空き地査定は知識がないと失敗する!不動産屋が教える売却のコツ
[公開日]2017/09/05[更新日]2017/12/11
しかし空き地を売却をしようにも、正しい知識がなければ査定で失敗し、結果として買い叩かれてしまいます。
空き地を早く高く売るためには、何よりも査定に臨む前の理論武装が重要です。
そうはいっても、不動産のノウハウは専門的な内容が多く、とっつきにくいのもまた事実。
そこでこの記事では不動産業に従事する筆者が、「空き地の査定を成功させるテクニック」や「空き地の売却に必要な知識」を具体的に解説していきます。
目次
空き地の価格をネットで調べる5つの方法
おおよその土地の価格相場は、インターネットで簡単に調べることができます。
事前に相場を知っていれば価格査定や売却依頼の際に、不動産会社と具体的でスムーズな交渉が可能です。
不利な条件での売却とならないよう、空き地の価格を調べる方法を、まずは詳しく知っておきましょう。
国土交通省サイトの土地総合情報システムでの調べ方
不動産には様々な価格があることはご存じでしょうか。など、その価格をどう使うかによって、不動産は様々な観点から値付けされています。
近隣の過去の取引事例を土地総合情報システムで把握
そのため不動産業者は、国土交通省が指定した「レインズ」という流通機構に全国の不動産業者が取引事例を集約し、データベース化したものを参照ことによって価格査定に活用しています。
ところがレインズには、一般の個人はアクセスできません。
不動産の取引詳細は個人情報にあたるので、法的に守秘義務を課された不動産業者でないと詳細な情報を閲覧できないのです。
せっかくのデータベースなのに残念ですね。
しかしレインズを閲覧できないからといって諦める必要はありません。
土地総合情報システムは個人向けの国交省サイト
個人向けには国土交通省が運営する不動産取引の情報サイト、「土地総合情報システム」があります。土地総合情報システム
土地総合情報システムでは、
を閲覧できます。
でその詳細を調べることが可能です。
不動産取引価格情報検索
不動産取引事例の詳細を、に調べられます。
表示される情報は、
などの内容です。
情報は地図からも調べられるので、知りたい地域の情報へ簡単にアクセスできます。
地価公示都道府県地価調査
こちらも地図を追って知りたい地域の情報にアクセスできます。公示価格とは、
「国土交通省がアンケート調査を基に地域別に標準地を定め、取引の指標となる地価を提示したもの」
です。
公表されるのは、
といった情報の詳細が公開されています。
ここで公開された情報に、所有する空き地の近辺の事例や公示価格を当てはめれば、ある程度の売却価格を想定することが可能です。
続いては土地の売却価格を想定する方法を具体的に解説します。
売却価格想定の方法
まず、土地の取引事例・公示価格がともに、「所有地の近くで面積や交通便(交通アクセス)の似たもの」をピックアップします。そして事例と公示価格の㎡単価を所有地の面積にかければ、その計算結果が大まかな売却価格の想定結果です。
他の事例から価格を想定する方法
所有地と類似した事例を選ぶ
所有地の詳細:土地面積125㎡
近隣類似事例:土地面積150㎡
→売買価格2,400万円/㎡(単価160,000円/㎡)
近隣公示価格:土地面積200㎡
→基準地単価132,000円/㎡
近隣類似事例:土地面積150㎡
→売買価格2,400万円/㎡(単価160,000円/㎡)
近隣公示価格:土地面積200㎡
→基準地単価132,000円/㎡
事例と公示価格の㎡単価を所有地の面積にかける
所有地面積125㎡×事例単価160,000円
=20,000,000円
所有地面積125㎡×公示価格単価132,000円
=16,500,000円
=20,000,000円
所有地面積125㎡×公示価格単価132,000円
