不動産屋が教える!売れない中古マンションを高く売る方法

[公開日]2017/02/20[更新日]2017/05/25

マンション 売れない


「マンションを売却したい」

どのような理由でも一旦売却を決めたのなら、「できるだけ早く、できるだけ高く売りたい」と思うのが人情です。

ところが売主の思惑とは裏腹に、せっかく売りに出したマンションがなかなか売却先が決まらないということが往々にして起こってしまいます。

この文章では「売れない中古マンションを高く売る」ための3つのポイントを中心に解説しています。


この記事では、素人にはわからない「売れない中古マンションを高く・早く売る方法」を不動産のプロに教えてもらったにゃん!

この記事は、現役の不動産業者の方に執筆していただき、引越しの神様チームで編集しております。



最短でも1~2か月必要!中古マンションの売却までの手順と期間


マンション 売れない


不動産というものは、なかなかそう簡単に売れるものではありません。「不動産」というくらいですから、もともとは文字通り、「不動」であり、流動性の低い資産なのです。

中古マンションは居住用と投資用のふたつの側面をもつので、戸建て住宅よりは取引が活発です。それでも、マンションを売ろうと決めてから売却に至るまでには、多くの手順を踏むことになります。

売却までには8ステップ!最短の売却でも1~2か月は必要と心得よ

不動産であるマンションを売却するときには、以下の8つの手順が必要です。

1. 不動産会社数社で査定
2. 売り出し価格を決め、仲介する不動産会社を決定・契約
3. 広告や販売活動
4. 購入希望者への内覧
5. 条件交渉
6. 重要事項説明、売買契約の締結
7. 融資で購入する場合は金融機関の審査
8. 決済・引渡し

売却完了までの期間は2か月でも短いほう
不動産会社と綿密に相談して、適正な価格設定や、効果的な販売活動を計画・実施して、すべてがスムーズに進んだとしても、1~2ヵ月はかかるものだと思っておいた方がいいでしょう。

むしろ1~2ヵ月で売却が決定したとしたら、「早く」売ることができたといえます。

スムーズな合意=適正価格で「高く」売れた
また、購入希望者と合意がスムーズにできたということは、市場価格として適正だったという評価になりますから「高く」売れたといってもいいでしょう。

筆者のような不動産会社としても、自信を持って良い取引だったとお客様に言うことができます。

2ヶ月かかっても早いほうなんだ!焦らずどっしり構えていないといけないね。


3ヶ月で売却できない物件は要注意!見直しが必要である理由

しかし、仲介契約を締結して3ケ月経ってもマンションが売れない場合は、手をこまねいている余裕はありません。

通常、マンションを買いたいと思っている人は、不動産ポータルサイトやちらしなどの広告、検討を依頼している不動産会社からの情報をマメにチェックしているものです。

購入希望者の目に止まらない物件は売れ残る!早期に売却プランの見直しを
ご自身がマンションを購入した時の経験を思い起こしてください。購入希望者にとっては、一世一代の買い物です。結婚や出産、進学などのライフイベントに合わせて新居に入りたいという、購入時期の希望もあるはずです。

夜も昼もない位に物件情報を検討する毎日だったのではないでしょうか。

通常の広告活動をしていれば遅くとも1ヵ月で、物件の販売情報は購入希望者の目に留まるはずだといわれています。

購入希望者の真剣な視線から漏れて3ヵ月も売れていない物件は、残念ながら見事な「売れ残り」というわけです。


マンションの「魅力」と「情報」が届いていないことが売れない最大の理由


なぜ購入希望者の目に留まることなく、「売れ残り」物件になってしまうのでしょうか。

原因を大きく分けると、以下の2つになります。

1. 購入希望者にとって「魅力的な物件」となっていない
2. 購入希望者に「物件情報」が届いていない

それぞれの原因を踏まえて、売却を成功させるために必要な対策について考えていきましょう。

うちのマンションって魅力的だし仲介業者さんに頼んでるから、バッチリなハズなんだけどなぁ…。



物件の魅力を引き出す価格設定と内覧のコツ


マンション 売れない

売れない理由の大きな要因の1つは、購入希望者にとって「魅力的な物件」となっていないことです。

購入する側にとっての魅力とは「価格と物件のクオリティ」のバランスのお得さ、つまりコストパフォーマンスです。

物件の購入者にとって、あなたが売却している物件のコストパフォーマンスが魅力的なものであるか客観的に見てみましょう。

売り出し価格が高すぎる時には魅力的な価格へ見直そう!

