川崎のマンションは五輪前に売るべき!地元の不動産屋が教える売却テクニック
[公開日]2017/08/30[更新日]2017/12/11
都内を除くと上昇が顕著なのは神奈川県で、特に東京都に隣接する川崎市内のマンションは、2012年の坪単価142.64万円を底に2017年は210.30万円と、急激な回復を見せています。
こうした現状を踏まえこの記事では、
- 川崎市のマンション価格の上昇がオリンピックまでの一時的な現象なのか
- それとも本格的な上昇の前兆なのか
といった観点から川崎のマンションの売り時を探っていきます。
川崎市内各エリアの地域性を考慮した上で、市場動向と「川崎のマンションを早く高く売るコツ」を具体的に解説します。
目次
この記事は、現役の神奈川県の不動産業者の方に執筆していただき、引越しの神様チームで編集しております。
川崎のマンション売却の相場情報

川崎市内の中古マンション取引の坪単価は、底値を付けた2012年を基準にすると147%にまで回復しています。
上昇率だけをみれば、東京都内の132%よりも高くなっています。
東京都を除くと川崎市の不動産価格が首都圏で最も高額となる傾向は以前から変わりませんが、ここまでの上昇率は、近年では見られませんでした。
では、市内であればどの地域も、どんなマンションでも好調なのか、さらに細かな相場を見ていきましょう。
なお、記事内の市場分析は、国土交通省が発表した売買データを基に分析を行っているツールを提供するサイト「ウチノカチ」から引用しています。
ウチノカチ
川崎の中古マンションの売却価格の相場状況
川崎市は都県境を形成する多摩川に沿って横長に広がる市で、行政区も多摩川沿いに区分されています。また、都内より伸びるJR・私鉄各線が各区を横断し、どの区であっても都内に直結した利便性に富んだ立地が特徴で、マンション相場もそうした地域性を反映しています。
では、「2017年までの中古マンションの成約価格がどうなっているのか」、川崎市の行政区別に見ていきましょう。
幸区
川崎駅の西側の東海道線・横須賀線・京浜急行線エリア
→平均価格3,207万円:190万円/坪
→平均価格3,207万円:190万円/坪
川崎区
川崎駅の東側の東海道線・横須賀線・鶴見線・京急線・京急大師線エリア
→平均価格2,031万円:167万円/坪
→平均価格2,031万円:167万円/坪
中原区
東急東横線・横須賀線エリア
→平均価格3,708万円:225万円/坪
→平均価格3,708万円:225万円/坪
高津区
東急田園都市線エリア
→平均価格2,734 万円:165万円/坪
→平均価格2,734 万円:165万円/坪
宮前区
高津区の横浜市寄りに位置する田園都市線エリア→平均価格2,805 万円:142 万円/坪
多摩区
小田急線エリア
→平均価格2,092 万円:127 万円/坪
→平均価格2,092 万円:127 万円/坪
麻生区
多摩区の横浜市寄りに位置する小田急・小田急多摩線・京王線エリア
→平均価格2,633 万円:127 万円/坪
→平均価格2,633 万円:127 万円/坪
平均価格3千万超えの中原区・幸区
中原区、幸区の平均価格が3,000万円を超え、坪単価も200万円前後と、突出した相場となっています。築浅の大規模マンションと工業地帯との距離感が幸区の高値要因
幸区の価格が高値だったのは、多くの工場や社宅が撤退し、その跡地に相次いで建設された大規模マンションが、築浅の中古物件として出回るようになったのが要因だと考えられます。
企業跡地のマンション建設が多いのは川崎区も同じですが、川崎区と違い幸区は、JRなどの川崎駅の西側に位置しています。
そのため、購入者が避ける傾向の強い京浜工業地帯からの距離があり、幸区の中古マンションの販売が好調だった理由の1つとなっています。
東急東横線沿線と武蔵小杉が人気の中原区
中原区のマンションが高値で取引されるのは、自由が丘や田園調布といった、首都圏でも有数の人気を誇る住宅街が点在する東急東横線の沿線であることが一番の理由です。
また、近年になって多くのタワーマンションが建設された武蔵小杉駅は、横須賀線・南武線も乗り入れる利便性の高さから人気を集め、中原区のマンション価格を押し上げるもう1つの要因となっています。
比較的安価な田園都市線・小田急線エリアも住宅地としての人気は高く、東横線・JR線エリアには及びませんが、首都圏全体で見れば高額帯に位置しています。