=16,500,000円
上記の計算によって
という売却想定価格が算出できました。
このように国土交通省の土地総合情報システムを活用すれば、おおまかではありますが、所有地を査定することが可能となります。
公示価格は情報が古くなりがち
しかし公示価格は年に1度の発表です。土地価格の変動が急な場合は情報が古くなってしまい、相場の上下動に付いていけません。
取引事例も地番までの詳細は公開されないため、所有地との正確な比較ができず、想定価格はやや信頼性に欠けたものとならざるを得ません。
路線価を参照し、想定価格の信頼性を高める
公示価格のデメリットを補うには、国税庁が発表する「路線価」を参照するとよいでしょう。路線価は相続税や贈与税を算定する際に基準とする公的価格ですが、不動産が接する道路別に価格が提示されているので、ピンポイントに評価額を知ることができるのです。
国税庁の路線価から調べる方法
路線価は国税庁のHPから閲覧が可能です。国税庁のHP・路線価閲覧のページ
路線価は公示価格の8割相当の評価
前述しましたように路線価は相続税や贈与税などの税金を算出するための基準価格ですが、公示価格の80%相当を評価の基としているため、不動産売買の指標の1つとして利用されています。
国税庁サイトでの路線価の確認方法
国税庁のHPにアクセスしたら、表示された地図から所有地のある都道府県をクリックして下さい。するとページ上部に「路線価図」というボタンが表示されるので、そこから順に市区町村をたどっていけば、道路に路線価が記されたPDFを閲覧できます。
路線価は125Dや95Cなどと記載されています。
このうち数字の部分が㎡あたりの価格で、千円単位の表示となっています。
たとえば125Dという表示なら、その道路に面する土地は、「1㎡あたり125,000円」の評価であるということになります。
路線価から売却価格を想定するには、前面道路の路線価に所有地の面積(㎡)を乗じ、さらに1.25倍すれば周辺相場の概略価格になるといわれています。
路線価から自分の所有地の価格を分析する方法
所有地面積を125㎡、路線価が140Cだったとして試算してみましょう。路線価から土地の価値を試算する方法
所有地面積125㎡×路線価140,000円/㎡
=17,500,000円
・上記の価格を1.25倍し周辺相場の概略価格
17,500,000円×1.25=21,875,000円
=17,500,000円
・上記の価格を1.25倍し周辺相場の概略価格
17,500,000円×1.25=21,875,000円
あくまでも概算になりますが、上記のように路線価からも売却価格を想定できるというわけです。
路線価が路線価図に記載されていない場合の対応策
しかし路線価図には、路線価が表示されていない道路もあります。路線価が表示されていないエリアは「倍率地域」となるので、「路線価図」をクリックして最初に開かれる「財産評価基準書」のページ左側にある、「この市区町村の評価倍率表を見る」をクリックして、倍率表を開いてください。
倍率表の見るポイント
倍率表には町や丁目別に、1.2や1.5といった評価倍率が記されています。
倍率地域では、この倍率に固定資産税評価額に評価倍率を乗じたものが路線価です。
なお、固定資産税評価額は、毎年送付されてくる固定資産税の納付書に記載されています。
倍率地域では、この倍率に固定資産税評価額に評価倍率を乗じたものが路線価です。
なお、固定資産税評価額は、毎年送付されてくる固定資産税の納付書に記載されています。
不動産ポータルサイトの販売価格から調べる
次に、現在売りに出されている土地の価格を調べてみましょう。売却中の物件価格は売主の希望値ですから、実際に売れる金額ではありません。
それでも販売物件の多くは、取引事例を基にした不動産会社の査定値を助言に売り出し価格を設定されています。
