土地売却の方法で失敗しない!不動産屋が教えるコツと注意点
[公開日]2017/10/25[更新日]2017/12/11
土地売却の正しい知識を知らなければ方法を適切に選択することはできません。
交渉に負けない知識を身につけ、適切な土地売却の方法を選ぶポイントを解説します。
目次
土地の2つの売却方法「仲介・買取」の選び方
どちらの方法にもメリット・デメリットがあるので、まずはその詳細を知っておきましょう。
「高く売る」なら仲介での土地売却
仲介という売却方法は、「媒介という契約を不動産会社との間で締結し、不動産会社に売却の相手方となる買主を探してもらう」
という売却方法です。
媒介契約を通して不動産会社に買主を見つけてもらう
媒介契約書は、「私の物件を、この金額、この条件で売却することを依頼しました。買い手が見つかったら、契約手続きをお願いします」といった内容になっています。不動産会社に買主との間に立ってもらうための契約書を交わすのです。
買主が見つかるまでに時間がかかる
仲介ではすぐに買主が見つかるとは限らないので、売却までに時間を要するケースが多いのがデメリットといえます。買い手が見つかるまでは売却金額も確定しないので、買換えなどで売却を急ぐ場合には不向きな売却方法であるといえるでしょう。
仲介であれば売却価格を設定できる
しかし仲介には、そうしたデメリットを補って余りあるメリットも存在します。売出し価格を自由に設定できるため、その時点の土地相場においての「最高値」を目指すことができるのです。
もちろん、販売を担当する不動産会社はオリコミ広告などの経費を掛けて売却するので、成約の際には仲介手数料という報酬を不動産会社へ支払わねばなりません。
しかし、仲介手数料分を費用として考えても相場の最高値での売却は十分に魅力的です。
より高値で売却する可能性を探る仲介による売却は、土地の一般的な売却方法となっています。
急いでいるなら「買取」での土地売却がスムーズ
買取りは仲介と違って、不動産会社が売買の相手方つまりは買主となる売却方法です。買い手を探す期間が無いので、以下の3つのメリットがあります。
- すぐに売買契約ができる
- 売却金額が確定する
- 不動産会社との契約なので仲介手数料が発生しない
土地の買取は売れる価格が安くなるデメリットあり
しかし購入者となる不動産会社は、その土地に家を建てて住むために買取るわけではありません。あくまでも利益を生み出す事業として、新築分譲住宅の「仕入れ用地」などとしての買取りをしています。
そのため、相場より安い金額での売却となってしまうのです。
したがって「買換え」や「相続税の納付期限が迫っている」といった売却にあたって期限が切られている場合を除くと、デメリットが大きく、買取が得策である売却方法であるとはいえません。
土地売却の流れ:査定→販売→契約
仲介でも買取でも基本的な売買の流れは変わらないので、あわせて説明していきます。
査定から引き渡しまでの流れは3段階
土地の売却は大きく分けると、以下の3段階に分けられます。- 事前準備:土地の査定
- 販売期間:買い主を募集
- 完了期間:土地の売買契約を締結
事前準備:土地の査定
最初のステップとなる事前準備の期間では、- 売却相談
- 価格査定
- 媒介契約
という流れで進むのが以前は一般的でした。
かつては売却の事前準備の負担大
土地売却の事前準備であっても、かつては手間が多く存在しました。- 不動産会社の店頭や電話などで売却事情を相談
- 実際に現地を確認しての価格査定
- 提示された査定額を参考に売出し価格を決定
- 不動産会社との間で媒介契約を締結
このような手順を経てようやく販売活動へ進行していたのです。
一括査定サイトの登場で売却は手軽に
しかしインターネットが普及し「不動産の一括査定サイト」が登場すると売却の流れにも変化が生じました。不動産会社とのファーストコンタクトが一括査定サイトでの査定依頼となり、売却相談は省略されるようになり売り手の手続きの負担が減少したのです。
ネット上でのやり取りが多くなったため、以前に比べると「査定額の高低」に不動産会社選びにも重きが置かれるようになりました。