過去に比べての現状の取引価格の変化
続いて東京オリンピック開催決定以降の、行政区別の平均坪単価の推移を見ていきましょう。幸区
→2012年からの坪単価上昇率は132%2012年 160.89万円
2013年 174.06万円
2014年 174.67万円
2015年 189.76万円
2016年 205.08万円
2017年 213.19万円
2013年 174.06万円
2014年 174.67万円
2015年 189.76万円
2016年 205.08万円
2017年 213.19万円
川崎区
→2012年からの坪単価上昇率は154%2012年 136.27万円
2013年 129.40万円
2014年 136.31万円
2015年 144.57万円
2016年 212.60万円
2017年 210.30万円
2013年 129.40万円
2014年 136.31万円
2015年 144.57万円
2016年 212.60万円
2017年 210.30万円
中原区
→2012年からの坪単価上昇率は130%2012年 183.39万円
2013年 188.96万円
2014年 230.20万円
2015年 231.29万円
2016年 237.70万円
2017年 239.99万円
2013年 188.96万円
2014年 230.20万円
2015年 231.29万円
2016年 237.70万円
2017年 239.99万円
高津区
→2012年からの坪単価上昇率は131%2012年 143.67万円
2013年 155.43万円
2014年 154.44万円
2015年 165.63万円
2016年 177.50万円
2017年 188.58万円
2013年 155.43万円
2014年 154.44万円
2015年 165.63万円
2016年 177.50万円
2017年 188.58万円
宮前区
→2012年からの坪単価上昇率は170%2012年 130.93万円
2013年 130.44万円
2014年 138.13万円
2015年 140.33万円
2016年 140.95万円
2017年 222.93万円
2013年 130.44万円
2014年 138.13万円
2015年 140.33万円
2016年 140.95万円
2017年 222.93万円
多摩区
→2012年からの坪単価上昇率は119%2012年 108.41万円
2013年 131.21万円
2014年 131.32万円
2015年 110.77万円
2016年 129.35万円
2017年 統計なし
2013年 131.21万円
2014年 131.32万円
2015年 110.77万円
2016年 129.35万円
2017年 統計なし
麻生区
→2012年からの坪単価上昇率は132%2012年 122.76万円
2013年 123.96万円
2014年 131.13万円
2015年 128.81万円
2016年 120.46万円
2017年 162.42万円
2013年 123.96万円
2014年 131.13万円
2015年 128.81万円
2016年 120.46万円
2017年 162.42万円
川崎市の各区とも単価を上昇させており、2017年は多摩区を除いた全区で、この10年での最高値を記録しています。
高価格で取引されるエリア
川崎市には多摩川沿いに市を横切る南武線も通っており、都内から直結するJRや私鉄各線と交差するターミナル駅が、各区での人気エリアとなっています。区別では東海道線・横須賀線・京急線の通る幸区、東横線の中原区が高額帯に属し、東京湾岸エリアの川崎区と田園都市線の高津区・宮前区はやや人気に劣る価格帯となっています。
小田急エリアの多摩区・麻生区はさらに下の価格帯に属し、東京都から遠方になる横浜市や町田市と同じような価格帯に属しています。
それでは各エリア別の人気エリア、高価格帯に属するエリアを解説していきます。
幸区
ターミナル駅の川崎駅、新川崎駅が人気の中心となっています。
新川崎駅周辺は比較的開発が遅かったことから築浅マンションの売出しが多く、このエリアのマンション価格を押し上げています。
川崎駅周辺は企業跡地のマンション建設に加え、再開発によって商業施設も充実したことも近年の人気上昇の一因となっています。
川崎区