そのため取引事例や公的価格と同様に、売却価格を考察するのに販売中の物件価格を調べることが役立つというわけです。
不動産ポータルサイトの活用法
販売中の物件価格を調べるには、不動産ポータルサイトと呼ばれる売り出し中の物件を掲載する広告サイトを閲覧するのが一番です。ポータルサイトは数多くありますが、中でもおすすめは不動産流通促進センターが運営する「不動産ジャパン」です。
不動産ジャパン
不動産ジャパンの運営母体である不動産流通促進センターはレインズ(ページ上部へ)の運営にも関わっています。
そのため全てではありませんが、レインズに登録された物件の多くが不動産ジャパンにも掲載されており、豊富な物件数を誇るサイトとして知られています。
しかしレインズに登録されない物件も少なくないので、民間のポータルサイトもチェックしておきましょう。
大手どころのアットホームとスーモ、ホームズの3サイトを不動産ジャパンとともに閲覧すれば、市場に出ている売出し物件の大多数を網羅できるはずです。
とはいえ、販売物件の価格は成約価格ではありません。
不動産ポータルサイト分析のコツ
多くの物件が売主の希望、つまり高く売りたいという願望が乗せられた価格となっています。そのため、実際の成約価格は販売価格からすると低めの価格となるケースがほとんどです。
所有地の近隣に販売物件を見つけたら、その物件がどんな特徴を持った土地なのかを知っておくことも大切です。
敷地の北側が道路に接する物件(北道路)は、南道路の土地より高く売れることはありません。
こうした同地域の高い物件と安い物件の違いを見極め、所有地がどの物件に近いのかを見定めた上で参考価格としましょう。
そうすれば、より実勢価格に近い相場認識が可能となるはずです。
相場動向を分析し売却価格を想定
所有地エリアでの取引事例と販売価格を入手できたら、その価格差を計算しておきましょう。販売価格と成約価格の差を割合で示したものを「売却乖離(かいり)率」といいますが、売却乖離率の高低を見れば、現在の相場が上昇傾向にあるのか、もしくは下降気味なのかを分析できます。
売却乖離率を理解するポイント
売却乖離率が高いということは、当初の価格から値下げを余儀なくされ、買い手側が有利な条件で土地を購入できる市場であったことを示しています。逆に、乖離率が低ければ売出し値に近い値で成約したことになるので、その場合は売主の希望値が通りやすい市場であったといえるわけです。
このように事例や販売物件の情報を知っていれば、所有地の売却想定価格と、現在の相場が売り時なのかの判断も可能となります。
ここまででご紹介したサイトは、どこも無料で閲覧できます。
空き地の売却を考えるのであれば、多少の手間は掛かりますが、ご紹介したサイトから情報を集めておくべきだといえるでしょう。
不動産会社への査定依頼は手間がかかる分、より正確
インターネットの各サービスを活用すれば、ある程度の精度までは相場状況を調べることが可能です。しかし具体的に売却を検討するのであれば、不動産会社に価格査定を依頼すべきでしょう。
無料一括査定サイト「イエイ」
「プロ視点」の専門的な査定は正確
不動産の価格査定は事例を基に、北道路と南道路といった、査定地と事例地に見られる条件の違いを考察して評価付けを行いますが、その「考察」の基準が、不動産業務に携わっていない個人にはわからないからです。道路との高低差や周辺環境など、条件差を考察する箇所は多岐に及びます。
不動産会社はレインズを通して詳細な成約事例と販売物件の情報を入手でき、日常の業務で地域性を反映させた「条件考察力」を熟練させているために、相場状況を踏まえた現実的な価格提示が可能となるのです。
では、価格査定にはどんな種類があり、どう依頼すればいいのでしょうか。
次章ではその具体的な方法について、詳しく解説していきます。
不動産会社に空き地の査定を依頼するなら一括査定?
