クリニック転職を考える看護師のよくある誤解10選

[公開日]2014/10/14[更新日]2018/08/08

看護師が転職を考える時、クリニックを検討する人も多いことでしょう。しかし、いざ働いてみると病棟とのギャップがあり、何か違うと感じる人もいます。そこで、クリニック転職においてよくある誤解についてご紹介します。
クリニック転職の看護師の誤解


1.病棟より長時間立ちっぱなし


病棟は、ナースコールやケアや処置などで、ベッドからナースステーションまでの移動や、病院内で検査など、一日中動き回ります。又、寝たきりなどの患者さんも多く、体位交換や介助など重労働もします。夜勤をするといつも以上に疲れますし、残業も多いので病棟看護師は体力勝負です。

一方、クリニックでは、移動範囲も少ないし、残業も少なく、夜勤がないので体力がなくてもできそうと思いがちです。しかし、クリニックでは一日中立ちっぱなしという仕事になります。クリニックにもよるかもしれませんが、流れ作業で患者さんの検査や処置などに追われますので、座る暇はほとんどなく、病棟のように記録をすることもありませんので、記録の為に座るという機会もありません。

入職後慣れないので、立ちっぱなしによる足腰の痛みがしばらくはあることが多いです。

2.ルーチンワーク


クリニックでの診療はほとんど同じ作業の繰り返しです。診察、検査、処置、注射や点滴といったことをしていきます。又、定期的に通院している患者さんは、やることがパターン化します。その為、覚えれば簡単で単調な仕事になりますが、覚えることも多く、クリニックにおける決まりのようなものも存在しますので、今までの経験だけでやり過ごせない日々がしばらくは続きます。

そして、教育体制もしっかりしていないことが多いので、いろんな人が気づいたことをどんどん言ってくることもあり、余計に混乱することもありますので、面倒見の良い人がいるととても助かります。そんなルーチンワークを1カ月くらいしていると慣れてきて、スムーズにできるようになりますが、それが何年も経つと飽きてしまうこともあります。

3.慣れてくると看護師任せ


医師は、患者さん毎の対応はあまり変わらないので、処方など「do」とカルテに記載することがあります。看護師は3回以上の確認をして物事を進めていくよう教育されてきていますが、この「do」はどこまでを指しているかを考えたり、確認をしたりしなければなりません。又、医師も、慣れた看護師には任せっぱなしで、記載を忘れたり、書いておくよう頼んだりすることがあります。

「あの人のあれをあれしておいて」とまるで長年連れ添った夫婦のように「あれ」で通じることもあるでしょう。そして、看護師達は、医師が何も言わなくても先に行動するようになり、逆に指示抜けに対し確認をとったりするようになってきます。いつの間にか看護師に動かされているような診療になっている所も少なくはないでしょう。

それだけ信頼を寄せてもらっていますから、責任は重大です。看護師が最後の砦で医療行為をするので、慣れの中にも考えるという癖が必要になってきます。

4.経営者の個性


クリニックは、経営する医師の意向を基に様々なことが決まり、ルールがあります。その為、医師のキャラクターや考え方は、クリニックの仕事のしやすさや雰囲気に大きく影響します。医師は元々個性的な性格の人が多いので、面接の際などはよく観察して転職を決める判断材料にするといいかもしれません。

しかし、クリニックには「奥さま」の存在があります。大抵のクリニックでは、奥さまが経営や雑務や接遇など関わっていることが多いので、時折その対応しなければなりません。奥さまは、必ずしも医療関係者であることはないですので、状況が分からずに申しつけられたりすることがあります。

又、奥さまの希望で病院の管理について決まりがあったりします。その影響度によっては、医師よりもやりづらさがあり、不満に思うことも少なくはありません。特に奥さまに対しては、顔色を伺いながら行動していく気苦労があります。

5.少人数の狭い人間関係


クリニックのスタッフは数人のことが多く、その狭い人間関係は場合によっては大変なことがあります。少数の人間が1日中同じ空間にいますので、その関係がいいととても楽しいですが、苦手な人や変わり者がいると厄介です。

クリニックは一人になることがあまりないので、スタッフとのいい人間関係を作っておくことは病棟の時より大切です。気の合うスタッフがいれば、悩みを言い合ったり、仕事の後一緒にご飯を食べに行ったり習い事をしたりと友達となり、仕事もスムーズに進みます。

しかし、苦手な人がいると仕事がスムーズにいかなかったり、ずっと一緒の空間でいるストレスが溜まったり、退職になる原因になりやすいです。クリニックでの狭い人間関係は、働く上でその影響が大きいと言えます。

6.幅広い仕事内容


クリニックでは検査、注射、処置など通常の診療に加え、掃除、会計、処方箋、薬剤・物品管理、往診といった仕事がありますが、医師の雑務(犬の散歩など)も稀にあります。病棟しか経験のない看護師にとっては、こんなこともするのだと抵抗があったりすることがあります。

クリニックには、検査技師・薬剤師・掃除業者などがいるところは少ないので、自前のスタッフでクリニック業務をまかなうことが多いです。診療前後の清掃は勤務時間に含まれていないことが多いのでサービスになりますし、患者さんの受付やクリニックの始業準備は、早出を交代で担当する体制のところもあります。

