【不動産屋が解説】土地の無料査定前に知るべき4ポイント
[公開日]2017/09/11[更新日]2017/12/11
しかし不動産会社にコンタクトを取ったり、一括査定サイトを利用したりするのはハードルが高いのも事実です。
ある程度は個人情報を明かさないといけないために、
- 査定後にしつこく営業されないか
- そもそもどこの不動産業者に頼んだらいいのか
など、不安がたくさんあります。
査定内容が質の良いものなのかどうかは、依頼者自らが判断するしかありません。
価格査定は土地売却のためのファーストステップです。
間違いのない売却の依頼先選びのためにも、土地の無料査定を成功する4ポイントを理解しましょう。
目次
土地の査定を成功するための準備:相場知識が必須
「所有地の周辺相場を知り、そして不動産会社の査定書をどう読めばいいのか」についても、知識として吸収しておかないといけません。
土地の査定額は相場価格から算定されるので、本来であればその値にバラつきが出るものではありません。
しかし実際に提示される査定額は、不動産会社の意向や営業スタイルによってまちまちです。
そのために何も知らずに査定を受けると、不動産会社の意のままに売却依頼にまで進んでしまうケースがあります。
まずは、
を把握することを中心に理解を深めましょう。
この2つを知識として準備しておけば、不動産会社の査定額が適切であるかの判断が可能となります。
自分の土地の売却相場を知ることで騙されない
不動産会社に価格査定を依頼する際には、あらかじめ所有地周辺の土地相場を認識しておくことが重要です。- 近所の土地がいくらで売れたか
- 現在売りに出ている物件はどれくらいの価格なのか
を知っておけば、自分の土地がどれくらいの金額で売れるかを想定することができるからです。
売却想定価格を把握していないと失敗するリスク大
こうして推測した金額を「売却想定価格」といいますが、この価格を知らずに査定に臨むと、を判断できません。
取引事例や売出し物件の価格は、インターネットで簡単に調べることができます。
多少の手間はかかりますが、査定前には必ず相場を調べ、売却想定価格を把握してから査定依頼をするようにしましょう。
個人でも可能な土地相場を調べる3つの方法
- 周辺地の取引事例
- 売出し物件の価格
- 公示価格や路線価といった公的価格
の三つの情報から推測するのが最適です。
それぞれの情報の調査先は下記のとおりです。
各サイトで所有地周辺を検索し、事例等をピックアップしてみましょう。
取引事例を調査できるサイト
土地総合情報システム
この土地総合情報システムは国土交通省が運営するサイトで、土地やマンションの取引事例を調べられます。
事例は沿線別、地域別に掲載されています。
所有地の周辺エリアを検索して、所有地の規模や立地に類似した事例を3件から5件ほど選出しましょう。
そして事例情報には1㎡あたりの単価も記載されているので、選出した事例の㎡単価の平均値を取ってください。
事例㎡単価の平均値に所有地の面積を乗ずれば、それが事例から勘案した売却想定価格になります。
例)事例㎡単価の平均値125,000円
125,000円/㎡×所有地面積145㎡
=18,125,000円(売却想定価格)
125,000円/㎡×所有地面積145㎡
=18,125,000円(売却想定価格)
売出し物件を検索できるサイト
不動産ジャパン
この不動産ジャパンでは、現在売りに出されている物件情報を入手できます。
不動産会社が情報収集するのはレインズという流通機構なのですが、その運営に関わる不動産流通促進センターが運営しているので、不動産業者が参照するレインズに近い物件数の閲覧が可能です。
こちらも周辺地で類似物件を数件選び、㎡単価の平均値を取って所有地面積に乗じてください。
その値が売出し物件価格からの売却想定価格となります。
公的価格を調査できるサイト
公示価格:土地総合情報システム
路線価:財務省のHP・路線価のページ
