看護師が持っていると役立つ資格を教えてください

[公開日]2014/10/28[更新日]2018/08/08

〈質問〉
看護師5年目で、内科に勤務しています。経験として、呼吸器・循環器・消化器・血液・免疫・DMなどに携わってきました。私のこれまでの経験で、取得可能な役に立つ資格があれば教えてください。

看護婦に役立つ資格10選 〈回答〉

私は、消化器内科経験のある看護師で、看護師資格の他には公認CRC資格を持っています。質問者様は、経験分野が色々あるので、取れる資格や興味のある資格も多いかと思います。下記のものが経験分野で取れると思われますのでご紹介します。


日本禁煙学会の制度


日本禁煙学会では、①禁煙サポーター、②日本禁煙学会認定指導者、③日本禁煙学会認定専門指導者の取得制度があります。

①は、禁煙指導ができる日本禁煙学会会員で、学会指導講習会を受講で認定。試験・更新不要、費用は3000円。
②禁煙指導を背景にEBMIに基づいた禁煙指導ができる日本禁煙学会会員。試験で認定、費用1万円。5年毎に更新。
③高度な禁煙学の知識を基に禁煙指導ができる日本禁煙学会会員。試験で認定、費用1万円。5年毎に更新。但し、認定指導者取得後3年後に禁煙講習会での講師歴と日本禁煙学会研修カリキュラム修了証を提出すれば、試験不要で費用は4000円。

呼吸器科の経験があるということで、①から③へとステップアップできるやりがいもあると思います。他にも日本禁煙科学会の制度もあります。

フットケア認定指導士


日本フットケア学会では、フットケア全般の優れた知識と技術を有する医療・福祉職者に対し認定されています。フットケアの知識・技術を活用し、患者とケア提供者のフットケア能力の向上を目指し、各現場での指導役割を担うことが期待されます。

受験資格としては、看護師資格など国家資格を有し、3年以上の実務経験があること。フットケアの実務経験を有し、フットケア指導認定セミナーを受講していること。試験は、マークシート方式、費用1万円。5年毎更新。

糖尿病に関わるにあたって、現場の指導やケアに必要なものとなりますので、すぐに実践的で活用できる資格といえるでしょう。

日本糖尿病療養指導士


日本糖尿病療養指導士認定機構では、糖尿病治療に最も大切な自己管理を患者に指導するスタッフで、高度で幅広い専門知識をもち、患者の糖尿病セルフケアを支援する、糖尿病の臨床における生活指導のエキスパートとして日本糖尿病療養指導士の認定制度があります。

受験資格として、看護師資格などを有すること。条件を全て満たしている医療施設において、現在又は過去10年以内に2年以上継続して勤務し、且つ糖尿病患者の療養指導業務に通算1000時間以上従事していること糖尿病療養指導の自験例が10例以上あること。日本糖尿病療養指導士認定機構の講習会を受講し受講修了証を取得していること。

試験は、マークシート方式と糖尿病療養指導自験例の記録の評価10例の事前提出。費用は2万円。5年毎の更新。

その後の更新の為の実績が必要になってきますが、糖尿病のエキスパートとしての活躍をする上ではいいでしょう。

消化器内視鏡技師


日本消化器内視鏡学会にて認定され、消化器内視鏡検査・治療の介助、補助業務に携わるための資格です。

応募に必要な書類は、申請書、勤務証明書(消化器内視鏡部門で当学会専門医指導のもと2年以上勤務していること)、医学講義受講証明書(消化器内視鏡講座と基礎的医学講座(2種のみ)を学会支部主催の医学講習会又は勤務先の当学会専門医に受講されること)、業績目録(消化器内視鏡技師研究会・技師会の研修発表があれば記載。又、過去5年以内に2回以上の出席)、推薦書、消化器内視鏡介助実績証明書、診断書、医療関連免許証コピー、内視鏡機器取り扱い講習会出席証明書のコピー、技師研究会出席証明書など。

試験は、学術試験・口頭試問、受験料5000円と、合格後資格認定登録料1万円。5年毎の更新。

消化器科専門の施設の勤務を検討している人や、内視鏡従事に機会がある人は是非とっておきたい資格となるでしょう。

栄養サポートチーム専門療法士(NST)


日本静脈経腸栄養学会にて、静脈栄養・経腸栄養を用いた臨床栄養学に関する優れた知識と技能を有しているものをNST専門療法士として認定しています。

資格取得については、看護師などの国家資格を持ち、5年以上、医療福祉施設に勤務し、当該施設において栄養サポートに関する業務に従事した経験を有すること。又、本学会における学術集会に1回(10単位)以上、臨床栄養セミナーに1回(10単位)以上参加し、30単位以上、又は、更に栄養に関する全国学会、地方会、研究会(各5単位)への参加単位数の合計が30単位以上あること。認定教育施設において合計40時間の実地修練を修了していること。

申請には、実地修練期間中にその施設において携わった静脈経腸栄養管理中の患者に関する1600次以内の症例報告の提出が必要。受験料は1万円、認定料は2万円。5年毎の更新。