院内処方がある所は調剤をし、患者さんへの説明をしたり、レントゲンなどは看護師が撮影するようになっていたりする所もあります。そして、医療事務においては、一人もしくは稀にいないということもありますので、受付や会計の計算や処方箋の準備などもしたりすることがあり、体制によっては様々なことをこなしていかなければなりません。

7.福利厚生


クリニックは病院と比べ福利厚生が少ないことが多いです。中でも、健康保険は医師国保だったり、自分で国民年金を支払うケースもあったりしますので、転職する際は確認しておいた方がいいでしょう。
又、少人数で仕事を回してますので、有給がとりにくいと言えます。スタッフや経営者の理解がある所では、順番に取って行こうという雰囲気がありますが、やはり、病気などの緊急事態でないと言いづらい状況です。

ましてや、長期休暇は年末年始とお盆以外はほとんどなく、その休みも一般の社会人より長いとは言えません。休診されると困るのは患者さんですし、他のクリニックに流れてしまっては経営にも影響がきてしまうからです。

産休や育休を認めている所も、よほど気に入られていないと無いと言えるでしょう。面接の際は有給の取得状況も確認しておくといいでしょう。

8.患者さんとの関係


病棟では、日常生活のお世話などで患者さんとは密接に関わりますが、クリニックでは流れ作業で検査や処置などをしていきますので、一人一人関わる時間は少ないです。それでも、定期通院や数日おきに注射などをされる患者さんで何度も顔を合わせていくと、仲良くなったりしますが、あまり深刻な悩みなどを相談する機会は少ないでしょう。

看護師として患者さんそのものに介入する機会は少ないので、そういったやりがいはありません。 それでも、定期的に来る患者さんのちょっとした変化に気づいてあげられる看護師は、忙さで見逃がしがちな医師にとっては心強い存在です。流れ作業の中で、関心を持って患者さんを把握していけるかは、時間とその姿勢に大きく影響するでしょう。

9.クリニックの実情


都心であるほどクリニック同士の競争があります。来院してくれる患者さんで経営が成り立ちますので、昔と違って患者さんへの対応にはとてもナイーブです。少ない患者さんをいかに獲得するかがテーマですので、一人一人を大切にする為にも、クリニックでは接遇について求められるものは大きく、中には「お客様」として過剰に接遇することが求められることもあります。

クリニックの雰囲気を良くしてくつろげるようにしたり、ミネラルウォーターや雑誌やキッズルームなどのサービスの充実を図ったりしている所も多いです。クレームの対応については、ひどい時には自宅を訪問したりするところもあります。それだけ、噂が経つと患者さんの足が遠のいて困る状況になるからです。

そんな厳しい経営をしているところもありますので、治験をしてその補てんをするクリニックが増えていますが、お金が主な目的なので、言われたとおりにするといったスタンスの医師が多いです。

10.クリニックの求人を上手く見つけるコツ


クリニックの求人は、ハローワークなど古くから常に出るところは、人間関係や雰囲気や待遇に問題があり退職者が多く、経営者も現状改善を図らず、使い捨ての感覚があるのかもしれません。

もし、気になる所があれば、事前に家族の付き添いなどで雰囲気などを確認できると少しは状況が分かるかもしれませんが、やはり入ってみないとわからないことが多いです。いい条件のところは転職サイトが持っていることが多いようなので、なかなか見つからないと言う人は登録して相談してみるといいかもしれません。

何より、条件が不明瞭だったりすることが多いので、代わりに聞きにくいことを確認してもらえたり、内情の情報を持っていることもありますので利用する価値はあると言えます。

クリニックへの転職は、病棟などと比べやりがいが少なく、研修や勉強会などがあまりない為、看護師として磨きたいことがある人にとっては物足りなさもあります。しかし、看護師として資格を生かし、ライフスタイルに合わせた働き方をする為に、クリニックを選択肢にする場合、これらのことを踏まえた上で確認や心構えをしておいた方がいいかもしれません。

給料を上げたい、人間関係が嫌だ!そんな看護師の方は転職サイトの無料登録は必須


さて、ここからは転職を考えている看護師が登録しておきたい転職サイトを紹介します。

転職先を探す時には転職サイトに登録し、たくさんの情報の中から自分に合った求人を見つけることが得策です。

看護師の転職サイトを選ぶポイントは以下の3点です。

手厚い転職サポート体制があるか・・・看護師の転職では専属のキャリアアドバイザーを活用できるかが重要
公開求人件数が多いか・・・非公開求人もあるので完全にはわからないが取扱求人件数の目安になる
信頼できる会社が運営しているか・・・求人、キャリアアドバイザーの質に影響する可能性がある

これらの点を踏まえ、看護師が登録しておきたい転職サイトを選びましたので紹介します。どのサイトも登録は無料です。


なるべく多くの求人情報と触れたり、より自分に合ったキャリアアドバイザーを見つけるためにも、必ず2社以上の転職サイトに登録するようにしましょう。

看護師専門の転職サイトについて詳しい比較はこちら