【不動産屋が教える】一戸建ての住宅解体費用を節約する5つの基礎知識

[公開日]2017/07/31[更新日]2017/12/11

戸建て 解体費用

住宅建替えの際の解体工事、ハウスメーカーや工務店に任せきりにしていませんか。

建物解体は小さな家屋でも100万円前後、規模が大きければ数百万円に及ぶ工事です。新築工事の一割以上にもなる工事の発注を、人任せにするなんてもったいないとしか言えません。

解体工事は自分で手配すれば安くなります。ただし、注意すべきは業者選びです。

この記事では解体工事前の準備から見積書の見方、そして近隣対策までを詳しく解説します。


この記事は、現役の不動産業者の方に執筆していただき、引越しの神様チームで編集しております。


戸建て住宅の解体費用の相場はどのくらいか:平均坪単価を知っておこう


戸建て 解体費用

一口に解体工事と言っても、

・建物の規模や構造
・土地の形状や周辺環境


などによって工事方法や費用は大きく違ってきます。

こうした個別の要因による違いは後ほど解説しますが、料金比較のために解体費用の相場を知っておきましょう。

戸建ての構造による解体費用の坪単価の比較

一戸建て住宅の構造は大別すると、

・木造
・鉄骨造
・鉄筋コンクリート造


の3種類です。

構造別にそれぞれの平均的な解体費用の坪単価を表にしましたので、こちらを参照してください。

構造別:解体費用の相場
構造
平均坪単価
木造
30,000円/坪~50,000円/坪
鉄骨造
30,000円/坪~65,000円/坪
鉄筋コンクリート造
35,000円/坪~80,000円/坪

㎡から坪へ単位を換算する計算式
〇〇㎡×0.3025=〇〇坪
・総面積100㎡の建物の解体費用の計算
【100㎡の建物を坪の単位に換算】
100㎡×0.3025=30.25坪
【坪単価30,000円の場合の解体費用計算】
30.25坪×30,000円=907,500円

