【不動産屋が警告】家を売るノウハウを知らなければ失敗する!売却成功の5ポイント
[公開日]2017/09/25[更新日]2017/12/11
売却前には業者の不動産査定を受ける必要がありますが、家の査定額の大小で一喜一憂してしまっては危険です。
この記事では家を売る人が知るべき「不動産売却のノウハウ」を具体的に解説していきます。
目次
家を売るなら絶対に知るべき3つの基礎知識
「家を売った結果、手元にはいくら位残るのか」
この疑問の答えを知るためには、
- 高く家を売るための方法
- 家を売るために必要な費用や税金
といったことを把握しておく必要があります。
家を売る流れと必要な経費・手数料
家を売る流れと必要な手順
家を売る際の流れは、以下の通りです。- 相場を自分で調べる
- 査定を依頼する
- 不動産会社と媒介契約を締結する
- 売出し開始、販売広告実施
- 売買契約締結
- 代金決済・引渡し
- 確定申告
それぞれの手順のポイントや注意点はこの記事の中で詳しく解説していきます。
家を売るに注意すべきは仲介手数料の大きさ
家を売る際の大きな出費は、不動産会社への仲介手数料です。不動産会社が、売却の依頼を受けて、買主を探し、条件交渉をし、売買契約を成立させることを「媒介」業務といいます。
契約を媒介した報酬は報酬は一般的に「仲介手数料」と呼ばれています。
仲介手数料は上限額の提示が一般的
仲介手数料は、宅地建物取引業法という不動産の取引に関する法律で、その上限額が決められています。仲介手数料の上限額は、売買金額によって料率が定められており、400万円を超える売買金額の場合、(売買金額×3%+6万円+消費税相当額)で求められます。
5000万円の売買だと(156万円+消費税相当額)が上限価格となります。
ほとんどの不動産会社は上限額を提示しますが、最近では、半額や最大無料を謳う会社も増えてきています。
事前に確認しておきましょう。
仲介手数料の支払いタイミングは売買契約締結時
仲介手数料は、売買契約を締結した時点で支払い義務が発生する「成功報酬」です。それ以前の「査定」や「広告宣伝費」は、遠方への出張費などあらかじめ合意している特別な経費がかかる場合以外は、不動産会社への報酬に含まれるため、「無料」となることが一般的です。
支払いタイミングを二回に分けることも多い
家の売買契約は、高額であることや金融機関の融資が必要なことも多いことから、売買契約を先に締結し、代金決済・物件の引き渡しが後日となる場合があります。その場合、仲介手数料の支払いのタイミングは、媒介契約の際の決め事となりますが、契約締結日に半額、残額を代金決済日とすることが認められています。
仲介手数料以外に必要な経費一覧
その他に、家を売却する際の経費としては、- 抵当権抹消登記費用(住宅ローンなどの残債がある場合、登録免許税)
- 所有権移転登記費用(一般的には買主が負担、登録免許税)
- 登記にかかる司法書士費用
- 隣地との境界明示費用(境界未確認の場合の測量費用、杭打ち費用など)
- 印紙税(売買契約書、領収書に貼付する収入印紙代)
- 譲渡所得に対する所得税・住民税(確定申告による)
などがあります。
仲介手数料以外の経費も売却決定後に発生
これらの経費も、基本的には売却が決定してから発生します。隣地との境界が不明確な場合は、売主の義務として境界を明示することが一般的に求められます。
面積や地形、状態にもよりますが、測量や境界杭の設置までするとなると50万円程度はかかりますので注意が必要です。
司法書士費用は、一件当たり1~5万円程度で、登録免許税と一緒に請求されることが一般的です。
税金については、のちほど(ページ下部へ)ご説明しましょう。
個人だけで取引をするのはリスク大
家を売る場合は、自分で知り合いに話を持ち掛けるということもできますが、価格の設定や売買の手続きは、一般の方には少しハードルが高いでしょう。
のちのち契約上のトラブルを抱えてしまうことにもなりかねません。
広く買主を募集し、適正な価格で販売するためにも、不動産会社に家の売却を依頼することをお勧めします。
のちのち契約上のトラブルを抱えてしまうことにもなりかねません。
広く買主を募集し、適正な価格で販売するためにも、不動産会社に家の売却を依頼することをお勧めします。
近隣物件の相場調査が適切な価格設定の基本