患者の状態や症例において栄養管理を行うためにあり、NSTを設置している施設ではとても役立つ資格と言えます。

循環器専門ナース


臨床心臓病学教育研究会にて認定しており、循環器分野のエキスパートで、フィジカルアセスメントができ、循環器疾患に関しての医師とスムーズに会話ができる程度の知識を持ち、臨床検査に精通しているなど、現場での実践的な知識を習得した者に与えられています。

受験資格として、看護師などの資格があり、5年以上の実務経験があること。受験にあたり、専門ナース研修が必要(抽選)。参加費155000円。研修終了後に認定試験(郵送)があり、2年毎に更新試験があります。

循環器の学習は難しい分野でもあるため、費用はかかりますが循環器科のエキスパートを目指す人にとっては、スキルアップとしての資格となります。

心臓リハビリテーション指導士


日本心臓リハビリテーション学会にて認定され、CCUの普及や心臓手術の進歩により早期離床・早期退院が可能となったため、冠危険因子是正による二次予防のための心臓リハビリテーションが必要となっており、包括的リハビリを目指して、共通認識と知識や用語の共有化やカンファレンスをして、チームが円滑に機能するための役割が求められています。

受験資格として、看護師資格など有し、2年以上継続して日本心臓リハビリテーション学会会員歴があること。心臓リハビリテーション士異動の実地経験が1年以上あること、又は、心臓リハビリテーション研修制度により受験資格認定証の交付を受けていること(所属長に推薦状が必要)。又、申請書類として、自験例報告書(10例)が必要。審査は、講習会への出席と試験、受講料1万円、審査料15000円。5年ごとに更新。

循環器科の急性期にいる人にとっては、実践的な知識で活躍できそうな資格といえるでしょう。

専門看護師


日本看護協会にて認定され、複雑で解決困難な看護問題をもつ患者・家族および集団に対して、水準の高い看護ケアを効率よく提供するため、保健医療福祉の発展に貢献し、看護学の向上を図ることを目的とした制度です。分野として、がん看護、精神看護、地域看護、老人看護、小児看護、母性看護、慢性疾患看護、急性・重症患者看護、感染症看護、家族支援看護、在宅看護の11分野があります。

認定資格としては、看護師免許を有し、看護系大学員修士課程修了者で日本看護系大学協議会が定める専門看護師教育課程基準の所定の単位を取得。実務研修が通算5年以上あり、うち3年以上は専門看護分野の実務研修であること。認定審査は、書類審査と筆記試験。費用は5万円。5年毎の更新。

専門看護師がいる事で、病院にとって診療報酬の加算の対象となったりするため、スキルップや患者への質の高い医療サービスを提供できるだけでなく、病院側への貢献度もあり、自分の働きやすい環境へ近づける事も期待できます。

認定看護師


こちらも日本看護協会にて認定され、特定の看護分野において、熟練した看護技術と知識を用いて、水準の高い看護実践を看護現場における看護ケアの広がりと質の向上を図ることを目的とした制度です。認定看護分野は、救急看護、皮膚・排泄ケア、集中ケア、緩和ケア、がん化学療法看護、がん性疼痛看護、訪問看護、感染管理、糖尿病看護、不妊症看護、新生児集中ケア、透析看護、手術看護、乳がん看護、摂食・嚥下障害看護、小児救急看護、認知症看護、脳卒中リハビリテーション看護、がん放射線療法看護、慢性呼吸器疾患看護、慢性心不全看護の21分野があります。

認定資格として、看護師免許を有し、実務研修が5年以上でうち3年以上は認定看護分野の実務研修があり、認定看護師教育機関(課程)修了(6か月・615時間以上)。認定審査は筆記試験。費用は5万円。5年毎に更新。

専門看護師同様、分野により条件は異なりますが、診療報酬加算の対象となっていますので、スキルアップと同時に貢献できます。

公認CRC


日本SMO協会にて認定され、円滑な治験支援業務を行うために必要な優れた資質向上を目的としてあります。

受験資格として、当協会が定める導入教育研修を修了し、修了証を取得していること。導入研修終了日より2年以上の実務経験を有すること。所定の継続教育の基準に適合していること。受験料・CRC公認証発行手数料13000円。5年毎の更新。

CRCとして働くのには、公認CRCの資格は必要ありませんが、SMOに転職することで、研修など認定資格は自動的にとることができますので、個人でとることはかえって難しいものでもあります。認定CRCがいる事で、製薬メーカーが質の高い治験を選定する上での指標としているので、CRCとして働く内容にも関わってきます。他にも、日本臨床薬理学会認定CRCやSMONA公認CRCなどがあります。

それぞれ、研修や実績を重ねての受験資格が必要で、更新にも所定の実績が必要ですが、現在の職場で今後のスキルアップになり、職位が上がったり、昇給・手当がついたり、将来転職に役立つものになる可能性があります。又、病院側から求められる資格であることもあり、その費用の負担まで支援してくれるところもありますので、機会があれば挑戦してみたいものです。

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