外科で働く看護師の実態と注意点とは?転職情報・求人を探す方へ
[公開日]2015/01/13[更新日]2018/08/08
看護師として転職を考えたとき、様々な求人情報をみながら、「次は何科で働こうか」「どの病院で働こうか」と悩むことがあると思います。今回は、看護系ドラマとして看護師の中でも人気が高く、「ナースのお仕事」などドラマにも登場する『外科』での看護業務についてお伝えして行こうと思います。
まずは、どんなスキルが必要になってくるのかを説明して行きますね。外科独特なわけではないですが、特に超急性期の場合は、以下の2点が重要視されます。
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目次
必要なスキルNo1は『すぐに優先順位をつけられること』!!
「優先順位なんて、どこの病棟であろうが、必ず優先順位は考えて行動していますよ!」
…なんていう声が聞こえてきそうですが…その通りです。
どの科でも必要なスキルです。なので、大抵の看護師さんが転職を考えた場合に問題になる部分ではないと思われます。しかし、外科で求められるのは、スピードです。
オペ出し(手術室へ患者さんを搬送すること)のために訪室したら…
・排泄介助をお願いする患者さんがいる
・呼吸が苦しいと訴える患者さんがいる
・吐血している患者さんがいる
・ベッド上安静の患者さんがベッドから降りようしている
…など。
患者さんも人間ですから、いくら事前に優先順位をつけて、「オペ出し」の時間だからと訪室しても、いろんなことが起こる訳です。しかも、外科の場合、オペ前、オペ後で、急変リスクが高い患者さんもたくさんいらっしゃいます。・呼吸が苦しいと訴える患者さんがいる
・吐血している患者さんがいる
・ベッド上安静の患者さんがベッドから降りようしている
そこで「いえ、今はオペ出しの時間ですから!」と無視するわけにはいきません。優先順位を素早く頭の中で考えて行動に移さなければいけないので、外科では、特にこの『すぐに優先順位をつけられること』が重要になります。
必要なスキルNo2は『観察力』!!
これもどこの科でも必要なスキルですね。ですが、前項同様に、外科はオペ前、オペ後の方が多くいらっしゃいますので、「観察ポイント」が、患者さんの状況により大きく左右され、その観察を見逃す事で、患者さんの命に大きくかかわります。
特に1度で終わらない大きなオペをされる方の場合、外科でも経過が長くなります。徐々に良くなってきているからと油断して、大きなミスに繋がった例を私は知っています。
それは…とある日の午後一番の検温時間。
3回に渡り、オペをし、やっと大部屋に移れたばかりの患者さんがいらっしゃいました。
患者さん「なんか眠いな」
看護師A「そうですか…リハビリもあったし、疲れたのかもしれませんね。少し休んでください。」
そのやりとりの末、看護師は、患者さんのベッド周りのカーテンを閉めて退室したのです。その看護師Aの話を聞いて、「そう…バイタルはどうだったの?」と聞いたとき、「いえ、眠いと言ったので。午前中のバイタルは正常です!」と言われ、自身で訪室したとき、患者さんの意識レベルはJCS300でした。
午前中、大丈夫だった。普通に会話して、本人が眠いと言った。それだけでの観察では、この大手術をしていた患者さんにとって「不足」だったのです。看護師Aさんは、新卒看護師でした。しかし、新卒でなくても油断をすれば、こういう自体を起こす可能性があります。
「観察力」が非常に重要であり、患者さんに「眠いのに!」と怒られても、観察するところはしっかりと観察する心の強さも必要なのです。また、外科では、内科系に比べ、年齢層が幅広いです。若年層から高齢者まで多くの患者さんと関わりますので、年齢に関わる観察点も幅広く知っておくことが必要になります。
では、次からは、転職するにあたり、不安に感じることについてお話ししていきますね。特にこういった点は、求人情報に書かれていない場合が多々ありますので、求人情報+αでどのような情報をみて、転職先を決めれば良いのかの参考になれば幸いです。
内科系からの転職は難しいの??
結論から申し上げますと、難しくありません。ただし、条件があります。前項2点ができる、又は、習得する意気込み・努力を惜しまない精神力があること、そして、体力があることです。
内科系でも急変する方はいますし、状態が悪い方も多くいらっしゃいます。観察力の点では、不足はないと思います。病院毎に雰囲気は、異なると思いますが、外科は「バリバリの体育会系」と思ってください。
ナースコールも非常に多く、常に忙しく駆け回っていて、突発的なこともあります。穏やかな内科病棟などで勤務されてきた方は、びっくりするかもしれません。でも、やりがいはありますし、内科で培った経験を活かし、外科の激しさの中でも、患者さんに寄り添う看護ができる看護師さんになれる要素があります。
自分の経験を活かし、次のステップへ…もしくは、外科での経験も積みたい!そんな意気込みがあれば、決して難しいものではなく、逆に、様々な手技を習得出来る分、新鮮で楽しめるポイントもたくさんあるのが、外科であると私は思います。
処置や手術(オペ)後のケアはどんなもの?
