看護師が転職してはいけない病院の見分け方10選
[公開日]2014/11/12[更新日]2018/08/08
「看護」という仕事を経験したことのある人なら誰でも一度は、離職・転職を考えたことがあるのではないでしょうか。実際、日本看護協会の調査でも常勤職員の離職率は10%を超え厳しい現実がみえてきます。社会からの要請とは裏腹に、依然として看護師不足は続いている現状です。かつて「危険」「汚い」「きつい」の3Kと言われていた看護師ですが、いまや「休暇が取れない」「規則が厳しい」「給料が安い」「婚期を逃す」「化粧ののりが悪い」「薬に頼って生きる」が加わり9Kとも言われていて、この離職率にはうなずけるものがありますね。
ですが、それでも不思議なことに離職後も看護師としてとして働きたいという希望が多いのだそうです。それだけ看護師という仕事が魅力的ということですね。とはいうものの、ジプシーナースになってしまうのは考えものです。そこで、離職・転職のこの機会をチャンスとして、じっくりと自分にあった病院について考えてみましょう。看護が好きなあなたなら、きっと素敵な出会いがあるはずです。
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目次
たのもしいボスがいれば安心
その病院が看護師の力にどれくらい期待しているかを知るには、看護部が設置され、看護職員を統括する部長が経営ブレインに加えられていることが重要なポイントです。
未だ看護師を医師の助手としか考えていない病院に発展は望めません。まず、看護職員募集の窓口が単に人事の事務職員であるとすれば、実態を踏まえず人員確保にのみ処理されかねないので注意が必要です。また、施設見学や面接の際、担当のメインが看護部長などの看護職員でない、あるいは看護部長であっても院長、事務長に追従するような様子がみえたら要注意。自分たちのボスはやはり堂々としていて欲しいですね。
私たちは人を観るプロですから、その人が信頼に値するべき人物か、その力量を見極められるはずですよ。
ブレない看護理念は使命感とやる気のもと
HPなどの病院紹介で、看護理念が具体的なことばで示され、看護方針が明らかになっている施設は看護への意識の高さが感じられます。特に看護方針は、その病院の特徴を反映しているものですから、「先進医療に携わりたい」「地域医療に貢献したい」などの自分の目標に照らしてみることができます。
そして、看護スタッフ全体の方向性もはっきりするはずです。そこからはきっと、良いリーダーシップ、メンバーシップが生まれ、人間関係も円滑になると期待できます。もし求人や、施設紹介のとき、待遇や勤務体制といった実務の説明を優先させ、看護理念をおざなりにするようなら、単なる作業員募集としかとらえられないかもしれません。
自分のモチベーションを健康に保つために看護理念、看護方針をチェックしましょう。
看護師を大切にする病院は看護師のキャリア形成も大切にする
看護師のキャリア形成については、平成21年の保健師助産師看護師法及び看護師等の人材確保に関する法律の一部改正で、看護師は、免許を受けた後も、臨床研修その他の研修を受け、その資質の向上を図るよう努めなければならないと示されています。ですから、私たちは自ら学び続ける意欲を持ち続け施設側はそれをサポートする体制の整備をしていかなければなりません。
どちらかというとこれまでは新人教育に重きを置かれがちになる傾向がありましたが、病院によっては中途採用者を対象とした教育プログラムが用意されている施設もあります。さらに専門看護師、認定看護師資格取得の援助が受けられる施設もあります。
臨床指導者講習会や、看護教員養成講習の受講を受けられる場合もあります。そこから、また新しいステップアップの道が開かれる可能性もありますよ。
院内、院外での研修体制、看護学会への参加など、教育支援体制のレベルを確認しておきましょう。力のある病院は看護を育てる努力を惜しみません。
看護の質は看護研究でわかる