中古不動産の販売には、定価はありません。一般の商品のように、同じものが同じ時期に販売されるということがあり得ないからです。
売却価格は市場原理で決まる
売主と買主の思惑が合致して初めて価格が決まる、いわゆる市場原理で価格が形成されています。とはいえ、株式や原油などのように公開市場があるわけではありません。
どのくらいの価格で売買されるかを、近隣の取引事例と比較しておよその目星をつけて交渉することになります。
近隣相場を調べて売却価格の参考にする
近隣と比較して大幅に高い価格で売ろうとしても、買主も近隣事例と比較して高い安いを判断しています。そのため、よほど設備が充実しているなどの理由がない限り、売れることはありません。
家を売る場合には、近隣の相場を知り、相場に見合った価格で売り出すことが重要なのです。
近隣物件の相場を調べる方法は、いくつかあります。
一番簡単な方法は、
「アットホームやSUMOなど、インターネットの不動産物件情報サイトで、売りたい家のエリア、面積、間取りで検索してみる」
ことです。
およそ同条件の家がどのくらいの価格で売りに出されているかが分かります。
ただし、そうした情報サイトに掲載されている価格は、あくまで売主の希望価格であり、実際に決着する取引価格は、掲載価格よりも低い場合もあることを忘れてはいけません。
土地総合情報システムでは実際の取引価格を参照できる
国土交通省の「土地総合情報システム」では、実際の取引価格を検索することも可能です。ただ、詳細な番地などの住所などは分かりませんので、あくまでも参考情報の一つにしましょう。
土地総合情報システム
自分で、ある程度相場を知っておけば、不動産会社に査定を依頼した際に、その価格の妥当性を測ることが可能になります。
価格が妥当かどうか判断できることは、売却の仲介を依頼する不動産会社を選ぶ上で必要不可欠です。
家を売ると必要な税金のポイント
家を売った場合に、払わなければならない税金があります。印紙税
売買契約書や、売買代金などの領収書には印紙税がかかります。印紙税は収入印紙を購入し、対象の書類に貼付することで支払います。
不動産の売買契約書には、収入印紙が必要です。
通常、契約の当事者として売主と買主に1通ずつ本紙が作成・交付されるため、2通分の収入印紙が必要となり、各自が費用を負担します。
税額は、契約書に記載される売買金額によって定められています。
印紙税の具体的な金額を知りたい方は、下記の国税庁サイトのリンクをご参照ください。
国税庁サイト:印紙税
領収書の印紙税は非課税
また、領収書についても、印紙税はかかりますが、自分の住んでいた住宅を売る場合は、商行為にあたらないということで、非課税となっています。
登録免許税
住宅ローンの残債がある場合は、金融機関が、融資の担保として建物や土地に抵当権などの設定登記をしています。売却する場合は、残債を返済して抵当権などの抹消登記をしなければなりません。
抵当権抹消登記の登録免許税は、不動産の件数×1000円となっています。
土地1筆、建物1棟に抵当権が付いている場合、抹消登記の登録免許税は2000円かかる、という計算です。
所有権移転登記にも登録免許税はかかる
所有権の移転登記にも登録免許税は必要です。
売買金額に税率をかけて計算します。
個人の住宅で一定の条件に当てはまる場合は、移転登記について軽減税率が適用されます。
なお、申請は売主と買主の共同申請となりますが、通常は売買契約で買主側が負担するように定めます。
登記をするメリットが買主側にあるからです。
登録免許税の詳細な金額については、国税庁のホームページをご参照ください。
国税庁サイト:登録免許税の税額表
所得税と住民税への対応方法
また、不動産を売却して利益が出た場合は、売買の翌年に確定申告をして所得税と住民税を納めなくてはいけません。税額は、売買金額から取得費、譲渡費用、特別控除を差し引いたものを課税対象とし税率をかけて計算されます。
税額={売買金額 - (取得費+譲渡費用+特別控除)}×税率
計算の式は上記の通りです。
取得費とはその家を手に入れた時の費用、譲渡費用とは売却した時の経費、特別控除とは税法で認められた金額をいいます。
税率理解のポイント
税率は、その家の保有期間によって、長期譲渡所得と短期譲渡所得に区分されます。
譲渡のあった年の1月1日時点で、所有期間が5年以内のものを短期譲渡、5年を超えるものを長期譲渡と分けられているのです。
長期譲渡所得の税率は、
- 所得税15%