売れない理由の最も大きな原因となるのは「価格が高い」ということです。

自分の所有するマンションを売り出すときの価格は、市場価格である「売れる」価格ではなく、どうしても本人の希望が大きく反映された「売りたい」価格となってしまうことが多いものです。

査定価格が売れない価格になる3つの原因
「そんなはずはない!不動産会社数社に査定をしてもらって適正価格を調査した上で、不動産会社と相談して売り出し価格を決定したのに!」と思われる方も多いかもしれません。

どうして査定価格と同程度の価格で売り出した価格が、高くて売れない価格になってしまうのでしょうか?それには3つの原因が考えられます。

管理費・修繕積立金・駐車場料金などのランニングコストが高い
マンションの価格そのものは周辺の物件に比べて適正なレベルであっても、管理費や修繕積立金が周辺の物件よりも高い場合があります。

購入希望者は最初は価格そのものを見ますが、比較検討の際には当然ランニングコストまで検討します。周辺の物件情報をチェックする必要があるでしょう。

たしかに売却価格が安くても、住み始めてからの維持費が高いとイヤだよね。


近隣にライバル売却物件が増えた
不動産の売買価格は、定価というものはなく、いわゆる相場で決まる市場価格です。

マンションの査定価格は近隣の取引実績を参考にして算出されることが多いのですが、算出後に、近隣で同様の間取り・築年数のマンションが数多く売り出されたとしたらどうでしょう。競合物件が多くなると価格は安くなりがちです。

一度安めの価格で売買が成立すると、その地域の最新取引実績はその価格が前提となります。

全体的に価格は安く設定されるようになり、結果的に当初の価格査定は高めのものとなってしまうのです。

競合物件が多くなると相対的に価格は高くなってしまいますが、筆者の体験のように戦略的に取り組むことで値下げせずに売却できることもあります。

ライバル物件が出てきた時が不動産屋さんの腕の見せどころって感じだね!


査定価格がそもそも高い
実は、売り出し価格が高い一番の理由が、査定価格そのものが高い、というものです。不動産会社が最初の査定をするときは、売主とはまだ仲介契約(媒介契約)は結んでいません。不動産会社は売主に選んでもらわなければならないのです。

不動産会社は、査定のように価格に対して意見を述べるときは、客観的で合理的な理由を示すように法律で定められています。

しかし、不動産会社の中には、売主に気にいってもらうために楽観的な査定価格を提示して、媒介契約を結んでもらおうとする会社も多いのです。

なぜなら査定価格はあくまで見込み価格で、売却保証価格ではないからです。

査定の段階で売主に選ばれなければ、仲介手数料はもらえません。媒介契約さえ結んでしまえば、たとえ売れなくてもあとから価格を下げるよう相談すればよい、と考える不動産会社もまだまだ多いのが現状です。

査定価格を高く出してくれたからといって、「早く・高く」売ってくれる信頼できる不動産会社とは限らないの!?おいしい話には裏があるってわけね!


査定価格を見極めることが売却成功の分かれ目
査定価格が高くて売れないという事態に陥らないためには、マンションの相場観を売主の方でもある程度正確に把握する必要があります。不動産ポータルサイトなどで近隣のマンションの売り出し価格を検索して確認するようにしましょう。

また一括査定サイトを活用することも有効です。

一括査定サイトであれば、数社の査定価格を比較して不動産会社を選択することができます。このとき、一番高く査定をしてくれた会社を選んでしまうのが一般的ですが、それだけではいけません。

他の査定に比べて、突出して高い場合は以下の2点を担当者に質問してみましょう!

・なぜその価格となるのか
・他よりもずいぶん高いのはなぜか

この二つの理由を確認してみることが必要です。遠慮はいりません。不動産会社は価格を合理的に説明する義務があるのですから。納得できる理由が提示できる不動産会社こそが信頼できる不動産会社なのです。

査定価格に一喜一憂するんじゃなくて、価格の理由をちゃんと聞くことが査定のポイントだね!