といった方法があります。
そして査定方式も、
があり、この章では目的に応じてどの査定をどう依頼するか、上手な使い分けの方法をお伝えします。
一括査定サイトの利用が便利でおすすめ
といった場合は、インターネットの一括査定サービスが便利です。
無料一括査定サイト「イエイ」
一括サイトは手軽に複数業者の査定結果を得られる
一括査定では要求された情報を入力するだけで、簡単に査定額を提示してもらえます。一度の入力で複数の不動産会社から査定額の提示を受けられるので、手間も掛らず、スピーディに業者を比較できるのです。
たとえ不動産会社を知っていても、どの会社がベストなのかを決めるのは難しいものです。
まずは一括査定を利用して、
といった観点から、複数業者から絞り込むのがよいでしょう。
机上査定と訪問査定の違い・注意点
この項目では続いて、について解説しましょう。
訪問査定
詳細査定ともいわれ、実際に査定物件を確認し、道路や隣地との高低差や周囲の環境といった、現地の状況を反映させる査定です。机上査定
簡易査定ともいわれ、地図上で査定物件の立地を確認して行う査定です。更地の場合は建物の状況を確認する必要がないのでマンションや住宅のように極端に査定精度は落ちませんが、高低差や造成の度合いは地図では認識できないので、訪問査定に比べるとやや現実味の欠けた査定となります。
査定結果を理解するポイント
使用する事例そのものは、どちらの査定も変りません。しかし実際に現地を確認するのとしないのとでは、査定地と事例地の比較項目に違いが出るため、査定価格の具体性に変化が生じるというわけです。
では、実際に価格査定はどのように行われるのか、簡単な例を使って説明しましょう。
・事例物件の土地単価
→1坪あたり120万円
→北道路
・査定物件の土地面積
→130㎡(39.32坪)
→南道路
→1坪あたり120万円
→北道路
・査定物件の土地面積
→130㎡(39.32坪)
→南道路
一般的に北道路は南道路の1割減の価格とされます。
上記の例では査定物件と事例物件の道路に南北の違いがあるので、査定物件に対して事例物件が10%の加算となります。
1坪あたり132万円前後、総額で5,190万円(132万円×39.32坪)程度の評価が妥当である、という査定になります。
複雑な考察を実際の査定では行う
実際の査定では、接面道路の違いのような事例と査定地の価格差となりうるポイントを様々な観点から比較し、考察します。そして比較する格差ポイントや評価付けの度合いも、査定する不動産会社によって違いが出ます。
査定額にも会社の個性が出るので、簡易査定であれ訪問査定であれ、複数の会社に依頼し、その中から売却の依頼先を選ぶのがよいでしょう。
複数の不動産会社をどう比較し、選ぶか
電話やメールでの対応や担当者との相性などであれば、査定方式がどちらであっても比較可能です。まずは一括査定などで数社に簡易査定を依頼し、対応などを比較して良さそうな会社の中から、訪問査定に来てもらう会社を選択してください。
もちろん、訪問査定も複数社に依頼します。
複数業者の査定額を比較し決定する
査定後に売却を任せる会社を絞り込むには、提示された査定額を比較して決めるのがよいでしょう。査定額の説明に根拠があると思えた会社を選べば、適正価格での成約への第一歩は成功であったといえます。
では、提示された査定額に根拠があるかどうかを判断するには、どうすればよいのでしょう。
公示価格や売買事例を活用して根拠をチェック
ここで前章で調べた、公示価格や売買事例が役に立つのです。事前にある程度でも相場を認識していれば、不動産会社から提示された査定額が「平均的な価格からどのくらい乖離しているのか」の判別ができるのです。
査定値は安すぎても、高すぎてもいけません。
極端な安値は買い叩き
極端な安値は「新築分譲などのための事業用地の仕入れ」を念頭に置いた買取り値です。まず、買い叩きであると判断して間違いありません。
高値すぎるのは仲介業者の下心
高値の場合は「仲介業者の売却依頼欲しさ」からくる無意味な価格つり上げなので、売却を任せても、そのような高値での成約は期待薄であると言わざるを得ません。近隣の事例や売出し物件の数は限られているので、どの会社が選んでも似たような物件選択になります。
