派遣アルバイトを考える看護師がチェックすべき10のこと

[公開日]2014/12/24[更新日]2018/08/08

看護師の資格を持っていると派遣、短期アルバイトの仕事も沢山あります。派遣、短期アルバイトは、ライフスタイルに合わせて、仕事を選べるので、子育て中でちょっとだけ派遣で仕事に出たい方、夜勤アルバイトや短期アルバイトを本業の合間にやりたい方も様々なスタイルで働けます。

ですが、正規職員とは大きく違うので、派遣について良く知らずに気軽な気持ちで派遣のお仕事を決めてしまうとあとで「しまった!」という事態に陥ってしまうかもしれません。また、派遣と短期のアルバイトでは厳密にいうと違う雇用形態であることもあります。その他にも税金や本業との兼ね合いなど確認しておくべきこともあります。

では、どこに注意して派遣や短期のアルバイトを探したらいいのでしょうか?
今回は派遣やあるバイトで働く場合に知っておくべきポイントをよくある10の疑問とともにご紹介します。

看護師のバイトや派遣について


本業とアルバイト・・・両立出来るもの?


本業がある場合は、その本業と両立できるのかは大きな問題です。 基本的に派遣やアルバイトは自分の条件に合わせて決めるので、両立は可能です。ただし、給与が高いから、ちょっとスケジュール的には厳しいけれど、なんとかなるかな・・・と安易に決めてしまうと実際、勤務調整ができないなど問題が生じてしまうので、注意が必要です。

副業を持つということは、その分、自分自身の休みが減ります。その中でも本業も副業も問題なくこなせなければ、職場に迷惑をかけてしまうことになります。また、主婦の場合は、家事等に影響が出る場合もあります。

派遣、アルバイトであれ、一看護師として責任があることに変わりありません。本業がある場合は、自分ができる範囲であるかも重要です。派遣やアルバイトをする目的は人それぞれですが、収入アップが目的の場合は、特に無理をしがちになるので注意が必要です。結果、続かなかったり、体調を崩しては本末転倒です。

自分のこなせる仕事量、体力と相談し、本業に影響が出ない範囲であれば、両立は可能だと思います。まずは、自分は使える時間や体力をしっかり把握しておきましょう。

人材派遣と人材紹介の違いって何?


派遣やアルバイトという形態で働く場合は、この違いを理解しておく必要があります。派遣というとアルバイト、短期間、単発・・・こういった就業形態が「派遣」と思っている方も多いと思いますが、厳密に言えば違います。

派遣というのは、人材派遣会社と当該看護師が雇用契約を結び、勤務先の指示で働く制度です。一方、単発、短期間と書いてあっても人材派遣会社と雇用関係はなく、直接病院に雇用される形になるものは、人材紹介にあたり、基本的に「非常勤職員」として扱われます。

看護師の医療現場への派遣については、「労働派遣法」というもので、一部例外(*)を除き、禁止とされています。そのため、単発でも派遣ではなく、単発「非常勤」として病院の職員として迎えられることになります。働く期間としては、派遣のように限られたものになりますが、このような雇用形態の違いがありますので、注意が必要です。

*一部例外
1.紹介予定派遣
2.病院・診療所等(介護老人保健施設または医療を受ける者の居宅において行われるものを含む)以外の施設(社会福祉施設等)で行われる業務
3.産前産後休業・育児休業・介護休業中の労働者の代替業務
4.就業の場所がへき地・離島の病院等及び地域医療の確保のため都道府県(医療対策協議会)が必要と認めた病院等における医師の業務
参考URL http://www.jassa.jp/corporation/tekiyoujyogai/01.html

紹介予定派遣とは


紹介予定とつく場合は、単なる派遣ではなく、派遣として勤務後、勤務先とあなたの双方希望があれば、直接雇用に切り替えることになります。派遣と形態は変わりませんが、派遣期間終了後に勤務先に直接雇用の可能性があります。