この公示価格は国土交通省、路線価は財務省のHPで調査できます。公示価格は国土交通省が収集した取引事例を基に算定され、路線価は公示価格の80%を算定基準としており、それぞれ1㎡あたりの価格が公表されています。
公示価格も路線価も実際の取引価格が基準となっているために、信憑性のある「売買の取引指標」として利用されています。
公示価格の基準値が所有地に近辺にあれば、単純に所有地の面積を乗じて、公示価格からの売却想定価格としてください。
路線価は道路ごとに価格が表示されているので、所有地が接する道路の価格を所有地面積に乗じます。
その数値をさらに1.25倍すれば路線価からの売却想定価格とすることができます。
3つの売却想定価格の使い分け方
取引事例は事実です。そして売出し物件価格は売主の希望値なので、どれが売却想定として信頼できるかというと、やはり実際に売れた金額である取引事例となります。
よって売却想定価格は取引事例を基準とし、売出し物件価格は、事例との差額を認識するために使ってください。
売出し物件価格からの想定価格が、事例からの想定価格より上の価格帯にあれば、現在の市場は強気相場であるといえます。
事例からの想定価格で「売れそうな価格」を認識し、
「現在の市場に出ている物件は高値にチャレンジしているようだから、事例からの想定価格で売りに出せば早期に売却できそうだな」
といった相場判断に利用できるというわけです。
公示価格と路線価は参考程度
また、公示価格も事例を基にしてはいますが、役所仕事なので、情報収集から公表までに時間がかかってしまいます。
最新の発表値でも算定に使用した事例は1年以上前のものとなるので、公示価格と路線価は、あくまでも参考価格と認識しておくのがよいでしょう。
最新の発表値でも算定に使用した事例は1年以上前のものとなるので、公示価格と路線価は、あくまでも参考価格と認識しておくのがよいでしょう。
査定書の読み取り方:不動産業者の土地の査定結果の理解
土地の売却想定価格を調べておけば、不動産会社から査定額の提示を受けた際に売却想定価格との差額を比較することによって、不動産会社の営業姿勢を見極めることが可能です。わかりやすい査定シミュレーション
事例からの売却想定価格が1㎡あたり250,000円、土地面積は130㎡で総額3,250万円だったとします。
そして3社に査定してもらい、それぞれの査定額が下記の金額だったとすると、どのように査定額を受け取ればいいのかを順に解説します。
A社の査定額:1㎡あたり300,000円・総額3,900万円
売却想定価格に対して120%の値が付いています。査定地に特別な好条件が無い限り、事例の平均値から大幅な高値で売れるケースはまずありません。
したがってこうした極端な高値を提示する業者には、「高値で売れますよ」とエサをまいて、顧客からの売却依頼を取ろうとする意図がある、とみてよいでしょう。
根拠のない査定額には要注意
査定額が高値となる理由に、根拠のある説明が無い場合は注意してください。
相場からかけ離れた高値で購入する買主はほとんどいないので、高値に釣られて売却を依頼しても成約には結びつきません。
広告の問い合わせが無いなどと当然の難癖をつけてすぐに値下げを求めてきますので、査定額自体が何の意味も持たなくなってしまいます。
相場からかけ離れた高値で購入する買主はほとんどいないので、高値に釣られて売却を依頼しても成約には結びつきません。
広告の問い合わせが無いなどと当然の難癖をつけてすぐに値下げを求めてきますので、査定額自体が何の意味も持たなくなってしまいます。
B社の査定額:1㎡あたり240,000円・総額3,120万円
若干厳しい査定額ですが、売却想定価格に近く、査定地の特徴をよく勘案した査定額であるといえます。事例の平均値より安めの査定額を提示するのは、業者にとっては勇気のいる行動となります。
他社より低い金額となりかねませんので、売却依頼を受ける可能性が低くなってしまうからです。
事情を考慮した値段は「誠実な姿勢」
しかし、そうした事情を踏まえての厳しい値の提示は、その業者が誠実に「売れる値」を提示してくれたことを表しています。