- 住民税5%
短期譲渡所得の場合は、
- 所得税30%
- 住民税9%
となっています。
これらに、復興特別所得税として、所得税額の2.1%が加算されます。
特別控除と買換え特例は併用できない
居住用財産として認められる家を売却した場合は、3000万円の特別控除が認められています。3000万円の利益までは税金がかからないということです。
また所有期間が10年を超える居住用財産の場合は、6000万円以下の利益については所得税が10%、住民税が4%という軽減税率が適用されます。
また、買換えの場合は、買換え特例を選択することが可能です。
この買換え特例を利用する場合は、3000万円の特別控除や、長期保有による軽減税率を併用することはできません。
また住宅ローン控除の利用などもできません。
買換え特例の内容と注意点
買換え特例とは、買換えた家の取得費用が、譲渡の代金より高い場合に、この譲渡がなかったものとします。
一方で、取得費用が安かった場合は、代金との差額のみを課税対象とする、という制度です。
ただし、本来支払うべき税金を、買換えた家をまた売却する時に支払わなければならないという、支払いの先延ばしという性格のものです。
利益額で特別控除か買換え特例かを見極める
確定申告の際には、利益が3000万円以下の場合は、3000万円の特別控除を申告すればよく、それ以上の利益が生じるならば、買い替え特例を検討する必要があるでしょう。
家を売るための不動産会社の選ぶ4ポイント
とはいえ、「どこに依頼すれば良いのだろう」と悩んでしまうのもまた事実です。
そこで、不動産会社の選び方を4つのポイントにしぼってご紹介しましょう。
家の査定は複数の業者に依頼する
査定とは、不動産会社に、いったいどのくらいの価格で家が売れるのか、見積もってもらうこと
をいいます。
家の査定額に各社の姿勢が表れる
不動産会社は、価格について意見を述べるときは合理的な根拠を提示する義務があります。しかし、あくまで見積もり価格ですので、不動産会社によって違いが出てきます。
不動産会社によって根拠の内容が異なる
査定価格には、- その不動産会社の相場観や知見
- 経験や実績
- 販売方針や取り組む姿勢
が反映されるからです。
複数社の不動産査定価格を比較することが必要
したがって、査定は複数の不動産会社に依頼をして、それぞれの査定価格を比較してみることが重要です。- 大手不動産2社、
- 地場の不動産会社2社
といった組み合わせで依頼をしてみると良いでしょう。
一回の入力で複数の不動産会社に査定を依頼できるので、大変便利です。
しかし、適切な一括査定サイトを選ばないと余計な手間が生じますので注意しましょう。
それぞれの業者の査定額の根拠を比較する
各社の査定が出揃ったら、査定を比較してみましょう。チェックポイントは、
- 家の査定価格
- 査定額の根拠
- 不動産業者の応対
です。
価格だけで判断すべきでない理由
もちろん、査定価格が一番高いところに依頼したいのが売主の心理です。しかし、価格だけで、不動産会社を選ぶのは危険です。
査定価格は見積もり価格で、売れる価格を保証してくれるものでも、売れなかった場合にその不動産会社が責任を取ってくれるものでもないからです。
わざと高めの価格を提示する不動産会社も
そのため、不動産会社によっては、売却の依頼を自社にしてもらいたいがために、相場より数段高い価格をわざと提示する会社もあるのです。
そういう会社に売却を依頼しても、相場より高い物件はやはりなかなか売れません。
結局は「売れ残り物件」として値下を提案されて、結局相場より安い価格で売ることになりかねません。
査定額の根拠を理解するために事前の情報収集を
価格や条件はもちろん重要ですが、もっとも大事なのは、「査定価格を納得性の高い根拠を提示して説明することができるか」
ということです。
査定額の根拠を理解するためには、自分自身でも近隣の相場を事前に調べてみる必要があります。
自分の相場観を持つことで、査定価格との差がなぜ生じるのかを疑問に思うことができますし、その説明が合理的なものかどうかも判断できるでしょう。
査定の質疑応答に誠実な姿勢があるか
査定価格の根拠や疑問に対して、誠実に対応してくれるかどうかも重要です。売主は大事な財産の売却を依頼するのです。
支払う報酬も高額です。
誠心誠意、売り主の疑問に応えようとする会社でないと、信頼関係を構築することは難しいでしょう。
