《国際結婚カップルのリアルな子育てあるある》日本人ママが英語で子育てする理由
[公開日]2016/10/19
アメリカ人と国際結婚をした筆者は、子供たち二人(3歳の男の子と1歳の女の子)を連れて過ごせる近所の支援センターの類はほとんど制覇しました。上の子が幼稚園の年少クラスに入る前は、それこそ毎日せっせとお弁当を持って、三人でそんな場所で一日中遊ばせてもらっていました。今振り返れば一番大変な時期でした。
あの時期、子育て支援の場所に行くと、私たち親子はほとんど英語で喋っていました。
“Let’s clean this up before you get the blocks!”
(ブロック取ってくる前に、これをお片付けしよう!)
“Did you say “Sorry” to Hiroshi -kun?”
(ひろしくんに、「ごめんね」言った?)
(ブロック取ってくる前に、これをお片付けしよう!)
“Did you say “Sorry” to Hiroshi -kun?”
(ひろしくんに、「ごめんね」言った?)
こういう風にやりとりをしていると、そこで遊ぶ親子にじっと見つめられ、時に敬遠されることもありました。初めて出会う子供連れのママには、英語で話す私たちは外国人家族なのだと思われ、筆者は日本語が通じないのだと誤解されることもあったのです。
普通の日本に住む日本人の家族からすると、英語でやりとりする私たち親子は「非日常」に映るようですが、毎日のように支援センターで顔を合わすようになると、英語に関することやアメリカ人のパパに関する質問を投げかけられるようになりました。
英会話を重視しており、英会話のレッスンをしている親子はとても多いです。どうやったら子供たちが英語に興味を持ってくれるか、英語が将来話せるようになるか、ということはよく聞かれることですが、これについて筆者の思うことを今日はお話したいと思います。
ママ友との会話を楽しむための英会話集はこちらの記事へ
目次
子どもの母語、英語と日本語どちらにするか?
英語が共通語の我が家
実は、私たち親子が外でも英語で話すのには理由がありました。長男は幼稚園に入園するまでは日本語が苦手だったのです。筆者が日本語で話しかけると、それなりに大まかな意味は分かっていましたが、彼から返ってくる返事はいつも英語でした。ですので特に、大切なことを話すときは、英語でなければ意味が分かっていない場合もあるので、英語になってしまっていました。
“You can’t touch this! It’s really really hot!”
(これを触ったらダメなの!とってもとっても熱いんだから!)
“You have to wait for your turn!”
(順番待ってね!)
(これを触ったらダメなの!とってもとっても熱いんだから!)
“You have to wait for your turn!”
(順番待ってね!)
生まれてからずっと家の中では英語でしたので、彼の母語は完全に英語と言って良いでしょう。国際結婚をしていて子育てしている家庭はたくさんあります。その夫婦がどちらの言語で話をするのか、またどこで子育てをしているのか、によって子供の母語が変わってきます。
我が家の場合はパパが日本語が片言ですので、夫婦の会話は英語です。子供たちが将来英語をしゃべることができなければ、パパとお話ができませんので、それは避けたいところ。
そして、日本で住んでいますので、子供ができた時、私たち夫婦はまず英語を中心に赤ちゃんに語り掛けることに決めました。日本で子供を育てるということは、日本人の友達と遊んで、日本の学校で日本人の先生に教わることを意味します。日本語はきっと嫌でも身につくと思ったのです。
これが、住んでいる場所がアメリカであったなら、逆に日本語を強化しようと思ったでしょう。筆者はきっと子供たちには日本語しか話さないくらいの覚悟で貫かなければ日本語を見につけるのは難しいでしょうから。
在米歴10年の筆者が身につけた英語脳と日本語脳の切り替え方法
夫婦の共通語と住む場所が大きく影響する
