず、全ての財産を相続しなければなりません。
遺産分割協議の後に財産の処分方法を確定
一般的に、被相続人が亡くなり、相続財産を全て把握した上で、遺産分割の協議を全相続人で行います。相続財産額と法定相続人が確定すれば、相続税を支払わなければならないか判明するでしょう。
相続税が課税される場合で、預貯金が少なく、不動産の割合が大きいときには、物納や延納等の方法が選択肢に挙がります。
ただ、どうしても相続税が支払えないというケースでは相続放棄を検討しても良いでしょう。
なぜ相続税が払えないというケースが生じるのか?その理由
そもそも相続税が払えないというケースが生じるのは何故でしょうか?その要因を解説します。
相続法の改正により対象者が増えた事が要因
2015年(平成27年)1月1日に「相続税法」が改正され、「基礎控除額」が大幅に引き下げられました。「基礎控除額」は、被相続人(亡くなった人)が遺した財産のうち、税金がかからない上限のことです。
基礎控除額の変更点
改正前は、「5,000万円+1,000万円×法定相続人の数」が「基礎控除額」でしたが、改正後は、「3,000万円+600万円×法定相続人の数」となりました。
その結果、相続税の支払いの対象となる人が増えたのです。
相続税は基本的に現金で一括払いの納品が必要ですので、対象者の増加に伴って払えないというケースが生じています。
基礎控除額の変更の影響
例えば、法定相続人が3名、被相続人が7,000万円の財産を残して亡くなったとします。改正前ですと、
基礎控除額は「5,000万円+1,000万円×3=8,000万円」となり、
基礎控除額よりも相続財産の方が多いので、相続税は課税されませんでした。
しかし、改正後には、
基礎控除額は「3,000万円+600万円×3=4,800万円」となり、
相続財産が基礎控除額よりも「7,000万円−4,800万円=2,200万円」多いので、相続税が課税されます。
課税額は、税率15%ですから、「1,200万円×0.15(15%)=180万円」となります。
お金がない時に相続税の支払いが重なっちゃうと大変だよね。この記事の対処方法を覚えておこう。
まとめ:相続税専門の税理士に相談して最良の選択を
相続税法の改正によって、それまで無縁だった世帯にも、相続税の問題が身にふりかかる可能性が出てきました。
ただ、税金に関することは専門的な知識が必要であり、「相続税が払えない」という状況でも焦りは禁物です。
できれば相続税を専門に扱い税理士に相談されることをお勧めします。
【参考資料】税務署が使用するKSKシステムについて
2001年(平成13年)以降、KSKシステムというものが導入されたことによって、亡くなった人の相続人が、相続税の申告対象かどうかがわかるようになりました。
また、このことで、税務調査を行う対象であるか否かの資料にもなりました。
KSKシステムとは国税総合管理システム
KOKUZEI SOUGOU KANRI(国税総合管理)システムの略称。全国の国税局や税務署をネットワークで結び、納税者の申告に関する全情報を一元的に管理するコンピュータシステム。
このシステムの導入によって、相続税の申告漏れがチェックできるようになりました。
つまり、相続税を申告する必要があるのにしなかった場合には、かなりの確率で税務署が把握できるようになったのです。