不動産会社とはパートナーの関係を築く
とはいえ、不動産会社に対して偉そうに接することも当然のことながら禁物です。
信頼関係は一方通行ではありません。
不動産会社の方も、売主が信頼に足る人物であればあるほど、一所懸命に売主のためになるよう働くものです。
信頼関係は一方通行ではありません。
不動産会社の方も、売主が信頼に足る人物であればあるほど、一所懸命に売主のためになるよう働くものです。
不動産会社の取り扱い「中古物件の売却」実績を確認
査定を依頼する上で、各社の取引実績を知ることも重要です。特に地場の不動産会社には、おのずと得意・不得意があります。
- 賃貸中心の会社
- マンションや一戸建ての新築中心の会社
- 土地の開発中心の会社
- 収益物件中心の会社
など不動産会社といっても業態は様々です
中古物件の実績が豊富な会社を選ぶのが無難
「餅は餅屋」といいますが、中古物件の売買実績が多く専門にしている会社がオススメです。経験や見込み客も多く、売り主の悩みや疑問にも迅速に答える事が可能となります。
良い会社を見極めるためにも事前の情報収集
ただし、不動産会社は新興の会社が発展していくことも多いものです。
実績が多い、老舗だから、一概に能力がある、とも言い難い点もあります。
実績が多い、老舗だから、一概に能力がある、とも言い難い点もあります。
頼りになる営業マンを見極める
不動産会社の選定に当たっては、担当する営業マンの資質も重要です。経験豊富の担当者がつくとは言えない
不動産会社の営業は、必ずしも宅地建物取引士の免許を必要としません。1事業所あたり5人に1人の有資格者が必要と法律で定められているだけです。
また、不動産会社は、打ち合わせが依頼者が在宅する夕方以降や土日になることも多く勤務時間が不規則になることも多いため、転職者数が多い業界でもあります。
担当者が、有資格者ではないことは十分考えられますし、実績や知識が足りない担当がつくこともあり得るのです。
納得いかない場合は担当変更を行う
査定価格の説明や、応対に不安や不満がある場合は、上司に連絡を取って、担当を変えてもらっても構いません。家を売る、つまり大事な財産の売却です。
遠慮する必要はありません。
不動産会社選びは「信頼できるか」が最重要
以上の4つのポイントを踏まえて、査定価格を比較する際に、仲介不動産業者を決定すると間違いがありません。そうは言っても迷ってしまう場合もあるでしょう。
その場合は、どこを一番重視するのがよいのでしょう?
査定価格そのものは、さして重要ではありません。
家を売る際に、最終的に価格を決断するのは売主だからです。
説得力ある提案のできる業者を選ぶ
査定価格よりも、「こういう広告をした方が良い」
「競合物件があるので値下げをした方が良いでしょう」
といった販売に関する提案をされたときに、素直にその不動産会社を信頼できるかどうかが一番重要です。
家を売るために必要なことは、不動産会社と信頼関係を結ぶことなのです。
無料一括査定サイト「イエイ不動産」
うさんくさい不動産会社は避けるべき
合理的な説明や誠実な応対であったかどうかを考慮して、そうした気持ちになれる不動産会社を選ぶようにしましょう。どんなに査定価格が高くても、なにかうさん臭いと感じたら、その不動産会社とはお付き合いするの避けたほうが無難です。
住宅ローンの残っている家を売る方法は売却額で異なる
家を販売するためには、この抵当権を抹消しなければいけません。
そのために必要な手順を確認していきましょう。
家を売ったお金でローンを完済できるかどうか
抵当権を抹消するためには、住宅ローンを完済しなければいけません。そのためには、どのようにローンを完済するかを融資元の金融機関と合意しておかなければいけません。
売却金額≧残債の場合
売却金額が残債を上回る場合は、代金を受領すると同時に返済の手続きを実施することで金融機関は同意します。事前に金利や事務手数料を確認しておきましょう。
返済の入金が確認された時点で、抵当権抹消登記に必要な書類(弁済証書・抵当権抹消登記に関する委任状、印鑑証明書など)を金融機関に公布してもらい、抹消登記を司法書士に実施してもらうことになります。
売却金額<残債の場合
売却金額が残債を下回る場合は、足りない分の返済をしない限り、一般的には金融機関は抵当権の抹消手続きに応じてくれません。そのため、売主は、別途ローンを設定したり、自己資金で充当したりなど、何らかの形で返済しなくてはなりません。