売却を依頼するなら、このように現実をしっかりと認識させてくれる業者を選ぶのがよいでしょう。
売却を依頼するなら、このように現実をしっかりと認識させてくれる業者を選ぶのがよいでしょう。
C社の査定額:1㎡あたり180,000円・総額2,340万円
高値提示より厳しい値の提示の方がよいといっても、安すぎる場合はもちろん論外です。相場が下降傾向にある時期であっても、事例から何割も安い値で成約するのは、特殊な例を除くとありえないからです。
極端な安値を提示してきた業者はその特殊な例、つまり「買取り」を狙っているとみて構いません。
買い取りは売主が損をする仕組み
不動産業者が土地を買い取っても家を建てて住むわけではありませんので、新築分譲の仕入れ用地とするだけなのです。
そのような業者は、顧客の利益よりも自社の利益を優先する、売主にとってはありがたみの薄い業者であると考えたほうがよいでしょう。
そのような業者は、顧客の利益よりも自社の利益を優先する、売主にとってはありがたみの薄い業者であると考えたほうがよいでしょう。
土地の無料査定の流れと注意点
の2種類があります。
この2つの査定方法の違いをよく認識し、売却依頼までの段階に応じて上手に使い分ければ、どちらの査定も売却の依頼先を決める際の有効な判断材料となります。
この章では価格査定の流れを解説し、2つの査定方法の違いを掘り下げたうえで、査定時に準備しておくべき書類等を説明します。
売却の依頼先を誤らないよう、そして「本当に売れる価格」を知るためにも、土地の価格査定について詳しく理解しておきましょう。
土地の無料査定の流れと必要な手順
まずは価格査定の流れを簡単に説明します。一般的に以下の5つのステップにしたがって、最終的に査定額が提示されます。
査定依頼の準備
権利証や購入時の契約書、重要事項説明書を用意し、査定物件の詳細を確認しておきましょう。駅からの距離や日当たり状況なども、業者に聞かれたらすぐに答えられるようにしておくと対応がスムーズとなります。
机上査定の申し込み
一括査定サイトであれば、必要項目を入力して回答を待つだけです。個別に直接業者に依頼する場合は、複数社選んで、それぞれの会社に電話やメール、FAXなどで査定依頼を行いましょう。
机上査定の依頼で強引にアポ取りされることも
直接コンタクトを取ると訪問査定を勧めてくる業者も多くありますが、まずは机上査定だけをお願いするようにしてください。
査定額が出揃ったら、訪問査定に来てもらう業者を絞り込む
机上査定の依頼時にしつこく訪問査定を勧めた業者や、前章で説明した(ページ上部へ)「極端な値」を査定額とした業者はこの時点で排除します。高すぎず、そして安すぎない机上査定額を提示した業者の中から、電話やメールの対応などで営業姿勢を判断し、訪問査定に進む業者を絞り込みましょう。
業者別に日時が重ならないように調整し、現地に査定に来てもらう
査定地が遠い場所でなければ、訪問査定には立ち合うようにしましょう。立ち合いが難しい場所にある場合は、業者に具体的な所在地を伝え、現地を確認してもらってください。
査定書の提示を受ける
業者が現地を確認した後、査定が完了すると査定額の提示となります。土地の査定額提示の際には業者を自宅に招くか、業者を訪問して直接説明を受けるようにしてください。
対面だからわかる担当者の信頼度
距離的に難しければ査定書を送付してもらうだけでも構いませんが、実際に会うことで担当者の人柄の確認ができ、査定額の根拠も具体的に説明してもらえます。
不動産業者の担当者の良し悪しは、最終的に売却を依頼する際の判断材料となります。
不動産業者の担当者の良し悪しは、最終的に売却を依頼する際の判断材料となります。
机上査定だけでは判断できない!建物がなくても訪問査定が必要な理由
土地の査定はマンションや一戸建てのように建物の状況を確認する必要がないので、机上査定であっても大きな査定額の狂いは生じません。査定に用いる事例がどちらの査定も同じであるため、立地の違いをきちんと考慮すれば、極端な価格差は出にくいのです。