同じ総面積なら平屋よりも二階建ての方が安い理由

意外かもしれませんが、建物の総面積が同じ住宅を解体する場合は、ほとんどのケースで2階建てより平屋建ての方が費用は割高になります。

基礎部分の面積の違いが解体費用の差になる
その理由は建物の基礎と屋根の面積にあります。

住宅を構成するのは柱や梁(はり)など様々ですが、解体の際に費用を要するのが、

・コンクリートを多く使用する基礎部分
・瓦やカラーベストといった特殊な部材を多用する屋根


の2つなのです。

同じ総面積の平屋と二階建ての解体費用比較
総面積が30坪の住宅で比較してみましょう。

平屋なら1階面積がそのまま30坪、2階建ての場合は総二階(1階と2階の面積が同じ建物)であれば、1階が15坪、2階も15坪の合計で延べ30坪となります。

基礎は住宅の土台ですから、1階部分に作られます。

そして屋根は建物全体を上から覆う為、建物の上部の面積がそのまま屋根の面積となります。

基礎と屋根の面積を比較してみましょう。

平屋は基礎と屋根がともに30坪、2階建てはそれぞれ15坪ずつになります。

このように解体費が高くなるこの2つの面積が倍違うので、総面積が同じであれば、平屋建ての方が割高になってしまうのです。

都市部は処分費用も人件費も割高!解体工事費も地方より割高

一般的に解体工事の代金は、都市部の方が地方に比べて割高となっています。

これは解体工事費の大部分を廃材の処分費用と人件費が占めている為で、その2つともが地方の額を都市部が上回っているのが原因です。

都市部には廃材の廃棄処理場が少ない
また、都市部には廃材の廃棄処理場が多くありません。

地方に比べると遠方まで廃棄に足を伸ばす必要がある為、その分の移動費用や人件費に差が出てしまうのです。

都市部では重機やトラックが使いづらい
都市形状の違いも解体費用の割高の原因の1つになります。

道路が狭く住宅の敷地が大きくない都市部の住宅街では、解体工事で使用するショベルカーやトラックを、敷地内に停めておくことができません。

交通誘導員を設置せざるを得ないなど、地方ではさほど必要としない費用を余分に計上せざるを得ないのです。

都市部では都市部の業者に依頼すべき
都市部の業者に依頼すると割高からといって、地方の業者に都市部の解体を依頼するのは本末転倒です。

行き帰りの移動費用と所要時間が大きくなり、解体現場から処理場への距離は変わらないので、結局は都市部の業者に依頼したのと似たような金額となってしまいます。

相場は目安:解体費用は現場ごとに異なる


戸建て 解体費用

解体業者に来てもらい、実際に建物を見せて見積もりを取ると、相場の金額と見積り額の違いに驚かされるケースがあります。

取り壊す建物や周囲の状況に様々な違いがあるのがその原因です。

なぜそうした違いが見積もり額を変動させるのか、その理由を確認しておきましょう。

理由1:人員や手間が多くなると各費用も割高に

費用が高くなる大きな理由は建物が面している道路の形状にあります。

道路が狭いと手作業が増え人件費も増加
道路が狭いと重機が入れず、解体作業と廃材の運び出しに手作業の占める割合が大きくなってしまうのです。

手作業は時間を要します。当然、その分の人件費は費用に跳ね返ります。

周囲や建物の環境によって費用加算も
また、隣地建物との距離が近いと粉塵対策の為の養生シートの設置や、高所作業の為の足場を組むのにも時間や技術を要する為、費用加算の原因となります。