この他にも筆者の知り合いには、アメリカ人同士で結婚していて英語で子育てしながら日本に暮らしている家族や、日本人と韓国人で結婚して夫婦の会話は日本語ですが、韓国語と日本語両方でで子育てしている家族もいます。また、父親が日本人で母親がベトナム人、二人の共通語は英語なので、その子供は三カ国操るという家族もいます。国際結婚と一口にいってもみなさん十人十色で、子供の母語が何になるかは、夫婦の共通語と住む場所の要因が一番大きくなってくるのではないでしょうか。
「英語で話すなんてかっこいい!バイリンガルの子供ってすごい!」と言ってくださるのはありがたいですが、どこの家庭も子供たちを何とか両方の国の言葉が話せるように必死になっているだけなのです。こういった意味では、英語をそこまで強化しなくても、日本で暮らす日本人家族なら、堂々と日本語を母語として通せば一番良いと思います。
バイリンガルに育てる方法は我流スピードラーニング
幼少期からバイリンガルに育てるのは難しい
ある児童館の先生に言われたことがあります。「あら。P君(うちの三歳児)はちゃんと英語の言葉と日本語の言葉が繋がっているようね。大体二か国語以上で育った子供たちは、ひとつの言葉をひとつの言語では分かっているけど、それが必ずしもイコールで日本語と結びつかなかったりして、どちらの言語も完全ではなくなるのに。一体どうやって育てたの?」
そんなことを言われたのは初めてでしたので、筆者もちょっと驚いてしまいましたが、日々手探り状態でバイリンガル子育てをしている身として、大きな褒め言葉だなと受け取りました。
この先生はこの児童館の場所柄もあって、国際家族の子供たちをいろいろとみてきたらしいのです。すると、そういう子供たちは大体どちらかの言語に偏っていることが多く、例えば「りんご」の絵を見せて、”Apple”とは言えても、それが同じく「りんご」であることを知らない。
つまり、”Apple”=「りんご」とは理解していない、というのです。ですから、色んな概念や単語を脳で理解していても、どちらかの言語のみで理解しているというのです。これは後々、単語を覚えなおさなければいけないので子供たちにしてみれば後々、少し大変かもしれません。
我が子に通訳しながら会話するとバイリンガル脳に
うちの子が、これをどうやって回避したのかなと自分でも考えてみると、なるほど筆者はこういうところに力を入れた時期がありました。“This tastes so good, おいしいね!“
“You can pet the doggy, わんわん、よしよししようね“
“You can pet the doggy, わんわん、よしよししようね“
こんな具合で、まるでスピードラーニングのCDのように、英語日本語両方の言語で1つの事柄を口にしていました。長男が英語を理解して、次々と英単語が口から出てくるようになると、日本語が全く分からないというのも困るなあと思った筆者の独断での教育法でした。
これが、結果として良かったのかなと思うようになりました。冒頭にも書きましたが、入園前は日本語で喋りかけても英語で返事をしていましたが、少なくとも日本語の質問の意味は理解していたのです。二か国での語り掛けがないと、この意味も分からなかったのかもしれませんね。
ママやパパの片言英語でも子どもは英語を理解する
そういう意味では、日本人の親子であっても、この語り掛けは有効なのではないかなと思っているところです。自分の子供に話しかける時に、英語でも同じ意味のことを言ってあげてください。すると、自然と理解し始めるかもしれません。とはいっても「私は英語苦手だし」というママもきっと多いでしょう。
「楽しいね~It’s fun!」
「にゃんにゃんかわいいね~Oh so cute」
「にゃんにゃんかわいいね~Oh so cute」
こんな感じで単純な形容詞でも良いのです。親子の間だけですから、気恥ずかしさはありません。
《国際結婚カップルの子育てあるある》英語嫌いの時期が必ずやってくる
思春期になると英語をしゃべりたがらなくなる理由
うちのような国際家族でやはり共感できるところが多いのが、パパが英語圏の外国人でママが日本人という同じような国際家族タイプ。何人か知り合いにもいますが、うちの子よりも大きなお子さんがいらっしゃると、みなさんこんなことを仰います。「今英語が嫌いで、困ってる。日本語しかしゃべらなくなっちゃった」
