【不動産屋が解説】売却するにも費用が必要!用意すべき金額の詳細とは
[公開日]2017/05/26[更新日]2017/12/11
不動産売却で覚えておかないといけないのは、家を売るには費用がかかるということです。
手元に残るお金は、売却金額から、いわゆる諸費用を差し引いた金額となるのです。
例えば、買い換えを考えている人は、思っていたよりも費用がかかっては資金計画にも影響しますよね。
諸費用を計算に入れておかなかったため、うかつに値引きをしてしまい後悔する、ということにもなりかねません。
あなたの不動産を賢く売却するためにも、売却にかかる諸費用について解説いたします。
目次
売買契約締結までは無料!売却の流れと費用発生のタイミング
不動産売却の流れに沿って、費用の発生のタイミングを確認していきましょう。
お金がかかるって言われても、どのタイミングでお金が発生するのか知らないと困るわ。
複数の不動産会社に査定を依頼
不動産の売却を決意して、最初のステップは、不動産会社に査定を依頼することです。査定とは、立地や建物の構造、間取りから、不動産会社が概ね3ヵ月程度の期間で売れると思われる金額を算出することです。
査定を依頼し、その金額について説明を受けることを通して、その不動産会社が信頼に足りるかどうかを判断しましょう。
複数社に査定を依頼すべき理由
また、最低でも2つ以上の不動産会社に査定を依頼するようにしましょう。
不動産会社ごとに、物件の取り扱いには得意・不得意もあります。また。物件の相場を知るには、1社の意見だけでは心許ないですよね。
最近では一括査定サイトを利用すると便利でしょう。
一括査定サイトでは、インターネット上で、一度の申し込みで複数の不動産会社の査定を受けることができます。
不動産会社ごとに、物件の取り扱いには得意・不得意もあります。また。物件の相場を知るには、1社の意見だけでは心許ないですよね。
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不動産会社と媒介契約を結ぶ
次のステップは、納得のいく査定をしてくれた不動産会社と媒介(仲介)契約を結ぶこととなります。正式に不動産会社に売却を依頼することになります。
媒介契約の締結時に決めること
媒介契約を結ぶ際には以下の事項を決めて契約することになります。・売り出し価格
・広告などの販売戦略
・不動産会社への仲介手数料の金額
・広告などの販売戦略
・不動産会社への仲介手数料の金額
なお、仲介手数料については、後ほど詳しくご説明しましょう。
節約できる?不動産売却の仲介手数料のからくり(ページ下部)
不動産会社が販売活動を実施(内覧〜購入希望者との交渉)
買いたいという方の中には、実際にその物件を見たいという希望者も現れることでしょう。物件を見に来ることを内覧といいます。
内覧前には整理整頓と清潔感の演出が必須
居住中の物件を売りに出すときには、特に玄関や台所・トイレ・浴室などを注意深く見られます。
整理整頓、掃除を心がけなくてはいけません。
整理整頓、掃除を心がけなくてはいけません。
条件面のすり合わせは不動産会社と相談を
購入希望者と条件面でのすり合わせも必要です。
売買金額の他にも、
・手付金や決済の時期
・物件内に残しておく備品などのチェック
・ローンがまだ終わっていない場合は融資元の金融機関との事前相談
など、契約が決まるまでに確認しておかなければならないことは多いものです。
専門家である不動産会社とよく相談して早め早めの準備が必要です。
売買金額の他にも、
・手付金や決済の時期
・物件内に残しておく備品などのチェック
・ローンがまだ終わっていない場合は融資元の金融機関との事前相談
など、契約が決まるまでに確認しておかなければならないことは多いものです。
専門家である不動産会社とよく相談して早め早めの準備が必要です。
ここまでの作業は、基本的に無料です。実際に費用がかかるのは、売買契約の締結からとなります。
契約が結ばれるまでに、もし何かの請求があったら逆にオカシイってことね。
契約締結後から支払い必要!引渡し当日までに必要な費用の内訳
売買契約を締結したあとは諸費用が発生します。内容を整理しましょう。
慣れない手続きは不動産屋さんと進めた方が、支払い漏れも発生しにくいにゃん。