内覧時の印象が悪いから魅力的な物件になっていない

マンション 売れない

魅力的な物件となっていない理由の1つに「内覧時の印象が悪い」ということがあります。

せっかく購入希望者が内覧に来てくれても、購入の申し込みに至らないのは内覧時の印象の悪さが原因であることが多いです。

購入希望者にとって、第一印象が悪いと思われた物件が、あとから思い直して成約に至ることはまずありえません。

逆に第一印象が良いと、予算や他の条件が多少折り合わなくても、あとから「やっぱりこちらに決めます」といってくれる事が多いのです。

内覧を成功させるための必須ポイント
内覧のために、すべての場所を整理整頓し、掃除を丁寧にしておくのは、最低限の条件です。

掃除は徹底的に!ハウスクリーニングの活用も
中古の空き家はどうしても寂れた印象を与えがちです。掃除を丁寧にしておく必要があります。場合によっては、専門業者にハウスクリーニングを頼んでおいた方が良いでしょう。

現在居住中の場合は、どうしても生活感が出てしまうものですが、特に重要なポイントは、玄関と、台所・トイレ・お風呂などの水回り、そしてベランダです。

第一印象を決める玄関が最初の関門!臭いのケアも忘れずに
玄関は、第一印象を大きく左右します。シュークローゼットや靴箱が備え付けの場合は、中も当然見られますから、整理整頓を心がけましょう。

お花を飾っておくのも良いでしょう。印象が華やかになりますし、自然な臭い消しにもなります。実は「家の独特の臭い」が気になるというお客様は結構多いのです。これは住んでいる人には気づくことができません。

においは、気づいてもなかなか指摘できないものにゃ。不動産屋さんが「花を飾ったらいかがでしょう」と勧めてきたら、「臭うのかも?」と疑ってもいいかもしれないにゃん。


水回りは磨き上げ、収納スペースは整理整頓を万全に!
水回りは一般的に女性は厳しくチェックします。妥協せず、徹底的に磨き上げましょう。

冷蔵庫の中を見られることはまずありませんが、ウォークインクローゼットや押入れは、収納力を見られたり、結露がないか見られたりします。見られる前提で綺麗に片づけておくことが必要です。

ここまでの内容を見直すことで、売却する物件の魅力は十分に発揮されるはずです。

魅力があっても売れないという場合には、次の項目でご紹介するように「購入希望者に物件情報が届いていない」ことが考えられます。


購入希望者へ物件情報を届けるための3つのポイント


マンション 売れない

物件の価格が適正で内覧に対する備えができているのにも関わらず、物件が売れていない。

その場合は、購買層にまで物件情報が届いていない、という状況が考えられます。具体的にはどういうことかをご説明します。

ポイント1:ターゲットを明確にして効果的な販売活動を行う

「どういった層がこのマンションを買うのか」という具体的なターゲットがイメージできていないため、効果的な広告・販売活動ができていない、ということがあります。せっかくの物件情報が購買層の目に留まらない、アピールされていない、ということです。

単身者向けなのか、それともファミリーなのか、それとも年配者、若年層、学生、社会人、はたまた投資用なのか…。ターゲットによって、立地や設備といったアピールすべき特性も、広告の手法も変わってくるはずです。

購入ターゲットによってとるべき販売活動は異なる!
ファミリー向け・年配者向けであれば、Web広告よりもエリアを区切ったポスティングやダイレクトメールが効果的な場合があります。

ファミリー向けであれば、小中学校の校区や通学路についてコメントしておくことは必須といえます。スーパーや公的施設までの距離も重要な情報でしょう。

一方、単身者向けの場合は、駅から近いといった立地上の利点や、セキュリテイ設備が重要になります。

物件のターゲットを明確にすることで筆者も売却成功
筆者は、売れ残っていた豪華マンションの仲介を引き受けたことがあります。

この物件は公立医大から歩いて5分の立地でした。そこで医大の官舎に2週間にわたってポスティングしたところ、見事に申し込みが殺到したという経験があります。

うまく購買層に物件情報を届けることができたケースでした。

ポイント2:検索時の動きを想定して購買層に物件情報を伝える

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不動産情報をポータルサイト上で検索する場合、希望エリア、間取り、価格を検索条件とする方が多いです。