とはいえ、不動産会社から査定額の提示を受け、その後に不動産会社を選ぶといった大きな流れには違いはありません。
販売活動もネットが中心だが注意点は変わらない
販売期間中の広告の主流は、
不動産ポータルサイト
自社HP
SNS
などに移行しましたが「売主の心構えや注意点」などはこれまでと何ら変わりません。
などに移行しましたが「売主の心構えや注意点」などはこれまでと何ら変わりません。
販売期間:買い主を募集
媒介契約で明示した売出し価格で土地の販売がスタートします。販売活動では買い主を集客していきますが、その流れは下記のサイクルの繰り返しです。
- 不動産会社が広告などで買い手を募集
- 購入希望者が問い合わせをしてくる
- 現地に案内し土地を見学してもらう
こうしたサイクルを通して物件を気に入った購入希望者が現れたら、「書面による購入申し込み」「価格や引き渡し時期などの条件交渉」が行われ、合意に至れば売買契約へと進みます。
土地の買取では買い主を探す期間は不要
なお、買取の場合は不動産会社の提示値に異論がなければ売買契約となりますので販売活動の期間は生じません。
完了期間:土地の売買契約を締結
売買契約は、買主から売主に手付金が支払われ、売買契約書に互いが調印して成立します。手付金は売買金額の1割が一般的
上記の図のように、手付金の額は売買代金の1割前後となるのが慣例です。残りの9割は残代金と呼ばれ、後日の引渡しと同時に授受されます。
売買契約書の記載内容
売買契約書は、- 売り買い双方が合意した諸条件
- 売買が完了する残代金の授受
- 引渡しまでのスケジュール
よくある勘違いに要注意
手付金と残代金の支払い時期が異なるので、- 手付金授受の売買契約を「仮契約」
- 残代金授受と引渡しを「本契約」
と勘違いする人が時々います。
正しくは「売買の約束事を記した売買契約が本契約」であり、残代金と引渡しはその義務の履行に過ぎません。
間違えないようにしましょう。
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土地の売却で失敗しない重要5ポイント
前述した土地売却の流れ(ページ上部へ)を踏まえ、流れにしたがって解説していきます。
土地相場を把握しなければ損をする
売買を失敗しないためには、市場価格の相場をきちんと認識することが重要です。というのは相場価格を知らずに価格査定を依頼し、不動産会社の提示値を鵜呑みにして媒介価格を決定してしまうと、業者の意のままに売買が進んでしまう可能性を否定できないからなのです。
不誠実な対応を防ぐ相場知識
残念ながら不動産業界は、顧客の利益より自社の利益を優先する風潮をまだ拭い切れておりません。売主となる顧客サイドからすれば「より高値かつ好条件での売却」が一番の利益であるといえます。
しかし業者の中には顧客の無知を利用し、安い価格で売らせて自社の利益を追求するところも珍しくありません。
そうした業者から大事な資産を守るには、顧客たる売主が相場情報などの知識面で武装を図る以外に策はありません。
土地の相場を知ることで適切な決断が可能
売却する土地の相場を知っていれば「安すぎる」「高すぎる」といった法外な査定額の提示に惑わされることはありません。相場価格を知るには、現在市場に出ている物件の売出し価格を認識し、過去の取引事例を把握しておくことが大切です。
相場情報はインターネットで手軽に確認可能
売出し物件の価格は不動産ポータルサイト、取引事例は国土交通省が運営するサイトにて調査することが可能です。売出し価格を調べることができる不動産ポータルサイト
- 不動産ジャパン
- アットホーム
- スーモ
- ホームズ
上記したサイトで所有する土地の近辺を検索し、似通った規模の物件の売出し値を集計してみましょう。
その平均値が大まかな売出し価格の相場値となるので、少し面倒な作業ですが査定前には必ず行っておくべき作業です。
取引事例を調べることが可能なサイト
「土地総合情報システム」は国土交通省が運営するサイトで、売買を行った個人や不動産業者にアンケートを行って取引事例を収集し、その結果をデータとして公表しています。
このサイトでは取引の指針とするために発表さてれる公示価格も閲覧でき、