訪問して初めてわかる査定ポイント
しかし、土地には高低差があり、また、隣地との地盤の関係性なども地図では確認できません。隣地や道路との高低差は日照や車の出入りなどに影響し、査定額を上下させます。
がけ地である法面(のりめん)が大きい土地は、使用できる地盤の有効面積が減り、査定額も面積減少に応じて減額せざるをえなくなります。
こうした情報は現地を確認しないとわからないので、地図上で判断する机上査定だけでは、実践に即した価格査定とはならないのです。
旗竿地は訪問査定が必須
特に旗竿(はたざお)形状で道路との接地面が少ない土地は、必ず訪問査定を受けるようにしてください。
道路との接地幅が2mを切っていると建物の建築はできません。
再建築不可となると売却自体が難しくなるので、こうした確認のためにも、訪問査定は必須であるといえます。
道路との接地幅が2mを切っていると建物の建築はできません。
再建築不可となると売却自体が難しくなるので、こうした確認のためにも、訪問査定は必須であるといえます。
土地の訪問査定までに準備すべきこと
机上査定で業者を絞り込んだら、次は具体的に売却を検討する材料となる訪問査定です。査定の際には下記の準備をしておくと、業者との打ち合わせや交渉がスムーズになります。
用意できる範囲で構わないので、準備して当日に臨むようにしましょう。
訪問査定までに準備すべきこと
- 第1章の各サイト(ページ上部へ)を利用し、周辺相場と売却想定価格をしっかり把握
- 業者に質問したい事項をまとめ、メモ
- 依頼した業者の基礎知識を調べる
- しつこい営業に備えて、都道府県庁の宅建指導部署を確認
査定当日はバタバタして忘れがち
広告の量や頻度など、不動産会社に聞いてみたいことは数多くあると思います。しかし査定当日となると意外に忘れてしまうものです。
質問したい事項があったらメモにまとめておくようにしましょう。
依頼した業者の情報を集める
依頼した業者がどのような営業をしているのかを知っておくことも重要です。ほとんどの不動産会社がHPを開設しているので、会社概要や広告掲載物件などを確認します。
取扱物件を見れば、どのような営業形態なのかの確認ができます。
賃貸物件の掲載しかないような会社に売却依頼をしても売れる見込みは少ないので、査定を依頼する前にそうした会社は候補から外しておきましょう。
万が一のトラブルに備えておく
また、県庁や都庁には不動産業者を管轄する部署があります。しつこい営業などの苦情対策のほか、不動産取引での業者に関する相談も行っています。
庁舎に出向けば業者の行政指導などの履歴も閲覧できるので、都道府県庁の総合案内に電話して担当部署を調べておくと、いざという際に役立ちます。
土地の無料査定当日に必要なもの・書類
当日必要なもの
- 登記済権利証(登記識別情報)
- 固定資産税の納税通知書
- 土地の測量図・公図
- 購入時の物件パンフレット
- 購入時の売買契約書・重要事項説明書
- 古家が残っていれば建築確認通知書・検査済証
- 土地造成工事の請負契約書・工事記録等
上記の資料は全て、
- 登記面積
- 実測面積
- 法規制の内容
といった、査定する土地の正確な物件情報を知るために必要です。
査定当日は原本ではなくコピーで対応すべき
土地の訪問査定での立ち合いは、基本的に屋外での現地確認です。権利証や実測図は雨に濡れたり紛失してしまっては困るので、現場にはコピーやメモを持って出向くようにしましょう。
無料一括査定サイト「イエイ」
悪徳業者に要注意!プロが教える選ぶべき不動産屋の特徴
また、業者の中には自社の利益しか考えていないような会社もあり、知らずに売却を依頼すると、安値で買い叩かれてしまうケースもあります。
不動産会社にも得意分野とそうでない分野があり、悪徳、とまでは言い過ぎかもしれませんが、注意すべき業者も存在するというわけです。
では、土地売却が得意な業者を選び、注意すべき業者を見極めるにはどうすればよいのか?
