なぜ看護師の転職に失敗したのか?10のチェックポイント
[公開日]2014/11/08[更新日]2018/08/08
心機一転、思い切って転職してみたものの、思ったような成果は得られなかった、むしろ以前の職場が恋しくなってしまった…。なんていうことも実は良くある話です。この転職をステップアップのチャンスにするために、もう一度、転職成功へのポイントについて考えてみましょう。
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目次
青い鳥探しをやめる
青い鳥症候群という言葉をご存じでしょうか。メーテルリンクの童話『青い鳥』が元になった言葉で、現実を受け入れられないまま理想を追い求め、転職を繰り返してしまう状態のことを言います。少し厳しい言い方になりますが、転職を成功させるための絶対条件は青い鳥探しをやめることです。とはいっても夢や理想を捨てろということではありません。現実を受け入れる必要があるということです。それは、あなたの技術や知識のレベルかもしれませんし、家庭の事情かもしれません。あるいは病院側の限界かもしれません。
そこを冷静に見極め、条件の優先順位を決める、あるいは妥協点を見つけていくことができなければ、悶々と苦しむのは目に見えています。まず青い鳥探しを止めることから、転職成功への道は始まると信じましょう。
ワーク・ライフ・バランスの進んだ病院を探す
日本看護協会が行った潜在看護師に対する意識調査によると、看護管理者が把握している離職理由の上位10項目の全てが、看護職員「自身の状況に関すること」であり「職場環境に関すること」は含まれていなかったというデータがあります。つまり、結婚や妊娠・出産、子育て、転居といった女性としてのライフステージの変化によるものが離職、転職に大きく影響しているということなのです。
そこで、今、看護界においてもワーク・ライフ・バランス(仕事と生活の調和)を取り入れ働きやすい環境を目指す活動が始まっています。今後もライフステージの変化に伴って、多様な勤務体制を必要とする可能性があるのであれば、ワーク・ライフ・バランス事業の進んだ病院を探すことが望ましいでしょう。
日本看護協会HPのリンクから、先行事例のある病院名がみられるので参考になさってくださいね。(詳細の参照は看護管理者登録が必要です)
看護師のワーク・ライフ・バランス推進事業 http://www.nurse.or.jp/kakuho/pc/various/index.html
高収入の理由を見極める
そもそも看護師への志望理由として「高収入」を考えていた人は多いはず。進路を決めるモチベーションとしては当然のことだと思います。何しろ女性として平均年収が400万円を超える職場は、そう多くはないはずですから。でも当然、それに伴った仕事の厳しさはありますよね。
ですから、特に高収入を売りに求人をだしている病院には注意が必要です。支払う対価に相当する仕事量を要求されても無理はありません。入職してみると驚くほどハードな業務実態があったり、月収が多い代わりにボーナスが少ない、退職金制度が不備だった、といった失敗もあります。また、高い給料でなければ職員が集まらない病院と考えれば、どこかブラックな雰囲気もありで考えもの。それでも高収入をメリットとして勤務したいと思うのであれば、福利厚生を含めた細かな情報収集が必須です、きちんと確認してみましょう。
人間関係は発想の転換で克服
職場の人間関係に疲れて転職を繰り返すという人がいます。でも、それは本当に転職で解決できる問題なのでしょうか。どこへ行ったとしても人間関係から逃れることはできません。まして転職で新しい職場に移れば、どんな経歴の人なのか、転職理由は何なのか好奇心を持たれるのは避けられないことです。場合によっては、前職以上の居心地の悪さを覚悟しなければならないでしょう。さらに、一度、人間関係で失敗している人は、人と関わることに憶病になってしまうことがありますから、悪循環に陥らないとも限りません。
ここは思い切って頭の切り替えが必要です。エリック・バーンという心理学者の言葉に「他人と過去は変えられないが、自分と未来は変えられる」というものがあります。これは自分が変わることで、周りの人を変えていける可能性があるということを示しています。うまくいかないことを環境のせいにばかりしては前進できません。発想の転換が必要なことを忘れないで下さいね。
キャリア武装からの解放
大学病院などの医療最前線で活躍していても、そのハードワークさ故に、やむを得ず小規模病院に転職せざるを得ない場合もありますね。そしてそこでは、積み上げてきたキャリアを黙殺されたり、逆にこれまで経験したことのないスキルを要求されたりして心が折れそうになることもあるかもしれません。
私も大学病院勤務の経験を経て、介護施設へと転職しました。なかには「ここに看護師の仕事はない」と言って、去っていった同僚もいました。でも、私は対象や場所は変わっても看護は必要だと思いましたし、介護の専門技術もたくさん教えてもらうことができました。そんな時、ある利用者さんが急変したのですが、施設のスタッフとのチームワークはできていましたから、看護師として与えられた役割を十分果たすことができました。
キャリア武装をしなくても、チームとしての目的が達成できればあなたの存在は、きちんと評価されるはずです。そして培ってきた経験や知識は、けして無駄にはならないのです。
向上心にはブレない目標をもつ
