アメリカ留学で英語電話恐怖症に!パニックにならずに英語で電話応対するために身につけた7つのコツ
[公開日]2016/12/04ちょっと英語ができるようになったとしても、英語で電話をかけるのが苦手な日本人は大勢います。なぜなら、お互い顔が見えない分、話している事柄をクリアに言わなくちゃいけなかったり、相手の英語が聞き取りにくかったり、なんといっても答える時のタイミングが悪かったりすると、バツが悪い思いをします。
アメリカに留学していたときは、大学のインターナショナルオフィスに電話をかけたり、ホストファミリーに電話することが多々ありました。
自分の英語力にはある程度の自信がある方でも、突然ビジネスなどで英語で電話、となるととたんに相手のネイティブの英語が分からなくて、電話が怖くなるという話はよく聞きます。
やはりいろんな人種の方たちと色んな状況で意志疎通をする時には電話ができなければ一人前の英語人間とは言えません。
今日はそんな英語で電話をする時のコツを紹介します。
英語で電話をかけるのが苦手に感じる3つの理由
英語での電話は怖い。とにかく避けたい気持ちは分かりますが、ではなにがそんなに怖いのでしょうか。筆者の経験から原因の追及をしていきます。
相手の英語が分からない
まず、英語での電話で一番怖いのが、相手が何を言っているのか分からない、ということではないでしょうか。
ただでさえ弾丸のような速さでしゃべるネイティブですが、電話でスローダウンする、なんてことは全くありません。「電話だと聞き取りにくいだろうから」などと相手を思いやる文化はないのです。
余談ですが、アメリカではニュースキャスターでさえ、ものすごいスピードで話すのに気づいたことはないでしょうか。日本であれば、ニュースを読む時にはキャスターは「誰にでも分かるようにはっきりと、ゆっくりと」を心がけて訓練されているのが明瞭に分かりますが、これは日本だけなのかなあと筆者はアメリカでニュースを見ながらいつも思っていました。
また、サービスや商品等について問い合わせるとき、会社などのカスタマーサービスに電話をかけると、向こうはセリフを言いなれている場合がよくありますので、スピードはさらに速くなります。
友達でも会社でも、電話口で聞こえる英語はとにかく速いということをまず覚えておいてください。勇気を振り絞って、電話をかけた時に聞こえてくるネイティブの英語。相手の言っていることがさっぱりわからないときの気持ちほど心許ないものはありません。
頭が真っ白になって英語が出てこない
こうなると次に怖いのが、電話で頭が真っ白になることではないでしょうか。
たまらない速さの英語で不意打ちをかけられたところで、幸運にも相手の言っている意味が分かったとしましょう。そこで、次はこちらが反応をする番です。が、言うべき英文が頭に浮かんでこない。言いたいことは何となくあるのに、緊張でちゃんとした英語になって出てこないこともあります。こうなったら怖いですね。
電話ですから、「ちょっと待って」「あのお」などとつなぐような言葉も出てこなければ、気まずい沈黙が流れます。顔を合わせて話するときでも、沈黙は怖い人が多いと思いますが、電話では特にこの怖さを感じてしまいますね。
理解されない自分の英語
そして最後にまた怖いのが、自分の発音が悪くて相手に理解されないこと。
何とか言いたいことがまとまって、受話器に向かってこちらの言いたいことを言うのですが、
“What did you say?”
(なんて言ったの?)
“Sorry, I couldn’t catch it”
(ごめんね、何て言ったか分からなかったんだけど)
(なんて言ったの?)
“Sorry, I couldn’t catch it”
(ごめんね、何て言ったか分からなかったんだけど)
などと発音の悪さで何を言ったのか相手に理解されないと決まりが悪いですね。恥ずかしい気にもなるし、いくらはっきり言ってもダメだったりして、英語に自信がなくなってしまいます。
あわせて読みたい英語の発音上達方法
では、筆者がつまづいたこの"三大電話恐怖"を解決していった方法を紹介していきます。
よく使うフレーズを覚えると、英語での電話も怖くなくなった!