この章ではそのための方法について、具体的に解説します。
土地の売却を依頼すべきでない不動産業者の5つの特徴
しかし名の知れた大手であっても、不動産業者の内情は複雑で、業者側の利益がなによりも優先するという会社は少なくありません。
売却を依頼するなら、そうした業者は避けたいものです。
では、どのような業者が「売却を依頼すべきではない、自社利益優先の業者なのか」をお伝えしましょう。
依頼すべきでない業者の5つの特徴
- 売買仲介を専門に行っていない業者
- 極端な査定価格を提示する業者
- 囲い込みなどの手法をとる業者
- インターネット広告に積極的でない業者
- 「高値買取」「買主がいます」といった広告を打っている業者
他にも様々ありますが、上に記した5項目に該当する業者は避けるべきだといえます。
売買仲介を専門に行っていない業者
まず、売買仲介を専門に行っていない業者ですが、不動産業には売買仲介のほか、- 新築建売
- マンションリノベーション
- 開発分譲
- 賃貸管理
など多くの業態があります。
同じ不動産業者であっても、専門外の分野では素人同然です。
売買仲介が業務の中心でない会社、賃貸やリノベーション、開発分譲や建売業者への売却依頼はお勧めできません。
建売業者に査定依頼をしようものなら、買取り値を提示されてそのまま売買契約というような、買い叩きの憂き目にあう可能性すらありえます。
極端な査定価格を提示する業者
極端な査定価格については、第1章の「土地の査定結果の受け取り方(ページ上部へ)」で説明したとおりです。囲い込みなどの手法をとる業者
高値で顧客を釣る会社は、実際に販売に入った後は積極的に販売活動をせず、自社で安値の客付けしてから値下げ交渉をしてくるという、いわゆる「囲い込み」をする可能性があるので注意しましょう。売買仲介は成約した際の報酬として、売主と買主の双方から仲介手数料をいただけることになっています。
そのために自社利益優先の会社は、他社からの問い合わせには断りを入れて、安値であっても自社で客付けをし、売主買主双方からの手数料収入を目論むのです。
そのような営業姿勢は、売主にとっては害でしかありません。
インターネット広告に積極的でない業者
そしてインターネット広告ですが、今や不動産購入者のほとんどが、ポータルサイトなどのネット媒体から情報を得ている時代となっています。そうした時代の変化についていけない業者は、広告に限らず臨機応変な営業ができないケースが多いので、論外であると考えるのが正解でしょう。
「高値買取」「買主がいます」といった広告を打っている業者
また、折込やポスティングチラシを見ていると、- 「あなたの不動産を高値買取します」
- 「この周辺で土地〇〇㎡、〇〇〇〇万円で探しているお客様がいます」
といったキャッチコピーを目にすることがあると思います。
はっきり申し上げますが全部ウソです。
ウソの広告を出す業者は信用できない
相場より高値で買い取ったら事業は赤字になるだけですし、具体的な購入希望者を名指しで問い合わせをしても、もう購入してしまったとか、他の営業員をサクラにして見せかけの案内をするなど、姑息な手段でごまかされてしまいます。
そうまでして売却物件を集めようとする会社を信用できるでしょうか。
売主の立場に立った営業努力など、全く期待できないといえます。
信頼できる不動産業者を見抜く3つのコツ
では、信頼できる業者を選ぶには、どういった点に注意すればいいのでしょうか。その前にどういった不動産業者であれば、売却を任せて安心なのかをお伝えします。
- 事実のみを根拠とし、物件の弱みや強みをはっきりと指摘する業者
- 競合する他社をけなしたり、悪口で貶めるような言動のない業者
- 質問にあやふやな回答をしない業者
基本的に前項の「売却依頼すべきではない不動産業者(ページ上部へ)」を避けて依頼先を選べば問題ありませんが、そのうえで上記の3項目を満たす業者があれば、売却は成功に近づくといえます。
3項目は全てビジネスマンとしては当然のスキル、そしてマナーではあります。
不動産業界は未だに「営業至上主義」が残っている
