看護師の面接で聞かれる7つの質問と対策
[公開日]2014/10/14[更新日]2018/08/08希望の転職先がみつかれば、次は採用試験をどうクリアするかですね。試験は小論文、面接試験というパターンが多いようですが、看護という仕事の性質上、面接重視の傾向は否めません。
もちろん、大学病院かクリニックかなど、転職先の病院の特色による違いは大きいようですが、確実に言えることは「良い人材に渇望している」のは求人側であるということ。慢性的な労働力不足の中、売り手市場の現実は圧倒的にみなさんに有利に働くはずです。そこで、ここでは面接試験の傾向と対策についてお話します。
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目次
志望動機は2本立て
新卒時の就職試験であっても、明確な志望動機をもつことはとても大切なことです。けれど、それは夢や理想に満ちあふれた初々しく、前のめりの希望に満ちたものだったのでないでしょうか。
でも、今、みなさんが目指そうとする転職は、収入アップ、有利な労働条件など現実的なものであるに違いありません。現場の実情や自分の生活をしっかり考慮したうえでその病院や施設への入職を決定したのですから、当然のことですよね。そのあたりの事情は求人側でも分かっていることです。
それでも、採用試験ですから、相手に敬意をこめて、その病院の「ウリ」をうまく、くすぐってあげましょう。つまり、求人案内をよくチェックしてキーワードを逃さないこと。地域医療、在宅ケア、救急医療など実践の中心となる活動を評価し、そこに興味をひかれたことをアピールします。これでつかみはOK。
次に大切なことは、そこにあなたの個人的事情を組み込みます。つまり収入面、福利厚生、病院の立地条件、キャリアップのてがかりとして等、いかに自分の求める要件にマッチしているかを述べましょう。これは社会人経験を積んでいるからこそ具体化できる志望動機です。そして、ほとんどの場合、こちらがマッチすれば離職は起こりにくいはずなのです。求人側の心をくすぐる建前と自己都合の本音の2本立てで臨むようお勧めします。
ネガティブな退職理由はNG
前職の退職理由は、求人側にとってはかなり気になるはず。大規模病院の第一線で働いていたにしろ、短期間での転職を繰り返しているにしても、それなりの理由はあるはずなのです。
面接官は「前職では大変だったでしょうね」などと優しく誘い水を向けてくることもあるでしょう。ついそれに乗ってしまい、つい本音でマイナス因子を並べてしまったため不採用になったというケースは少なくありません。たとえあなたがどんなに複雑な思いを抱えて退職を決心したとしても、、込み入った理由を客観的に他者に伝えるのは難しいことです。下手をすると何事にも否定的な受け止めをする人と評価されてしまう可能性さえあります。
ですからここは簡潔明瞭、公明正大といきたいところ。なので、夫の転勤、子育て後の社会復帰など、明白な退職理由があった場合は堂々と述べるべきです。でも、前職の待遇や人間関係などのついての不満を述べるのは絶対にNG。
あくまでもプラスに向かうための退職理由を考えておくべきです。退職理由の真偽を問われることはありませんし、あえて人物評価を落とす必要はありませんね。
看護観は病院選びとリンクさせよ
新卒の面接との大きな違いのひとつが「看護観」を問われることです。机上の学習ではなく、臨床現場で獲得した貴重な看護観は、あなたの大切な付加価値です。とは言うのもの、唐突に「あなたの看護観は?」と聞かれると、言葉に詰まってしまうのではないでしょうか。でも、難しいことではありません。
日頃、あなたが患者さんと向き合う中で、大切だと感じていることで良いのです。リハビリ中心の病棟なら、日常生活の再構築に向けて援助することかもしれませんし、急性期病棟にいたのなら、患者さんや家族の不安、恐怖を緩和するといったことで十分。できれば、それに相応するエピソードを考えておけば説得力がありますね。
そして、その看護観を転職先の看護にどう反映させるかということがポイント。同じような診療科の病院であれば、これまでの看護観を基盤にとつながるのですが、そうでない場合にはひと工夫必要かもしれません。
たとえば、大学病院などで救急医療を経験してきた人が、地域の在宅医療に重点を置いた病院へ転職を希望している場合、対象の健康のレベルが大きく違ってきますね。
その場合でも「危機的状況にある人の心のケアの重要性を学んだので、緩和ケアの現場でも活かしてみたい」とつなげば、看護観の発展になります。常に、次なるステップアップを意識した答え方に心がけることが成功のカギですよ。
自己評価と第3者評価
看護師としての自分を評価させる質問もよくあります。日本人は謙虚であることが美徳であると教育されていますから、意外と難しい質問かもしれませんね。
問題となるのは、その評価基準なのです。これはあくまでも、自己評価ですから、自分なりの基準で良いのですが、客観性を求められる部分なので、思い込みや独りよがりの答えは避けなければなりません。