- 取引事例はサイト内の「不動産取引価格情報検索」
- 公示価格は「地価公示都道府県地価調査」
取引事例も近隣での事例を検索し、規模などが類似する事例を集計しましょう。
取引事例は実際に成約となった「事実」ですから、相場を把握するための根拠としては、売出し価格よりずっと信憑性の高いデータとなります。
土地の査定は複数社に依頼する
土地の価格査定は「机上査定」と「訪問査定」の2種類があります。
どちらも個別に業者に査定依頼する方法のほかに、インターネットを通じて気軽に依頼できる「一括査定サイト」もあり、どの業者に頼むか決めにくい場合などは一括査定サイトの利用が手軽です。
机上査定
文字通り机の上、つまり「地図上だけで査定物件の場所を確認し、周辺の相場から査定額を提示する査定方式」です。現地を確認しないので簡易査定ともいわれ、後述する訪問査定に比べ査定額の精度は落ちますが、すぐに回答をもらえるのがメリットといえます。
訪問査定
実際に現地に出向き、- 土地の形状
- 周辺地との関係性
- 周辺環境
土地の個別状況を反映させるので精度の高い査定額提示となりますが、時間を要するのが難点だといえます。
机上も訪問も査定は複数業者へ依頼する
価格査定はまず複数の業者に机上査定を依頼し、出揃った回答から訪問査定に呼ぶ業者を絞り込むのが一般的です。複数の業者に査定依頼を出すのは、提示される査定額に業者によってバラつきがあるだけでなく、各業者の営業スキル、顧客対応力も様々であるからです。
10社前後に机上査定を頼み、5社程度に絞り込んで訪問査定を受けましょう。
複数の業者に個別に連絡を取るのは大変なので、机上査定は一度のネット入力で複数社に依頼できる一括査定サイトを利用するのが便利です。
好条件で売却できる業者へ絞り込む
絞り込みの基準を大まかに言うと、- 査定額が平均的であること
- 一般的なビジネスマナーを備えているか否か
詳しくは後述しますが、好条件での売却の可能性が高くなる業者に売却依頼を出すようにしましょう。
媒介契約は一般媒介を選ぶべき
訪問査定で売却を依頼する業者を選別できたら、その業者との間で媒介契約を締結し、いよいよ販売スタートです。媒介契約には以下の3種類があり、それぞれメリットとデメリットがあるので、事前知識として把握しておきましょう。
専属専任媒介 | 専任媒介 | 一般媒介 |
|
---|---|---|---|
他業者への依頼 | 不可 | 不可 | 可 |
自分で買い手を見つける | 条件付きで可能 | 可 | 可 |
レインズへの登録義務 | 義務あり | 義務あり | 義務なし |
業務処理状況の報告義務 | 1週間に1度以上 | 2週間に1度以上 | 報告義務なし |
契約の有効期間 | 3か月間 | 3か月間 | 3か月間 |
※レインズ
国土交通省が指定する不動産流通機構。
全国の不動産業者のほぼ100%が加盟しているので、売却物件を登録すると多くの購入希望者に物件情報を行き渡らせることが可能となり、結果として早期売却への近道となる。
全国の不動産業者のほぼ100%が加盟しているので、売却物件を登録すると多くの購入希望者に物件情報を行き渡らせることが可能となり、結果として早期売却への近道となる。
3ヶ月の有効期間と仲介手数料は共通
どの媒介契約でも有効期間は3ヵ月で、成約した際の仲介手数料の同じ金額です。依頼を受けた業者が成約に向けて努力する点も変わらないので、どの媒介を選んでも大きな違いはないといえるかもしれません。
しかし一般媒介以外の媒介契約は依頼した業者以外に重ねて依頼することはできません。
専属専任媒介は自分で買い手を見つけても、媒介契約を締結した業者に手数料を支払って売買契約を締結しないといけません。
一般媒介は購入者と出会うチャンス多い
複数の業者に依頼できる一般媒介は、販売の窓口が複数になるというメリットを生みます。購入者はどこの不動産会社に来るかわからないので、窓口が多ければ多いほど成約の可能性が高くなるのです。
一般媒介でもレインズに登録する