東京湾に面した湾岸エリアは都内では人気ですが、川崎区は京浜工業地帯の中心となるため、環境面が懸念されて都内ほどの高額エリアとはなっていません。それでも東海道線で品川駅まで一駅という川崎駅は利便性に優れ、駅の反対側の幸区と同様に高い人気を維持しています。
また、このエリアには企業用地が多かったことから、その跡地でのマンション建設は幸区以上に活発で、築浅物件の供給に恵まれています。
中原区
東横線と横須賀線が交差する中原区は、川崎市内で最もマンション価格が高い地域といえます。人気の中心は東横線・横須賀線・南武線のターミナルとなる武蔵小杉駅で、近年ではタワーマンションの建設や、商業施設の進出によって人気を不動のものとしています。
また、田園調布と多摩川を隔てただけの新丸子駅や、同じ東急沿線の元住吉駅の人気も高く、高値であっても活発に取引が行われています。
高津区
幸区などに比べると価格は落ちますが、東急田園都市線沿線となる高津区も住居エリアとしての人気は高く、南武線と交差する溝の口駅を中心に取引件数は少なくありません。価格帯が低い要因は、一戸建分譲地が中心となる地域性にあります。
用途地域の定めから法的にマンション建設に適した用地が少なく、中古マンションの件数が他区に比べると多くないのです。
こうした理由から供給される中古マンションの築年数も古い物件の割合が増え、価格が安くなってしまうのです。
これは同じ沿線の宮前区も同様ですが、地域としての人気は高いため、新築分譲があればかなりの高値で販売されています。
宮前区
高津区と同じ田園都市線エリアで、鷺沼駅・宮前平駅などが人気、価格の中心的な存在です。この区も基本的には一戸建の分譲エリアで、隣接する横浜市の多摩プラーザや青葉台とともに巨大なニュータウンを形成しています。
そのため宮前区もマンション建設に適した用地が少なく、高津区同様に中古物件の価格は低くなる傾向にあります。
とはいえ住宅街としての人気は非常に高く、築浅で駅に近い物件や、新規分譲物件は市内でも高額帯に属しています。
多摩区
人気の中心は向ヶ丘遊園・生田・読売ランド前の小田急線の各駅となります。田園都市線同様に小田急線エリアも一戸建分譲が中心で、マンションの数は多くありません。
また、小田急沿線は行き先が新宿方面に限られるため、ビジネスエリアの東京駅周辺に直結する東急各線やJR線沿線に比べると利便性ではやや劣っています。
それでも都内直結の立地に変わりはなく、明治大学や専修大学の広大な郊外型キャンパスを抱えていることもあって、文教地区として人気の地域でもあります。
麻生区
新百合ヶ丘駅を中心とした小田急線エリアが人気の中心となっています。こちらもマンション供給の少ない一戸建分譲地が中心の地域で、市内では低価格帯に属しています。
新規のマンションが多いエリアほど高額帯に
このように各エリアともに人気は高く、マンション用地を確保でき、新規分譲が多かったエリアほど、それらが中古市場に出て地域の相場を押し上げている格好となっています。
高価格で取引される物件の間取り・特徴
ここまでで述べた通り、JR線沿いの築浅中古や東急沿線のタワーマンション、そして他の沿線でもターミナル駅利用の徒歩圏内物件は需要が高く、どれも高価格で取引されています。とはいえ沿線別に市場性は若干異なり、高価格となる間取りや面積にも違いが生じています。
JR沿線
JR沿線では60㎡前後の小家族向け物件が多く、単価は高くなりますが総額が抑えられるために、若い夫婦二人世帯や定年後のリタイア世代に人気となっています。間取りは2LDKが中心で、面積的に無理を強いられる3DKは、各居室が狭くなってしまうために売れ行きは芳しくありません。
また、このエリアの取引坪単価を引き上げた要因の一つに、投資向けのワンルームマンションの存在があります。
オリンピックの開催決定が呼び水となって、国内外の投機的な資金を呼び込んだのです。
東急東横線沿線
これに対して東横線エリアは、万能的な市場性を持っています。小家族向けの小さめのタイプから80㎡超のファミリーユースの3LDKまで需要・供給ともに豊富で、どのタイプも人気となっています。
田園都市線・小田急線エリア
田園都市線と小田急線エリアは、東横線・JR線エリアに比べると落ち着いた相場となっています。人気が高いのは3LDKで80㎡前後の、ファミリー向けの間取りとなっています。
川崎市の築年数が古いマンションの相場は高めだが…
そうした経緯から川崎市内では、築年数を重ねた既存マンションも多く取引されています。