もちろん、「双方希望があれば」ですので、必ずしも就業ではありませんが、基本的には、副業目的というより就業前に現場を知っておくための制度になります。

派遣として働く際のメリット・デメリット


では、派遣として働くことで生じるメリットとデメリットも確認しておきましょう。

【メリット】
・自由なシフトで働く事ができるので、ライフスタイルに合わせて働く事ができる。
・短期間での勤務が多いため、人間関係に悩む事が少ない。
・給与が比較的高い。
・案件の中から検診やイベントなど好きな職場の場所や働き方を選べる。
・条件によって人材派遣会社の社会保険に加入する事も可能になる。

【デメリット】
・即戦力を求められるので、基本的な技術は一人でできる必要がある。
・看護師が自分一人の場合がある。
・教える側の現場スタッフに迷惑がられる場合がある。
・契約内容が派遣先により異なるので、毎回確認が必要。

上記のように、自由に時間、場所を選べ、子育てをしながら、または、副業としても重宝する働き方ではありますが、ある程度のスキルは必要にはなります。

派遣の場合は、雇用主が人材派遣会社になりますので、保険加入などは人材派遣会社に依存します。派遣ではなく病院の非常勤職員として迎えられる人材紹介の場合は、保険等の条件は病院毎にことなりますので、確認が必要になります。本業があって、そちらで社会保険に加入している場合などは、どちらの形態でも大きな問題はないと言えそうです。

ただし、前述したとおり、法律の縛りがありますので、派遣では、仕事内容が限られてきます。医療系の職場での勤務を希望する場合は、人材紹介という形態になることが多いです。

人材紹介制度を利用する際のメリット・デメリット


派遣でなく、人材紹介でアルバイト等として就業する場合のメリット・デメリットも紹介します。

【メリット】
・専任のコンサルタントを通すので、条件の交渉が比較的しやすい。
・職場が固定されるので、慣れれば、業務はしやすい。
・病院の職員として使える制度を利用出来ることがある。

【デメリット】
・派遣ではないので、一度就業すると、直接病院とやりとりすることになる。
・超短期間、単発求人が少ない事がある。
・保険等の福利厚生は、病院毎に違うので確認が必要。

直接雇用の形になるので、就業先によって大きく異なります。ポイントは就業前の人材紹介会社が介入しているうちにしっかり条件等を定めてしまうことです。自分で交渉するよりも比較的、話が通りやすいです。

派遣期間ってどれくらい


派遣の場合は、期間が定められています。病院等の医療現場への看護師の派遣は、紹介予定派遣、産休の代理等に限られています。ですので、期間としても1〜6か月以内と定められています。その後は、病院の職員として勤務するか、契約終了となるかになります。

あくまで一時的な代理ですので、条件がいいからといって延々派遣として働き続ける事は、原則できません。医療現場以外での派遣はこの限りではないので、契約内容によります。

一方、人材紹介での勤務は、病院の職員としても勤務ですので、お互い就業形態に納得ができれば、期間は限定されません。仮に月1回のみの非常勤でも病院側が認めれば、非常勤職員として迎えられることになります。ただし、その場合は、就業後は、直接病院とのやり取りで、退職等を決めることになるので、紹介時点で期間を区切るのであれば、紹介会社が入っているうちに条件をしっかりチェックしましょう。

人材派遣・紹介会社の選び方は


では、実際に派遣や非常勤などのアルバイトとして働く場合に利用する人材派遣・人材紹介会社はどのように選ぶといいのでしょうか?前述したとおり人材派遣と人材紹介は異なります。ですが、人材派遣も人材紹介も同じ会社で行っていることが多いです。

例えば
「メディカルコンシェルジュ」の提供するナースネット
http://mc-nurse.net/?gclid=CIuljq_7_bsCFUZapQodsDwAaA&trflg=1
「クラシス」の提供するスマイルナース.jp
http://www.smile-nurse.jp/

こちらでは、派遣の求人も、単発アルバイト等の非常勤求人も扱っています。派遣は法律規制され、案件が限られているために人材紹介をメインにしていることが多いのが実情です。また人材紹介で有名な「ナースではたらこ」のように人材派遣には対応していない会社もあります。

