マンションでも防音対策は必須!子供の騒音トラブル回避テクニック
[公開日]2016/09/26
マンション上階の子供の足音が原因で、その子の父親に36万円の賠償命令。
2007年に実際にあった裁判の判決です。子育て中のご家庭にとっては他人事には感じられないですよね。
お子さんが生まれて間もないうちは夜泣きに気をつかい、成長するにつれてどんどんはしゃぐようになった我が子を叱る毎日。
音に敏感になりすぎて神経をすり減らしているお母さん・お父さんは多いと思います。
マンションの騒音に関するアンケート調査では、「子供の泣き声・騒ぎ声・走る足音」が気になるという回答が住民の50%以上を占めるという結果が出ていました。鉄筋コンクリートのマンションでも、騒音問題は避けられません。
ただでさえ子育ては大変ですが、気を使いながらの肩身の狭い生活はもっと大変。この記事では余計なストレスを抱え込まずに、快適に子育てできる音に優しい暮らし方を解説いたします。
工事不要ですぐできる!防音実践テクニック集
子供だからうるさくしてしまうのは仕方ないと思いつつも、ご近所さんには迷惑をかけたくないですよね。
お子さん由来の騒音と一口に言っても、大きく分けて二つの種類に分けて考えることができます。
1.床・壁を振動させて聞こえる音
→足音、物を音を落とす音
2.空気を経由して伝わる音
→話し声、泣き声、テレビの音
→足音、物を音を落とす音
2.空気を経由して伝わる音
→話し声、泣き声、テレビの音
前述したマンションの騒音に関するアンケートで一位になっていた子供の騒音。その中でも気になる音と最も回答された「子供の走る音」対策、つまり床の防音対策からご紹介していきます。
最上階に住んでたりすると忘れがちだけど、床の音って下の部屋に筒抜けだよね。
床の防音対策
大人の足音に比べて、小さな子どもの足音がなぜうるさく感じるでしょうか?その秘密は歩き方にあったのです。音が大きい理由は、足を上げた上でかかとを床に叩きつけるようにする歩き方に原因があります。成長につれて運動の経験が増えると改善することも多いですが、大人の方でも足音が大きい方はお子さんと同じ「かかと歩き」になっています。かかとをハンマーのように床を打ち付ける歩き方なので、3歳くらいの幼児が小走りしているだけでも下の階には足音が大きく響きます。
つま先から着地するように歩くようにするだけで、騒音は軽減できます。
足音対策の手軽な方法はスリッパを履くこと
下の階への足音を軽減する取り組みやすい方法はスリッパです。スリッパを履くだけです。ただしサイズのあったものを選びましょう。サイズのあっていない大きめのスリッパですと、ペタペタという音がします。クッション性のあるジャストサイズのルームシューズタイプがオススメです。ジョイントマット+防音カーペットで防音
畳、じゅうたん、フローリング。この三種類の床で、いちばん音が響くものはどれでしょう?それはフローリングです。床をそのままにしている方は対策をしましょう。方法はクッション性のあるじゅうたんやラグを敷くことだけでは、防音効果はあまり期待できません。
お子さんが特に動き回るリビングや子供部屋は、ジョイントマットの上に防音カーペットを敷くことをオススメします。足音を完全に消し去ることはできませんが、おもちゃやスプーンを落とした際の音やキャスターの付いた椅子の音はかなり軽減できます。
ジョイントマットはクッション性もさることながら断熱効果もありますので、冬場の冷たい床からも解放されます。
洗濯機やイスの振動による音への防音は百円ショップを活用すべし
早朝や夜にどうしても洗濯しないといけないことが多く、ご近所さんに迷惑をかけているんじゃないかと心配な方は「防振マット」をダイソーなどの100円ショップで用意しましょう。この防振マットは洗濯機と床の間に挟みこむだけ。これだけ、脱水などの騒音が軽減できます。またソファやテーブルなどもズレた時には大きな音が響きますので、脚と床の間に防振マットを挟んでおくと安心です。
ダイニングテーブルのキャスターついていない椅子は「チェアーソックス」がオススメです。椅子の脚の先に付ける靴下・カバーで百均で購入可能です。このカバーがあることで床材への傷防止にもなります。
ちなみにポイント2でご紹介したジョイントマットも百円ショップで一枚単位から販売されていますし、次にご紹介する扉と窓の防音対策でも百均のグッズが大活躍します。
扉や窓から出て行く音を削減には百円ショップの隙間テープが大活躍
マンションやアパートの共用廊下から聞こえてくる足音や会話が気になったことはありませんか?外から声が聞こえてくるということは、部屋の中の声が外に聞こえている可能性大です。
防音だけでなくプライバシーの確保につながる、ドアと窓対策のポイントは「隙間を埋めること」です。
用意するものは養生テープと隙間テープ
隙間テープを直接貼ることももちろん効果はありますがテープ自体の粘着力が強すぎるため、剥がす時にドアの塗料がはがれてしまう恐れがあります。賃貸物件にお住いの場合は、粘着力の弱い養生テープを貼った上で隙間テープを貼るようにしましょう。テープを貼る箇所は綺麗にする
ドアや窓ガラスのテープを貼る箇所は必ずホコリを掃除しましょう。閉める時に力を必要とするぐらいが防音効果あり
ドアや窓の隙間に防音テープを貼ることで音の出入りするスペースを無くします。その時のコツは、ドアや窓を閉めるのに力が必要になるくらいの締め具合にすることです。締めづらくなるということはそれだけ密閉されるということであり、防音だけでなくエアコンも効きやすくなります。クッションがあることでドアがバタン!と閉まることも無くなります。窓には遮音カーテンを設置
カーテンには光だけなく音も遮る効果があります。音が気になる場合には、遮音カーテンを設置しましょう。引き戸の開け閉めの音はロウと輪ゴムでスムーズになる
木製のレールの場合、昔ながらの方法ではありますがロウが有効です。レール部分をろうそくで擦りましょう。金属製のレールで開け閉めでドアがガタガタ言う場合はレールのホコリが原因です。掃除でホコリを取ることが必要ですが、濡れ雑巾で拭き取るには限界があります。
そのような場合は輪ゴムをレールに置いて開け閉めするだけで、レール内のホコリ絡め取り綺麗になります。
引き戸が硬いと、ドアを力強く動かしてうるさい音を立ててしまいがちにゃ!
