看護職場でのいじめー上司のきつい態度ー
[公開日]2014/11/19[更新日]2018/08/08
<質問>
現在、某大学病院に勤務している看護師です。上司からのきつい態度や、同期との差別的な扱いを受け、2ヶ月後に退職する予定です。先日も夜勤明けにインシデントレポートを提出するため、上司の様子をみて声をかけたのですがタイミングの悪さを叱責され、定時を3時間も過ぎてようやく受け取ってもらえました。おなじ状況でも、同期には柔らかい口調で優しく対応するのに、私は邪険に扱われます。自分なりに努力をしても認めてもらえず、悪い部分ばかり攻められるようで、毎日が地獄です。退職までどう乗り切れば良いかアドバイスをお願いします。
現在、某大学病院に勤務している看護師です。上司からのきつい態度や、同期との差別的な扱いを受け、2ヶ月後に退職する予定です。先日も夜勤明けにインシデントレポートを提出するため、上司の様子をみて声をかけたのですがタイミングの悪さを叱責され、定時を3時間も過ぎてようやく受け取ってもらえました。おなじ状況でも、同期には柔らかい口調で優しく対応するのに、私は邪険に扱われます。自分なりに努力をしても認めてもらえず、悪い部分ばかり攻められるようで、毎日が地獄です。退職までどう乗り切れば良いかアドバイスをお願いします。
<回答>
そもそも看護という職業を選択した時点で、みなさんは人間的関心が深く、豊かな感性を持った人たちですよね。くわえて病気で苦しむ患者さんの支えになるべくトレーニングを受けてきた職能集団なのですから、チームワークだって抜群のはず。ところが、残念なことにパワハラやイジメといった実態も明らかになってきています。
看護師が退職、転職に追い込まれる原因としても上位にのぼり、離職予防として、看護師のためのカウンセリング窓口を設置している病院もあります。危機的な状況に陥る前に、自分の職場環境も見直してみましょう。
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目次
親と上司は選べない
今回の相談では、上司の理不尽な態度で退職に追い込まれたという事ですね。上司というのが師長なのか、リーダー的役割の人なのかによって多少の違いはありますが、いずれにしろパワーハラスメントと考えられます。しかしながら私たちは親と上司を選ぶことはできません。ある程度の努力をしながら与えられた環境に適応していくしかないわけです。
相談者さんに対する上司のきつい態度はいつ頃から始まったのでしょうか、あるいは何かきっかけになることはなかったでしょうか。今後のためにも冷静に振り返り、問題となった「原点」を探ってみる必要があると思います。そして誤解やしこりを残さないように、勇気をもって話し合う機会をもってみてはいかがでしょう。
相手はあなたが、それほど苦しい気持ちでいることに気づいていないかもしれません。また何かにつけて攻撃性を向けられることの裏には、相談者さんへ伝えたい思いが伝わらない歯がゆさがあるのかもしれません。一度、心を開いてみれば案外スムーズに関係修復できることもあるはずです。当たって砕けろ!の勢いで、上司の心のドアをノックしてみることを是非お勧めします。
困った時こそ同期の力
今回の相談では、同期で入職した看護師と差別的な待遇を受けるということも問題でしたね。同時期に入職して、同じように教育を受けてきたのに、このような差が生まれたことに納得できないのは良く分かります。では、その同期とあなたの関係はどうなっているのでしょうか。
困っている状況を相談したことはありますか?そうであれば、きっとあなたの立場を理解しうまくいくコツを伝授してくれていたはず。また上司のきつい態度に傷ついた時も一緒に、あるいはあなた以上に腹を立ててくれたかもしれません。すると不思議なことに、自分の気持ちが冷めていくものです。でも、この質問の文面から、それが伝わってこないのです。とても孤立して孤独な状況にいるような雰囲気が感じられます。
私も同期とは上司や先輩、困った患者さんの愚痴を言い合ってストレス発散していましたし、失敗して落ち込んだ時もさりげなく励まし、支えてくれる特別の存在でした。退職後の今でも仲良しの友達です。その場にいる仲間でしか分からない空気もありますから、同期に関わらず心を開いて話ができる仲間をみつけてみましょう。今回のケースでは上司との関係が問題で、他の同僚からのイジメはないようです。あなたがきっかけを作れば、苦しい気持ちを聞いてくれる人がいるはずです。あなたからの声かけを待っている人がそばにいるかもしれませんよ。
自分自身を客観視する
実はこの質問投書のシチュエーションに若干の違和感を覚えています。相談者さんは夜勤明けにインシデントレポートを提出したということになっていますね。だとするとレポートを提出する前に、まず報告が必要だったはずです。そして、その段階で上司とレポート提出期限を含めた事後処理について指示があったはずですね。インシデントの報告も受け付けず、レポートの受領も先延ばしにするという上司がいたとしたら病院としても大問題ですから、通常は考えにくいケースとなります。
反対にこのインシデントの絡みで事態収拾に追われていたため、上司が忙しかったとすれば、相談者さんも責任上、このような理不尽さを感じることはないはずです。そこで勝手な推察になりますが、これは過日に起こり、報告済みであったインシデントレポートを「あなたの都合の良いタイミング」で提出した。