しかし不動産業界はそうした意識が薄く、営業成績こそが全てだ、といった風潮がまだ色濃く残っているのです。そのために悪口で他社を蹴落とそうとしたり、売れないとわかっている高値で顧客を釣るような営業手法がまかり通っているのです。
とはいえそのような営業姿勢では、業績が上がったとしても長続きはしません。
そのため顧客サイドに立った営業こそが安定した業績に繋がるのだという、意識改革に努めている会社が増えてきているのも事実です。
顧客サイドの業者を選べば成功する
上記した3項目は、顧客サイドに立った業者であるかどうかを見極めるポイントでもあります。- 発言、発信には根拠のしっかりしたものを
- 他社を貶めるのは自信のなさから
- 答えられない質問は持ち帰って回答を探し、改めて顧客に提示する
これらのポイントは、誠実な意識があるかという観点から挙げたものです。
顧客サイドに立った誠実な営業、そして販売活動を行ってくれる業者、担当者であるかどうかの見極めは、
「ビジネスにおける最低限のスキルが備わっているかの見極めと同義である」
と認識しておいて間違いありません。
土地の売買に強い不動産会社を見抜く方法
不動産業の業態が売買仲介や建売、賃貸管理など多岐にわたるように、売買仲介を中心に営業している業者であっても、それぞれ得意としている物件種別があります。土地・一戸建が売買の中心なのか、マンション販売に特化しているのか。
売却の際にはその見極めをしていかないと、賃貸専門の業者に土地売却を依頼するのと同じように、期待外れの結果に終わる可能性が高くなってしまいます。
一見すると土地の売却の得意かどうかは判別不能
しかし業者がどの物件種別を得意としているかの判別は、容易ではありません。「当社は土地の売買専門です」などと広告する業者はまず存在せず、マンションの売買が売上げの大半を占めているからといって、土地や一戸建の売却依頼を断ったりはしないからです。
ではどのようにして、業者が得意とする物件種別を見極めればよいのでしょうか。
それには取扱高をみるのが一番です。
土地の取扱い件数の多さ=業者の経験値
不動産仲介というのは、経験がものをいう業種です。そのため取扱い件数が多いほど、その物件種別に対する販売スキルも向上する、というわけです。
具体的には下記の3点に注目して、業者の得意物件を判断してください。
地域性
営業エリア内にはマンションが多いのか、それとも一戸建中心の住宅街なのかによって業者の売買取扱高は変わります。当然、地域内に多い物件種別の取り扱いが多くなることになります。
広告掲載数
チラシや自社HP、ポータルサイトで掲載物件の比率をみてください。マンションの掲載が多ければマンション中心、土地が多ければ土地の販売が多い業者であると判断できます。
土地の査定時の言動
経験値がないと答えられない質問をしてみてください。具体的には「インターネット広告や新聞折込以外には、どんな販売活動をしてもらえるか」聞いてみることです。
業者(担当者)から「現地看板」や「住宅展示場での営業」といった回答がスラスラ出てこなかったら、その業者は土地販売の実績に欠けると判断して構わないでしょう。
アナログな手法に精通する業者は強い
アナログな宣伝手法ではありますが、現地看板は24時間営業の広告塔です。そして現地看板を見ての問い合わせは、実際に現地を確認したうえでの問い合わせですから、具体的に購入を検討する顧客である可能性が高くなります。
ハウスメーカーとの繋がりは心強い
また、ハウスメーカーの住宅展示場には、土地は持っていないけど注文住宅を建てて住みたい、という顧客がかなり来場します。そうした顧客を「土地なし客」と呼びますが、ハウスメーカーは不動産会社ではないので、土地なし客の土地探しは、付き合いのある不動産会社に紹介するケースも多いのです。
ノウハウを知らない業者は経験が浅い
こうした事情やノウハウを知らない、もしくは質問されてすぐに浮かばないのであれば、その業者は土地売却の経験は豊富ではないと判断して構わないでしょう。地域性や広告掲載比率とあわせて確認し、業者の経験値の判断に活用してください。
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査定で良い不動産業者を見抜くためにも下準備はやはり大事