壁の防音対策
壁を通過する音を防ぎたい。そんなときには以下の方法を試してみましょう。背の高い家具は壁から1センチ離して設置
壁の前に障害物を設置することで、音が壁越しに聞こえることを防ぎます。壁際にテレビやコンポを置かない
音が発生するテレビやコンポのスピーカーは壁から離してセッティングしましょう。壁に音の振動が伝わりにくくなります。遮音シートは吸音材とセットで初めて効果あり
遮音シートは単体では効果は小さいです。確実に防音するならば、遮音シートを壁に貼った上で吸音材を接着することです。ちなみに遮音シートはとても重いのですが、この重みがあることで音の振動が伝わるのを防ぎます。
壁の防音対策では安く手に入る素材は残念ながら効果はありません。以下の材料は防音に効果ありとネット上でも情報がありますが、科学的根拠はありません。
ダンボールを壁に貼ったぐらいじゃ防音にならないのね。デマには要注意よ!
騒音トラブルを回避しやすい物件の特徴
騒音問題が発生するか否かは、建物自体の要素が大きいです。物件の構造を把握して、快適な生活をスタートできるようにしましょう。
騒音が伝わりにくいのは鉄筋コンクリート造
防音を考えるなら物件の構造は鉄筋鉄骨コンクリート造(SRC)か鉄筋コンクリート造(RC)を選びましょう。重量鉄骨造や軽量鉄骨造は木造に比べると多少はマシですが、防音は期待できません。- 壁の厚さ・スラブ厚は200mm以上あれば防音効果あり
- 防音にこだわるのであれば、壁の厚さ・スラブ厚は200ミリを超えているものを選びましょう。床の衝撃音が防音されるかは、このスラブ厚が重要です。不動産屋さんに確認してみましょう。
室内の防音対策はどうしても限界があるから、建物の構造は重要だにゃ!
狙い目は分譲賃貸マンション
実は賃貸物件は建物構造的に防音に優れたものは多くはありません。というのも、賃貸物件は大家の利益を重視しているからです。対して分譲マンションであれば、数十年住み続けることを想定されており住みやすさを考えられています。賃貸派で防音力に優れた物件を探している方は分譲賃貸という、分譲マンションの一部を賃貸物件としてマンションが狙い目です。
賃貸物件でありながら分譲マンションのクオリティで生活可能なためオススメです。
マンションの掲示物に「騒音注意」の紙はないか?
物件の内見に行った際にはマンション内の掲示板を確認しましょう。その中に、騒音に関する掲示物があるとすでに騒音トラブルが起こっている可能性があります。トラブルが発生している物件では住民も騒音に関して過敏なことがあるので、建物内の掲示にマナー違反の注意などの紙はないかも見ておきましょう。
近所からクレームを言われた時のトラブル回避術
近隣住民の方とは円満に過ごしたいと思っていても、何かしらのきっかけでクレームを言われてしまうということもあります。その際には、決して感情的にならずに冷静に対処するように努めましょう。基本は管理人・管理会社の方に連絡の上、対応を取っていくことが優先です。
管理会社を通じてのクレーム
マンションやアパートといった集合住宅の場合、騒音に困った住人が管理会社にクレームを伝えるというケースがあります。この場合、管理会社から騒音に関しての苦情が入ります。誰しも文句を言われると「なんで私が?」とムッとなるところですが以下の3点を冷静に考えましょう。
1.子供の足音などの生活音は常識の範囲だったか
→苦情を言われるほどの音だったか客観的に考えます。
2.子供へのしつけは適切だったか
周囲の人への迷惑を考えられるように子供に教えていたかどうかを振り返りましょう。
3.防音の対策をしていたか
→フローリングの上に防音用のマットなどの対策をしているでしょうか?