以下は、筆者が英語での電話の苦手意識をなおすために実際に取り組んだ7つの方法です。電話のかけ方やビジネスマニュアル、決まり文句など覚えるべきことがたくさんあると思われがちですが、本当に必要な7つの要素を知っておけば、英語で電話をかけるのも苦ではなくなります。
「私です」と言うには
電話口で相手が何を言っているのか分からないのは問題ですが、電話で聞く英語での表現というのはある程度決まっていたりします。まず、誰かからかかってきた時に、ビジネスでもプライベートでも、かけてきた方が自己紹介をするでしょう。名前を言うと、次に電話で話したい相手であることを確認することが多いでしょう。
“I would like to speak to Mr. Tanaka. May I speak to him?”
(田中さんにお話したいのですが、彼と話せますか?)
(田中さんにお話したいのですが、彼と話せますか?)
こんな風に電話がかかってきたとして、あなたが田中さんであった場合、こう返答します。
“This is he.”
(私ですが)
(私ですが)
女の人なら、”This is she.”という言い方をします。または、”(He/she is) Speaking”でも大丈夫です。あまり聞きなれないフレーズかもしれませんが、とても自然な言い方です。筆者の経験上、アメリカでは“This is he.”というネイティブが大多数を占めていました。
実は、こんなシンプルなことでも電話で答え方が分からなかったりしますよね。これだけでも覚えておくと、最初のハードルはクリアです。
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ゆっくり喋って欲しいとき
最初のうちは、かかってくるのが友達でもビジネスでも、相手の言うことがどうしても分からずに、ゆっくりと喋ってほしいと思うときが絶対にあります。これは恥ずかしいことではありません。これよりまずいのが、内容を理解していないのに、したかのようにふるまうことです。
筆者も経験済みですが、電話口で相手が喋っていることが分からなかったのに、「イエスイエス」で何となく流してしまうと、相手は分かっているものだと思いこんで話を進めてしまいます。
すると、どんどんと内容が分からなくなって、会話の中でおいてけぼりになってしまいます。するとますます「実は分かりません」なんて言えない雰囲気になってきますので、まずは最初にゆっくりと喋ってもらいましょう。
普通の人間であれば、怒ることなくゆっくりと喋って対応してくれるはずです。一度や二度で分からなければきっと言葉を変えたり工夫をして話してくれるはずです。
“I’m sorry, I didn’t understand. Could you speak more slowly?”
(すみません、分かりませんでしたので、もう少しゆっくり喋ってくれますか)
“Could you say that again?”
(もう一度言ってくれますか)
(すみません、分かりませんでしたので、もう少しゆっくり喋ってくれますか)
“Could you say that again?”
(もう一度言ってくれますか)
相手が英語が分からなそうな外国人だと分かっていても、相手を思いやってゆっくり喋ったり、やさしい言葉を用いたり、ということはアメリカ人に関してはまずありません。
こちらから「わからない」と意思表示をしなければいけないものと思って、対応してください。
電話中で、待ってほしいとき
ちょっと待ってください」と言いたいときはどうでしょう。そんな時に限って電話の会話の中では頭が真っ白になって、フレーズが出てこなかったりしますよね。“Can you hold on a second?”
(ちょっと待ってくれますか)
(ちょっと待ってくれますか)
この“Can”を “Could”に変えればさらに丁寧な言い方になります。また、単純に”Hold on”という言い方もありますが、これは親しい友達の間でなら大丈夫な表現です。(まあ、大多数のアメリカ人はフレンドリーですから、”Hold on”といっても怒られはしないでしょう。現に、筆者は電話に慣れてくると、ほとんどの人にこんなフランクな感じで話をしていました。)
誰かと話したいとき
では誰かと話す用事があって、こちらから電話をかけた場合はどうでしょう。“Hello. This is Tanaka from XO University. I would like to talk to Cindy. May I speak with her?”
