転職希望の1年目看護師ですが、どうしたらいいでしょうか

[公開日]2014/12/11[更新日]2018/08/08

<質問>
看護師になってもうすぐ1年ですが、すでに転職を考えています。今の病院は先輩看護師や医師との人間関係がうまくいってません。クリニックで働いてる友人の話を聞いて、とても楽しそうに働いているみたいで私もクリニックで働きたいと思いました。また今の病院だと給料も安いのでできれば給料アップも希望しています。関東(東京・千葉・埼玉・神奈川)あたりの求人を探しているのですがなかなかいいのが見つかりません。まわりの友人も誰も転職経験がないのでよく分からないです。他の看護師の方は転職するときどうしてるんでしょうか?

1年目の看護婦が転職を希望する <回答>
私は看護師経験23年、転職経験3回の元看護師です。相談者さんは1年目にして転職を考えていらっしゃるとのこと。転職の時期としては早いな…と思いましたが、よく考えてみると私も同じような経験をしていたことを思いだしました。大学病院の循環器内科でしたので、救急や急変も多く緊張の連続で眠れなかったり、胃が痛くなったり。思うように動けない自分が悔しくて涙をこらえた時もありました。でもいつのまにか、看護師であることを誇りに思えるようになっていましたよ。相談者さんも、同じような状況なのかもしれませんね。ある程度の経験のがある看護師の転職であれば結婚、出産などのライフイベント、あるいはキャリアアップのためといった具体的な目標があることが多く、その条件に応じた病院を転職サイトなどで探します。相談者さんのように1年未満の経験での転職希望とは少し条件が違うと思います。今回は私も初心に返って、新人が転職希望をする…という条件で考えてみましたので参考にして下さいね。


探すのは求めるもの


まだ1年目ということですから、看護師の仕事について漠然したイメージしか描けていないかもしれません。ですが、今回の相談内容をみる限り、何を求めて転職を考えているのかが伝わってこないのです。友人が楽しそうに働いているからという理由で、クリニックに転職希望ですか?でもクリニックでも条件や環境によってはかなり厳しいところもあるようですよ。

それよりも、相談者者さん自身が希望する条件は何ですか?例えばスタッフの年齢層が若く、チームワークが良いところ。あるいはきっちり定時に終業でき、有給休暇が取れるところ。内科系か外科系かなど相談者さん自身の求める具体的な条件をあげてみてみてはいかがでしょう。そうすれば、かなり希望の病院がしぼりこめると思います。

ネットの転職サイトもたくさんありますし、各病院のホームページなどもあります。そこから必要なキーワードで探してみるのが良い方法だと思います。ただし、スタッフの関係が良く楽しく仕事ができて、しかもお給料が良いなどといった万全な条件を探すのはかなり難しいと思います。しかも仕事が楽しいと感じるかどうかは個人の価値観に左右されますから一概には評価できません。現実と向き合うことも必要な条件と思って下さい。

とにかく情報は自分に必要なものを選別するという作業なしには役に立ちません。まず自分の頭の中の整理から初めてみませんか。

医師と看護師の微妙な関係


医師や先輩看護師との人間関係が良くないとおっしゃっていますね。ある意味でこれは、とても優秀な職場だと思いますよ。なぜなら看護師が医師のイエスマンになっていない可能性があるからです。

医師は自分に都合よく動いてくれる看護師は大好きです。けれどそれが必ずしも患者さんにとって良い事かどうかは別です。患者さんは医師にはなかなか本音は言えませんから、看護師は患者さんの気持ちの代弁者であるべきだと思うのです。ですから医師と考えが対立することもあります。もちろん健康を回復させるという目的は同じですから、私たち看護師もそれなりの知識を持たなければなりません。その上で、患者さんがより満足して医療を受けられるよう支援することが私たちの仕事なのです。

私も何度も担当医と話し合いをしましたし、目の上のたんこぶと思われていたかもしれません。でも、より深く医療に関わる自覚ができ、自分の自信につながると思います。医師と先輩看護師がどのような原因でぎくしゃくしているのか、きちんと見極めておいた方が良いかもしれませんね。先輩看護師とも、いろいろ話をしてみましょう。きっと勉強になりますよ。

卒後教育で自分育て


私の勤めた病棟では、1年目から定期的に知識や技術のチェックがありました。筆記や口頭試問、実技チェックなどいろいろありましたが、まるで学生時代にもどったようでドキドキでした。でもその先の自分のためと思えば努力できましたし、私たちのために企画し、熱心に指導してくれる師長や先輩に感謝もしました。

相談者さんのところは教育プログラムが用意されていますか?どういう病院で、どのレベルの患者さんを看護しているのか分かりませんが、まったく学ぶべきものが見つからないということでしょうか。すでにその病棟で経験できる基本的な技術、知識を身に着けることはクリアしてしまったのでしょうか。そして疑問に感じていることや、チャレンジしてみたいことは見つかりませんでしたか?

もし知的好奇心を動かされるような体験がなかったとしたら、それはとても残念なことですね。でも、それは医師や先輩看護師のせいばかりではないかもしれません。あなた自身にその気持ちがなければ、育てようとしてくれていることが煩わしく感じたり、嫌味な厳しさに感じたりするかもしれません。せっかく学ぶチャンスを逃してはもったいないです。

もし転職するにしても、転職理由を尋ねられた時、今回のような理由では採用になることも難しいと思います。まず、しっかりと自分を育て、力をためることが必要です。次のステップに向かうための教育プログラムや研修制度の整った病院を選びましょう。この時期は確実にスキルを身に着けることが重要ですよ。

就職担当の責任者は誰だ!


