【担当者必見】リスティング広告の「適正な予算とCPA」の決め方

[公開日]2015/01/14[更新日]2015/04/17

・「リスティング広告の予算って、実際どれくらい用意しておけば良いですか?」
・「CPA(顧客獲得単価)が低いほど良いのは分かるけど、実際どれくらいが適正値ですか?」

リスティングの予算とCPA設定の方法

おそらくリスティング広告を検討している方、もしくは実際に運用し始めた方が抱く疑問の一つだと思います。リスティング広告を始めるにあたって非常に重要なことでありながらも、意外とこのような質問に対して「的確に」「納得感のある」回答ができる方は少ないのではないでしょうか。

今回はそんな方々の為に、簡単な「リスティング広告の適正予算とCPAの決め方」をご紹介いたします。

結論、予算から決めるのは大きな間違い


どういうことかといいますと、そもそもリスティング広告を始める際に「実施目的」ではなく「使う予算が先に決まっている」こと自体が間違いです。 では何を決めれば良いのか、それは目的達成の指標となる「目標CPA」「目標コンバージョン数」です。これら2つの指標が決まることで、以下の計算式を用いておおまかに広告予算を決定することが可能です。

■予算=目標コンバージョン単価×目標件数
※コンバージョンとは平たくいえば購入・予約・申し込みなどのことです

ただし、これら指標はビジネスモデルによって考え方が変化しますので、いくつかのケースに分けて「目標CPA」「目標コンバージョン数」の決め方をご紹介していきます。

高単価かつ非リピート型通販サイトの場合


例えば、高級ブランド時計や、電化製品など、1度買えば当分買うことがないような高額な商品が該当します。購入後3ヶ月間でのリピート率が10%を下回るような商材もこのケースに当てはめて考えた方が良いでしょう。このケースの目標CPA設定は非常に単純で、下記の式になります。

■目標CPA=平均顧客単価-平均原価

要は粗利を目標CPAにする考え方となります。ただし、話をシンプルにするためにこのような式にしていますが、実際には原価以外に発生する経費(固定費や人件費など)も考慮する必要がありますし、利益を考えると目標CPAではなく「上限CPA」として考えた方が良いといえます。

単品リピート型通販サイトの場合


ほとんどの通販サイトのモデルはこちらに該当するかと思います。特にLTV発想が大事となる、健康食品やサプリメント、化粧品などは明確な目標CPAを設定せずにビジネスを拡大させることはできない、と言っても過言ではありません。このケースの目標CPA設定は一般的に下記の式になります。

■目標CPA=(平均顧客単価-平均原価)×平均購入回数

ただし、「無料お試し」や「サンプル配布」から、本商品の購入につなげるビジネスモデルの場合は、ここにサンプルから本商品購入にどの程度繋がるかを加味する必要がありますので、次のような式となります。

■サンプル配布の目標CPA=(平均顧客単価-平均原価)x本商品購入への引上げ率x本商品の平均購入回数

各企業が「無料お試し」や「サンプル配布」を実施できるのは、はじめは無料でも、その後顧客にリピートしてもらえるのであれば元をとることができるからです。ですので平均購入回数が多い商品は目標CPAの許容ラインが上がるため、リスティング広告を実施した際にも強気で勝負することができます。

WEB上で売上が確定しないサービスの場合


例えば、BtoCサービスで言えば、転職情報サイトや不動産情報サイトなどが該当します。転職情報サイトの場合、WEB上でのコンバージョンは多くの場合、「会員登録」や「企業への応募」となります。不動産情報サイトの場合は、「内見予約」や「資料請求」などになります。このケースの目標CPA設定は下記の式になります。

■目標CPA=WEB上のコンバージョン数×平均顧客単価×売上発生までの成約率

昨今の転職情報サイトの場合、採用が確定してはじめて売上が発生する「成果報酬型」のサービスが増えてきたため、このような式で考えるケースが増えてきました。

例えば、採用確定で100万円の売上が発生するとします。そして、会員登録の数から売上発生までの成約率(採用確定率)が1%だったとすると、WEB上のコンバージョン(会員登録や求人応募など)1件を獲得するためにかけて良い広告費は1万円が上限ということになります。それ以上かけると赤字、それ以下で獲得できれば利益が出ます。
リピート通販と同じ考え方ですが、人気企業の掲載があったり、優秀な人材の会員登録が多い転職サイトの場合、売上発生までの成約率(採用確定率)が高くなりますので、他社よりも目標CPAの許容ラインが高くなり、リスティング広告を強気で実施することができます。

目標コンバージョン数について


ここまでの説明を読んで頂いた方でしたら、「目標CPAの決め方は理解したけど目標コンバージョン数はどうなの?」と思われたことでしょう。
「コンバージョン数がどの程度獲得できそうか」
のシミュレーションは、前提条件をつけてある程度算出することが可能ですが、基本的には既にリスティング広告を実施している場合は過去のコンバージョン数をベースにどのくらい伸ばしたいか、新しくリスティング広告をはじめる場合はどのくらい獲得していきたいか をベースに目標を設定することをオススメいたします。

ただし、原則的に予算を多く投下するほど、コンバージョンの数を増やすことはできますが、いずれは投下した予算に対してコンバージョン数の伸び率は鈍化する傾向があるため、CPAの効率は徐々に悪くなっていくケースも多々発生します。 この意識を持ちながら取り組むことが出来れば、無茶なコンバージョン数とCPAを目標にしてしまうことはある程度防げるはずです。

まとめ


ご自分のビジネスで考えてみて、どのくらいの予算をリスティング広告に投下するべきかのイメージはできたでしょうか?思ったよりもかかるという方もいらっしゃるかもしれませんが、重要なのは、投下した予算に対してどの程度の効果があるのかという点です。リスティングを始めとするインターネット広告はその効果を明確に把握できるのが最大の利点といえます。 ぜひ今回の記事を参考にして頂き、「適正な予算とCPA」を決め、自信を持ってリスティング広告に取り組み、売上の最大化を目指して頂ければ幸いです。