価格は500万円単位で検索できるようになっているサイトがほとんどで、ユーザーは3500万円~5000万円などと価格範囲を決めて物件情報を検索します。

たとえば4900万円の査定価格だったときに、売り出し価格を5100万円とするのは、売却までの時間を加味すると考えものです。そうしてしまうと、5000万円までの予算の購入希望者の検索条件には引っかかってこないのです。

それならば4980万円とした方が、検索時のヒット数が増えます。あとは120万円の差額がそれに値するかを考えるべきでしょう。

120万円にこだわったばかりに売れるチャンスを逃す、なんてことになったらもったいないにゃ。


ポイント3:不動産会社に物件情報の「囲い込み」をさせない

不動産会社が情報を出し渋るなんてありえないとお考えになる方も多いでしょう。不動産会社は仲介手数料が収入源ですから、本来、売主と同様に成約を願っているはずです。

しかし、不動産会社は、買主側が別の不動産会社と契約していなければ、買主側と媒介契約を締結して、売主からも買主からも仲介手数料がもらうことができます。

両手仲介に警戒すべき理由
これを「両手仲介」といいます。一度の取引で売買双方から仲介手数料がもらえるとはおいしい商売ですよね。

そのため多くの不動産会社は、両手仲介を希望し、そのため必死に自分の顧客やネットワークを使い購入希望者を探しています。

しかし、その想いが強すぎると、物件情報を自社だけに留めて、他の業者に物件の情報を流さない、他の業者が紹介した客を受け付けない、という行為をする不動産会社が現れてしまうのです。

これを「囲い込み」といいます。物件情報が顧客の目に届かない大きな原因が、この「囲い込み」にあります。

こうした行為を不動産会社が行っていることは、明らかに、「早く」売却することとは相反する行為であり、媒介契約の内容によっては、法令違反、契約義務違反となります。

手数料欲しさに、お客さんのマンションを売ってくれないなんて、自己中心的な…。こんな不動産会社とはすぐに縁を切りたいね。



不動産会社の再選定をすべきタイミングと知っておくべき媒介契約の種類


マンション 売れない

マンションが売れない2大理由は「魅力がない」「情報が届いていない」であることをご説明してきました。

真摯で能力のある不動産会社なら、マンションの販売にどうも手ごたえがない場合、3ケ月もあれば原因を分析し、売主と相談し意思を確認しながら、対処をしているはずです。

仮に価格を下げるようなことがあっても、それが市場の求める適正販売価格ということであれば、「高く」売ったことになります。

売れないマンションの広告を掲載し続けることは絶対NG!

しかし、意欲があり誠実な不動産会社であってもなかなか販売に結び付かない、「経験や能力が足りない」不動産会社もあります。

また「囲い込み」を意図的にしている不動産会社もあるでしょう。そうした不動産会社にずっと付き合っていては、マンションの販売はますます困難になっていきます。

売れないマンションの広告をずっと掲載していると、買い主や買主側の不動産会社はなにか売れない原因のある物件だと考え、「売れ残り物件」の烙印を押してしまいます。

ずっと広告を出し続けるのは得策ではありません。一旦仕切り直し、不動産会社の再選定を考えても良いでしょう。

媒介契約の種類とそれぞれのメリット・デメリット

不動産会社との媒介(仲介)契約は、他の不動産会社との契約ができるか、売主自体が見つけてきた買主と売買ができるかなどで3つに分類され、不動産会社の義務や制限が変わってきます。

一般媒介契約
・複数の不動産会社と契約可能
・売主が見つけた相手とも直接売買(自己発見取引)可能
・契約の有効期間、業務処理報告義務、レインズへの登録義務がいずれもない
レインズ…指定流通機構、国交省指定の物件売買情報登録検索システム

一般媒介契約は、他の不動産会社とも契約できるので、広く情報を求める時には便利です。

物件が売れやすいものであれば、一般媒介契約でも不動産会社は我先にと成約を争うかもしれません。

しかし、「どうせ他の不動産会社も販売活動をしているから」という理由でいったん自分の顧客網に有望な線が無ければ、報告義務もないので、販売活動に積極的にならない可能性も出てきます。