実は最新かつ活きた求人情報を握っている隠れた存在があります。それは相談者さんの通っていた学校です。私も教員の経験がありますが、各病院から直接求人目的で訪問がありますし、卒業生や関連施設からの情報も入ってきます。「蛇の道は蛇」と言いますが、案外、その世界の事情には精通しているものです。

相談者さんは就職の時、どのような基準でいまの病院を選んだのでしょう。あえてブラック病院への就職を勧めたとは思えませんが、担当教員とはどのような話をしましたか?きっと相談者さんの適性を良く考えたうえで、助言してくれていたはずです。かわいい教え子ですもの、看護師として成長することを見越して、少しでも良い条件を考えてくれていたのではありませんか?もしその結果、1年足らずで転職を考える状況に追い込まれているとしたら、先生の判断にも問題があったということになるのかもしれません。

できることなら母校を訪れ状況を相談できるといいですね。場合によっては、先生が新しい職場を紹介してくれるかもしれません。何しろ卒後1年での転職というのはかなり異例なことですし、このままジプシーナースになってしまっては困ります。あなたを良く知るプロの力を借りて慎重に対策を考えてみるという手はいかがでしょうか。

看護師の需給状況は?


相談者さんの勤務希望地は、東京・千葉・埼玉・神奈川といった首都圏ですね。病院、クリニックの数だけで考えれば、他の地方都市に比べれば、かなり多いということになるでしょう。転職サイトによっては、地域別に絞り込んで検索できるところがありますが、ご覧になりましたでしょうか。

診療科も勤務体系も様々ですね。それにも拘わらず、希望の病院がないとすると、相談者さんにとって「いいところ」とはどのような病院なのでしょうか。まず、そこをはっきりさせることが先決かもしれません。

慢性的な看護師不足と言われ、売り手市場と言われてはいますが、実際はどうなのでしょう。厚生労働省が行った第七次看護職員需給見通しに関する検討会報告書によると、年々看護師の離職率が下がっていることもあり、平成27年には東京都の看護師受給率は100%になると予測されています。驚いたことに大阪では110%超え、つまり看護師が飽和状態になりつつあるということなのです。今のうちにしっかりと足元を固めないと、選ぶ側から選ばれる側になってしまう可能性があるわけですね。

客観的に自己評価するのは難しいかもしれませんが、相談者さんはどうですか?そして、よく見て下さい、青い鳥は案外身近にいるものなのです。

やっぱり気になるのは収入


相談者さんは総合病院にお勤めでしょうか。クリニックにお勤めの友だちが、楽しそうで気持ちが揺れてしまったんですね。確かに、クリニックの場合、患者さんの緊急度や重症度はゆるいはずですから、楽と言えば楽なのかもしれません。

けれど、収入の面ではどうなのでしょう。クリニックの場合、外来のみが多く、夜勤があったとしても回数は少ないはずです。ということは、夜勤手当、残業手当などから考えても、一般の病院より上とは考えにくいと思います。もし、表面上金額が多く見えても、ボーナスや福利厚生など、その内容を注意して確認する必要はありますよ。

ちなみに、今の病院はお給料が少ないとのことですね。日本看護協会で行った調査によると、来年度採用予定の新卒看護師の予定初任給は、高卒+3年課程卒が平均基本給与額19万7,689円、平均税込給与総額26万2,074円。大卒が平均基本給与額20万4,683円、平均税込給与総額27万200円とされていますが、相談者さんと比べるとどうですか。

もちろん、収入は多い方が良いに決まっています。けれど、あまりにも高く設定されている場合は、裏があることを覚悟しなければならないかもしれません。一方でお給料が少なくても、やりがいを感じて生き生きと働いている人もたくさんいますから、それぞれの感じ方の問題ということもあります。仕事量と収入のバランスが適正かどうか判断するためには、もう少し経験が必要かもしれませね。


おそらく、新人看護師なら誰でも、相談者さんと同じような迷いや悩みを経験していると思います。広い視野で考えると看護師に限らず、社会人1年目では多かれ少なかれぶつかる現実の壁でもあると思います。私は5月の連休で初めて実家に帰省しましたが、帰り道の車中で涙が止まらなくなってしまったという経験があります。お恥ずかしい話ですが今では懐かしい思い出です。でもその職場で12年継続して働き、看護教員への転職のきっかけを頂くことができました。相談者さんも、きっと何かしら魅力を感じたからこそ就職した病院なのでしょうから、焦らずにじっくり考えて下さいね。

給料を上げたい、人間関係が嫌だ!そんな看護師の方は転職サイトの無料登録は必須


さて、ここからは転職を考えている看護師が登録しておきたい転職サイトを紹介します。

転職先を探す時には転職サイトに登録し、たくさんの情報の中から自分に合った求人を見つけることが得策です。

看護師の転職サイトを選ぶポイントは以下の3点です。

手厚い転職サポート体制があるか・・・看護師の転職では専属のキャリアアドバイザーを活用できるかが重要
公開求人件数が多いか・・・非公開求人もあるので完全にはわからないが取扱求人件数の目安になる
信頼できる会社が運営しているか・・・求人、キャリアアドバイザーの質に影響する可能性がある

これらの点を踏まえ、看護師が登録しておきたい転職サイトを選びましたので紹介します。どのサイトも登録は無料です。


なるべく多くの求人情報と触れたり、より自分に合ったキャリアアドバイザーを見つけるためにも、必ず2社以上の転職サイトに登録するようにしましょう。

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