急な対応や残置物が多いと人手必要
災害で倒壊した建物の取り壊しや、急を要するケースも人員を多く必要とします。

また、家具などの残置物が多いと廃棄費用が増えてしまう為、それぞれ総費用が増加します。

解体の困難さに比例して金額は増加する傾向あり
このように作業者の数や作業時間、廃棄物の処理量が増えれば解体費用は増加します。

相場価格はあくまでも平均値である為、建物や敷地の状況によって、工事費用に違いが生じるのです。

理由2:解体費用は現場ごとの差が大きいものである

解体工事は建物解体や廃材の撤去だけでなく、様々な作業から成り立っています。

当然、作業の各工程も建物や敷地、そして周囲の状況に影響される為、現場が違えば全体の費用も異なります

次の章では、解体作業の内訳や費用を項目別に解説します。

工事の各工程の合算である総工費がどのように組み立てられていくのか、確認していきましょう。

戸建て住宅の解体工事の準備と費用の詳細


戸建て 解体費用

ここでは、準備や作業、手続きなどを項目別に説明します。

項目の内容を知っておくことで、見積もりの際に業者ごとの特色の見極めが可能です。

戸建ての解体工事に必要な事前準備

解体工事の工程は、基本的に

1.見積もりを取る
2.業者を選択して工事請負契約
3.解体公示の着工

の流れで進みます。

見積り前に準備すべき書類
最初に行うのが見積もりとなりますが、その前の準備も大切です。

建物を新築したときの書類や、増改築の際の資料を揃えておきましょう。

・新築や増改築時の建築確認通知書
・塀や駐車場を作った際の工事図面
・上下水道やガスといったライフラインの配管図

もあれば用意しておきましょう。

こうした資料や図面があれば取り壊しの対象が明確になり、建築部材の材質も分かる為に見積もりが正確に、そして工事もスムーズに進みます。

特に建物の基礎や水道などの配管は地下に埋まっているので、図面で位置を確認できれば、工事の際の手間を省く事ができます。

ガスや電話、インターネット回線の停止手続き
また、工事の開始前にはライフラインの手続きも必要です。

電気や水道は工事でも使いますが、ガスや電話、インターネット回線などは新築後の再入居まで不要となるので、確実に止めておきましょう。

工事に使う電気や水道の負担を明確に
なお、工事業者が水道と電気を解体現場で調達する場合は、「料金の負担をどうするか」を必ず確認しておきましょう。

業者負担であれば請求先の切り替えが必要となるので、事前に届け出をしておかないといけません。

浄化槽の汲み取りと清掃
浄化槽が設置されている場合は、ライフラインと同様に地下施設なので、規模や配置を記した図面や、清掃・汲み取りの記録があると役立ちます。

なお、浄化槽は空の状態にしておかないと、廃棄に出すことができません。

浄化槽の専門業者へは自分で依頼
解体工事の前には必ず汲み取りと清掃を、専門業者に依頼しましょう。

解体業者任せにしてしまうと、中間マージンが発生し、割高になってしまいます。

浄化槽の清掃料金は、100㎡程度の住宅で5人住まいの場合で、㎡あたり5万円前後が相場となっています。

以上が解体工事の事前準備となりますが、浄化槽が設置されていなければ、解体工事の事前準備に費用はほとんどかかりません。

近隣住民への解体工事の挨拶は必要
また、解体の施工業者が決まったら、工事の開始前には必ず近隣に挨拶に行きましょう。

解体工事は音や粉塵などで、近隣の住人に迷惑をかける工事です。

若干の手土産代は必要となりますが、施主本人が挨拶に出向いた方が、解体工事への周囲の理解を得られます。

家屋の解体費用は4項目に分類される

建物の解体作業は、

1.家屋の解体
2.廃材の分別
3.廃棄場所への運搬
4.廃棄場所での廃棄処理


といった順に進みます。

この解体工事全体の費用を「解体撤去費用」といい、工事の流れに沿ってそれぞれ

1.建物解体費用
2.廃棄物分別費用
3.運搬費用
4廃棄物処理費用


といった項目に分類されます。

この内、解体する建物のある現場で行われる作業が「1.建物解体」と「2.廃棄物分別」です。

建設リサイクル法の影響で解体費用は高額化
解体によって処分される廃棄物は、平成14年に施行された「建設リサイクル法」によって建材や部材、材質ごとの分別廃棄が義務付けられました。

その結果、解体と分別は法施行前に比べて圧倒的に手作業が増え、現在の解体工事費用の高騰へと繋がっています。

解体と運搬は同一業者の方が安い
運搬費は廃材を廃棄場まで運ぶ輸送費用となります。

解体と運搬の業者が同一であればいいのですが、運搬を他社に依頼する業者も多く、そうなると中間マージンの発生や日程調整などによって、工事費が加算される場合があります。

廃棄物処理費は地域ごとの差がある
廃棄物処理費は廃棄場での処分費ですが、分別した廃棄物別の料金を支払っての処理となります。

地域によっては材質別に廃棄場の場所が異なるケースがあるため、これも解体工事費高騰の一因となっています。

解体工事の項目が自社施工か要確認
解体工事費用は上記のように分類されますが、見積もりの際には必ず、どの項目までが自社施工なのかを確認してください。

丸投げの解体業者は割高なので要注意
業者の中には「〇〇解体工業」といった社名で専門業者のように見えても、実際には解体から運搬、廃棄処理までを全て他社に丸投げする仲介専門会社も存在します。

そうした業者に依頼すると、「中間マージンが発生して料金が割高になるか」、「下請けに仕事を出す条件が劣悪になるか」のどちらかとなるので、施主にとっていい事は1つもありません。