そうした材料を使って価格査定を行うのですから、極端な値が査定額となるはずなどないのです。
最終的に売却の依頼先を決める際には、事例との比較の根拠を査定書にてきちんと提示し、極端な値を提示しない会社を選択するようにしてください。
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空き地の買取よりも売却仲介がベストか
前項では「安値提示の買取りはいけない」と述べましたが、買取りが常に悪いわけではありません。もちろん、査定時にいきなり買取り値を提示する業者は、仲介による適正価格での売却の可能性を奪うだけなので感心できません。
空き地を買取ってもらう3つのメリット
しかし段階を踏んでの買取りであれば、売値は安くなりますが、安値を引き換えにしたメリットもあるのです。
メリット①
査定値=買取り値なので売値が確定する。売却時期が決まっている場合は便利。
メリット②
仲介と違って仲介手数料が要らないので、売却費用が少なく済む。
メリット③
プロである不動産業者が買主なので、瑕疵担保責任を免責にできる。
メリット①
査定値=買取り値なので売値が確定する。売却時期が決まっている場合は便利。
メリット②
仲介と違って仲介手数料が要らないので、売却費用が少なく済む。
メリット③
プロである不動産業者が買主なので、瑕疵担保責任を免責にできる。
不動産業者による買取りは、市場に物件を出して買い手を探す仲介と異なり、業者との直接契約となります。
契約の相手方がプロなので、売買代金の支払い時期や引渡し条件などは、売主の事情に合わせた契約も可能となります。
高く売れるが売却仲介は時間がかかる
これに対して売却仲介は、インターネットや新聞折込で広告を打ち、買い手を探す方式です。したがって「いつ売れるかわからない」というデメリットもありますが、それでも売主からすれば最高値で売る可能性を探る方法となるので、通常は仲介で売るのが一般的です。
一方で、買主は「少しでも安く購入したい」のが普通です。
そのため、相場からかけ離れたような高値では売れません。
高すぎる査定提示が無意味なのはこうした理由もあるのです。
よって仲介での売却を成功させるには、適正価格で売り出すことが何よりも重要となってきます。
買取は売却できなかったときの最終手段
まずは希望の価格で高値にチャレンジし、売れなければ値下げしてみる。それでも成約に至らなかったら最終手段として買取り、といった段階を踏むのも、上手な販売戦略であるといえるでしょう。
不動産業者査定後の空き地売却の流れ
それではここで、価格査定を依頼し、業者から価格提示を受けた後の売却までの流れを説明しておきましょう。土地に限らず不動産の取引は、基本的に以下の流れに沿って進みます。
買取りの場合は若干進行に違いがありますが、手続きや届け出に関しての違いはありません。
売却の依頼先を決定
不動産業者と媒介契約書を交わす。空き地の販売活動を行う
仲介会社が実施。購入申込を行う
購入希望者が現れてからの対応。購入希望者との条件交渉
仲介業者を交えて行われる。条件に合意
売買契約を締結。手付金の授受・売買契約書の調印を含め行う。売主・買主双方が、売買契約の履行に着手
売主:測量や整地、抵当権抹消の準備など。買主:住宅ローンの申込みなど。
物件の引き渡し
売買代金の授受、所有権移転登記も合わせて対応。確定申告
不動産譲渡税の申告を行う。空き地の瑕疵は地中に潜む!
空き地の場合は建物が無いので、通常は売主の瑕疵(かし)担保責任は大きくありません。瑕疵担保責任
・・・物件に何かしらの問題があった場合は、その修復義務を売主が負うこと。
・・・物件に何かしらの問題があった場合は、その修復義務を売主が負うこと。
しかし、地中に障害物が隠れていた場合は、売主の責任で撤去しなければなりません。
地中障害物には浄化槽や井戸などが該当します。
特に井戸の場合は地質改良が必要となるケースも多いです。
こうした障害物が隠れている可能性がある場合は、不動産業者に相談して、適切に処理してもらうようにしてください。
空き地を高く売るための4つのテクニック
このように売買というのは、相反する意思を持ったこの両者の妥協点を探る行為でもあるため、相場からかけ離れた高値で成約することはまずありません。