→苦情を言われるほどの音だったか客観的に考えます。
2.子供へのしつけは適切だったか
周囲の人への迷惑を考えられるように子供に教えていたかどうかを振り返りましょう。
3.防音の対策をしていたか
→フローリングの上に防音用のマットなどの対策をしているでしょうか?
上記の三点は苦情を言われた当事者として、自分たちは本当に悪いか?悪くないか?を考えましょう。
焦ったときにこそ冷静に自分の行いを振り返るべきにゃ。
・自分たちが悪いと少しでも思う場合
→階下の部屋へ謝りに行きましょう。この時には子供を連れて行くべきです。この謝罪のポイントは潔く謝ること。クレームを言った階下の住人は自分たちは被害者であるという意識が強いので、このタイミングで何らかの防音対策をしていると伝えても感情的になってしまうだけです。お詫びの気持ちを伝えて、階下の住人に心の余裕を持ってもらうようにしましょう。
・自分たちは全く悪くないと思う場合
→管理会社へ連絡し、自分たちに非がないことを冷静かつ論理的に伝えましょう。騒音トラブルの中にはクレーマー気質の方が過剰に苦情を入れるというケースがあります。非のないことに対して謝罪の意思を管理会社へ伝えると、何も悪くないケースであっても自分たちが悪者にされてしまいます。
管理会社へ連絡する際には「自分たちが悪い可能性もあるかもしれないが、ここまで徹底的に防音対策をしている。それでもクレームを言う階下の住民は異常だ」ということを落ち着いて伝えましょう。
管理会社へ連絡する際には「自分たちが悪い可能性もあるかもしれないが、ここまで徹底的に防音対策をしている。それでもクレームを言う階下の住民は異常だ」ということを落ち着いて伝えましょう。
住民から直接のクレーム
住民から直接苦情が入った場合はとりあえずお詫びしましょう。管理会社を通さずに直接不満を伝える状況というのは、非常に感情的になっています。事件につながるようなトラブルを避けるためにも、相手の気持ちを落ち着かせることを優先します。謝罪のあとの対応ですが、防音対策やしつけを強化します。その数日後に苦情を言った住民に対して、「対策をしているのですが、その後いかがですか?」と状況を聞いてみましょう。
その後も定期的に挨拶に行きながらフォローをすることで、階下の住人に「対策をちゃんとしてくれる常識的な人だ」という印象が伝わり、気持ちが楽になっていきます。
顔が見えない・よくわからない人の音は気になりますが、気心の知れた人の音は気になりにくいものです。コミュニケーションをとることで騒音問題をしずめることができるのです。
謝罪をしても感情的な場合は管理会社を通してやりとりを
対策をしてお詫びをしても、ずっと苦情を言ってくる場合には住民同士での直接のやりとりは避けましょう。苦情を言ってくる住人が精神的に不調なケースもあります。その場合は管理会社を間に挟みましょう。苦情が頻繁に続いたり嫌がらせをされる場合はその都度、管理会社や大家さんに連絡をして協力を求めましょう。
あまりにも嫌がらせされるようなことが続く場合は、警察に相談するのも一つの手にゃ。
騒音トラブルを回避するポイントはご近所付き合いにアリ
騒音トラブルは誰しも避けたいところです。日頃から気をつけている方も多いと思いますが、日々トラブルは発生しています。その原因は自分にとっての常識は相手の常識ではないということです。
騒音が発生した際には「昼間だから大丈夫だと思った」「これくらいの音なら騒音じゃない」と思ったというケースが多いです。
しかし階下の住民が夜勤の仕事で昼間の音が苦痛であったり、小さいと思っていた音が階下には大きく響いているということが往々にしてあります。このギャップが騒音トラブルの一番の要因なのです。
騒音対策は「周りの人を思いやる」「ルールを守る」ことを教える良い機会
引越しをした当初にご近所に挨拶をする方も少なくなっているとは思いますが、お子さんのいるご家庭は挨拶を階下の住人と両隣の方には簡単にしておいたほうが良いです。「お子さんがいて騒がしくなるかもしれないが、気をつけますのでこれからよろしくお願いします」と挨拶に行けば、自然と住人同士のコミュニケーションが取りやすくなります。
そして騒音トラブルの防止にはお子さんへの教育が大切です。周囲の方も「子供だから仕方ない」という気持ちはありますが、できるだけ迷惑をかけないようにお子さんに教えてあげましょう。
まとめ:防音対策を行うことで騒音トラブルを防ぐ
「何が騒音で、何が騒音でないか」この基準は非常にあいまいです。ですから、日頃から防音対策を行いながら周囲への配慮の上での生活が不可欠です。
日頃からのご近所とのコミュニケーションが大切ですが、万が一トラブルになった時は管理会社に報告の上落ち着いて対応しましょう。
音に神経質になるのではなく、思いやりを持った行動で誰もストレスを抱え込まないような環境を作っていきましょう。