建物の付属物の撤去・付帯構造物の解体にかかる費用

建築物を構造別に分類すると、下記のように「主要構造物」、「付帯構造物」、「付属物」に分けられます。

主要構造物
・柱
・土台
・屋根
・壁など

付帯構造物
主要構造物に付属する
・窓ガラス
・屋根瓦など

付属物
設備として据え付けられる
・キッチン
・トイレ
・浴槽など

解体作業はまず付属物を撤去し、続いて窓ガラスなどの付帯構造物の取り外し、そして主要構造物の解体という手順で進むのが一般的です。

分別が厳しくなった分、手作業が増加
建設リサイクル法の施行以前は、これら一連の工程を全てショベルカーなどの重機によって一気に行っていました。

しかし現在では廃棄する材質別に分類せねばならず、ほとんどの工事が小さな重機で行うか、手作業となっています。

廃材を分別し、処理場へ運搬
分別は木くずや金属類、ガラスやプラスティック、石膏ボードなどをそれぞれ解体しながらの作業となります。

廃材の中にはアスベスト等の有害物質を含む部材もある為、破壊して粉塵を飛び散らさないよう、慎重に扱わないといけない部材もあります。

こうして分別した廃材は、定められた処理場に運搬し、処理費を支払って引き取ってもらいます。

素材により廃棄処理費用は異なる
廃棄処理費用はそれぞれ素材ごとに異なっています。

地域によって多少の差はありますが、平均的な相場値は1㎡あたり木くずで7,500円、ガラスや石膏ボードは18,000円前後となっていて、窓や壁の多い建物ほど解体費用が高くなる要因です。

官公庁への手続きを業者に依頼すると費用がかかる

解体する建物の規模が80㎡を超える場合は、建設リサイクル法によって工事着手の7日前までに、都道府県や市へ届け出をしないといけません。

解体工事に必要な届け出と費用
解体工事の届け出内容は建物の規模や工事工程、分別の計画等で、工事の発注者が届け出の義務を負います。

届け出申請そのものは無料ですが、業者に手続きを委任する場合は、業者によっては代行手数料を取るケースもあります。

また、工事現場の土地の広さによっては、トラックや重機を道路に駐車せざるを得ない場合があります。

そうした場合は警察署に届け出て、道路使用許可を受けないといけません。

道路使用料は都道府県によって違いますが、概ね2,000円から3,000円の間となっていて、許可を受けないといけないのは工事人とされています。

工事後には滅失登記を法務局に申請
そして工事完了後には、建物の滅失登記を法務局に申請が必要です。

登記費用は建物の規模にもよりますが、土地家屋調査士に依頼すると4万円から5万円が相場となっています。

この滅失登記を行わないと、建物が無くても固定資産税等の納税義務が続いてしまいます。

解体が完了したら、なるべく早い段階で登記申請を行いましょう。

整地にかかる費用

廃棄する物を全て処分した後に、土地を綺麗に地ならしして解体工事は完了となります。

この地ならしを整地といいますが、整地費用が全体の工事費用に含まれないケースもあるので、見積もりに際には必ず確認するようにしてください。

更地と整地は意味が異なる
なお、完了時の引き渡しが「更地渡し」となっていたら要注意です。

更地と整地は同じではありません。

更地とは土地の上に何もない状態をいい、すぐに再建築などが可能となる整地とは意味が違います

一般的な整地作業は、解体後にコンクリート片や木くず、ガラスなどを拾い上げ、その後に重機で土地を踏み固める転圧作業までを指します。

こうした整地を粗整地といい、費用は30坪前後の土地の場合で、10万円前後が相場です。

再建築がすぐなら地盤復旧工事を確認
また、すぐに建物の再建築を行う場合は、解体の見積書に地盤復旧工事という項目があるかのチェックもしておきましょう。

建物を建築する際には、土地地盤のレベル(水平度)の調整が必要となります。

一般的には新築時の土木工事の対応分野ですが、新築を担当する建設業者と解体業者に協力してもらえば、解体と建築の両方の工事がスムーズに運びます。

地盤レベルの調整には専門的な知識や意見交換が必要となる為、できれば建設業者に解体業者を紹介し、業者間でやり取りしてもらえるようにしておくと安心です。

解体のゴミを地中に隠す悪徳業者に注意
解体で出たガラ(タイルやコンクリート片など)を敷地内に埋め、土をかぶせて引き渡す不誠実な業者がいまだに存在するのです。

埋まってしまった物を指摘する事はまずできないので、こうした場合は、多くのケースで新築の基礎工事が行われるまで誰も気付きません。

そうなると建設業者による再整地となり、余分な出費が必要となってしまいます。

更地にして売却する場合などは、引き渡し後に地下のガラが発覚したとなると損害賠償の対象となってしまいます。

工事終盤には整地の様子をチェック
最近はここまでの悪徳業者は多くはありませんが、念の為にも工事終盤が近づいたら現場に出向き、整地作業を確認するようにしてください。