売買契約書は課税文書!収入印紙が必要
売買契約の締結時には、売買契約書の授受があり、その際に売主も通常は、契約書の本紙を受け取ることになります。売買契約書は、課税文書とされているため、売買契約書の本紙には、売買代金に応じた収入印紙を貼って消印を押さなければなりません。
このことによって印紙税を払ったとみなされるのです。
買主からの手付金の領収証にも印紙税がかかる
また、不動産の売買では、契約締結後すぐに引き渡し・代金決済が行われるのではなく、一定の期日を定めて、引き渡し・決済を行う場合も比較的多くあります。引き渡しの日までに居住者が転居する時間が欲しい場合や、ローンを使って購入する場合に金融機関の承認に時間がかかる場合が多いからです。
その場合、契約の証しとして買主は合意した手付金を支払うことがあります。
この場合、売主は手付金の領収証を買主に授与するのが基本です。この領収証にも代金に応じた印紙税がかかります。
自分が住んでいた家の代金の領収証に印紙は不要
但し、個人が、居住用の住宅を売却したときの代金の領収証は、営業に関しない受取証として非課税です。自分の住んでいた家を売るのであれば、領収証の印紙は不要となります。手付金は決済のときに売買代金の一部に充当されることになります。
売買契約の締結後に仲介手数料の半額を支払う
また、売買契約の締結時には、これも不動産会社との合意事項なのですが、仲介手数料の半額相当を請求されることが多いようです。物件の引渡しまでに引越し代が発生する
売買契約の締結が済むと、決済の日までに引き渡しの準備をしなければなりません。住んでいる家を売却するのであれば、引っ越し代が必要ですね。
ケースによっては仮住まい費用も必要
一旦仮住まいをするのであれば、仮住居の賃貸料、仲介手数料などの賃貸契約費用も必要になります。売った後の物件が決まっているといいんだけどね、一番ラクそうだし。
更地にして引き渡す契約ならば取り壊し費用等が発生
古い建物を壊して更地にして引き渡す契約であれば、取り壊し費用や立ち退き料が必要になるケースもあるかもしれません。準備が終わったならば、いよいよ決済・引き渡しの当日です。
引渡し以降に発生する費用の内訳:司法書士への依頼も行う
手続きはなかなか複雑で素人にはわかりにくいにゃ。専門家に確認しながら進めていくにゃん!
代金の受け取りに際して印紙税が発生することも
代金の授受が終わったら、その領収証を買主に渡します。そのときは手付金と同様に、記載の金額に応じて印紙税が発生する場合があります。
ローンの残債がある場合は金融機関に支払い
売却する不動産にローンの残債などがあり、抵当権などがついている場合があります。抵当権がついている場合は、金融機関に残債を支払い、抵当権などの抹消登記をしなければなりません。
抵当権抹消登記の手続きの費用の支払い
抹消登記の手続きには、登録免許税がかかります。不動産1件あたり1000円の税額です。通常は、買主側の所有権移転登記、抵当権などの設定登記を依頼された司法書士に、一緒に依頼することが多くなります。
その場合費用は1万円~3万円程度が相場といえるでしょう。
売却後に納める税金と確定申告
無事に不動産の売買が終了した後も、支払いはあります。不動産を売却して得た利益には税金がかかるのです。
譲渡益を確定申告時に申告しよう
確定申告の際に、譲渡益を申告しなければなりません。不動産を譲渡したときにかかる税金には譲渡所得税と住民税、それに復興特別所得税があります。
所有期間が5年を超えるかどうか税率が大きく違うワケ
不動産の所有期間が5年以内か5年を超えるかで税率は大きく変わります。これは、土地の転売を繰り返し、不当に利ザヤを稼ぐ「土地転がし」を防ぐために作られた税法です。
譲渡益は条件によっては税金が安くなる
また不動産の譲渡益に関しては、居住用財産を譲渡した場合や買い換えをした場合には税金が安くなる特例があります。詳しく知っておいた方が損はないので、これも後ほど改めてご説明しましょう。
売却金額や所有期間によって譲渡税は変わる!確定申告時には要注意
税金の支払い漏れは絶対ないようにしないとね。
節約できる?不動産売却の仲介手数料のからくり
上限額が決まっているってことは、仲介手数料は金額に幅があるのかしら?