その施設で行われている看護の質を評価する方法は、看護研究をみることです。もし気になる病院があれば、その病院名、看護研究で検索してみてください。会員であれば、日本看護協会の文献検索も利用できます。看護系の雑誌に投稿されている場合もあります。そこに看護研究があれば、看護の質の向上に取り組んでいる証拠になりますし、実際に、どのような看護観で日常業務が実践されているのか知ることができます。
しかし実際を言えば、多忙な日常業務の中で、研究に取り組むのは容易なことではありません。それでも、研究に取り組み、より良い仕事をしたいと思う職場は、プロ意識の高い職場ということになります。そんな仲間と一緒なら、目的を見失い業務に流されるだけの無力感を味わうことはないはずです。看護師としての資質を磨きたいと思うなら、看護研究を積極的に取り入れている病院を選びましょう。
看護記録はサックリとこなしたい
一般には意外と知られていないことですが、ケアプランやサマリーといった看護記録にかかる時間って結構多いですね。時間に追われる日勤業務中に、これを並行して行うのはかなり厳しいのではないでしょうか。受け持ち患者のプラン変更や、カンファレンスの準備はどうしても時間外になってしまうことも珍しくないはずです。まして慣れない看護理論で、その施設に固有の様式があると、かなりハードルが高く感じられると思います。
現在は、准看護師からの進学コース、専門学校、大学と教育課程にばらつきがあり、看護過程についても習得レベルの違いがあることも否めません。けれど看護記録は看護独自の機能を発揮する、腕の見せ所でもありますから、適当に扱われるようであれば、その病院の看護の質が疑われます。
できれば看護記録の様式を見せてもらい、自分のレベルで対応可能か確かめてみることをお勧めします。せめてどの看護理論を使っているのか、看護記録に関してのトレーニングプログラムはあるのか確認してみると良いでしょう。
好みの夜勤パターンを選ぶ
正職員として働き続けるために、避けて通れないのが夜勤ですね。夜勤負担が多いほど離職者が多くなっているという統計もあり、夜勤体制を中心とした勤務体制は注目すべき点です。
まず、平成25年に新しく「看護職の夜勤・交代制勤務に関するガイドライン」が発表されていますので、検索、閲覧し基本線を頭においておくことをお勧めします。簡単に言えば、このラインから良くも、悪くも大きく外れている病院は、要注意ということになるわけです。
従来の3交代制から、平成4年の基準改正以降、2交代制を導入する施設も増えてきました。2交代制の場合、夜勤が16時間以上に及び体力的には負担増とも思えますが、それを補うため業務内容の合理化が進められているとも考えられます。
それぞれ一長一短はありますが、自分の体力、ライフプランを想定しながら、考えてみると良いでしょう。ただし、同じ病院内でも急性期病棟と回復期病棟で勤務体制が違う場合もあるので確認が必要です。
高収入と休日取得の落とし穴に注意
いくら看護を天職だと思っている人でも、報酬に期待しない人はいませんよね。給与は多いほどうれしいものですが、あまりにも高額な給与設定の場合、業務内容も比例して濃いものと考えた方が良いかもしれません。その場合、入退院の割合、手術件数、超過勤務手当などさらに細かな内容のチェックをしておくべきでしょう。そのうえで、収入優先と考えるのか、長い目で安定性を重視するのかは自分の選択です。
休日についてみると更に厳しい現実があります。公休以外のリフレッシュ休暇が保証されている病院もある一方で、急性期病院等では、公休日すら満足に取れない施設があったと報告されています。また、休日の日数は確保されていてもオンコールで呼び出されるといったケースもあります。これらの施設を単にブラック病院と決めつけるべきかどうかは別として、現実の厳しさが伺われますね。
年休取得については、平成21年の「看護職員実態調査」によると平均日数で18.8日、取得率46.0% との報告がありますので、念のため一般的な年休の消化状況についても確認してみると良いかもしれません。
中堅看護師のいる病院は強い