古井戸の存在は必ず解体業者へ伝達
また、これは都市部でも意外に多いのですが、古井戸の存在にも注意してください。

使われずに地下に埋もれている事もあるので、井戸の存在が記憶にあったら、その旨を解体業者に伝えておきましょう。

井戸の処理には費用が掛かります。

使っていない井戸でもその周辺が地下水の通り道となっているケースが多く、建物が傾かないよう、地質改良工事を行わないといけなくなるのです。

その費用は地下水が影響を及ぼす範囲にもよりますが、井戸の撤去を含めると少なくても十数万円、場合によっては100万円近く工事代金となり、結構な負担となってしまいます。

人件費

建設リサイクル法の施行以降、建物解体工事はその工程の多くが手作業となっています。

手作業のため、作業時間が長くなり費用全体に占める人件費の割合が増しています。

解体等の建設現場では、一人工(にんく)あたりいくらという、「1人の職人に支払う1日の費用」が人件費の基準となっています。

人件費の計算例
職人1人の給料を1日10,000円として計算してみましょう。

1つの工程に5人を要し、5日かかるとなると以下のような人件費となります。

一人工10,000円×5人×5日=250,000円

建設リサイクル法が施行されてから、人工代は大きく増加しました。

人工代は地域や時期の影響大
したがってこの人工代をどう抑えるかが、解体工事全体の費用を減らすカギとなります。

その為には工期を短縮し、人工の延べ人数を減らすのが一番の方法となります。

時期や地域性を見極め、人件費を節約
具体的には雨や雪が多い時期を避け、道路が混む時期も敬遠するといった対策が良いでしょう。

都市部では観光シーズンは道が空いているので狙い目となりますが、観光地に近いエリアは、逆に道路が混むので運搬等に時間を要してしまいます。

こうした地域性や時期別の状況を把握して、工事がなるべくストップしないよう、工期の短縮に努めましょう。

戸建て住宅の解体費用を低く抑えるための7つのポイント


戸建て 解体費用

建物解体は安くても数十万円、場合によっては数百万円にも及ぶ大工事です。

したがってここでのコストダウンは、のちの新築建て替え工事や住み替えのグレードアップにも繋がります。

「解体の工事費を抑えるためのノウハウ」をより詳しく解説していきます。

ポイント1:解体と新築の工事は分離して発注

解体工事はかなりの専門性を要します。

そのため、建設工事を請け負う業者で、建物解体までを自社施工する業者はまずありません。

解体工事を外注する業者は避けるべき理由
ハウスメーカーは建築工事ですら外注に出す会社が多いので論外ですが、地域の工務店でも、解体や整地は外注に出すところがほとんどです。

つまり、建築業者に解体を含めて依頼をしてしまうと、そこから別の解体業者に注文が行く為に中間マージンが発生してしまいます。

この無駄は取り除きましょう。どの建築業者に依頼しても結局は地元の解体業者の施工となるのですから、直接依頼が一番です。

新築工事も控えるなら2業者に連携を依頼
ただし、解体後にすぐに新居を新築する場合は、建築と解体が分離発注となる事をそれぞれの業者に申し入れ、互いに協力してもらう事が大切です。

両社の仕事内容が上手く噛み合わないと、双方の作業がスムーズに進まないばかりか、二重の作業となって余計な出費となるケースもあります。

ポイント2:複数の業者で相見積もりを取る

解体費用を抑えるには、複数の業者に見積もりを依頼し、見積書を比較検討した上で依頼業者を決める事が大切です。

こうした見積もり方法を「相見積もり(あいみつもり)」といいますが、業者側も比較される事は十分に承知しています。

各社の提示代金や記載内容をよく比較して、条件の良い会社を選びましょう。

相見積もりを嫌う業者も存在する
とはいえ中には、ウチを信用できないのか、という昔気質の業者も存在します。

このような余計なトラブルを避ける為に、相見積もりとなる事は事前に各社に申し入れておいた方が良いでしょう。

ネットの一括見積りで情報を把握
「相見積もりを取るにも業者を知らない」あるいは「地元に何社も業者があって、その中のどこに依頼すればいいのか分からない」という場合は、インターネットの一括見積もりサービスを利用するのも一手です。