不動産の仲介手数料の計算方法
仲介手数料は売買金額によって決められており、・200万円以下は5%
・200万円~400万円は4%
・400万円を超える金額は3%
と定められ、それに消費税相当額が上乗せされます。
仲介手数料の計算注意点
少しややこしいのは、例えば500万円の売買金額の場合、500万円×3%の15万円が上限額ではないということです。
(200万円×5%)+(400万円-200万円)×4%+(500万円-400万円)×3%の21万円が上限額となります。
売買金額の内、200万円までは5%、200万円~400万円までは4%、それ以上の金額に3%をかけた金額を足し合わせた額となるのですね。
(200万円×5%)+(400万円-200万円)×4%+(500万円-400万円)×3%の21万円が上限額となります。
売買金額の内、200万円までは5%、200万円~400万円までは4%、それ以上の金額に3%をかけた金額を足し合わせた額となるのですね。
計算が複雑になるので、400万円以上の売買金額の場合は簡易式といって(売買金額×3%+6万円)で仲介手数料を計算するのが一般的です。
定められているのは仲介手数料の上限
ここでポイントになるのは、国土交通大臣の告示によって定められているのは、あくまで「上限」ということです。国土交通省の「宅建業法の解釈・運用の考え方」にも、不動産会社は、依頼者に対し、
「媒介(仲介)業務に対する報酬の額は、報酬の限度額を当然に請求できるものではなく、媒介業務の内容などを考慮して、依頼者と協議して決める事項であること」
を、媒介(仲介)契約をする前に、依頼者に周知徹底するように勧めています。
ですから、基本的には、不動産会社と依頼者が法定額を上限として、仲介手数料は交渉して決めるものなのです。
大手ほど交渉に応じない!?仲介手数料の相場
勝手に広告や販売活動をしてはいけないのです。
したがって、仲介手数料の交渉は、売り出し価格を決めて、いよいよ販売活動を始める、という媒介契約を結ぶときにすることになります。
仲介手数料を上限額で請求してくるケースが大半
しかし、多くの不動産会社は法定上限の手数料を当然のごとく請求するもの、と思っていて間違いありません。大手の不動産会社はそんなことないだろう、と思うかもしれませんが、むしろ大手ほど手数料については交渉に応じないことが多いようです。
自社の流通網の確立や、駅前の立派な店舗を全国的に展開し、大々的に宣伝を打っている、そのコストを考えればそれも致し方ないかもしれません。
便利な場所にある不動産ほど、仲介手数料の交渉は難しそうってことだね。
仲介手数料の交渉は大手以外なら余地あり
地域に根ざした不動産屋の方が交渉の余地あり
大手よりもむしろ、街の不動産屋さんのようなところの方が、親身になって交渉に応じる可能性が高いかもしれません。仲介手数料最大無料を掲げる会社をネット検索で見つける
また、最近では、「仲介手数料最大無料」を謳った、インターネットを活用した不動産会社も多くなってきました。そうしたところは、徹底したコスト削減を仲介手数料に還元しています。
そうした不動産会社も、一括査定サイトを利用して、査定価格を提出してもらい、色々相談してみるのも効果的だと思われます。
仲介手数料の支払い時期は媒介契約時に決める
媒介契約を締結するタイミングで、仲介手数料の支払い時期も決めることになります。仲介手数料は成功報酬ですので、売買契約が成立するまでは、基本的に支払う必要がありません。売買契約が無事終了した段階で支払うべきものです。
一般的な仲介手数料の支払いの流れ
但し、前述のように、契約時には契約書と手付金の授受だけを行い、引き渡し・決済を後日とする場合は、一般的には、仲介手数料を契約時に半額、残額を決済時に請求する不動産会社も多いようです。こういった対応は、判例でも認められています。
しかし、支払いのタイミングについても、もちろん協議事項となっています。不動産会社との協議で、媒介契約を結ぶ際にしっかり確認をしておくべきでしょう。
減額できない場合は金額に見合う働きか確認
費用の中で大きな割合を占めるのは、やはり不動産会社の仲介手数料です。5000万円で売却した物件の場合、上限額は156万円(除く消費税)です。
不動産会社とまずは交渉して、削減が可能か交渉してみましょう。
削減が出来ないのなら不動産屋の働きで元を取ろう!