(もしもし。XO大学の田中です。シンディと話がしたいのですが、話せますか)
(もしもし。XO大学の田中です。シンディと話がしたいのですが、話せますか)
“May I speak with…”はとても丁寧な言い方です。友達の間であれば、”Can I talk to…”という言い方でも大丈夫です。
電話をかけなおす時
例えば、ルームメイトが留守なのに誰かからルームメイトへ電話がかかってきた時、どうすれば良いでしょうか。留学中の寮にいれば、電話をシェアする場合もあるかもしれません。“Can I talk to Mary?”
(メアリーと話したいのですが)
“Oh, Mary is not here now. Can I take a message?”
(メアリーは今いません。伝言を聞きましょうか)
“No, can you have her call me back later?”
(いえ。後で私にかけるように言ってくれますか)
“Okay”
(オッケー)
“Thank you”
(ありがとう)
(メアリーと話したいのですが)
“Oh, Mary is not here now. Can I take a message?”
(メアリーは今いません。伝言を聞きましょうか)
“No, can you have her call me back later?”
(いえ。後で私にかけるように言ってくれますか)
“Okay”
(オッケー)
“Thank you”
(ありがとう)
“Can I take a message?”で「伝言をきく」という意味になります。また、”have someone call someone back”で「かけ直すように誰かに伝える」という意味になります。
また、今は忙しくて電話で話せないのだけれど、後でかけ直しますと言いたい時にも”call back”で表現できます。
“Can I call you back?”
(かけ直しても良いですか)
(かけ直しても良いですか)
最後に内容確認をする
ただのおしゃべり目的の電話なら良いのですが、待ち合わせや会議など、日時や場所が重要になってくる電話の内容なら、最後に内容確認をするのが妥当でしょう。
“So we are meeting at 7 o’clock at Rosy Diner, right?”
(じゃ、7時にロージーダイナーで待ち合わせだよね?)
“Yes. I will see you then!”
(そうだよ。それでは後でね!)
(じゃ、7時にロージーダイナーで待ち合わせだよね?)
“Yes. I will see you then!”
(そうだよ。それでは後でね!)
こんな風に、確認しておけば後で「あれ、何時って言ってたかなあ」と思ったりしないので初心者の方にはおすすめです。
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英語筋肉を鍛える!発音の練習
さて、上記のような方法でよく使われるフレーズを予習しておいたりしてある程度相手の言うことが分かったり、頭が真っ白になることは防げるかもしれません。しかし、「自分の英語を相手が理解してくれない」という問題は免れません。
発音の練習は日頃からしておくしかありません。日頃からしておくといざと言うときに慌てないでしょう。
そこで筆者は音読をお勧めします。本でも何でも、手あたり次第音読してください。英語で使う筋肉は日本語で使う筋肉と違いますので、これだけでも顔の筋肉が英語向きになってくるようです。筆者も、在米時代は暇があれば手元にある教科書や雑誌を使って、なるべく口を動かして音読しました。
また、自分の声を客観的に聞くことも大切です。ある時、友達に自分が彼女へ残した留守電のメッセージを聞かせてもらったことがありました。その自分の英語を聞いて驚きました。
自分で思っていたより日本人特有の訛りが強く、よくこれで内容を理解してくれたなあと思ったものでした。こういうことがあると、自然と練習したくなります。
7つのフレーズをインプットしておけば英語の電話は緊張せずに済む
さて、いかがでしたか。
電話で話すのが苦手なのは、どの言語に関しても言えることではないかと思います。筆者なんか、日本人なのに日本語で話す日本人との普通の電話も苦手です。母語でも大変なストレスになりえる電話ですから、英語での電話となれば緊張しないわけがありません。
誰もが抱える英語での電話の悩み。筆者がネイティブと肩を並べるくらい話せるようになった経験からすると、自分が何を恐れているかまず追求して、それから練習していくと良いです。
英語で使うフレーズを日頃から予習しておき、発音の練習をすることで、いくらかは苦手意識を克服できるでしょう。
しかし、どれだけ準備しても一番有効なのは実践で訓練する事です。怖れずに、率先して電話をとってみてください。一度失敗すれば、次からは失敗しません。何度も英語での電話に挑戦することによって、段々と慣れてきますので安心してください。
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