「ディップ」提供するナースではたらこ
http://iryo-de-hatarako.net/

派遣という形態にこだわらないのであれば、働く時間や場所をメインに条件を決めるだけでも構いません。どうしても派遣という形態で働きたいという場合は、人材派遣を扱う会社である必要がありますので、派遣を扱っているかはチェックしましょう。

人材紹介会社や派遣会社のサイトでも求人案件の検索もできますので、気になった求人があれば、気軽に問い合わせてみると詳しく教えてくれます。まずは、自分の条件に近い求人を探してみて問い合わせてみることから始めると
他の似た案件も紹介してもらいやすくなります。

そもそもアルバイトはしていいの?


派遣については法律で定められた規制はありますが、アルバイトは個人の自由になります。ですが、病院にも就業規則がありますので、そちらで禁止とされていることもあります。就業規則を確認した事がないのであれば、一度確認してみるといいでしょう。

基本的には、「禁止」としている病院が多いと思います。実情は、「みんな隠れてアルバイトしている」ということが多いように感じます。私が以前働いていた病院では、半数以上がアルバイトをしていました。一応、就業規則では禁止でしたが、上司も黙認しているという状況でした。

ただし、アルバイトをしていることが知られれば、謹慎、免職という厳しい罰則を設けている職場もあります。自分の職場の就業規則についてチェックしておきましょう。

本業に加え、派遣、アルバイトをする時


原則アルバイト禁止としている本業があり、副業で派遣や短期アルバイトをする場合、本業の病院にその事実がバレるのか気になるところですよね。派遣やアルバイトをしている事実が知られてしまわないか気になって、やりたくてもできない、という看護師さんもいるでしょう。

結論を言えば、ほとんどバレないです。ただし、自分で確定申告をした場合です。年末調整時に派遣先やアルバイト先の病院の給与を含めて計算してもらいたい場合は、本業の病院に源泉徴収票を提出する必要があるので当然ながらアルバイトしていることが知られてしまいます。

ただし、派遣、アルバイトの給与分を自分で確定申告をして普通徴収にするか、税務署に申告する際に雑所得として処理してもらえば、本業の病院側に知られることはほぼありません。税金関係よりも職場や自宅近くだと「働いているところを見られた」などで知られる可能性の方が高いです。なるべく職場からは離れた場所や人に合わない場所を選ぶ事がポイントと言えるかもしれません。

市民税等が追加で送られてくる場合がありますが、アルバイト分の税金は自分で振込をすれば基本的に病院に知られる事はありません。 ただし、本業が公務員の方は厳しい罰則がありますので、避けておいた方が良いでしょう。

ただし、本業の職場先に絶対にバレないとは言えません。アルバイトをしようと考えている方は、あくまで自己責任で行って下さい。

確定申告の時に困らないためには?


通常、税金の調整などは就業先で行ってくれるため、自分で手続きは必要ありません。ただし、副収入があった場合は、確定申告の手続きをする必要があります。本業の他に20万以上の収入がある場合は必ず確定申告が必要です。

確定申告は、収入があった年の翌年2月16日から3月15日に行います。必要なものは、派遣先、アルバイト先から発行された源泉徴収票です。源泉徴収票を保管しておけば手続きに困る事はありません。期間の終わりには混み合うので早めに手続きを行いましょう。源泉徴収票を持って管轄の税務署にいけば、丁寧に教えてくれますので心配要りません。複数の派遣先、アルバイト先がある場合は、全ての職場のものが必要ですので、必ず保管しておいてください。

以上、よくある10の疑問とともにポイントをお伝えしてきましたがいかがでしたでしょうか?

看護師の派遣、アルバイトでのお仕事は多種多様です。本業ではできない仕事が出来たり、収入を増やしたりする事も可能になります。派遣、短期アルバイトは今回の10のチェックポイントを押さえて、上手に利用しましょう。

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