ここではそうした川崎市内の古いマンションの取引傾向ついて、詳しい解説を行っていきます。
築年数が古いマンションも川崎市では好調な売れ行き
川崎市内では築年数の古い物件であっても売れ行きは好調です。もちろん、築浅物件に比べると低価格帯にはなりますが、
- 築20年で新築時の6割程度
- 築30年で5割程度
と、横浜市などと比較すると古いマンションであっても大きな下落とはなっていません。
リノベーション業者による買取りが築古マンションの相場へ影響大な理由
築20年前後から30年超のマンションは、リノベーション業者による買取り契約が非常に多くなっています。これがマンション市場に異変をもたらす要因となり、既存の相場とは別に、リノベーション物件が不可解な価格帯を構成しているのです。
当然ですがそうした物件には、業者の利益が含まれています。
また、好んで安値で売る売主はいないので、業者の仕入れ価格も相場からかけ離れた安値とはなりません。
こうした理由からリノベーション後の再販価格は、既存の相場からすると割高となっています。
同じマンション内で一千万円の価格差が生じるケースも
極端な例では通常の中古物件とリノベーション物件での価格差が1,000万円近くになるケースもあり、同一マンションに2つの相場帯が形成されたかのような、おかしな状況となっているのです。
川崎市の築古マンションのライバルはリノベーション物件
ところが築年数が古い物件は、リノベーション業者を買い手として仲介業者が優先するために、市場に出る前にリノベーション用の仕入れ物件となってしまいます。その結果、市場はリノベーション物件ばかりが並ぶ状態となり、リフォームをしていない通常の中古物件は、見栄え面で苦戦を強いられる状況下に置かれています。
とはいえ割高なリノベーション物件に比べれば、築年数が古いマンションは価格的に優位にあるのは間違いありません。
あえてリフォームせずに売却するのが正解な理由
多少の時間は要しますが、じっくりと適正価格で販売すれば、自分で好みのリフォームをして入居しようとする、賢い選択をする購入者に巡り合うことができます。「古い物件だから売れない」ということはありません。
川崎市は首都圏でも有数の人気エリアなのですから、どんな物件でも、相場なりの価格であれば売れていきます。
リフォームは個人の好みが反映されすぎるリスクあり
また、リノベーション物件が多く出回っているからと、古いマンションを対抗して室内をリフォームして売却するのはおすすめできません。不動産購入者は、自分の生活のスタイルに合わせた内装を選択します。
売主によるリフォームが購入者の好みに合致すればいいのですが、残念ながら多くのケースでそうはなりません。
となれば契約には至らず、工事費用が無駄に終わる可能性が高くなってしまいます。
購入者が好みのリフォームをする機会を奪うことにもなるので、「リフォームの工事代金分を売買代金から差し引く」といった対応の方が、スムーズな売買となるでしょう。
川崎のマンション売却に強い不動産屋の選び方
そうした背景から不動産業者も、沿線別に強い業者が異なって存在する、という特徴を持っています。
東急沿線は東急が、小田急沿線は小田急が開発
なぜなら東急線と小田急線のエリアでは、それぞれの鉄道会社が母体となって沿線の開発を手掛けてきた経緯があるからなのです。鉄道の延線と並行して宅地やマンション分譲を行ってきた過去が強みとなって、中古物件市場でも各々の鉄道会社のグループ企業が大きなシェアを獲得しています。
とはいえ電鉄系不動産会社以外の大手、そして地元密着の中小業者が弱いわけではありません。
この章では「売却を任せるにはどのような形がいいか」、大手・中小の不動産会社選びから媒介契約の種類の選択までを、詳しく解説していきます。
大手と地元、どちらの不動産屋にまかせるべきか
東急や小田急沿線では、知名度の高いそれぞれの電鉄系仲介会社が集客面では有利になります。とはいえ、各ターミナル駅に店舗を構える大手業者は、鉄道系でなくともやはり集客力に優れています。
地域密着系も大手も集客力に差がないことも
地域密着の中小業者も負けてはいません。ネット広告の時代となって宣伝力が飛躍的に上がり、知名度に劣っても、情報配信の能力に引けを取らなくなったからです。
特に新築分譲の多いJRや京急沿線エリアでは、新築モデルルームの訪問の際に地域の業者にも立ち寄る購入希望者も多く、地域密着の中小業者であっても、あなどれない集客力を持っています。