もしも削減ができないといわれたら、本当にその不動産会社の仕事が156万円の価値があるのか再考してみてください。そして、156万円分使い切る覚悟で、不動産会社にどんどん注文をしましょう。
わからないことやおかしいことはどんどん相談して、高く早く売れるように注文をつけまくるべきです。
そしてそういう注文に応えられる不動産会社に依頼をすべきです。
仲介手数料が高額な分、不動産会社さんにはバリバリ頑張ってもらうわ!
売却金額や所有期間によって譲渡税は変わる!確定申告時には要注意
不動産取引は大きなお金のやりとりだけに、税金についても色々な仕組みがあるにゃん!
譲渡所得の税額の計算方法
土地や建物を売却した場合の譲渡所得の税額は以下のようにして決められます。譲渡税
譲渡税には、所得税と住民税、復興特別所得税があります。その税率は、譲渡のあった年の1月1日において所有期間が5年以内か5年を超えるかで、短期譲渡所得と長期譲渡所得に区分され変わってきます。
取得費
取得費とは、売却する不動産の取得費用のことで、購入代金鵜や購入時の仲介手数料、税金などをいいます。建物については、購入建築費から償却費相当額を引いた額となります。
譲渡費用
譲渡費用とは、不動産を売却したときの経費をいいます。仲介手数料や印紙税、抵当権抹消登記費用など直接支出した費用の他、立ち退き料や家屋取り壊し費用などを含めることができます。
特別控除
特別控除とは、税法によって定められた特例で、売却先や用途によって税金を低減するために差し引くことが認められた金額をいいます。代表的なものに、居住用財産の譲渡所得の特別控除があります。
税金の対応がよくわからない時は早めに専門家に相談するんだにゃ!
居住用財産の譲渡所得の特別控除(3000万円控除)
個人が一定の居住用財産を譲渡した場合、その譲渡益から3000万円の特別控除額を控除できる、という特例です。簡単にいうと、自分が住んでいた家を3年以内に売った場合、利益が3000万円以下であれば、税金がかからないという制度です。
売却価格が3000万円以下であれば、税金がかからないと覚えていてもよいかもしれませんね。
居住用財産の長期譲渡所得の課税の特例
3000万円の特別控除後の課税標準に関して、6000万円以下の部分について所得税が10%、住民税が4%の税率が適用されることとなります。
6000万円を超える部分については通常の長期譲渡所得の税率が適用されます。
買い換え特例
個人が10年以上所有・居住していた居住用資産を譲渡し、他の居住用資産(買い換え資産)を購入した場合、譲渡による収入が購入費用を下回れば譲渡はなかったものとし、上回った場合は上回った分についてのみ譲渡があったとして課税される特例です。
これは上述の特別控除、軽減税率とは併用できません。
税金は申告次第で負担を軽くすることができる
一般の方が、不動産の売却をする場合、居住用の住宅を販売することが多いことを考えると、税金については賢く申告をすれば、さほど大きな費用にはならないかもしれません。売却の際に不動産会社や、税の専門家に詳しく説明を受けておけばよいでしょう。
専門家の力を借りながら、お得に売却できるように頑張るわ!
まとめ:費用以上のメリットを実感できる不動産会社を選ぼう
信頼でき、どんどん相談できる不動産会社を見つけることが、家を早く、高く売ることに繋がり、費用を上回る効果があるといえるのです。
信頼できる不動産会社を見つけるには、一括査定サイトを利用して、多くの不動産会社と接する機会を持つことが結果的に早道です。
査定を通しての質疑応答が、あなたにとって最良の不動産会社を見つけるきっかけとなるでしょう。