どこの病院でも、働き手の中核をなすのは卒後5〜10年目の中堅看護師です。責任ある仕事を任される一方で、後輩の指導、実習生の指導とますます仕事量が増え、バーンアウトしやすくなる年代に入っていきます。さらに、20代後半にかけては結婚、妊娠といった女性としてのライフイベントもあるため離職率がさらにアップする傾向があります。
ですから、その病院に中堅看護師が多く働いていたとすれば、まさしく、働きやすい環境にある病院と言えます。給料を支払う側で考えれば、新卒や若い看護師を多く採用した方が負担が少ないこと。経験が多い看護師は、労働条件にもこだわる傾向があることで敬遠する病院もあるようです。
一見、スタッフが若々しく元気いっぱいな職場に見えても、それは離職率の多い証明かもしれません。さらに、そこであなたが中堅看護師であれば、即戦力としての期待が大きいはず。やりがいを求めるには、実力発揮のチャンスですが、それなりのプレッシャーがかかることは間違いありません。看護職員、看護師長の平均年齢はチェックした方が良さそうです。
レベルの高い病院は医療安全管理に厳しい
平成25年10月、日本看護協会から「医療安全推進のための標準テキスト」が公表されました。看護の世界にも医療事故発生防止、リスクマネジメントといった安全管理への意識の広がりがみられています。日常看護の中で、ちょっとしたことでヒヤリハット報告を要求されたり、細かな指導、注意を受けることに抵抗を感じている看護師も少なくないようです。
でも、医療安全管理室を設置し事故防止に力を入れている病院は、超過労働や配置人員不足による事故を防ぐために、看護師の労働条件等にも注意が向けられているはずです。
さらに、患者からの暴力、セクハラなどのトラブルも含めて医療安全管理室が解決にあたるケースもありますので、自分たちの安全と権利を守るためにも、医療安全管理室のある病院は安心して働ける病院といえるでしょう。
病院探しの隠し技を使おう
転職先の病院を選ぶとき、ハローワーク、ナースセンター、ネットの転職サイトなど様々な媒体があります。平成21年からは主要なハローワークに「福祉人材コーナー」が設置されていたり、転職サイトではプロのアドバイスが受けられるなど、スムーズに再就職ができるようなサポート体制もあり活用しやすくなりました。
ですが、私がお勧めしたいのは卒業した学校や先生に相談することです。学校にはそれぞれの病院から担当の看護師が直接、求人に出向いていたり、求人案内もたくさん郵送されています。護系の雑誌もたくさんありますから、求人広告も豊富です。しかも、先生方の中にはそれぞれの病院の事情通もいるはずですし、意外なコネクションを持っていることも多いんですよ。場合にとっては、先輩や後輩から生の声をきくことも可能でしょう。
卒業年数がたっていても卒業生は大切な存在です。それに何と言っても、可愛い教え子にブラック病院を勧める先生はいませんからね。
以上が転職を成功させるための病院選びのポイントです。転職の目的は違っても、働きやすい環境でよい看護をしたいという気持ちは同じですよね。そして、皆さんを待っている職場の仲間たちも同じ思いでいるはずです。転職という体験がそれぞれのキャリアアップになりますように心から応援しています。
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さて、ここからは転職を考えている看護師が登録しておきたい転職サイトを紹介します。
転職先を探す時には転職サイトに登録し、たくさんの情報の中から自分に合った求人を見つけることが得策です。
看護師の転職サイトを選ぶポイントは以下の3点です。
手厚い転職サポート体制があるか・・・看護師の転職では専属のキャリアアドバイザーを活用できるかが重要
公開求人件数が多いか・・・非公開求人もあるので完全にはわからないが取扱求人件数の目安になる
信頼できる会社が運営しているか・・・求人、キャリアアドバイザーの質に影響する可能性がある
これらの点を踏まえ、看護師が登録しておきたい転職サイトを選びましたので紹介します。どのサイトも登録は無料です。
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