看護師が夜勤のない職場に転職する方法と注意事項

[公開日]2015/01/08[更新日]2018/08/08

日勤と夜勤の両方をこなして経験を積んでこそ一人前の看護師。とはいわれますが身体的にも精神的にも働く看護師に大きな負担をかける夜勤。そろそろ体がきつくなってきた育児や家庭の事情でどうしても夜のお勤めは難しい、など、夜勤を続ける事が難しくなることもあるでしょう。

そんな看護師のために今回は、夜勤のない職場に転職する方法と注意事項をご案内させて頂きます。
夜勤のない看護師として働きたい


日勤勤務だけのメリット


規則正しい生活を送れるため身体的な負担が軽い

夜勤をしていると自律神経失調症になりやすくなるなど、身体に大きな負担をかけます。夜勤に入っている時に仮眠や休憩が取れるのならまだいい方ですが、患者さんの急変などがあるとバタバタして息つく暇もなく、一人で全て判断しなければならない状況になることも珍しくありません。緊張感と責任感で精神的にも大きな負担となります。

日勤だけなら他の看護師に相談したり助けてもらったりできますし、人間としてごく自然な生活を送る事が出来ます。夜勤を止めたら体調がよくなったと言う声もよく聞かれます。

ただし夜勤のある生活から日勤のみの生活に変わって間もない頃は、リズムがガラリと変化するので逆にきつく感じられるようになることもあります。身体が慣れるまでの辛抱です。

育児との両立がしやすい

家族が協力的であっても育児中の人が夜勤をするのは、並大抵の事ではありません。子供が小さなうちは熱を出したりする事も多く、何かと手が掛かるものです。実家など面倒を見てもらえる場所が近くにないと、夜勤は難しいでしょう。

日勤勤務のみのデメリット


職場の選択肢が少なくなる

主な転職先はクリニックになります。病院によっては日勤専従で働けるところもありますが、まだまだ日勤と夜勤の両方をこなす看護師が求められています。求人は夜勤できる看護師に比べ件数がかなり少なくなります。

夜勤手当がないので収入少なめ

看護師が高給取りと言われるのは、夜勤もして手当がつくためです。看護師の基本給はそれほど高いとはいえないので、夜勤手当がつかないとOLと同程度あるいはそれ以下の収入となることもあります。

病棟勤務の経験が積めない

日勤夜勤で病棟の看護を経験することによって、看護師はスキルアップしていくのですが、日勤だけですとそれができません。3年以上の日勤夜勤を経験してからの転職が理想と言われています。

求人情報のチェックポイント


残業や忙しさはどのくらい?

夜勤はなくてもものすごく忙しかったり残業が多いと夜勤がなくても、体力的に厳しい職場になることもあります。

給与

夜勤手当がつかなくなりますので収入は当然激減します。毎月必要な収入は得られるのかどうかはチェックしておきましょう。

仕事内容

病院やクリニックへの転職なら仕事内容は大体わかると思いますが、それ以外にも活躍できる場所があります。そこでは初めて経験する事も多いのでどのような仕事かを予め確認しておきましょう。

また看護に関しては日勤だけでは経験が積めないので、将来のために今後どのようなキャリアを積んでいくのか長期的に考えてみてください。

夜勤のある部署への異動

病院では最初は日勤だけということで入職しても、夜勤のある部署へ異動させられる可能性もあります。ずっと日勤で働きたい場合は確認しておきましょう。

夜勤をしないで働ける場所


夜勤のない職場とその注意点を説明します。求人情報は看護師の転職支援サイトに登録して探すといいでしょう。

クリニック(外来)

評判のいいところは開院直後から混み合う事もあります。1から教えなければならない方よりも病院での日勤夜勤の経験者が歓迎されます。夜勤はなくても時間外の急患を受け入れるクリニックもありますので注意が必要です。繁忙期は時間内に診療が終わらないこともよくあります。

病院(日勤専従)

病院で日勤専従の看護師として勤務します。前述したとおり夜勤のある部署への異動もあるかもしれません。

美容外科

繁忙期以外は残業少な目で自分の時間も大切にできます。

基本給プラスインセンティブ制度を設置しているところが多いので、収入面では魅力的ですがインセンティブ制があるということは販売や営業をするということです。エステシャンや化粧品会社の美容部員のように、営業力を求められます。ノルマを課しているところもありますので応募する際は確認しておきましょう。

セールスが得意な人はかなり高収入が望める反面、売るのが苦手な人には向かないかもしれません。また、美容関係の営業も仕事のうちですから、年齢制限があるところが多く見た目も重視されます。美人でなければならないということではなく、一般的に好感のもてる外見ということです。

ただ先々の事を考えると、セールススキルを身につけておいて損はありません。何かしらの理由で看護の仕事ができなくなった場合、新しい収入源を確保するのに役立ちます。

施術や商品は売り込むのではなく、患者さん(美容外科ではお客様と呼ぶ方が近いかもしれません)の悩みを解決したり願望や夢を叶えるために提案する、という意識を持つといいでしょう。

保育園

保育園にも看護師の活躍の場があります。子供が好きで小児看護の経験がある方に向きます。

保育園でのお仕事としては、
・園児の健康管理や衛生管理
・感染症が発生した場合の対処
・怪我や病気にかかった場合の応急処置
・受診すべきかどうかの判断
・受診が必要な場合は保護者を呼ぶ
・健康診断や歯科検診の介助
・園児のメンタルケア
・保護者への衛生指導や疾病予防指導
などです。