子供というのは、友達に左右されるところがありますよね。これは日本人の家族でも同じではないでしょうか。「友達がこんなゲームを持っているから、僕も欲しい。」「あんなところに行ってるから私も行きたい。」そんなことに頭を悩ませる時期がきっと、どの親にもあるでしょう。
日本で育つバイリンガルの子供たちは、英語が嫌になる時期があるそうです。周りの友達は、誰も英語をしゃべっていないから、日本語でないと格好悪いと思うのですね。
今はまだうちの子は三歳なので、幼稚園で筆者と英語でしゃべるのも嫌ではないようですし、お友達から「英語しゃべっているの!?」と言われるのも特に嫌ってはいないです。しかし小学校に上がって人目が気になるようになると、きっと筆者にも日本語でしか喋ってくれないということがあるかもしれないと今から覚悟しています。
英語しかしゃべれないパパにとっては痛いことですが、バイリンガルとして育つと、これは避けて通れないようです。バイリンガルにさせたい親としては思ってもみない悩みですが、国際結婚されている人の話を聞くとけっこうあります。
同じような意味で、日本人の家族でも最初は英語に興味を持っていた子供が、大きくなるにつれて英語が嫌いになったり、少し遠ざかったりする時期が来るかもしれません。子供にとって興味が変わることは自然なことですし、英語だって他の習い事や勉強の科目と同じで、好き嫌いや向き不向きがあるのです。
成長の一部として見守る
しかし、親としてここでどうすれば良いのかちょっと悩みますよね。頭ごなしに英語をゴリ押しするのもどうかと思いますし、だからといって英語を生活に持ち込まないのも不自然ですし。ここは筆者もまだ通っていない子育ての壁なので解決法は分かりませんが、強制しない程度に自然と英語を暮らしに盛り込んでいくしかないのかなと思います。大切なのは、トータルで見ること。子育ては何でもそうですが、一過性が多いですよね。好きなおもちゃも、イヤイヤ期も、永遠には続かない。バイリンガル子育ても然りで、途中でちょっと嫌になっても、最後に多言語が話せるようになるように持っていくのが親の役目かと思うのです。
週一回の英会話レッスンより、親がまず英語を使ってみることが大事
私たち親子が英語で話しているのを尻目に、
「そうやって毎日話さないとやっぱりダメだよね。週に一回のレッスンだけでは英語しゃべれるようにならないかなあ」
とママ友に聞かれることがあります。筆者の本音としては、「もちろん、週に一度だけのレッスンではダメだよ」というところですが、英語をもっと身近なものにする為に、ママも含めてもっと楽しめばいいのにと思います。
例えば、水泳とかピアノは、ママもそれができないとダメだし、プールやピアノという道具がなければ、子供に教えることは難しいかもしれないですよね。でも英語であれば、簡単なことは教えてあげられます。
特に幼児の間は、色、形、動物の名前など簡単に誰もが分かる英語ばっかり。絵本を読んであげるときに日本語の端々に英単語を混ぜてあげるだけで、違いが出ると思います。自分は英語ができないから、子供に教えられないと思うママはぜひこんなところから始めていってほしいです。
すぐには難しくてもそれが習慣になれば、数年したら差が出ます。日々の積み重ねです。現に、うちの子たちは、日本で育っても英語がどんどん出てきました。すると、英会話のレッスン自体は週一であったとしても、他の子たちより輝いてくるはずです。
子供に英語力を身につけさせるには日本語の中に織り交ぜる
いかがでしたか。バイリンガル子育てには苦労も楽しさもありますが、最終的には子供たちが大人になった時に苦労しないで英語を操れるようになってほしい。そんな気持ちは国際ママも日本ママも同じです。
日本人同士の夫婦なのに、家庭内をわざわざ英語にする必要はないと思いますが、できるところから英語を織り交ぜていけば、少なくとも英語に対しての嫌悪感や拒否感を抱かない子供には育ってくれるはずです。
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