川崎市は東京都内からも需要が見込める
また、川崎市の住民は、昔から「神奈川都民」と比喩されるほど東京都内への通勤者が多い地域です。そのため不動産の購入者も、都内から川崎市へ流れてくる割合が非常に高いという特色があります。
こうした地域性を理解し、売却物件に合わせた販売活動を行う業者であれば、大手であっても中小あっても、結果に大きな違いは出ないでしょう。
川崎市は適正な価格であれば売れる:査定が重要
川崎市内の中古マンションは、価格に間違えがなければ、ほとんどが物件の魅力で売れていきます。したがって価格査定の根拠がしっかりしていて、時代に即したネット広告に積極的な業者を選べば問題ありません。
築古物件だけは要注意な理由
ただし築年数の古い物件だけは違った注意が必要です。これは大手・中小を問わずに同じ傾向にありますが、こうした物件はリノベーション再販が可能なため、すぐに業者買取りへ誘導しようとするところが非常に多いのです。
リノベーション業者による買取りは、その売買を仲介する会社にとっては1粒で2度どころか、3度も4度も美味しくなる可能性を持った取引となります。
最初の買取り契約に加えてリノベーション後の売却依頼を受任すれば、2度の売買契約の売主と買主、合計4者からの仲介手数料を得ることが可能となるからです。
しかし売主にとってはリノベーション業者による買取は、売買価格を抑えられるだけの取引でしかありません。
マンションの古さを理由に業者買取りを迫る業者は避けた方が賢明です。
築年数なりの価格をきちんと提示し、相場値での売却を第一に考える業者に仲介を依頼したほうが、ずっと良い結果が見込めるでしょう。
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川崎のマンション売却の仲介契約の選び方
マンション売却は、物件情報をどれだけ多くの購入希望者の目に触れさせられるかが1つのカギとなります。川崎市の地域性を考えるとそのためには、大手2社と地元1社に、一般媒介で依頼するのがベターであるといえます。
具体的な一般媒介のイメージ
川崎市には東急各線や小田急沿線のように、特定の業者が大きなシェアを獲得している地域があります。- 沿線エリアの顧客を取り込む必要性から電鉄系の大手を1社
- 他の市内各地と都内をカバーするために別の大手
- 地域密着業者の顧客へのアピールを考えて地元中小から1社
といった具合に、それぞれ異なる集客層に期待しようというわけです。
売却の仲介を任せて良い不動産屋・担当者の決め方
では「大手や地元の業者をどう選択するか」ですが、- 一般媒介でもレインズ登録を怠らない
- 広告費も専任物件と区別しない
- すぐに業者買取りに話を進めようとしない
といった条件を満たす業者を選ぶのがよいでしょう。
インターネットでの集客は必要不可欠
条件を満たした上で考えたいのが、ネット広告への取り組みです。今や多くの不動産購入希望者が、ポータルサイトなどを見て物件を検討する時代となっています。
以前は主流だった新聞の折込広告は、新聞を購読しない世帯が増えたために以前ほどの効果は期待できません。
ネット広告を行っていなければ、購入希望者に情報が届かなくなっているのです。
そうした事情を考え、スーモやアットホームなどの不動産ポータルサイトでの物件掲載の有無については必ずチェックしましょう。
時代の変化に対応できていない業者を選ぶと、ツケを払わされるのはマンションの売主です。
一括査定サイト利用のポイント
また、「不動産業者をよく知らない」、「どこに依頼していいのか悩む」という場合は、一括査定サイトを利用するのも一つの手ではあります。しかしそうしたサイトの価格査定はどこも机上査定です。
現場を見ての訪問査定(詳細査定)ではないので、実際に売却活動を行う際には全く意味を持ちません。
そのため一括査定サイトでの机上査定額だけを理由に売却の依頼先を決めてしまうと、その査定額は買取り値でも売却を保証した提示でもないので、間違った業者選びとなる可能性があります。
複数の業者への依頼の窓口として一括査定サイトを利用
一括査定サイトは、どの会社が自分の物件のある地域で営業していて、その会社の規模や特色を調べる程度の利用を中心に進めるべきでしょう。そして良さそうな業者をピックアップできたら、その業者とコンタクトを取って、訪問査定に来てもらうのが賢い選択だといえます。
机上でも訪問でも価格査定はどこも無料です。