一般媒介ではレインズへの登録や、業務報告は義務付けられていません。しかし一般媒介だからといってレインズに物件登録をしない業者はまずおりませんし、業務状況は聞けばどこでも教えてくれます。専任・専属専任はメリットなし:一般媒介がベスト
このように専任や専属専任媒介のメリットといえる項目は依頼者には特段の利益をもたらしません。複数の販売チャンネルを確保できる「一般媒介」での売却依頼がベストであるといえるでしょう。
信頼できる不動産会社・担当者を選ぶ
前述の「査定は複数社に依頼する(ページ上部へ)」でも少し述べましたが、売却依頼を出す業者は慎重に選別することが大切です。不動産業者といっても様々で、業態的に土地売却に向いていない業者もあれば、依頼者の利益よりも自社の収益を重要視する業者もあるからです。
信頼できる不動産会社・担当者を選ぶポイント
信頼できる不動産会社・担当者を選ぶためは、下記のポイントを重視してください。なお、
- 賃貸が専門の会社
- 新築分譲がメインの業者
- 投資関連業者
- マンションディベロッパー
は土地の仲介には向かないので、候補からは最初に外すべきといえます。
業者のHPや不動産ポータルサイトなどで取扱物件を確認し、その業者の専門分野を確認しておきましょう。
選ぶべき不動産会社の7ポイント
- 査定提示額が高すぎず安すぎず平均的
- メールや電話などの連絡が適切
- 説明が簡潔で、専門用語を多用しない
- 質問に対して明瞭な回答ができる
- 言葉づかいや服装が不快感を与えない
- 自分との相性が良い
- インターネット広告に積極的
選ぶべきでない不動産会社の8つの特徴
「選ぶべきでない不動産会社の特徴」に少しでも該当するような業者には要注意です。下記のような一つでも当てはまるようであれば、売却仲介の依頼は避けたいところでしょう。
高すぎる査定提示
売却依頼を勝ち取りたいだけのことが多いので不可。安すぎる査定提示
自社で買い取って転売利益を得ようといったケースが多いので不可。深夜や早朝に電話してくる
このような業者は、自分の都合を優先する営業姿勢なので不可。専門用語の多用
一見すると知識が豊富に感じられるが、相手に分かるように説明ができないだけなので不可。質問に明瞭な回答ができない
売主からの質問にも答えられない業者は、購入者になる顧客への物件説明ができないので不可。相性が合わない
売却は数か月に及ぶ業者との共同作業であり、コミュニケーションを円滑にするためにも相性も大事になってきます。直感でかまわないので、合っていないと感じたらその業者は避けるべき。
ネット広告に疎い
購入者の多くはインターネットを利用して物件情報を集める時代です。ネット広告に積極的でない業者を選ぶと、販売機会が失われることになります。
専任・専属専任媒介にこだわる
専任・専属専任媒介に固執する業者も不可です。自社利益最優先の業者である可能性が高いと判断できます。
土地の状態をきれいにしないと「狭くなる」
売却物件をきれいな状態に保っておくことも大切です。雑草だらけだったりゴミや廃材で乱雑としていると、見学者に良い印象を与えません。
それだけでなく、草刈りや片付けの費用が必要だとして減額交渉の材料にされてしまう可能性があるためです。
生い茂った草木で狭い土地のように見える
草木が生い茂った土地は「見学者の視野を狭め、実際より土地面積を狭く感じさせてしまう」デメリットもあります。土地を野放しにしておくメリットは何もありません。
できる範囲で構わないので、こまめに草刈りやゴミ捨てを行い、手入れの行き届いた状態をキープするようにしましょう。
遠方の土地の場合は清掃業者への依頼も
売却物件が遠方だったり仕事や家事で時間が取れない場合は、清掃業者などに依頼するしかありません。費用はかかりますが必要経費だと割り切って、売却のための事前準備を万全としておくべきといえます。
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古家付き土地の売却で解体・更地にすべきでない理由
ただ、古家には価値がないため「更地にした上で土地だけを売却したほうが良いのでは?」と疑問に感じる方も多いでしょう。
結論から言うとわざわざ更地にするメリットはありません。
古家はリフォームや解体をするべきか?
