整形外科の看護師になりたいなら、心身ともにパワフルに!

[公開日]2015/12/14[更新日]2018/08/08

整形外科の看護師は、なぜ心身ともにパワフルな人が求められるのでしょう。
それは、日常生活の動作に制限がある人が患者さんだからですね。大人一人を支えるのは、とても力のいる仕事です。
整形外科で働く看護師について
でも、それだけではありません。整形外科で働く看護師がどのような仕事をしているか、先輩看護師が教えます。


パワーが必要!?病棟勤務とは


総合病院の整形外科病棟の勤務は、体力勝負です!ほとんどの患者が手術目的で入院しており、日常生活動作に制限があります。ナースコールが多く、手術件数・予約入院・緊急入院も多いので、非常にバタバタと忙しいです。患者は若い方からご老人までいて、動かせない体の部分があるだけで死には直結しない事がほとんどでなので、病棟の雰囲気は他の科に比べると元気で明るいです。総合病院は内科や外科の医師もいるので、急変時も素早い対応ができます。
ナースコールが多いのは・・・・
日常生活動作に制限があるという事は、自分がいつでも思うようには動けないと言う事です。物が落ちたから拾おうとしても自由に拾えないなど、日常の中で当たり前にできていた事をいちいち人に頼まないといけません。患者さんにとっても、そのストレスは計り知れないものです。

個人病院の病棟は、内科医が非常勤であることが多く、医師が手術に入って対応ができないこともあります。既往のある患者さんのこと、急変時の指示等、早め早めに聞いておかないといけません。インスリンスケールなどについて、逆にこちらに聞かれることもありました。
整形外科医は、内科的な事は専門外だからでしょうか、あまり詳しくないような感じです。既往がある患者さんの事について看護師に聞いてくる事は多いです。医師からの指示がおかしくないか、注意しておきましょう。
個人病院は、当直が看護師2人、非常勤の当直医の体制をとっているところが多いので、判断力が重要になります。そのせいか個人病院はベテラン看護師が多いです。頼りになりますし、アットホームな雰囲気です。
病棟で働くなら、自身の筋力UPにつとめ、介助時の姿勢には注意しましょう!患者さんの移動介助で腰を痛める事もあります。腰痛持ちなど腰にトラブルのある方は、病棟勤務は難しいかもしれません。


患者数が多くて慌ただしい外来勤務


総合病院の外来は、何診も診察室があり、基本は予約診察ですが、予約外や初診患者や緊急搬送されてくる患者も多いので、病棟と同じく非常にバタバタしています。患者数が多いので、診療までの待ち時間は長いです。
仕事の合間をぬって来院している患者さんも多いせいか、イライラした患者さんによる苦情が他科よりも多いのが特徴です。外待合室に出れば一斉に声を掛けられるので、的確な判断や回答をしなければなりません。
担当医は日替わりです。それぞれの医師に、使用する器具や注射針等こだわりがあります。同じ処置でも医師によって縫合糸や針などが違ったりするので、まずはどの医師が何を使うか覚えましょう。覚えておかなければ、診察の流れについていく事ができません。
整形外科医は短気な人が多い!?
大勢の患者さんを早く診察しなければいけないせいでしょうか、整形外科医は基本的に短気で、スムーズにいかないと急かしてきます。患者さんは診察のために着替えたり、移動に介助が必要な方もいますが、それが待てない医師もいます。時間のかかりそうな患者さんはあらかじめ別室で待機など、臨機応変に予測対応が必要です。

個人病院やクリニックの医師は、一人〜数人です。緊急搬送は総合病院に比べて少ないものの、医師が少ない分待ち時間も長いです。クリニックは、外来手術もほとんど無く、内容自体は楽かもしれません。リハビリ器具を看護師が装着したりする所もあります。患者さんはリハビリで頻繁に通院されるし、スタッフは少人数なので、患者さんに名前や顔を覚えられやすいです。

総合病院は、午後になると診察も落ち着き、残業はほぼありません。パート勤務はありますが、土日の救急外来に入れないか、正社員じゃだめか、研修や委員に参加して等、色々言われます。
個人病院やクリニックは、午前診と午後診で、予約なしがほとんどのため、診察が終わるまでが勤務になります。シフト制で、ベテラン看護師が多く、アットホームな雰囲気です。
整形外科の個人病院・クリニックの外来は、子育て中のパート勤務にうってつけです。シフト制で融通がききやすく、ベテラン看護師が多いので、子育て中の勤務に理解を得やすいですよ。