ネット上の相談ですから気兼ねなく依頼ができますし、地元にどれだけの業者があるのか、会社ごとの特色も含めて知る事ができます。

もちろん、地域での基本相場も知る事ができるので、実際に現地を見てもらっての見積もりの際には、比較材料として利用できます。

相場を知っておけば高すぎる見積もりの会社は排除できるので、最終的に業者を選択する際の判断にも役に立ちます。

ポイント3:届け出業者に解体工事を依頼する

業者を決める際に確認しないといけないのが、建設リサイクル法による届け出業者であるかどうかです。

建設業の免許があればそれでも構わないのですが、解体専門業者の場合は、都道府県に届け出を行い、登録業者となっていなければ解体業を行えない事になっています。

未登録業者を利用すると罰せられるリスク
ところが実際には未登録の業者が多く、そうした業者は不法投棄などの罰則を恐れない為、結果として発注者の不利となる工事、廃棄を行う可能性があります。

指定の届け出がなされていない、処理物が正しく廃棄されていないといった法令違反があれば、発注者まで罰則の対象となる可能性もあります。

登録業者であるかは必ず確認しよう
解体を依頼しただけなのに、罰せられる対象となっては迷惑千万です。見積もりの際には担当者の名刺や会社案内などで、登録業者であるかの確認を必ずするようにして下さい。

都道府県の担当窓口では建設業の許可業者と同時に、解体業の登録業者一覧も備えていますので、そちらで確認するのも1つの方法です。

工事保険・工事代金の注意点
また、工事保険の加入の有無、工事代金の支払い方法も確認しておくべきです。工事保険は第三者に対しての賠償保険である為、工事中に近隣に迷惑を掛けた場合などに必要となります。

工事代金の支払いは完了時一括が一般的です。着手前の手付金を要求する会社は避けましょう。資金繰りに困っている可能性があるので、工事途中での倒産となったら目も当てられません。

基本を知って見積りを比較検討
こうした基本的なポイントを確認し、その上で安く、安心できる施工の業者を選びましょう。

その為には見積書の比較が重要です。業者には作業項目別に得意不得意があります。一度や二度の来訪でそれを見極めるのは容易ではありませんが、見積書を比べることによって、ある程度の判断が可能となります。

見積書の見方については次項にて詳しく解説します。細かくその内容を分析し、その業者がどんな特色を持っているのか、確認できるようにしておきましょう。

ポイント4:見積書は細かい項目までしっかりチェックするべし

見積書を見るときは、最初に作業項目の数をチェックしてください。解体工事一式、廃棄作業一式といった大項目だけの大雑把な明細になっていたら、工事も大雑把である可能性が高くなります。

解体であれば建物を囲う養生の金額、足場の設置費やアスベスト材などの特別な対応部材の料金など、細かく金額が明示されていないと現場をきちんと確認した上での見積書であるとはいえません。

解体工事本体の諸費用の説明があるか
また、整地や近隣対策費、道路使用等の届け出費用など、解体工事本体とは別の諸費用をきちんと説明してあるかどうかも大きなチェックポイントです。

その他の具体的な内容は、

・残置物の撤去
・道路への鉄板養生の有無
・建物の杭抜きや残土処理
・整地後の土入れの有無
・ライフラインの扱い


といった項目になります。

こうした工事の記載のない会社では、上記の工事そのものが行われない可能性もありますので、必ず確認するようにしましょう。

見積書の細かさは工事の丁寧さに比例する
見積書が細かく配慮のある業者は、工事もきめ細かく丁寧にやってくれます。作業別の得意不得意は、金額に対しての作業員の数で確認してください。

人数少なく対応可の工程は得意
例えば浴室の解体撤去が50,000円だったら、3人の作業員を投入するのと5人使うのでは、作業員1人当たりの金額が違う事になります。

作業員の日当は同一地域であればどの業者でも大きくは変わりません。となれば業者からすれば、少ない人数の方が人件費がかからず、利幅も大きくなります。

それで工期が延びるようであれば意味はありませんが、そうでなければ、3人で対応する会社の方が、作業員の熟練度が高いという事になります。

項目別の比較で作業員の熟練度を比較
見積書に人工数の記載があれば、こうした点に留意して比較してみてください。人工数の記載がなければ、単純に項目別の金額の比較だけでも大丈夫です。