前述したレインズ登録や広告への取り組みといった業者選択の際のチェックポイントは、訪問査定の時に質問して確認しましょう。
査定額が高いからといって、売買価格も高くなるというとはありません。
顧客サイドに立って売主の事情を理解し、川崎市内の中古マンション売却に見合った販売活動を行ってくれる業者こそが、売主にとっては最良のパートナーとなり得るのです。
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川崎でマンション売却しやすいエリア、しにくいエリア

川崎市は人気に劣るエリアだからといって売却が難しくなる市場ではありませんが、人気面を含めた地域性を認識しておけば、売却の際の業者選びや、販売活動の方針も決めやすくなります。
川崎でマンション売却しやすいエリア
それでは、川崎市内の各沿線別に人気エリアを解説していきましょう。JR沿線の人気エリア
→川崎駅・新川崎駅東海道線と横須賀線、京浜急行の3線が東京に直結し、首都高速への車のアクセスにも優れたこのエリアは、利便性を優先する層に高い人気となっています。
東横沿線の人気エリア
→武蔵小杉駅・新丸子駅・元住吉駅一番人気は横須賀線と交差する武蔵小杉ですが、東急沿線はどの駅も人気が高く、好調な売れ行きとなっています。
投資需要も高い地域なので、物件を問わず売れていく、万能的な市場であるといえるでしょう。
田園都市線・小田急エリア
田園都市線は溝の口駅と鷺沼駅、小田急線は向ヶ丘遊園駅や新百合ヶ丘駅を中心に人気エリアが形成されています。川崎でマンション売却しにくいエリア
続いて川崎市内では比較的人気面で劣るエリアを解説していきましょう。それぞれのエリアでの対処法も付け加えてありますので、参考にしてみてください。
南武線エリア
都内に出るためには乗り換える必要があり、どうしても直結路線に比べると人気面では見劣りします。売却を成功させるにはそうした事情に即した価格付けの必要があり、査定時に価格が安くなる理由をきちんと説明してくれる業者が、この地域での売却に向いている業者だと考えてよいでしょう。
京急大師線・鶴見線エリア
この地域も都内に出るには乗り換えが必要です。加えて目前に工業地帯が広がり、首都高速や国道1号2号、産業道路といった大きな道路が通っているために環境面で劣り、子育て世代などのファミリー層の需要に欠けています。
それでも工場跡地に建築された比較的新しい物件が多く、工場や道路行政の改善で環境面の向上が見られることから、最近では若い世代を中心に人気が高まりつつあります。
売却の際にはこうした地域性を考慮し、若い世代に訴求するためにネット広告だけでなくSNSなども幅広く活用している業者を選択すれば、成約の可能性は高まるでしょう。
川崎で売却しやすいマンション物件の特徴
では、どんな物件が各沿線で人気なのか。
ここまでの情報に加え、さらに掘り下げて解説していきます。
川崎で売却しやすいマンションの特徴
JR線エリア
→JR各線・京浜急行線の川崎駅から徒歩10分以内・2LDK
・60㎡前後
・築10年以内
→横須賀線新川崎駅から徒歩10分以内・60㎡前後
・築10年以内
・3LDK
・80㎡前後
・築10年以内
・80㎡前後
・築10年以内
JR線エリアの需要層は、交通便を重視する若い世代が多いという特徴があります。
そのため駅からの距離は近いほど人気が高く、子育て世代がメインではないため、空気の綺麗さや公園などの環境面に多少劣っても、利便性が良ければ売れていく傾向にあります。
東横線エリア
→東横線エリアはどの駅も高人気・駅徒歩10分以内
・2LDKの、60㎡前後の小家族向け物件。
・80㎡前後の3LDKファミリータイプ。
・築浅(10年以内)であればなお良し。
・2LDKの、60㎡前後の小家族向け物件。
・80㎡前後の3LDKファミリータイプ。
・築浅(10年以内)であればなお良し。
東横線エリアの地域は「神奈川都民」が最初にターゲットとするエリアで、都内では価格的に届かないが、利便性と環境の両立された東急沿線であればと、神奈川県まで足を伸ばす層が多いのが特徴です。
こうした中、武蔵小杉のタワーマンションは特に人気で、30㎡前後の投資向けワンルームから100㎡超の高額所得者向けの物件まで、どんなタイプの物件であっても好調な売れ行きを誇っています。
田園都市線・小田急線エリア
→ターミナル駅の溝の口、新百合ヶ丘を中心にどの駅も人気。
・中心となるのは駅から徒歩15分圏内の80㎡3LDK。