不動産業者の中には、古家は解体して売却すべきだと主張する業者も存在します。「不要な建物を取り払い、少しでも土地を広く見せたほうが好結果につながる」というのがその根拠です。
実際の売買の現場では、更地にするメリットはほとんどありません。
現在の不動産市場において、更地の状態で売りに出ている土地はほぼ見かけないのが普通だからです。
ゼロ円の家屋であっても解体しないで良い理由
建物の価値はゼロ円であっても「中古一戸建付きの土地が土地の値段だけで販売されている」というのがスタンダードな状態です。そうした市場状況にあるため、購入を希望して土地を探している人々は「古家付土地」に慣れています。
建物があるからといって狭いとは感じず、逆に更地にした土地を見ても広くて素晴らしいとは思わないのです。
リフォームをしたところで損をするだけ
また、古家をリフォームして「中古一戸建て」として売却するのもお勧めはしません。築年数が古く評価額がゼロに等しい建物は、いくら化粧直しをしたところで中古戸建を購入しようとする人々の関心を引くことはできません。
リフォーム費用が無駄になる可能性大
多額の費用を掛けてリフォームしても、その分高く売れるわけでも、売りやすくなるわけでもないのです。こうした理由から古家のリフォームは工事代金が無駄に終わる可能性が高いため、建物には手を加えずに、土地値で売却するのが最善の策といえるのです。
古家付きのままでも売れるのは「イメージしやすさ」
古家をそのままで売却するメリットは他にもあります。どれも解体してしまうとその時点で失われてしまうメリットなので、不動産会社に更地にすることを勧められても、慎重に検討するようにしましょう。
建物でイメージしやすい
建物があることによって、土地を見学した人が新築住宅を建てた状態を想像しやすくなります。日当たりや隣地との関係性を事前に想定できるため、結果として成約につながるのです。
不動産譲渡税の軽減措置
住まなくなって3年以内ならば、不動産譲渡税の軽減措置を受けることが可能な場合があります。工事費やリフォーム代金を値下げ幅にする
解体工事費やリフォーム代金の分を値下げして販売することも可能です。購入者は1円でも安く買いたいものなので、値下げしたほうが結果として売却しやすくなります。
解体工事費を交渉材料に利用
解体工事費などを、指値(売却額の指定)が入った際の交渉材料に使うことが可能です。買取時も解体工事費用を交渉材料に
買取りの場合は、「解体工事費を買主負担とする」といった交渉もできます。不動産譲渡税の軽減措置には細心の注意を
上記のうち不動産譲渡税の軽減措置は、特に慎重になる必要があります。譲渡税は購入時の価格を上回って売却し、利益が発生した場合のみに課税されます。
軽減措置が認められると譲渡利益を3,000万円まで控除してもらえるので、税額が大きく変わってくるのです。
軽減措置の適用基準は様々です。
譲渡利益が発生する可能性がある場合は、建物を解体する前には必ず税務署の無料相談を利用するなどして適用基準を確認しておきましょう。
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知っておきたい土地売却の注意点と疑問点
売却を開始して戸惑わないよう、土地ならではの注意点を把握しておきましょう。
土地の測量必要なケースが一般的
土地を売買するにあたって、基準とする面積は「公簿」と「実測」の2通りがあります。公簿と実測の違い
公簿は法務局に登記された面積をいい、基本的に権利証(登記事項証明書)に明記された面積になります。対して実測とは測量を行って求めた面積のことをいい、公簿面積と異なるケースが多く見受けられます。
公簿と実測が選ばれるのは当事者間による
公簿と実測のどちらの面積を基準に売買するかは、当事者間の取り決めによって決められます。一般的に「測量時期が古く、公簿面積と実測面積の差異が大きな場合は実測売買」、「大きな差が無ければ公簿売買」となるケースが多くなります。
土地の測量は売主の義務になりつつある
ただし、測量技術は日々進化しており、「過去に登記した土地の面積が改めて測量すると異なった面積となる」ケースが多くなっています。そのため、公簿売買を行う場合でも別に測量を行い実測図を添付する契約が増えており、測量はほぼ売主の義務となりつつあるのが現状です。
測量費用は見積もり必須
測量費用は、担当する土地家屋調査士や測量士によって様々です。一般的には100㎡の土地の測量で20万円前後となるのが相場ですが、土地面積の大小や隣接地の数などで金額が変わります。