整形外科で働くためのポイント


基本的な清潔操作をできる
整形外科では清潔操作の習得が必須です。職場により、全て麦粒鉗子の両手使いでの操作だったり、裁きガーゼのつくり方が違ったりします。入社したら、不潔カストや鉗子でしっかり練習させてもらいましょう。患部の状態悪化防止だけでなく、感染防止も非常に重要です。
基本的な清潔操作ができれば大丈夫ですが、操作が危うい感じだったり、一度でもカストを不潔にしてしまうと、次から医師から敬遠されて処置の時につかせてもらえなかったり、わざと急かしてきたりする事もあります。最終的には、患者さんに迷惑をかける事になりますので、スムーズに処置につけるように何度もイメージトレーニングをして自信を持ってつくようにしましょう。

ひどい怪我でも冷静に対応出来る精神力がある
整形外科の手術での看護師 整形外科では、事故や怪我で出血や外傷のひどい患者が来院することもあります。壊疽や壊死した四肢等は悪臭があり、重度の褥瘡では筋層や骨まで剥き出しの状態です。患者は、痛みに悶えていたり、痛みに耐えかねて失神してしまっている方もいます。そんな状況でも冷静でスピーディーに対応しなければなりません。血を見るのが苦手な方は整形外科への転職は避けた方がよいでしょう。

幅広い年齢層の対応力・ケア


整形外科の患者は、赤ちゃんからお年寄りまで年齢層が幅広く、年齢に応じた対応力が必要です。例えば、術前のルートキープやケアの方法は、年齢に合わせて対応が異なります。痛みやしびれで眠れない方には、鎮痛剤の使用や、温罨法、体交や良肢位の確認・調整で痛みの緩和をしますが、この痛みのコントロールも個々によって異なります。中には鎮痛剤の依存があったり、ご老人で認知症の方等もプラセボを使用する事もあります。痛みのコントロールには見極めと経験が必要です。
患者がご老人の場合
大きな骨折や術後で、ベッドで過ごす時間が長くなればなる程、認知力が低下します。自分で歩こうとして転倒する恐れがあるので、頻回に巡視したり、危険防止の対策を早めに立てる為に家族の協力も必要になります。
移動の介助が非常に多いので、看護師は体力が必要です。
小児の場合
安静が守れなかったり、廊下を走り回ったり、泣き叫んだりもしますが、一番大変なのは患部の安静が守れない事です。総合病院では小児整形へ入院する事があります。個人病院では、個室で保護者の方の付き添い入院か、ある程度理解できる子ならば大部屋での入院となります。保護者の付き添いがなく、ふざけたり指示を聞かなかったりする子もいます。子育て経験や小児科経験のある看護師は関わりやすいかもしれませんが、経験がない方には少し難しいかもしれません。
成人男性の場合
元気で明るい方が多いです。中には仕事をしている方やスポーツ選手で事故や怪我で復帰出来ない方々もいて、その方の心のケアが難しいです。なかなか進まないリハビリに苛立ち、当たられたり、何も受け入れてくれない事もあります。看護師だけでなく、PTやOT、ケースワーカーとの連携も重要です。目標に向けてどう支援していくか、難しいかもしれませんが、回復していく患者さんを見ていくととてもやりがいを感じる所でもあります。

スポーツ整形外科


一般的に、整形外科は老人の患者さんが多いのですが、スポーツ整形をメインにしている病院もあります。若い成人男性や学生が多く、労災や事故が原因の方がほとんどです。患部以外は命に関わる事もないので元気で明るい雰囲気で、ケアも比較的楽な方だと思います。ただ、リハビリがうまく進まないと、ストレスが溜まりこちらにぶつけてきたりもしますので、心のケアが非常に重要になってきます。見た目は明るく元気に振舞っても、不安や焦燥感・孤独感でいっぱいなので、気をくばりたいですね。
スポーツ整形外科でのちょっと困ったこと・・・
若い男性が集団で集まるといつの間にか合宿所化してしまいます。入院したての頃は謙虚だった患者さんが、入院生活に慣れてくると注意をしても言うことを聞かなくなったり、看護師をからかったりして、態度が悪くなる事もあります。

精神的なサポートやスポーツやリハビリに興味があり得意な方は、スポーツ整形もいいですね。

さいごに


患部以外は命に直結する事はほぼないので、そういう意味では「楽」です。
ですが、介助のための体力、幅広い年齢層に対応できる知識や経験が必要で、リハビリの進め方や目標等、心のケアも重要です。自身の清潔操作の概念・技術も再確認しておかないと、即戦力にはならないかもしれません。じっくり自身の経験を考慮し、決して安易に整形外科を選ばない方がいいでしょう。

とてもやりがいのある科です。短気な医師に負けない強さを持って、頑張ってください。

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信頼できる会社が運営しているか・・・求人、キャリアアドバイザーの質に影響する可能性がある

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