要注意業者と信頼できる業者の違い、そして業者の得意分野を見極め、土地売却を成功に導く。そのためのコツを詳しく解説してきましたが、不動産業者とのファーストコンタクトとなる価格査定の際に、担当者にいろいろと質問をしてみるのも有効な手段です。
地域に精通し、土地売却の経験を積んだ業者(担当者)かどうかは、質問に対しての回答を聞けばある程度は推測できるからです。
ジャンルの異なる質問に答えられる不動産屋は経験豊富
このような多岐に渡る質問を「意図的に」してみましょう。
経験豊富であれば、どんな質問をしても答えに窮するということはないはずです。
専門用語でごまかしたりせず、素人にもわかりやすい言い回しで、明確に回答してくれる業者がベストでしょう。
口の上手いだけの営業マンに潜むリスク
しかし不動産業界には、海千山千ともいえる営業マンも数多く存在します。達者な営業トークで知識不足を覆い隠し、質問をしてもはぐらかされ、気付いたときには媒介契約の締結を迫られているといったような、自分の成果だけを優先する担当者が少なくありません。
「それでは質問に対して明確な回答があった」とはなりませんね。
当然ですが売主の質問に対してまともな答えができないようでは、購入者からの質問にも同様の対応となってしまうでしょう。
そんな担当者に大事な土地の売却を任せてしまうと、購入者への物件説明もいい加減となってしまうために、いらぬトラブルに巻き込まれてしまうかもしれません。
悪質な担当者を避けるためにも知識は必要
口達者なだけの営業マンに丸め込まれないようにするには、質問する事項の回答もある程度は調べておく必要があります。正しい回答を知っていることだけを質問すれば、適当な回答でごまかされたかどうかをすぐに判断できる、というわけです。
第1章で調べた価格相場(ページ上部へ)とあわせて、価格査定の前にはこうした「下準備」が重要です。
売出し物件情報を調べるために紹介した、不動産ジャパンのサイトを訪れてみてください。
不動産ジャパン
不動産を売る場合だけでなく、購入や賃貸の際の基礎知識をわかりやすく解説したコーナーが用意されています。
査定の際に質問してみようと思った事項は、かならずこうしたサイトで正解をみつけておくようにしましょう。
信頼のおける業者かどうかの見定めには、知識を持つという下準備が、なによりも重要となるのです。
土地の無料査定は一括査定サイトの活用が便利
それは「一括査定サイトを利用しての、複数社の中から訪問査定に来てもらう業者を絞り込む」、という下準備です。
一括査定はほとんどが机上査定ではありますが、不動産業者がどのような姿勢で営業していて、どれだけの顧客対応力を持っているのかを判別するにはとても便利なのです。
この章では、
- 一括査定サイトを利用した業者の見定め
- どのようにして訪問査定に呼ぶ業者を絞り込んでいくか
を中心に解説します。
訪問査定後に売却の依頼先を決定する際にも使える方法となるので、ぜひとも参考にしてください。
机上査定から訪問査定の業者を絞り込む
依頼先の業者が被らないように10社前後から査定額の提示を受けるようにしてください。選択する業者の内訳は、
- 大手5社
- 中小の地元密着型5社
といったように、タイプ別に半数ずつ選択するのがよいでしょう。
一括査定は手軽に、そして迅速に査定額を知らせてもらえるのが売りのサービスですから、必要項目を入力するだけで簡単に査定結果が届きます。
各社からの査定提示が出揃ったら、以下の3点に注意して業者を比較してみてください。
査定依頼のあと、すぐにお礼の連絡が入り、あらためての査定提示だったか
ビジネスマナーとして当然の行為です。いきなりポンと査定書を送りつけてくるような業者では、顧客対応力に疑問を持たざるをえません。
あくまでも机上査定であるとの断りが入り、訪問査定ほどの正確性はないとの説明はあったか
事実をきちんと伝える姿勢があるかどうかの判別材料となります。机上査定では高値提示となったが、実際に訪問査定をすると査定値が下がってしまう可能性があるといった現実を顧客に伝えるのと伝えないのとでは、営業姿勢が大きく違うとみるのが妥当です。