そう考えれば、上司が忙しいことを理由になかなか受け取ろうとしなかったことも理解できます。そして、そうであったとしたら、レポートを提出したタイミングは適切だったのかということが気になります。日頃から指導、注意を繰り返し受けていると、いつのまにか被害的な気持ちになり、客観的な状況判断が難しくなる傾向があります。自分の責任もわきまえず感情的に振る舞うだけの上司であれば論外ですが、こちら側も状況判断の甘さがなかったでしょうか。いずれにせよ、人間関係はお互いの感情に影響を受けるものですから、冷静に客観視することも必要ではないかと思います。
取扱い説明書を読み解く
直接業務に関わる同僚とのトラブルとは違い、上司との関係では立場という力関係が加わるので厄介ですね。実際に私も「取扱い注意な師長」に悩まされたことがありました。夜勤帯で朝の処置に追われ、どんなに忙しかったとしても、師長が出勤してきたら手を止め、姿勢を正して挨拶し、夜間の報告をしなければなりません。
それを怠ったために別室に呼ばれ厳重注意を受けた同僚もいました。常に師長の顔色を窺わなければならないので、毎日ピリピリした緊張感がありました。これがひとりのターゲットに絞られていたとしたら、耐え難い圧迫感だったと思います。できることなら近づきたくない、視界から消えていたいと思っても不思議はありません。でも、こちらが逃げ腰になれば、相手はさらに自分の権威を誇示したくなるかもしれませんし、あまりにも慇懃無礼な態度は逆に怒りを買う結果にもなります。
そこで活用したいのは上司へのビジネスマナー。まさにこれが困った時の取扱い説明書。女性の多い職場では、おざなりになりがちですが、社会人としては基本的なこと。上司と部下の快適な距離感を保つことは、上司への礼儀を示すことであり、お互いの信頼感につながると思います。実は私もこの作戦で、あの「取扱い注意な師長」とプライベートな会話を楽しめるほどの関係を作ることができました。残り2ヶ月という期間では難しいと思いますが、自分の立ち位置に迷ったときのより所としてみてはいかがでしょうか。
タテ社会のルールを活用する
大学病院に勤務されているのであれば、当然看護部は存在するはずですね。辞めるという結論を出す前に、看護部のしかるべきポジションの人に相談されたでしょうか。病棟において看護師のトップが看護師長だったとしても、病院全体の人事権を一任されているものではありません。看護部というタテ社会の組織においては師長とはいえ、一師長でしかないのです。ですから相談者さんが、看護部長に実情を訴え、それが正当だと評価されれば、他の部署への異動を考慮してもらえた可能性は大きかったと思います。
とは言うものの、経験年数の少ない看護師が、看護部長に直訴するというのは、よほど勇気がいることかもしれませんね。それに、相談したことで却って報復されたりしないかと心配にもなるでしょう。ですが私の経験上、それはないはずです。なぜなら、話がこじれれば問題が大きくなり、他の職員への影響が大きくなってしまいます。
同時期に退職を考えている人の背中を押してしまうことになるかもしれません。これでは管理者としての能力を評価されることにもなりかねませんから、可能な限り円満に解決し、退職希望者を出したくないと思っているはずなのです。もし、これからの2ヶ月がそれほどまでに辛いのであれば、今からでも相談してみてはいかがでしょう。直属の上司よりさらに上のランクの上司が、広い視野から窮状を理解し、対応を考えてくれれば、あなたの気持ちも楽になるかもしれませんよ。
決心したら振り向かない
これは極論になってしまいますが、あえてお話しましょう。相談者さんの場合、すでに退職までのカウントダウンに入っています。確かに苦しい時間でしょうけれど「あとは野となれ山となれ」で開き直るのも手です。努力して上司との関係を修復する必要もありません。向けられた怒声も馬耳東風。
むしろ発展性のない人間関係のために、無駄なエネルギーを費やす上司の熱意を褒めてあげましょう。もう正面からむきあう必要はありません。同じ土俵ではないのです。上司のひとり相撲を見守ってあげるのも良いでしょう。あるいは完全放棄するなら、心療内科を受診し診断書をもらって、病休にしてしまう方法だってあります。
他者からのの評価など捨ててしまえば、身も心も楽になれるはず。でもあなたは同僚に負担をかけないよう頑張っている。それだけは自分自身を十分に認めてあげるべきです。とは言っても、この方法はあくまでも極論。なぜならきっと「それができる位なら、悩んだりしません!」と反論されると思うからです。
そもそも看護師というのは、勤勉で誠実な人が多いんですから…。でも、本当に苦しいのなら勇気ある撤退も選択肢に残しておいて下さい。正直言います。職場にとって看護師としてのあなたのスペアはいくらでもいます。でも、あなたが本当に壊れてしまったら、あなたの人生のスペアは絶対に見つかりません。そして決心したのなら、迷わず安全地帯に向かって突っ走ることです。その決心はきっと間違ってはいないと信じて下さいね。
看護師は心身ともにストレスの多い職場ですから、人間関係のトラブルも起こりやすいようです。でも本当は誰だって気持ち良く働きたいと思っているはずですよ。頑張ってくださいね。
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