自社の作業員の熟練度に自信があれば、どの項目でも他社より若干だけ安くなっているはずです。安い金額でも作業員が手早く仕事をこなせば工期を短くでき、結果として利幅を確保する事ができるからです。

そうした理由から各社の細かな項目別の平均を取り、高すぎるところと安すぎる会社は排除しておきましょう。平均的な金額提示か若干安めの業者こそが、誠意のある見積もりを提示してきたといえます。

ポイント5:自分で処分できるものは処分する

ゴミにも種類がある事を理解しておきましょう。例えば不要となる家具や家電です。

個人が捨てればそれは一般廃棄物ですが、業者が処理するとなると、同じ家具の廃棄であってもそれは産業廃棄物の扱いに変わります。

一般廃棄物と産業廃棄物では処理費が全く違います。不要となる家具等はなるべく市町村などのサービスを利用して、粗大ゴミとして捨てるようにしましょう。

どうせ捨てるのだからと残置物にして業者に任せてしまうと、産業廃棄物となって解体費用に上乗せされてしまいます。

業者に買取・引き取りを依頼する
また、家電や家具の中には再利用が可能な物もあるはずです。その場合は粗大ごみに出すより、リサイクルショップなどの買取業者に引き取ってもらう方が良いでしょう。

買取金額がつかなくても、無料で引き取ってくれるケースもあります。ゴミに出す前には必ず買取業者に依頼し、買取ってもらえなかった物だけを粗大ゴミとした方が、費用の面ではお得になります。

なお、家電製品を粗大ゴミとして処分する際は、基本的にリサイクル券を購入しなければなりません。

中にはパソコンのようにメーカーによる無償引取りとなるケースもありますが、どの製品も購入時の年代等によって扱いが変わりますので、メーカーや購入店に問い合わせるなどして、間違いの無い対応を心掛けましょう。