住み替えローンの利用は避けたほうがよい
住宅を買い替える場合に、売却金額が現在のローン残債より少ない場合に、新しい住宅の購入資金と残債分をまとめて融資する「住み替えローン」を利用できる場合があります。通常は買換える物件の売買金額の1.5倍から2倍までが融資限度額となっています。
住み替えローンは、買換えで残債がある場合に、大変便利なローンですが、利用する際にはいくつか注意しなければならない点があります。
住み替えローンの注意点4つ
- 買換える物件を担保とすることが前提の為、買換え物件が決定していることが必要な場合が多い
- 一般の住宅ローンに比べ、一時的に2重ローンとなるため、金利が高い
- 物件の担保評価や、本人の返済能力の審査が厳しい
- 銀行によって、「住み替えローン」の内容が異なる
住み替えローンの利用は、事前に銀行と詳細な打ち合わせを必ずしておきましょう。
競売は絶対避ける!任意売却はメリット大
家を売却する原因の一つには、ローンの返済が滞ってしまって、やむなく売却する、ということがあります。実際にローンの返済が延滞し始めると、2~6ヵ月で、金融機関から保証会社・債権回収会社へ債権が売却され、即時返済の通告(期限の利益の喪失)がされます。
返済のメドが立たない場合には、競売の申し立てがされることになります。
ただ、競売の場合は、以下のような大きなデメリットがあります。
- 市場価格の5~6割で落札
- 落札価格が残債に満たない場合は、免責されず払い続ける
- 引っ越し代などの諸費用は考慮されない
- )落札までの遅延損害金が発生
- 裁判所による調査・広告があるため、プライバシーは配慮されない
- 強制退去される
競売ではなく任意売却を選ぶメリット
競売のデメリットを避けるために、「任意売却」という方法を取ることができます。任意売却とは、債権者の同意を得て、競売までの期間に、一般の不動産市場で売却することを認めてもらうことです。
債権者にとっても競売では債権の回収が難しく、自己破産されるよりは、一般市場で販売した方が回収額が多くなります。
そのメリットがあるため、任意売却に応じる場合が多いのです。
任意売却であれば交渉範囲が広め
この場合は、諸費用などの捻出や足りない金額の免責なども交渉によっては可能となります。
競売になるような事態に陥った場合は、任意売却を専門に扱う不動産会社もあるので相談してみた方が良いでしょう。
競売になるような事態に陥った場合は、任意売却を専門に扱う不動産会社もあるので相談してみた方が良いでしょう。
とはいえ、いずれにせよ本人の信用情報にも傷がつきます。
仮に万が一、支払いに延滞が生じるような事態になった場合は、まず金融機関に相談しましょう。
そして、一時的に金利のみの支払いや支払期間の延長、支払い金額の低減などの「リロケーション」や、早めの売却を検討するようにしましょう。
家の売却で失敗しない!守るべき5つの注意点
ここで、家を売るときに失敗しないための5つのポイントをご紹介しましょう。
急いで売らずに3ヶ月スパンで考える
一般的に、家を売り出してから代金決裁・引渡しまでは3ヵ月程度は必要と考えましょう。もちろん、売り出したからにはできるだけ早く売買が決定した方が良いに決まっています。
ここで「急がない」というのは、「焦らない」ということです。
安易な値下げはもったいない
3ヵ月は販売に時間がかかるという意識でいれば、安易に値下げをせずに済みます。不動産会社と相談して、
- アピールする点を検討
- 広告宣伝方法を変更
- 内覧時に工夫
といったように販売促進方法を検討し、実践していきましょう。
無料一括査定サイト「イエイ不動産」
どうしても急ぐ場合は「買取」も視野
なお、急ぎの場合であれば、最悪でも相場より2割ほど安くすることを覚悟すれば、買取専門業者に販売することはできるでしょう。
内覧時の印象が悪ければ絶対売れない
家の購入を検討している方は、不動産会社に希望の条件を伝えたり、自分で不動産サイトの広告を見たりして、自分の希望条件に近い物件を内覧します。内覧に来た時点で、希望条件はある程度満たしている物件と意識しており、相当有望な見込み客となっているわけです。
内覧時の印象が良ければ即決もあり得ます。
しかし、せっかく内覧に来ても物件の印象が悪ければ、購入されることはありません。
内覧者は減点方式で家を見る