また、「隣接地の立会印をもらう確定測量とするのか否か」によっても費用は大きく異なるので、事前に見積もりをとることを勧めます。
折り込みチラシの文面を鵜呑みにすると騙される
新聞の折り込みチラシを見ると、「このエリアで〇〇坪の土地を、〇〇〇〇万円で購入したいというお客様がいます」
といったキャッチコピーの広告を目にすることがあると思います。
はっきり言ってこれは全部ウソです。
こうした謳い文句は全て、売却物件を募集するための撒き餌のようなもので、具体的な顧客などは存在しないケースがほとんどです。
問い合わせはしないのが無難
広告を信じて問い合わせをしても「他の物件を買ってしまった」と言われて営業トークを開始されてしまいます。また、ひどい業者になると他の営業所の社員や社員の家族を連れてきて、「見せかけの物件案内」をするところもあるのです。
「問合せをしてきた売主候補者とのつながりを作って売却依頼へと結び付けたい」という目的で嘘をついているだけなので、騙されないように用心しましょう。
査定価格は「実際に売れる価格」ではない
不動産の査定価格は、中古車や質屋とちがって「買取値」ではありません。あくまでも「この値段なら成約する可能性が高い」という、市場に出した場合の予測価格なのです。
したがって土地の査定価格が高いからといって、高値で売れるとは限らないのが現実です。
高すぎる査定額提示は、売却依頼を得るための業者側の戦略です。
高値で媒介契約を締結して何もせずに売主を焦らせ、一気に安値で買い叩く業者がほとんどなので、こうした作戦には引っかからないよう気をつけましょう。
住宅ローン特約による解除に要注意
不動産を購入するにあたって、売買代金の全てを現金でまかなうことのできる人はほとんど存在しません。多くの契約で住宅ローンを使用されますが借入れを申し込んだ金融機関からローンを断られたら、買主は資金の調達ができず、売買代金を支払えなくなってしまいます。
白紙解約が可能な住宅ローン特約
売買契約を締結したのに、事情が変わって代金を支払えなくなると契約違反となり、通常は違約金の対象です。しかし住宅ローンは購入のための最低条件であるともいえ、使えなかった場合は、消費者保護の観点からも買主は救済されることになります。
それが住宅ローン特約と呼ばれる定めで、買主が金融機関のローン審査に落ちてしまった場合は、売主から手付金を返金され、白紙解約となるのです。
白紙解約ならば違約金の発生なし
当然ですが白紙解約では違約金は発生しません。とはいえ、契約後にいつまでもローンが確定せず、売買代金支払いの時期の直前になって白紙解約となっては売主が困ってしまいます。
そのために期日が設けられ、「いつまでにどの金融機関から」「いくらの融資金額の承諾を得る必要がある」と、契約書に明記されるのです。
このような記載があるかどうか、売買契約を締結する段階まで進んだら、必ずチェックするようにしましょう。
契約前に「事前審査を受けているか」の確認を
また、契約前に「購入者が金融機関の事前審査を受けているかどうか」の確認も必須です。事前審査に合格していれば本申込のあとにローンが否認されるのはレアケースですので、不動産業者に確認して事前審査の結果も必ず教えてもらうようにしてください。
土地の瑕疵担保責任とは
瑕疵(かし)とは不具合や欠陥のことです。物件を買主に引き渡した後に瑕疵が発覚したら、売主の責任でそれを取り除かないといけないことになっています。
土地の場合は主に浄化槽や井戸といった、建築を阻害する障害物が該当します。
少しでも心当たりがあれば申し出を
心当たりがある場合は、必ず売買契約の締結前に不動産会社に申し出ましょう。地中に隠れている障害物であっても、土地購入者の建物を新築する際には発見されます。
後になっての処理では余計に費用がかかるケースもあるので、事前に処置を行っておくほうが賢明です。
個人間売買はトラブルリスク大!不動産会社を通すべき理由
専属専任媒介以外の媒介契約であれば、自らが発見した相手方と売買契約を締結することは可能ではあります。しかし不動産の売買はトラブルが多いので、個人間の売買はあまりお勧めできません。
仲介の不動産業者がいる安心感
不動産業者が売り買いの間に立てば、買主には物件と売買契約の詳細を説明する「重要事項説明書の交付」があり、売買契約書も必要事項の記されたものとなります。しかし業務知識や法的知識、税務や住宅ローンの知識が薄い個人同士の契約となると、そうした面が細かに契約書に反映されにくく、トラブルとなりかねないのです。