ポイント6:空き家解体に自治体の補助金を利用

自治体によっては、古くなった家屋の解体に費用を助成してくれる場合があります。

「倒壊の恐れがある」などが要件となりますが、昭和年代に建てられた家屋の多くは、補助金の対象となる可能性があります。

状況によっては建物ではなく、ブロック塀等の撤去に対して補助金が出るケースもあります。

自治体によって助成の措置は様々なので、新しい建築物の解体であっても、自治体のHPなどで基準を確認し、可能性があると思えたら役所に出向いて確認してみましょう。

ポイント7:自分でできる作業は全て自力でする

「建設リサイクル法による届け出」や、「道路使用許可の申請」は両方とも本人申請が可能です。

どちらの申請も業者に任せると代行料を取るところがある為、数万円単位での費用削減となる場合もあります

建物滅失登記も自力で行うと費用節約
また、解体後の建物滅失登記も本人申請がお得です。本人申請なら費用は印紙代の1,000円程度しか必要になりません。

ところが、土地家屋調査士に依頼すると50,000円前後、さらいに土地家屋調査士の手配を解体業者に頼むと、10万円前後の請求となるケースもあります。

抵当権の設定が残っている場合の抹消登記も同様です。

滅失も抹消も簡単に登記申請ができますので、必要書類を法務省のHPで確認し、建物の所在地を管轄する法務局に出向きましょう

戸建て住宅を解体する場合に注意しておくべきこと


戸建て 解体費用

最終となるこの章では、近隣挨拶や不法投棄対策といった、工事とは直接関係の無い項目について説明します。

どれも業者任せでも事足りることですが、施工主みずからの目でしっかりと確認する事が、最終的には費用削減に繋がるでしょう。

騒音や粉塵は近隣への負担大!事前に挨拶を

解体工事は大きな音と粉塵を伴う工事になります。近隣に迷惑を掛けるのは当然で、近隣住民への配慮を怠ると、その後の生活に支障をきたす結果となってしまいかねません。

特に建て替えの場合は、新築後にまた同じ場所での生活が始まるわけですから、近所との無用なトラブルは避けたいものです。

解体工事でよくあるクレーム
近隣からクレームで多いのが、

「重機やトラックが道路を塞いでしまい、近所の車が出入りできない」
「粉塵対策の養生が十分でなかった為に、洗濯物や車を汚された」


という苦情です。

そうしたクレームを防止するには、施工に安全性のある業者を選ぶのはもちろん、工事前の挨拶回りも必須となります。

挨拶の際には工事内容の説明があると近所の方々の理解を得やすいので、なるべく業者の担当者に同行してもらうようにしましょう。

道路状況への対策は、できる限り車両を停めないようにするしかありません。

作業員の移動に使う車などの直接工事に関係しない車両は、工事期間中だけ月極駐車場を手配するか、コインパーキングを利用してもらってください。

また、工事の音も件数の多いクレームです。休日は作業を行わない、朝夕は音の小さな軽作業とするといった対応を、業者と相談しておきましょう。

解体業者の不法投棄に注意

建設リサイクル法の施行以降、規制を逆手に取って利益を上げようとする悪質な業者が少なくありません。

法施行によって高騰した工事代金を受け取っているにもかかわらず、廃材は不法投棄としてしまうのです。

しかし廃材を積み込んだトラックを、処理場まで追跡して廃棄の瞬間を確認するわけにもいきません。では、不法投棄の有無をチェックするには、どうすればいいのでしょう。

マニフェスト票で廃棄処理の確認
不法投棄の有無を確認するには、マニフェスト票という制度の活用が有効です。正式には産業廃棄物管理票というこの制度は、解体から廃棄処分までの各工程で、適切な処理が行われた事を確認する為の書類です。

解体後の廃材の処理場では、業者が持ち込んだ廃棄物が適正に分別され、規則に沿って処分されると処理場の確認印が押されます。

その後、マニフェスト票は最終処分場まで廃棄物とともに移動し、全ての廃棄作業が完了した後に、E票という書類が解体業者の元に戻ってきます。

このマニフェスト票のE票の提示を受ける事によって、廃棄処理が適切に完了したかどうかを確認する事ができます

E票の提示を拒む業者は不法投棄の可能性あり
作業が適切であれば提示を拒む理由はありませんので、処理場の受領印の押されたE票は、どの業者でも提示を求めれば応じてくれます。

また、不法投棄業者を事前に見極めるには、見積もりの段階で作業完了後のマニフェスト票の提示を求めると良いでしょう。提示を確約できない業者は、不法投棄の可能性ありと判断して構いません。

建替え時の仮住まいの賃料も考慮

自宅の建替えの為に解体工事を行う場合、付いて回るのが仮住まいです。

通常、借家やアパートの賃料は1か月単位です。都市部で一世帯用の借家を借りれば、その賃料が10万円を下回る事はまずありません。

家具の処分に時間がかかる場合は業者へ依頼
仮住まい先に転居した後に処分する家具等の整理を始め、リサイクルショップなどへの買取依頼や粗大ゴミでの処分に時間がかかり過ぎてしまいます。

そのような場合は、残置物として家具等を残して解体工事費に加算し、仮住まいへの転居を遅らせた方が全体の費用が安くなるのです。

何事もバランスが重要です。

事前に「家具や家電処分を処分した場合の解体費用」と「残置物とした場合の解体費用」、そして「仮住まい先の賃料」とを比較し、どのパターンが一番得なのかを、事前に検討しておくべきでしょう。

まとめ:解体工事は事前知識で安くできる


戸建て 解体費用

自宅を解体する工事は、新たな生活への第一歩目を踏み出す行為でもあります。

その大事なファーストステップを適正な価格で問題なく終えられるよう、紹介したノウハウを存分に活用してください。

解体の内容や流れを詳しく知って業者との交渉に臨めば、工事後には整地された綺麗な敷地が、目の前に広がっているでしょう。