まずは、コミュニケーションの円滑さ、リーダーシップ、メンバーシップは発揮できるか、看護研究などへの取り組み姿勢など日常の業務に関連した具体例を出して評価しましょう。思い込みを避けるためには事実を明らかにすることです。
これと関連して、他者から自分はどう評価されているか、つまり第三者評価はどうかと質問されるケースが増えているようです。看護という仕事上、常に主観と客観を持ち合わせることが必要ですから、ここをしっかり答えることで信頼感が増すはず。
相手は必ずしも良い評価ばかりを期待しているのではありません。事実を冷静に分析し答えられているかが重要なのです。いずれにしろ、あなたが考える看護師としての評価ポイントを明確にしておくことが大切です。
インシデントレポートは客観的な評価まで
あまり耳触りのよい言葉ではないかもしれませんが、最近はインシデントレポート提出やヒヤリ・ハット体験についての質問も多いようです。それだけ、危機管理対策に関心が向けられてくるようになっているということでしょう。
病院によっては、医療安全対策室を設け、積極的に取り組んでいるところもありますから、避けては通れない質問になるかもしれません。でも、ある程度の看護師経験があれば、そういう経験はめずらしくないことですから、この質問を受けても緊張する必要はありません。
経験の有無がイコール看護師としての評価になるというものではないはず。あくまでも、試験官が求めていることは誠実性と客観性です。
まず、どのような出来事だったのかをはっきりと述べたうえで、その時の自分の行動、判断を過小評価や過大評価せず、ありのままを伝えることがポイント。さらに未然に防げた理由、あるいは起こってしまった原因、予防・解決策と簡潔にまとめておくことが重要です。
どの業界においてもヒューマンエラーは起こり得ることが前提です。大切なのはそこから何を学ぶかです。冷静に自分を見つめる目を持ちましょう。
目標は身の丈が丁度よい
基本的に転職はプラス志向で考えるものですから、新しい職場でも一歩進んだ目標設定が必要になります。面接でも、当然そこを踏まえた目標を質問されることが予想されます。
もともと認定看護師を目標にしての転職など具体的な方向性が決まっている場合には、その希望をはっきりと伝えましょう。ですが、実際には、さしあたりの条件で転職先を選択するケースの方が多いはずです。
患者さんやスタッフに信頼される看護師、とかスキルを身につけキャリアアップを図るなどの目標は、一見、カッコよく、上昇志向を感じさせる目標に聞こえそうですね。ですが、抽象的で評価が困難な目標なのです。
しかも、具体的な勤務体制も把握していない段階で、明確な目標を打ち出すのはむしろ不自然ではないでしょうか。あるいは、そのやる気表明を評価されたことによって、無理な条件を承諾しなくてはならなくなっては元も子もありません。ですから、目標設定は身の丈が丁度よいというわけです。
患者さんの話を良く聴ける看護師、少しでも痛みを緩和できるケアに努めたい、といった身近な目標であなたの看護観や人間性が表現されると思いますよ。入職後、改めて自分のできることを考えてみたいと付け加えても良いですね。
実戦的自己PR
特にテーマを出さず「1分間で自己PRをして下さい」などという質問もあります。漠然とした質問で、戸惑ってしまうこともあるかもしれませんね。
まず、これまでの経歴、研修や研究といったキャリアを織り込みながら、自分が身に着けてきたスキルを即戦力として準備できていることを伝えましょう。面接そのものが、自分をPR(広報・宣伝)する場ですから、ことさらマイナスの要素を強調する必要はありませんね。
でも優れた点ばかりを誇張してアピール(訴え)すると、自信過剰に思われたり、やる気満々の空回りタイプに見られたりする可能性もあるので要注意ですよ。
ここでは、自己分析力や表現力、積極性などが評価されるところですが、実は言葉を使わない自己PRもすでに重要な要素として存在しています。あなたの身だしなみ、所作、言葉使い、表情といった看護師として必要な要件は面接官の前に立った瞬間から、雄弁にあなたをPRを始めているのです。
看護師は専門職といっても、エンジニアなどと違い、ある意味でサービス業でもあります。注射や採血が上手にできればそれで良いというわけにはいきません。それまでの経験の中で、看護師である自分をどう構築してきたかが問われます。言葉でどんなに自分をアピールしたとしても、それ以前の資質に手入れをされていなければ、信頼性を得ることができません。美しいマナー、優れたコミュニケーション力は有効な自己PRとなるはずですよ。
以上、面接時によくある7つの質問。その傾向と対策でした。いずれにしろ、面接する側も「人を診るプロ」です。お互いに本音の探り合いになる部分も少なくはないでしょう。でも、あなたの貴重な経験を武器に、自信をもって面接試験突破してくださいね。
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信頼できる会社が運営しているか・・・求人、キャリアアドバイザーの質に影響する可能性がある
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