外科に転職するにあたり、不安なのは、「多くのオペ後の患者さん」の処置・ケアが自分にできるだろうか…という部分にあると思います。
これは、きっぱりと申し上げます。「勉強次第」です。
外科では、実際に経験しなければわからないことが多くあります。教科書に書いてある「血性」「淡血性」とはどんなものなのかをはじめとし、実際に観て、感じなければわからない部分も多くあります。
ただ、前提として、知識があるかどうかは非常に重要で、「基本の部分」は頭に入れて、転職後の自分自身の成長を促す必要があります。前提知識が無いと見学すらさせてくれない場合もありますし、前提がわからないと、いくら見学しても経験してもそれが身にならないのです。
また、処置は回診時に、医師と一緒に行うこともありますが、看護師のみで行う場合・部分もありますので、その病棟で統一した意識で、医師に適格に報告出来るようにしなければなりません。また、オペ後は、◯時間バイタルというものがあります。それは、1時間おき、2時間おきなど細かくバイタルチェックをするものです。
医師からの指示もでますし、なくても、通常のケアとして、フローが組まれていることが多いですので、手術当日、翌日…などルールが決まっている場合も多いのです。これで、観察力、観察ポイントがいかに重要かわかっていただけるかと思います。
ただ、処置にしても、オペ後ケアにしても技術として難しいことはほとんどありません。それは、基本+現場で学べば良い事です。なんとなく、経験を積んでおけば良さそう、かっこよさそうというイメージだけで求人検索する方はいないとは思います。
ただ、もし、そういう考えが少しでもあれば、この記事を読んでいただき、その点は、考え直していただければ、幸いです。
やっぱり…『看護師さん(先輩・同僚)怖いんですか?』
これは、非常に難しい質問なのですが、前述したとおり『体育会系』ですので、もちろん、厳しい方は多いと私は「体感」しています。そして、新卒で外科に配属されたときに感じたのも「怖い」という印象でした。
やはり、外科畑で育った方は、はっきりしていますし、バリバリとお仕事をします。それが、「怖い」と感じる方も多いかもしれません。ただ、人間おおざっぱに分けますと3種類に分かれます。
・本人にやんわりと伝え、上の先輩に報告し、あとは知らん顔の人
・本人にハッキリものをいい叱りもするけど、後腐れのない人
・本人にハッキリものをいい、激怒し、ねちねち後からもぶり返す人
他にもあるかもしれませんが、私が外科で出会ってきた方々は大体この3種類に分類できます。・本人にハッキリものをいい叱りもするけど、後腐れのない人
・本人にハッキリものをいい、激怒し、ねちねち後からもぶり返す人
多くは、上の2種類(教育者目線)で、最後のねちねちしている人(感情任せ)は、病棟に1〜2人程度です。
私個人の意見としては、感情に任せてしまう人は、素人です。その時の感情で様々なことを「見逃す」可能性が高い人なのです。ですから、あまり気にする必要はありません。ただ、そこで「私、そんな怒られたら心が折れそうです」という方は外科への転職は、辞めておいた方が無難です。
「気にならない」「年下からでも学ぶ」という姿勢で、勉強熱心な方は、外科へ転職することにより、将来の選択肢が広がる事は間違いありません。
外科で働く看護師の実態と注意点 まとめ
極論をお話しします。内科でも忙しいところもあれば、外科でも比較的落ち着いているところもあります。
外科で体育会系だからといってコミュニケーションが必要でないかと言えば、そうではありません。内科でもコミュニケーション能力だけが求められるわけではありません。選ぶ病院にもよるものなのです。転職時に必要なのはやはり「事前調査」なのです。
事前にその病院がどのような方針で、どのような医師・看護師で動いているのかを実際にみることが最重要ポイントです。
転職をお手伝いしてくれる転職サイトもありますので、情報収集にはとても役立ちます。しかし、転職サイトも商売ですので、自ら『気になるポイントをピックアップ』して、「ここの部分はどうでしょうか?」と自分が優先するポイントを必ず、担当者さんに伝えることが転職成功のポイントです。
また、外科経験のない看護師さんの受け入れ体制がどうなっているかが重要になってきます。中途採用者への教育体制がどうなっているのかを確認する事は、特に重要です。見学へ言った時の病棟で働いている看護師さんがどのような態度を取るかなど、看護師が得意の「観察力」で観ることが需要です。
今回、お伝えした必要なスキルや特徴を含め、実際に自分が転職した後、どのように学べるのかをきちんと情報収集、観察をした上で、求人情報を見極めてください。
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手厚い転職サポート体制があるか・・・看護師の転職では専属のキャリアアドバイザーを活用できるかが重要
公開求人件数が多いか・・・非公開求人もあるので完全にはわからないが取扱求人件数の目安になる
信頼できる会社が運営しているか・・・求人、キャリアアドバイザーの質に影響する可能性がある
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