「相場に即した適正価格での売却こそが成功である」というわけです。
そのうえで引渡しなどの条件面に恵まれれば、ベターな成約だったといえるでしょう。
「より良い条件での売却を可能とするにはどうすればよいか」
本章ではその注意点を、掘り下げて説明していきます。
土地の境界線トラブルのリスクがあると売れない
隣地との境界がはっきりしていないと、建築や造成の際に認識の違いが発生し、隣地トラブルとなるケースがよくあります。購入者はこうした将来の土地トラブルに敏感で、境界がきちんと定まっていない土地の購入には前向きではありません。
また、そうしたトラブルを抱えるリスクのある土地には金融機関も否定的で、隣地との境界が確定した測量図の提出が無いと、住宅ローンを受け付けない金融機関も多く存在します。
したがって適正価格で空き地を売却するには、境界未確定という状況は避けなければなりません。
早急に土地の測量をすることが解決策
といった場合は、仲介業者に相談して土地家屋調査士を紹介してもらうなどして、早急に土地の測量を行いましょう。
測量費用は土地の規模や隣地の状況にもよりますが、おおむね30万円から100万円程度となります。
結構な額の出費となってしまいますが、未測量のままでは売却自体が難しくなる可能性があるので、必要経費と考え、早々に手を打つべきといえます。
きれいに整備した土地は好感度アップ
売却を成功させるためには、土地の見た目の整備も重要です。特に空き地の場合は、雑草やごみなどで散らかっていると、せっかく現地を確認しに来た買主の印象を悪くしてしまうので注意が必要です。
見た目で敬遠されては元も子もありませんし、処分費用を材料に値下げ交渉されたりと、荒れ地にしておいていいことは何もありません。
面倒ではありますが、所有地が手入れ可能な距離にあるのであれば細目にゴミ捨てや草刈りを行い、すぐに土地を利用できる状態にしておきましょう。
自分で対応できない場合は専門業者へ依頼
所有地が遠方で手入れが行き届かない場合は、業者に依頼するのも1つの手段です。清掃作業はリサイクルショップや、便利屋などが割と安く請け負ってくれます。
そうした業者が見つからない場合は、市役所などに相談してみてください。
行政ではシルバー人材センターなども管轄しているので、作業費の安価な高齢者活用の団体を紹介してもらえるケースもあります。
地価相場を把握しておけば適正価格で売れる
適正価格での売却には、が、相場からみて高いのか安いのかを認識しておくことも重要です。
高いのか安いのかを認識できていなければ、売出し価格を決めたり、価格変更の際の判断材料を持つことができません。
知識を持てば値下げ交渉に対応できる
購入希望者が値下げ交渉をしてきたときなどは、所有地の売出し値が割安だと知っていれば、強気の判断も可能となります。少しでも安く購入したい購入者は、相場を無視した強引な交渉をしてくる場合があります。
売出し価格を決める際の業者だって、安値で受けて楽な仕事をしたい業者もいれば、さらなる安価を提示して自ら買取り、新築住宅を建てて儲けようと企てる業者も少なくありません。
そうした「本当に正しい価格で売れたのだろうか」という不安を排除するには、やはり相場をきちんと認識しておくしかありません。
相場より下の価格での査定提示や条件提示があったら、単純に断ればいいだけなのですから。
そのためには取引事例や、他の物件の売出価格を把握しておくことが重要です。
第1章(ページ上部へ)に立ち返って国土交通省の土地総合情報システムや、不動産ジャパンなどのポータルサイトを活用して事例などの情報を確認しておきましょう。
近隣の土地相場をしっかり把握しておかないと、不動産会社や購入者のペースで売却契約が進んでしまいます。
空き地の売り時を間違えない判断基準
土地相場が、この見極めさえできれば売り時を間違えずに済みます。
しかし相場の先行きは将来のことなので、不動産業者のようなプロであっても正確に読めません。
現在の相場を見極めることに徹するのが基本
将来を予測するのではなく、現在に至る相場が上下どちらの傾向にあるのかを確認し、売却時期の判断に利用すればいいのです。下げていると分かれば相場値付近で早急な売却を心掛け、上がっていると確認できれば高値チャレンジの値幅や期間を多く取るなど、対応策は様々に考えられます。