内覧に来る購入希望者は、「高い買い物をする」という警戒心がありますから、基本的には減点目線です。内覧客を迎える時には、最大限に家の魅力をアピールする努力をしなければいけない、と心がけておきましょう。
注意するポイントを以下にあげておきます。
内覧者の減点を防ぐ!6つのチェックリスト
玄関は物件の第一印象を決める
玄関は、できるだけ広く明るく見えるように掃除をしましょう。靴箱などの中も収納スペースをチェックされます。
整理整頓をしておきましょう。
また、来客用のスリッパも忘れずに用意しましょう。
家は独特のにおいあり!消臭剤も忘れずに
家は、住んでいる人は気づかない独特の匂いがすることが多いものです。不動産会社の人も、「匂いがしますよね」とは指摘しづらいものです。
玄関に入った時に変な匂いがしないように配慮が必要です。
玄関先に花を飾っておくのは匂い対策という意味でも自然で有効です。
トイレ・バスルーム・キッチンの清掃は特に念入りに
水周りは日常的に必ず使う箇所であり、特に女性の方は気にされます。それぞれの場所を磨き上げるくらいの気持ちで清掃しましょう。
また、使い勝手の良さをアピールするためにも収納スペース含めて整理整頓は欠かせません。
収納内部の整理整頓も
「ウォークイン・クローゼットや物置などに散らかったものをとりあえず押しこめば良い」と考えていませんか。収納スペースの利便性は必ずチェックされます。
面倒ではありますが、整理整頓をきちんとしていれば、収納スペースも広く見え好印象を与えることも可能です。
アピールポイントは事前にメモでまとめておく
- 眺望が良い、
- 日当たりが良い
- バルコニーが広い
- お風呂が広い
- 共用部が充実している
などのアピールポイントは、メモを事前に作っておき案内漏れがないように気をつけるべきです。
必ず内覧者に物件の魅力を目で確かめてもらいましょう。
百聞は一見に如かずです。
残置物や欠点も必ず伝える
売却時に残してそのまま引き渡すような家具や照明、施設がある場合は、リストにして伝えましょう。基本的には残置物は無い方が印象は良くなります。
以前の居住者の生活感は無い方が好まれます。
また、なにか欠陥や欠点がある場合は正直に伝えておかなければいけません。
欠点を黙っていても損をするだけ
販売時に気づいていなかった欠点は、民法上、「瑕疵(かし)担保責任」といって賠償義務や修繕義務を売主が負わなければなりません。個人が家を売る場合は、瑕疵担保責任を免責する特約を結ぶことも可能ですが、「知っていた欠点」は、賠償の対象となります。
契約後のトラブルを避けるためにも、必ず欠点は隠さず伝えなければなりません。
物件の欠点をどのように伝えるべきかは、不動産会社と相談したほうが良いでしょう。
売値の最低ラインがなければ売却が先送りになる
査定価格は、売値ではありません。通常、売り出し価格は査定額に10~15%程度上乗せして売り出し価格を決めることが多いものです。
中古の家の売買では、買主から多少の値引き要請が入ることが多いので、その値引分を事前に確保するため、そして、家が少し高くても売れる可能性を放棄しないためです。
対策をとっても状況が改善しない場合は価格を見直す
売り出してから、さまざまな販売努力をしても反響が得られない場合は、価格が相場よりも高い可能性があります。その場合は値引きをある程度「大胆」にせざるを得ない状況だと考えられます。
ずるずると小出しに値下げして、売れない期間を長くしていくのは賢いやり方ではありません。
売れ残り物件のレッテルを貼られないように注意
3ヵ月を超えるくらい長い間市場にある物件は、市場で「売れ残り物件」として認知されてしまいます。価格以外の要因もあまりよくない理由があるのではないか、という悪い印象も持たれかねないのです。
自分の中での最低ラインをあらかじめ決めておき、
- ライン以上で売れるようなら決める
- ライン以下なら他の買主を探す
という明確な態度で価格については臨むべきでしょう。
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【買換え】家を売るタイミングは住宅ローンの残債額で判断
買換えを考えている場合、- 家を売るのが先か
- 買換え先の家を買うのが先か
は、判断が迷うところでしょう。
住宅ローンの残債があるかどうかでおススメするタイミングが変わります。
住宅ローンの残債がなければ新しい家も同時に探す