親しい関係ほどトラブルになりがち
友人や親戚など、自ら発見した相手方と売買に至るケースは稀ではありません。もちろん近い関係者が相手だからこそ、余計なトラブルは避けたいものです。
仲介を依頼しトラブルリスクの軽減を
最初から売主と買主が決まっていれば、販売経費を必要としないので不動産会社の負担も軽くなります。仲介手数料の割引に応じてくれる不動産会社も少なくないので、「持ち込み案件」として相談を持ちかけ、安全な取引を心掛けるべきでしょう。
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農地や山林の売買は特殊
土地には宅地以外にも農地や山林といった、様々な名目があります。土地を売却する際にはこの名目よっては、取引を規制される場合があります。
以下に規制される土地をまとめましたので、所有不動産が該当する場合は参考にしてください。
宅地
特に規制はありません。ただし規模の大きな土地になると、事前に都道府県に届け出をし、売買価格の審査を受けなければならない国土利用計画法に該当する場合があります。
対象となる面積は地域によって様々なので、大きな土地を売買する際には必ず不動産業者に相談すべきです。
農地
登記簿の地目が畑や他などの、農地の場合が該当します。基本的に農地は農地法という法律で他の目的に転用することが禁じられていて、売買も農業委員会の許可が前提です。
取引を行う前には必ず不動産業者に相談し、届出や許可の基準を認識しておくべきでしょう。
国土利用計画法の注意点
国土利用計画法は「山林」や「原野」といった、宅地以外の土地の売買も対象に該当します。
また、登記簿の地目が農地以外であっても、土地の現況が農地とみなされれば農地法の対象となります。
また、登記簿の地目が農地以外であっても、土地の現況が農地とみなされれば農地法の対象となります。
土地の売却費用は仲介手数料だけじゃない
買換えや相続税納付のために売却する場合は、経費の見込み違いをすると資金不足となりかねません。
特に仲介手数料や譲渡税は知識がないと慌ててしまいがちなので「どんな経費があるのか」しっかり認識しておきましょう。
仲介手数料は売買価格の3%
仲介手数料は、不動産会社に支払う売買の際の手数料です。仲介手数料の額は法律で上限が定められていて、通常は「売買価格の3%+6万円(消費税は外税)」という速算式で算出されます。
売買金額が400万円以下の場合は4%、200万円以下は5%となりますが、概算で3%強が仲介手数料と覚えておけばよいでしょう。
3,000万円の土地売却の場合
3,000万円×6%+6万円=96万円
プラス消費税(7.68万円)
仲介手数料の支払総額:1,036,800円
プラス消費税(7.68万円)
仲介手数料の支払総額:1,036,800円
また、法律で定められているのは上限だけなので、仲介手数料の割引交渉は可能です.
不動産会社との取引は仲介手数料が不要
なお、不動産会社が買主となって直接取引をする場合は、仲介業者は不要になるため仲介手数料も発生しません。
土地の売買で生じる税金
売買に課される税金も場合によっては、結構な額となるので知っておきましょう。不動産譲渡所得税
譲渡所得税は、売却によって利益が生じた際に「利益に対して課される税金」です。ですから、購入時の金額を下回った額で売却した場合は該当しません。
譲渡所得税の税額は、譲渡所得の額や保有期間によって税率が異なり、居住用か否かなどによって控除もあるので様々です。
保有期間によって税率は異なる
保有期間は5年までが短期譲渡所得、5年超となると長期譲渡所得となり、税率が異なります。この他に10年で区切られるケースもあるので、譲渡所得が発生する場合は国税庁サイトの相談窓口案内から、最寄りの税務署等を検索して事前に相談しておきましょう。
譲渡所得税は確定申告が必要
なお、譲渡所得税は分離課税といって、通常の所得税のように源泉徴収はされません。売買の翌年に確定申告が必要となるので、該当しそうな場合は確定申告時期の2月の前に税務署等の相談を受けておきましょう。
印紙税
収入印紙を購入し、売買契約書に貼付して収める税金です。印紙の額は売買金額によって以下のように異なります。