専任媒介契約と専属専任契約
専任媒介契約
・他の不動産会社との契約不可
・自己発見取引は可能
・契約有効期間3ヵ月(自動更新不可)
・業務処理報告義務(1回/2週間)
・レインズ登録義務(営業日7日以内)

専属専任契約
・他の不動産会社との契約不可
・自己発見取引不可
・契約期間3ヵ月(自動更新不可)
・業務処理報告義務(1回/1週間)
・レインズ登録義務(営業日5日以内)

専任、専属専任となると、不動産会社としては1社独占となります。その代り契約期間は3ヵ月と決まっており、売主からの依頼がなければ延長はできません。そのため必死になって販売活動に取り組みます。

またレインズへの登録義務や、販売活動の報告義務もあるので、おざなりな活動や、「囲い込み」といった悪癖も起こりづらい契約となります。

逆にこうした専任契約でも、3ヵ月も成約がない場合は、会社自体の能力が低いか、虚偽の報告をして実際は「囲い込み」などを行っている可能性があります。

3ヶ月で売れない場合は不動産会社の見直し必要

不動産会社の再選定を行うのは、売却期間や媒介契約上の期間の設定から、媒介契約後3ヵ月が一つの目安となります。その際には、媒介契約の種類も、再度検討した方が良いでしょう。

いずれにせよ、既に「売れ残り」物件となっているわけですから、今後の販売方針や価格条件、広告の内容や媒体について詳しく不動産会社と相談して、確認作業を行っていく必要があります。

マンションが売れ残らないように、また、仮に売れ残った場合にどう対処するか、という問題については、信頼できる不動産会社と、問題点を整理して対処法を考えていく必要があります。

マンション売却までには3ヶ月のスパンがとっても重要だにゃ!信頼出来る不動産屋さんを選ぶことが重要だにゃ。



まとめ:知識をつけて信頼できる不動産会社を選んで売却しよう


マンション 売れない


マンションの売却を大手会社に任せているから安心ということはありません。

大手会社は確かに豊富な実績と独自の販売網がありますが、両手仲介は大手会社ほど多いというのも事実で、「囲い込み」がないとはいえないのです。

また、地元の不動産会社は独特のマーケット情報や顧客情報を活用している場合もあります。

不動産会社の選定のコツは、じっくり会話を積み重ねて、信頼できる情報を自分自身で判断することです。この記事の情報を活用して「良い不動産会社」を見極め、中古マンションを早く高く売却しましょう。



筆者の体験談:ライバル物件を逆手に取ったマンション売却の成功事例


筆者の扱った物件でも、売り出し価格はかなり自信のあった価格だったのにも関わらず、2ヵ月近くも問い合わせがない物件がありました。

そんなはずはないと原因を探したところ、自分が売り出し広告を出した5日後に同じマンションの1階下の部屋が、300万円も安く売りに出ていたことがわかりました。

その物件は、使用状態が良くなく、壁や内装も汚く、お風呂などは水カビだらけといった状況で、安いのには理由があったのです。

しかし、広告を見る購入希望者はそこまでは分かりませんから、問い合わせはそちらに集中し、内覧してはがっかりして帰る…ということの繰り返しでした。

このときは、売れない理由が価格差にあり、その価格差にも理由があったので、自分の物件の価格を下げる必要はないのではと考えました。売主と相談して、その物件は「おとり物件」だと考える戦術を取ったのです。

せっかくの比較対象があるなら、自分の物件の良さを見てわかってもらうチャンス。ライバル物件の欠点を逆手に取り、自分の物件の良さを強調するような広告に変更することに決めました。

具体的には、お風呂・トイレは3年前にリフォーム済であること、売主が大事に居住していた美麗物件であることを強調し、写真を大きく扱い、住所・マンション名もわかりやすく前面に出しました。

ライバル物件を内覧する人が「同じマンションならこちらもついでに見てみよう」という気になるように工夫したのです。すると内覧数が増え始め、なんとか無事に価格を下げずに売却することができました。