住宅ローンの残債が無いのであれば、新しい家を概ね決めてから家の販売に取り掛かっても良いでしょう。およそ3ヵ月以内に代金が入ることを金融機関に伝えておけばローンも問題は基本的にありません。
仮住まいや引っ越し費用にも無駄は生じませんし、うまく早めに売却が決まれば、新しい家の決済引渡し日を、売却した家の決裁引き渡し日と調整することも可能です。
残債がある場合は売却決定が最優先
注意すべきは、ローンの残債がある場合です。ローンの残債を自己資金で補うことが出来るのであれば、できれば住み替えローンを使わずに、先に売却を決め、新たに買換え先を決めた方が無難です。
引っ越し費用や仮住まいの賃貸費用はかかるかもしれませんが、資金需要が確定した方がリスクは少ないですし、1%の金利差でそうした追加費用は賄えてしまうからです。
住み替えローンは利用できない場合もある
住み替えローンを利用する場合は、まず売却の手配をし、査定額が出たくらいの段階で、住み替えローンについて銀行に相談に行くことをお勧めします。
住み替えローンが借りられない場合もある、ということを想定して計画しなければいけないからです。
住み替えローンが借りられない場合もある、ということを想定して計画しなければいけないからです。
包括的な収支計画が家を売るときには必要
家を売る際には、売却代金の満額が手元に残るわけではありません。家を売却する際には、仲介手数料や司法書士費用、税金がかかりますし、住み替えの場合なら仮住まい費用や引っ越し費用がかかります。
売却益が出た場合は税金もかかるのです。
買換え時はお金の動きを明確に管理しよう
特に買換えの場合には、そうした出費が「意外な」金額とならないように、包括的な収支計画を立てる必要があります。新居のカーテン・絨毯・家具・電化製品・照明器具などの新調費用も必ずかかります。
忘れずに計算に入れておきましょう。
家を「売る」か「賃貸に出す」か迷ったら売るべき理由
今は不動産投資ブームですから、保有を続けておいた方が良い、と思われる方も多いでしょうね。
そこで、買換えを考えるときに、家を売った方が良いか、賃貸した方が良いか、メリット・デメリットをそれぞれ比較してみましょう。
家を売るのは家を貸すよりも低リスク
家を売るメリット
- 家の売却による一時的な現金収入が入る
- 新居を購入する場合の借入額が減る
家を売るデメリット
- 資産が減る
家を賃貸するメリット
- 賃貸による継続的現金収入が入る(キャッシュフローが改善)
- 資産が残る
家を賃貸するデメリット
- 賃借人がおらず賃貸料収入が入らないリスクが生まれる
- 固定資産税・都市計画税、修繕費・管理費用などのコストが生じる
- 住宅ローンの残債があると、新居を購入する場合に、事業用ローンとなる可能性がある
- 新居を購入する場合の借入額が増える
賃貸をする場合は、一時的な現金収入が減る代わりに、賃貸するための資産が残り、賃貸事業をする余地が生まれます。
投資物件として価値がなければ賃貸すべきでない
つまり今まで住んでいた家が賃貸物件として投資する価値があるかどうかを判断しなければなりません。投資物件として評価する場合、キャピタルゲインつまり将来の売却価値とインカムゲインつまり保有収入を評価します。
建物の価値は経年劣化で、毎年下がっていきます。
土地の評価が上がることが見込まれるような一等地でなければ、一般の住宅の売却価値は年々下がると思ってよいでしょう。
家を貸しても安定した収入には繋がらない
インカムゲインにしても一世帯向けの住宅は、賃借人が入らない期間は無収入となるリスクがあります。一軒家の賃貸物件があまり多くないのは、そのリスクが大きいからです。
現在の低金利では、家賃程度の毎月の支払いで、郊外の一軒家が買える時代です。
中古の賃貸が埋まらず空き家が多くなる原因のひとつでもあります。
したがって、中古住宅を賃貸にすることを考えるならば、売却してそのお金で、都心部の駅近ワンルームに投資した方が投資効率がまだよい、とお勧めします。
まとめ:家を売る担当者を見極め売却を成功しよう
大事な財産であればこそ、失敗しないように、売らなければいけません。
そうした売り主の思いに応えて誠実に行動する不動産会社を選ぶことこそ、家の売却に成功するコツといえるでしょう。
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