たとえば認定看護師や、専門看護師を目指す場合専門病院へ転職し、より多くの症例を経験することは強みになるでしょう。その際は診療科だけで選ぶのではなく、どの領域に特化した治療を行っているか、あるいは病院の立地条件による患者層にも注目する必要があります。
また大学病院などの高度医療機関に転職し、キャリアアップをはかりたいと思う場合、想定されるハードワークに加え、配置される診療科によっては、必ずしも希望する経験ができるとは限らないことを覚悟しておいた方が良いでしょう。
どちらにしろ、いくら向上心に燃えての転職だったとしても、思い付きで方向性を決めるのは危険です。長期的に自分のキャリアプランを見据えて、ブレない目標を持つことが重要です。場合によっては、自分の希望を伝えておくことで、協力を得られる場合もあるので、志望理由にはっきりと明記しておくことをお勧めします。
地域性は無視できない
厚生労働省が調査した、平成25年度の地域別最低賃金時間額によると、最高額が東京の869円、最低額は九州・沖縄の664円であり首都圏と地方の地域格差は歴然でした。
なので結婚や転勤といった転居に伴う転職の場合、収入面で変化を生じることが考えられます。それでも趣味のスキューバダイビングを楽しむために、沖縄に移住し、看護師を続けながら生活を楽しんでいる友人もいますから、人生のどこにウエイトを置くかで地域格差のもつ意味は違ってくるようです。
また地方の農村地域にある病院と、都会の人口集中地域にある病院では、利用する患者さんの傾向にも違いがあります。そのため診療内容に違いがでることが予想され、看護師として働き続けるためのモチベーションにも影響するかもしれません。転職は勤務する病院だけでなく、地域性にも着目してみる必要がありそうですね。
失敗を「慣れ」にしない
看護師は転職が多いというイメージがありますが実際はどうなのでしょう。厚生労働省が行った平成23年看護職員就業状況等実態調査結果によると、退職経験が0~2回までの割合の合計が80%を超えていて、実は必ずしも転職回数の多い仕事とは言えないのです。
とは言うものの、履歴書の職歴欄がいっぱいになるほどの転職回数をもつ人がいるのも事実ですね。さらにこういうケースでは、転職理由が人間関係のトラブルや待遇への不満といったネガティブなものが多いうえに、転職に抵抗感が薄れ「転職慣れ」していく可能性があると思います。しかし、これでは働き続ける意欲がないように思われて、採用の際、不利になっても仕方がありません。
人間が厳しい環境に適応するための慣れは大切ですが、失敗体験に慣れるのは考えもの。あの発明王エジソンは「それは失敗ではなくて、その方法でうまくいかないことが分かったのだから成功なんだよ」という名言を残しています。これまでの経験の中に成功へのカギは必ずあるはず。次はきっと転職成功体験ですね。
求められる自分をアピールしよう
売り手市場と言われている看護の世界ですが、厚生労働省が看護職員確保対策の推進に力を入れてきた結果、平成27年には東京、大阪、京都などで需給率が100%を超えると推計されています。
もちろん、あくまでも数のうえのことですが、それでも良い条件の病院には募集が集中してくることは十分考えられます。いくら看護師の見せ場は実働だといっても、採用されないことには勝負になりません。したがって採用試験をパスするためのテクニックも必要です。
看護師の履歴書の書き方を紹介するサイトもたくさんあります。志望動機の文例なども参考にできるので利用しましょう。でも、書いたことで満足してはいけません。面接官に質問されても、自分の言葉でしっかり応対できるよう準備が必要です。自分は求められる人材であるという自信を持ちましょう。
「看護が好き」という気持ち
看護学校の入試面接で、志望理由を尋ねると、「人の役に立てる仕事をしたいから」と答える受験生が多くみられます。若い世代の人たちが社会貢献に関心を持つことは、頼もしくうれしいことです。でも続けて、人の役にたつ仕事の中で特に看護師を選んだ理由を聞いてみると、ほとんどの受験生は困惑し、もじもじしてしまいます。
けれど、今、転職を希望するみなさんは違いますね。「看護が好きだから」「看護師である自分が好きだから」そうではありませんか?好きでなければ、こんなにきつい仕事を続けようと思えないはずです。英語のことわざに「自分の仕事を好まないものは、仕事の方もその人を好まない」というものがあります。看護という仕事が好きという気持ちが原動力になることを忘れないで下さい。
以上が転職を成功させるために考えておきたいことです。人と仕事のつき合いも重要なのはマッチングですから、きっとあなたのニーズにぴったりの職場が見つかるはず。自分を信じて頑張りましょう。
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さて、ここからは転職を考えている看護師が登録しておきたい転職サイトを紹介します。
転職先を探す時には転職サイトに登録し、たくさんの情報の中から自分に合った求人を見つけることが得策です。
看護師の転職サイトを選ぶポイントは以下の3点です。
手厚い転職サポート体制があるか・・・看護師の転職では専属のキャリアアドバイザーを活用できるかが重要
公開求人件数が多いか・・・非公開求人もあるので完全にはわからないが取扱求人件数の目安になる
信頼できる会社が運営しているか・・・求人、キャリアアドバイザーの質に影響する可能性がある
これらの点を踏まえ、看護師が登録しておきたい転職サイトを選びましたので紹介します。どのサイトも登録は無料です。
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