相場動向の判断には、第1章(ページ上部へ)で紹介した売却乖離率の他に、公示価格や路線価の推移を見ることによっても推測できます。
不動産流通促進センターのデータを活用
不動産ジャパンを運営する不動産流通促進センターのHPにはレインズのデータを調査・研究したコーナーもあるので、そうした調査結果の報告からも相場動向の判断は可能です。不動産流通促進センター
売却時期が税金に与える影響は大きい
また、税金面でも売却時期の考慮は必要です。というのも不動産の売却は、居住用財産の売却であったか否かによって税率や控除に大きな違いがあるからなのです。
もう住まないからと、建物を取り壊して更地にしていても、3年前まで居住していた実績があれば以下の税制面での優遇を受けることが可能となります。
居住用財産の3,000万円控除
不動産を売った際に課税される不動産譲渡税は、購入金額との比較で売却時に利益が発生していれば課税される仕組みになっています。売却した物件が居住用財産と認められれば、譲渡益を3,000万円まで控除してもらえるので、利益が3,000万円以下なら無税となります。
居住用財産の税率軽減
住まなくなって3年以内の土地建物、建物を取り壊して1年以内の土地であれば軽減税率を受けることができます。売却額が大きな利益を伴うのであれば、必ずこの3年間の居住用財産の優遇期間は確認しましょう。
親の土地を相続した場合も同様です。
親の居住実績を引き継ぐことが可能なので、自分が住んでいないからといって確認しないと、大きな税負担となってしまいます。
3,000万控除も優遇税率も、適用されるには上記の他にも様々な基準があります。
売却の前には税務署の無料相談などを利用して、どのような優遇を受けられるのか、細かく確認しておくようにしましょう。
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売却よりもリスクあり!空き地の土地活用の注意点
などは売却ではなく、土地活用を考えてもよいでしょう。
たしかに更地で土地を持っていると、住居がある場合に比べたら固定資産税の負担は大きくなります。
草刈りなどの維持費も必要でしょう。
しかしそれらの負担額を上回る収入があれば、売らずに活用した方が、収益面では有利だと考えられます。
この章では、
について解説します。
「売却に比べて土地活用にはどんな利点があるのか」、「本当に土地活用はメリットがあるのか」といった点を中心に、それぞれの内容を確認しましょう。
更地として用地として貸し出す
土地活用といっても、更地のままの活用や建物を建築しての活用など、その形態は様々です。しかし建築は大きな金額を伴う投資となるので、まずは出資額の少ない、更地のままの活用方法を検討しましょう。
駐車場運営
砂利敷きにするかアスファルトを敷くかによって出資金に違いはありますが、道路面との高低差がフラットな土地であれば、月極駐車場として貸し出すことが可能です。看板用地
大通りに面していれば、企業の広告用の看板用地として貸し出すことができます。看板の設置費用を賃借人負担とすれば、費用はほとんどかかりません。
レンタルボックス・自動販売機の設置用地
貸しコンテナや自動販売機を設置場所としての貸し出しとなります。こちらも設置費用は業者側となるので、費用負担はほとんどありません。
投資額が少なければ賃料収入も少なめ
いずれも建物の建築が無いので投資額は少額で済みますが、その分賃料収入も多くは望めません。
しかし年間賃料が固定資産税や土地の維持費を上回るのであれば、単純に空き地のまま所有しているよりは、収益性に優れた活用方法であるといえます。
空き地の貸し出しは契約期間に要注意
なお、実際にこうした用地として貸し出す場合は、契約期間を慎重に取り決めるようにしてください。賃借契約を解除できずに看板やコンテナボックスが設置されたままだと、いざ売却となった際に買い手が付きません。
1年契約にして毎年更新するなど、いつでも元の更地に戻すことが可能な契約としておいた方が、将来を見据えると安心であるといえます。
建物を建てて賃貸収入を得るのはハイリスクハイリターン
土地活用には建物を建築し、土地とともに貸し出して収益を上げる方法が考えられます・借地はローリスクローリターン