・築浅も人気だが、価格のこなれた築20年程度の物件も売れ行きはよい。
・中心となるのは駅から徒歩15分圏内の80㎡3LDK。
・築浅も人気だが、価格のこなれた築20年程度の物件も売れ行きはよい。
一戸建ての分譲がメインの土地柄から、田園都市線・小田急線エリアはマンション需要もファミリー層が中心となり、子育てに向いた環境面が重視される地域です。
タイプ別には80㎡超の3LDLが需要の中心となり、駅への距離は、15分程度までであれば売れ行きに影響はありません。
また、新規分譲が少ないことから、築年数が多少古くても売りやすいという特徴も併せ持っています。
川崎で売却しにくいマンションの特徴と解決策
JR線エリアで売れにくいマンション
小家族向け物件の需要が多いこのエリアでは、大きめのファミリータイプは若干苦戦する傾向にあります。若い購入者が多いために築浅、駅至近な物件が好まれ、古いマンションやバス便マンションは敬遠されやすい物件となります。
JR線エリアで売れやすくするコツ
築年数の古いマンションはリフォームなどを施して見た目を向上させるなどの手段もありますが、基本的にはマンションの価格で勝負するのが一番賢い方法といえます。築浅物件に比べると安くはなりますが、相場なりの価格であれば売れない地域ではありません。
東横線エリアで売れにくいマンション
特に売れない物件はありませんが、単価の高い地域であるために、ファミリータイプでも100㎡に近い大きな物件は総額が張り、売れ行きが鈍る傾向にあります。東横線エリアで売れやすくするコツ
東横線エリアでは広すぎる物件の総額が高いことが売れ行きを鈍らせるといっても、だからといって売れないわけではありません。東横沿線は様々な所得層の購入希望者が注目するエリアです。
時間はかかるかもしれませんが、適正価格で市場に出していれば、いずれは成約に至ると考えてよいでしょう。
田園都市線・小田急線エリアで売れにくいマンション
ファミリー層がメインとなる地域なので、小さめの2LDKやワンルームは苦戦します。また、築浅・駅至近といった好条件のマンションは、物件の広さがある地域性のために総額が高くなり、周辺の中古戸建てと競合してしまいます。
そうなると駐車場や管理費の支払いなどで見劣りするマンションは、一戸建てとの比較に負けてしまう傾向にあります。
田園都市線・小田急線エリアで売れやすくするコツ
地域のメイン需要となる一戸建ての中古価格を念頭に、一戸建てと競合しない価格帯でマンションを売却するのが一番です。古い物件、バス便であっても相場はきちんと形成されていますので、相場に見合った価格であれば売却は可能です。
川崎のマンションは「今」が売却のタイミングかどうか
その答えは売り主の事情によって変わります。
「マンションを売却するのみの単純売却」と「買換えでの売却」では答えが異なるのです。
ここでは2つそれぞれの売却理由によってどのタイミングで売るのがいいのかについて、詳しく述べていきます。
川崎のマンションを売却するのみの単純売却は今がベスト
マンションを売って現金化するのが目的なら、売却時期は今がベストであるといえます。まずは単純売却がベストな時期にある理由を説明します。
根拠となるのは横浜市や町田市といった、周辺の郊外エリアの土地価格が上昇していない点にあります。
郊外エリアの土地価格は変化なし=マンション価格の上昇は一時的
東京オリンピック開催決定以降、都内を中心にマンションや事業用物件の値は上昇してきました。しかし住宅需要がメインの郊外の土地価格は、目立った上昇をみせていません。
つまり郊外や地方にまで需要は波及せず、不動産市場が本格的に活況となる要素は見当たらない、というわけです。
こうした傾向は投機的な資金が不動産市場に流れ込んでいるときに見られ、リーマンショック前のミニバブルといわれた時期に酷使しています。
前回のミニバブルはリーマンショックで終焉を迎えましたが、今回は東京オリンピックを契機にピークを迎え、国内外の投機マネーが流出していく可能性が濃厚です。
マスコミの報道があるタイミングは下落段階
また、株や為替でも同じですが、投機的な資金は上昇のピーク前に逃げ出すことが多く、マスコミが好調を伝え、個人が投資に目を向けた頃には価格の下落が始まるのが常であります。首都圏の不動産、特に東京のマンションや事業用物件市場に投機資金が流入していると考えられる現状では、その影響で値を上げた川崎市内のマンションも、投機資金の流出にともなって値を下げる可能性が考えられます。