看護師は一人だったり、保育園が初めて看護師を雇うという事も多く、「何をすればいいのか分からない」という声が現場の看護師からが結構上がっています。「保育所保育・保健セミナー」で検索して勉強会に参加してみるのがお勧めです。保育士とは上手く連携をとっていきましょう。

保護者の中には疾患や怪我の処置について無知だったり、古い知識しか持っていない方もいらっしゃいますので、指導に骨が折れたり、現在最新とされている処置にクレームがくる事もあります。

介護福祉施設

施設は生活の場であって入所は治療目的ではないため、健康管理と介護が看護師の主な業務になります。

具体的には、
施設内の衛生管理、健康管理(問診、バイタル測定、血糖値測定)、インシュリン注射
服薬の管理、処置全般、胃瘻の管理、留置バルーンの交換、ストーマの管理
異常の早期発見、対応、医師との連絡、施設外の診療補助
その他介護スタッフが手に負えない場合の対応などになります。

経験豊かな看護師が求められます。夜勤があったり、緊急呼び出しがかかる施設もあるので確認しましょう。

検診センター

仕事内容は問診、身体測定、尿検査、血液検査など、健康診断の流れに沿って受診者を案内し介助します。保健所など公的な検診センターでは主に保健師を募集しています。看護師ならば企業が経営する検診センターの求人を探すといいでしょう。

接遇が厳しくほとんど接客業に近いものと考えるのがよさそうです。採血は一度で成功させて当たり前という雰囲気があって、失敗すると苦情を言われる事も珍しくありません。それがストレスと訴える看護師も多いのです。

訪問看護ステーション

対象者の居宅を訪問して、健康管理や介助を、リハビリテーション医療機器や薬剤の管理など療養上のお世話を行います。経験豊富な看護師向きです。

業務は多忙を極める事が多いため、どれくらい忙しいのか、残業はどれだけあるのかを事前に調べておきましょう。今は夜勤なしでも将来24時間体制になることも考えられます。

治験コーディネーター(CRC)

新薬の開発に携わります。治験コーディネーターの役割は医師と被験者の間に入って、臨床試験を円滑に進めていけるようにすることです。従って専門知識と高いコミュニケーション能力が求められます。詳しくは下記をご覧下さい。
CRCの主な業務|日本SMO協会
http://jasmo.org/ja/recruit/job/index.html

産業看護師

企業に所属して従業員の病気や怪我の予防、手当をしたり、メンタルケアを行うのが仕事です。

具体的には
・従業員の働き方や労働環境・安全性などをモニタリングする
・定期健康診断結果に基づく従業員の健康状態と労働量のバランスの監視
・人事担当者への産業医勧告の支援を行う
・従業員の労働時間のチェック
・企業の労務・厚生費の効率化および運用提案する
・問診票や健康診断結果、病欠状況などを基にした組織の健康状態データ集計
 しワードやエクセルで管理する
・健康相談室(保健室)での相談・アドバイス
・メンタルケア
などです。

企業の営業時間帯がそのまま勤務時間となります。基本、土日は休みですが企業によっては土日出勤もあります。デスクワークが多く医療事故とも無縁で心身ともに通常の看護業務に比べかなり楽です。

優遇された労働条件で人気ですが、年に数件ということもあるほど稀少な求人のため、かなりの狭き門となります。
全て非公開なので希望者は看護師転職支援サイトに登録してコンサルタントに相談しましょう。

看護教員

専門学校卒業の看護師がすぐ転職できるという、ものではないので参考程度に挙げておきます。どこの教員になるかで国が定める要件が違ってくるのですが、大学(短大)と専門学校の教員は5年以上の臨床経験が必要です。

興味のある方は、看護教員専門の転職支援サービスもありますので、そちらで詳しい情報が手に入ります。
看護教員.net
http://www.kango-kyoin.net

・専門学校
専任教員として必要な研修を修了した者又は看護師の教育に関し、これと同等以上の学識経験を有すると認められる者

・看護系大学の教員
修士以上の学位を取得し研究上の業績を有する者

・高等学校看護科
看護の高等学校教諭1種免許が必要です。取得できる大学は下記の文部科学省のページから、PDFファイルをダウンロードしてご覧下さい。
http://www.mext.go.jp/a_menu/shotou/kyoin/daigaku/detail/1287077.htm
以上夜勤のない職場への転職についてご説明いたしました。日勤だけでは看護師としてのキャリアアップは難しくなりますが、看護師の資格を生かす事が出来て病院の看護とは違った仕事もあります。そちらの方面でキャリアを磨く事は日勤だけでも可能です。ぜひあなたに合って満足のいく転職先を見つけてください。

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さて、ここからは転職を考えている看護師が登録しておきたい転職サイトを紹介します。

転職先を探す時には転職サイトに登録し、たくさんの情報の中から自分に合った求人を見つけることが得策です。

看護師の転職サイトを選ぶポイントは以下の3点です。

手厚い転職サポート体制があるか・・・看護師の転職では専属のキャリアアドバイザーを活用できるかが重要
公開求人件数が多いか・・・非公開求人もあるので完全にはわからないが取扱求人件数の目安になる
信頼できる会社が運営しているか・・・求人、キャリアアドバイザーの質に影響する可能性がある

これらの点を踏まえ、看護師が登録しておきたい転職サイトを選びましたので紹介します。どのサイトも登録は無料です。


なるべく多くの求人情報と触れたり、より自分に合ったキャリアアドバイザーを見つけるためにも、必ず2社以上の転職サイトに登録するようにしましょう。

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