記載された契約金額 印紙税額 1万円以上50万円以下のもの 200円 50万円を超え100万円以下のもの 500円 100万円を超え500万円以下のもの 1,000円 500万円を超え1,000万円以下のもの 5,000円 1,000万円を超え5,000万円以下のもの 10,000円 5,000万円を超え1億円以下のもの 30,000円 1億円を超え5億円以下のもの 60,000円 5億円を超え10億円以下のもの 160,000円 10億円を超え50億円以下のもの 320,000円 50億円を超えるもの 480,000円
登録免許税
登記を行う際に課される税金です。所有権移転登記は買主負担となりますが、売主の場合は、
- 住所移転登記、
- 抵当権抹消登記
- 相続登記
などが該当します。
売れにくい土地を売却する4つの戦略
そうした法規制、土地形状や規模によって、残念ながら売ることが難しい土地も存在します。
ただ、売りにくいとはいえ、売れない土地はありません。
諦めずに知識を利用して、土地の売却に臨みましょう。
土地の「放棄」や「寄付」は非常に難しい
基本的に不動産である土地は放棄できません。不要だからといって、土地の所有権を「いらない」とはいえないのです。
寄付も現実的でない
また、企業や福祉団体に寄付しようとしても贈与税の対象となったり、そもそも相手方のニーズに合わないケースがほとんどです。そのため、土地の寄付も難しいのが現状です。
現在の法律では「不要な土地は売るしかない」と基本的には理解しておくべきでしょう。
隣地の所有者に買ってもらうのが解決策
建築基準を満たしていない土地は、建物を建てて利用できないので、購入する人は滅多にいません。建築不可物件である土地は多くのケースで売却不可物件となってしまうのです。
しかしその土地を購入することによって、利益が生じる人もいます。
候補は隣接地の所有者
隣接地の所有者であれば、- 土地が広くなる
- 再建築の際に大きな建物を建築できる
などの利点があるため、購入のモチベーションがありうるのです。
「法的に建築不可の土地は、隣地に売るのがベスト」と覚えておいてください。
もちろん、本来は建築不可なので売値は相当安くなってしまいます。
しかし、売却不可の物件を処分する方法は他にないので「安値もやむなし」と認識すべきでしょう。
使わない土地は安価でも売却がオトク
税金面からも、不要な土地は手放すべきだといえます。不動産には所有しているだけで固定資産税や都市計画税が課されます。
住居として利用していないと税率も高くなり、今後は空き家対策として「古い空き家が存在する土地の課税を強化する政策」も検討されている最中です。
使わない、もしくは使う予定のない土地は、一刻も早く売却するのが得策です。
税負担は年々大きくなる方向にあるので、将来に備えるといった意味からも、たとえ購入時より安い金額となったとしても、早期に処分すべきでしょう。
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広すぎる土地は分筆を検討
広すぎる土地も買い手が付きにくい物件の1つです。面積が大きすぎると総額が大きくなってしまうため、購入できる人が限られてしまうのがその理由です。
その土地が商業地やマンション建築に適していれば別ですが、住宅用地としての利用がベストな土地であれば極端に大きな土地を望む人はさほどおりません。
広すぎる土地は小さく「分筆」
そのような物件を売る場合は、土地を分割し、小さな土地にして複数の買主に売却するのがよいでしょう。分筆可能という条件で売りに出せば一件あたりの土地が小さくなり、面積過大だからといって足もとを見られることもありません。
分割しての土地の販売は不動産業者と相談
しかし土地の分割売買は、件数が多くなると不動産業者だと認められてしまう可能性があります。不動産業の定義は「反復継続しての不動産売買」となるのですが、それに該当すると認められると無免許業者として罰せられてしまうのです。
そうしたケースにあたるかどうか、大きな土地を売却する場合は不動産業者とよく相談して売却方法を決めるようにしましょう。
まとめ:土地売却の失敗を防ぐには情報収集
何も知らずに売却を依頼してしまうと、不動産業者の意のままに売却が進み、不利な条件を呑まされるケースが少なくありません。
税金面で不利になるにもかかわらず売却を急かされたり、相場を知らないがゆえに極端な安値で売られたりと、気づかないうちに損を出してしまうのです。
売主の無知を利用する業者は大手中小を問いません。
有名な不動産会社だからといって安心せずに、この記事を参考に知識を蓄え、大事な資産の売却で損をしないよう心掛けましょう。
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