建物の建築は土地オーナーが行うケースの他にも、借地として土地を貸出して、賃借人が自らの用途に沿った建物を建築するケースがあります。借地とすれば建築費は賃借人負担となるので、土地オーナーの負担は少なく済みます。
もちろん、賃料収入は土地の分のみとなるので高収益であるとはいえませんが、掛る費用は土地整備費程度となるので、リスクの少ない活用方法だといえます。
企業側の需要に合う立地でないと借地は難しい
しかしこうした方法で土地を賃借するのは圧倒的に企業が多く、その用途もほとんどが店舗や事務所、工場などの事業用となります。そのため立地が企業側の需要に沿っていないと必要とされず、駅至近の商店街や、郊外なら大きな街道筋に面したまとまった土地でないと、借地として貸し出すのは難しいでしょう。
では住宅街にある、住居が主な用途となる空き地はどう活用すればよいのでしょうか。
住宅街の空き地は住宅が最適だが・・
・空き地の用途の通りに住宅が最適です。
借地だと住宅建築が賃借人となるのでほとんど需要はありませんが、土地オーナーが建物を建築して賃貸住宅として貸し出せば、企業相手の借地に比べるとボリュームのある需要が見込めます。
一戸建の賃貸住宅は貴重で、長く住みたいファミリー層に人気です。
賃料を欲張らなければ、安定した収益を望める投資となるでしょう。
住宅を建築するメリットは他にもあります。
賃貸用であっても居住用建物であれば、固定資産税等の軽減措置を受けられるのです。
住宅用地の固定資産税等の軽減措置
200㎡以下の小規模住宅用地
→固定資産税1/6
→都市計画税1/3
200㎡超の一般住宅用地
→固定資産税1/3
→都市計画税2/3
※税額計算の基準となる「課税標準額」が、上記の通りに軽減されます。→固定資産税1/6
→都市計画税1/3
200㎡超の一般住宅用地
→固定資産税1/3
→都市計画税2/3
固定資産税は毎年のことですから、通常課税に比べると大きなメリットがあるといえます。
自己資金で賄えない場合は要検討
とはいえ建物を建築するとなると、建築費との収益バランスを考慮する必要があります。特に建築費を借入金でまかなう場合は、返済額と賃料収入の差額を、無理のない範囲に押えなければいけません。
プロに相談し土地活用するか検討
しかし土地を貸すにも建物を建てて貸すにも、「自分の土地にどんな需要があり、どう活用するのがベストなのか」は、なかなかわかりません。特に遠方に所有する土地の場合は、その地域の市場性の見当がつかずに、土地活用を諦めてしまうケースも多いのではないでしょうか。
そうした場合はやはり、プロに意見を聞くのが一番です。
とはいえ、いきなり建築会社を訪れるのはハードルが高いので、まずは土地活用プランの一括比較サイトなどの利用してみるのがお薦めです。
土地活用の一括比較サイトを利用するメリット
土地活用にあたって重要なのは、所有地の特性に合わせた活用方法と、無理のない資金計画での運用です。
そのためにはこうした一括サイトで複数社にプランを提示してもらい、最適な活用方法はどういったプランなのか、じっくり検討してから計画をスタートすることが大切です。
そのためにはこうした一括サイトで複数社にプランを提示してもらい、最適な活用方法はどういったプランなのか、じっくり検討してから計画をスタートすることが大切です。
相場を調べてから査定依頼が空き地売却の成功パターン
大まかであっても売買価格や建築費用等の相場がわかっていれば、相手のペースで話が進むことはないからです。
売却するのであれば、「査定の根拠となる事例や売出し物件の価格」、土地を活用するなら「建物の建築費や土地の造成費」、駐車場運営なら「コンクリート施工の費用相場」といった具体的な情報を調べましょう。
査定や見積りの依頼はそれからでも遅くありません。
事前準備をしっかりしたうえで業者を呼べば、価格設定や売却方法、活用プランの打ち合わせも専門性を持ったものとなり、より具体的な交渉が可能となります。
多少の手間はかかりますが、この記事で紹介した各サイトを上手に利用して、万全の下準備を整えましょう。
何も知らずに売却や活用に臨むよりは、はるかにスムーズに計画が進むはずです。
無料一括査定サイト「イエイ」