【今こそ確認】リスティング広告における「商標指名系ワード」の取り扱いについて

[公開日]2015/03/26[更新日]2015/04/17

リスティング広告を出稿するにあたり、「キーワード」の登録は不可欠です。またその重要性については以前に纏めさせて頂いたこちらの記事でも述べた通りです。

そんな「キーワード」のなかでも、成果を見込める代表格として「商標指名系ワード」と呼ばれるものが存在します。指名系ワードとは、「会社名」「サイト名」「サービス名」「商品名」等、商標に関するキーワードのことを指し、企業様に対して比較的顕在的なモチベーションをもったユーザーが検索する為、成果に至りやすい傾向があります。

商標指名系キーワードのリスティングの考え方

そんな「指名系ワード」について、ある程度リスティング広告を運用された段階で必ず挙がるのが、「わざわざ広告費をかけてまで出稿するべきなのか?」ということです。この言葉の真相、および考え方についてこれより掘り下げて解説してまいります。

指名系ワードの特徴について


冒頭でお伝えした通り、「指名系ワード」で検索するユーザーには以下のような傾向があります。

■キーワードを認知しているユーザがアクセスしている
そもそも社名やブランド、サービスを知らないと指名系ワードで検索することはありません。よって事前にある程度の知識を持っているユーザがアクセスしているといえます。
■顕在に近い、準顕在層の集まりである
商品に例えるならば、「興味はあるけれども、買うかどうかは決めていない」状態といえます。
よって適切な対応をすることによって顕在ユーザにまで引き上げることが可能です。
■短いスパンでコンバージョンまで至る可能性がある
会社のことを知っている、サービスを知っている、そしてわざわざ検索するという行動から興味も持ち合わせているので、決め手があればすぐにコンバージョンに結びつく確率が高いといえます。

以上のことから、「指名系ワード」が如何に重要かということがわかります。
ただし指名系ワードで検索した際に、リスティング広告枠の真下、自然検索結果画面の上位に自社のサイトが表示されていたらどうでしょうか?
無料でユーザーをサイトに送客できるのに、「わざわざ広告費をかけてリスティング広告を出稿するべきなのか?」という考えが脳裏によぎりませんでしょうか?
ここで大事なのは、「現状を見極めて、正しく判断する」ことです。間違った判断をしてしまうと、逆に全体成果の悪化を招く恐れがあります。
次からは、リスティング広告において「指名系ワード」を出稿する判断ポイントをご紹介いたします。

指名系ワードを出稿するかどうかの判断軸について


「指名系ワード」を出稿するかどうかの判断をするにあたっては、以下の要素を念頭に入れて考えていく必要があります。

検索した際にリスティング広告の掲載枠に競合他社の広告が出てくるか

指名系ワードで検索した際に、競合他社のリスティング広告枠が出稿されている場合は、広告を出稿し、ユーザーが競合他社に流れてしまうことを防ぐのを推奨いたします。

非常にグレーな部分ではありますが、リスティング広告においては競合他社が自社の指名キーワードに入札して広告出稿を行うことが可能なため、こういったケースが発生してしまいます。
※Yahoo、Googleともに審査の時点で、サイトとの関連性が無いとみなされた場合は広告出稿が不可となります
※またGoogleに関しては、商標権のポリシーがあるため「広告文内に商標ワードを入れる」ことはできません

自然検索結果に表示されたサイトの遷移先が、適切なページとなっているか

たとえ自然検索結果にサイトが表示されていたとしても、その遷移先がユーザーに合わせた適切なページになっていなければ、やはりユーザーのサイトからの離脱を招く事につながってしまいます。
もし不適切なページに遷移しておりこちらの修正が難しい場合は、広告を出稿し、ユーザーが離脱してしまうことを防ぐのを推奨いたします。
また、リスティング広告であれば「広告文」と「リンク先」を自由に設定可能ですので、単純に離脱防止だけでなく、成約率の向上や、これまでサイトをスルーしていたユーザーからの流入による成果の純増に繋げることも可能です。

「ゆらぎ言葉」で検索した際に、自然検索結果にサイトが表示されるか

「ゆらぎ言葉」というのは、誤字や漢字、ひらがな、カタカナかという表記違いなどのことを指します。

検索されたワードに対して、広告やサイトを表示する検索エンジンのロジックとして、一般名詞系のワードに関しては広く、かつ精度良く、ゆらぎワードを認識し、正しい言葉に置き換えて広告やサイトを表示してくれます。ただし、指名系ワードなどの固有名詞になると、よほど知名度の高い固有名詞でなければ、ゆらぎワードを認識してくれません。

例えば、トヨタであれば「toyta」や「toyoto」で検索しても、正しくサイトが表示されます。
ところが、最近流行りのフリマアプリ「メルカリ」の場合ですと、「nerukari」や「メルカル」といったワードで検索しても、サイトが表示されません。

こういったゆらぎとして考えられるワードにおいては、明らかに別のものを意図しているワードでなければ、リスティング広告で徹底的に拾って入札することで、コンバージョン数を純増させることが可能です。

最後に


いかがでしたでしょうか。今回は、「指名系ワードの概念から、指名系ワードを出稿するかどうかの判断軸について」ご紹介いたしました。
お伝えした通り、ただ単純に指名系ワードをリスティング広告で出す・出さないを決めるのではなく、「現状を見極めて、正しく判断する」ということが大事です。ぜひ一度、ご自身の掲載状況をご確認頂き、最適な掲載状況を整え、成果の最大化・効率化を図って頂ければ幸いです。