もちろん、事実をきちんと伝える業者を選ぶのが正解なのですが、「机上査定は実際に現地を見ていないから正確性に劣る」といったように、根拠を持たせた説明となっているとより好ましい対応であるといえます。
査定提示に至るまでの対応は手際よく、迅速なものだったか
「顧客の要望にしたがい、きめ細かくサービスを提供できる業者(担当者)であるか」そうした観点から業者の対応をみてください。
売主に対する顧客対応力は、買主に対しても変わりません。
不動産を購入する際は、「この業者なら一生に一度の買い物を任せても安心だ」と思えないと、売買契約にまでは踏み切れません。
自分が任せて安心だと思える業者こそが、購入希望者にとっても「良い業者」なのです。
しかし一括査定での対応は、メールや電話によるものがほとんどです。そのため、直接会って人柄や物腰を確かめる、といった比較まではできません。
机上査定で決定せずに必ず訪問査定を受ける
売却の依頼をする際には、一括査定での机上査定だけではなく、必ず訪問査定も受けるようにしましょう。訪問査定は査定額がより実践的になるだけでなく、
訪問査定には何社呼ぶべきか
訪問査定に呼ぶのは、- 仲介業者を3社から5社
- 建売業者3社
がよいでしょう。
仲介業者は一括査定の10社から、第1章で紹介した査定額の受け取り方(ページ上部へ)を参考に、「高すぎず、安すぎない査定額」を提示してきた業者の中から、営業姿勢や顧客対応力に不安のない業者をピックアップしてください。
訪問査定でも結果は各社異なる
訪問査定にも複数社を呼ぶのは、現地の状況の受けとめ方、事例との比較基準に業者による違いがあるからです。そのため机上査定での査定額が似通っていても、実際に現地を確認する訪問査定では、査定額にまたバラつきが発生します。
「根拠の明確さ」も比較してこそわかる
そうした中から「根拠の明確な査定提示」をしてきた業者を選ぶの正解です。そのための比較として、訪問査定には3社から5社程度の複数社を呼ぶのがよいのです。
また、仲介業者とは別に、可能であれば建売業者も3社ほど呼んでおきましょう。
建売業者は直接の買取を実施
建売業者が提示する査定価格は「買取り値」となりますが、仲介業者を間に入れない直接取引となるので、仲介手数料が必要ありません。そしてその値でいつまでに、どのような条件で購入してもらえるのかが全て確約となります。
買い取りはスムーズに土地を現金化できるメリットあり
マンションへの買換えや子供の進学費用への充当など、土地を現金化するまでの期日が定まっている場合は頼りになります。売却価格は相場より安くなりますが、成約までの期日に制限がある場合は、売れないときの最終手段として準備しておくのがベストです。
下支えの値が売却開始前からわかっていれば、期日に至るまでの間は、より積極的な価格でのチャレンジが可能となる、というわけです。
無料一括査定サイト「イエイ」
まとめ:売主が安心できる業者を選んで土地の売却を成功する
事例を揃えたり複雑な計算をしたり、現地までの交通費など、かかる手間と費用は少なくないのに、どうしてどの不動産会社も無料で査定サービスを提供しているのでしょうか。
それは価格査定が、プレゼンテーションの場であるからです。
「当社はこのようにしてお客様の売却をサポートしますよ」
「弊社に任せてもらえば、より良い条件での売却が可能ですよ」
と査定依頼者にアピールし、売買仲介という、その後のビジネスの場へと繋げようとするからなのです。
各社の提案をよく比較して、任せて安心な業者を選び出しましょう。
売主が「選ぶ立場」でいられるのは、価格査定の時点までです。
売却活動がスタートすれば、不動産会社とともにライバル物件と比較され、購入希望者から選ばれる側に立たされます。
売主が安心だと思える営業姿勢、顧客対応であれば、買主も不安なくその業者から購入を決めることができます。
大事な土地の売却は、不動産会社選び次第だといっても過言ではありません。
そのファーストステップとなるのが価格査定です。
各社のプレゼンテーションの中から選び出した業者と担当者こそが、大事な資産を手放す際の、ビジネスパートナーとなるでしょう。
無料一括査定サイト「イエイ」