よって川崎市内のマンションの売り時は「今」となるわけです。
今後は上がっても上値の余地は薄く、売買が活発な今の内に売り切ってしまったほうが、単純に売却するだけの場合は得策だと考えられます。
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川崎市内の同一エリア内での買い替えは「今」ではない
ただし買換えの場合はそうはいきません。売るのに良い時期であるならば、不動産の価格は最も高い時期であるともいえます。
となると買換え先の物件も、最も高い価格で購入せざるを得ないからです。
買換えの目的は自宅の高く売ることではなく、良い条件の物件に引っ越すことにあります。
そうした点を考慮すれば、不動産が高い時期の買換えは、慎重になったほうが良い場合もあるというわけです。
買い替えを慎重に行った方が良い理由
続いて買換えの場合ですが、こちらはただ売るだけではないので事情は若干異なります。同じ地域でマンションから一戸建に買換えたと想定して、売買経費にどれだけの違いがあるか、安い時期と高い時期の比較をしてみましょう。
- 安い時期の売却は2,500万円で、買換え先の購入が4,000万円
- 高い時期はそれぞれ売却3,000万円、購入5,000万円
であったとします。
売却経費は仲介手数料の3%+6万円に消費税。
そして抵当権抹消登記費用を2万円、購入費用は物件価格の8%として、どちらのケースも同条件で比較を行います。
安い時期の経費
・売却仲介手数料 88万円
・登記費用 2万円
・売却費用合計 90万円
・4,000万円の購入経費 320万円
・売り買いの経費合計 410万円
・登記費用 2万円
・売却費用合計 90万円
・4,000万円の購入経費 320万円
・売り買いの経費合計 410万円
高い時期の経費
・売却仲介手数料 104万円
・登記費用 2万円
・売却費用合計 106万円
・5,000万円の購入経費 400万円
・売り買いの経費合計 506万円
・登記費用 2万円
・売却費用合計 106万円
・5,000万円の購入経費 400万円
・売り買いの経費合計 506万円
経費だけで100万円の差が出ています。
売り買いの価格帯が上がれば、この差は100万円どころではなくなり、住宅ローンの返済額に大きな影響を及ぼします。
買換えの目的は、家族にとってより良い住宅への引っ越しです。
となれば不動産相場が安い時期に買換えたほうが購入物件の選択肢が広がるため、条件の優れた物件への転居が可能となるでしょう。
安い時期は試算の通り売買経費を抑えられ、住宅ローンの借入も少なくなります。
同一エリア内での買換えの場合は、こうした試算は必ず行うべきであるといえます。
買い替え先の物件が違うエリアなら「今」が売り時
しかし購入物件のエリアを変えるのであれば、事情はまた異なってきます。マンションを売るだけの単純売却の説明時にも述べましたが、隣接の横浜市の土地価格は、それほどの上昇を見せておりません。
となれば川崎市内のマンションを売り、横浜市に一戸建を求める買換えであれば時期としてはベストであるということになります。
高い時期に自宅を売り、高くなっていない物件を買うわけですから理想的な買換えとなります。
まとめ:川崎市内の同一エリア内での買い替え以外は「いま」がマンションの売り時
買換えであっても郊外の物件を購入するのであれば、高く売って安く買う、理想的な買い替えも可能です。
川崎市内でのマンション売却を成功するためには、何よりもマンション売却の準備が大切です。
好条件で売却するには、自宅マンションの相場を知り、顧客サイドに立って売却活動を行ってくれる不動産会社に依頼するのが一番です。
不動産ジャパンなどの情報サイトや民間のポータルサイトを活用し、自宅マンションの価格を調べましょう。
そして「複数の不動産業者に価格査定を依頼し、根拠のある価格提示をしている業者はどこかしっかりと見極める」ことが大切です。
築年数が古くても、利便性に優れない物件であっても諦める必要はありません。
川崎市は首都圏でも有数のマンション需要を誇る好市場です。
この記事での情報を参考に慎重に仲介会社を選べば、買換えのファーストステップである売却は、成功へと近づくでしょう。
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