なぜ悪印象に?看護師転職の履歴書10のチェックポイント

[公開日]2015/01/11[更新日]2018/08/08

看護師の転職先はたくさんある、引く手数多という状況であっても、当然ながら面接や選考があります。ですが、一般に言われている就職活動のように、何十社も面接を受け、何十通も履歴書やリクルートシートを書いてこなかった看護師だからこそ、「さて、就職(転職)活動とは?」と首を傾げてしまうことも多いでしょう。中でも悩む事の一つが、「履歴書の書き方」です。

実は、この「履歴書」で悪印象を与えてしまう場合があります。せっかくいい求人があっても、履歴書のせいで、不採用となっては、非常にもったいないですよね。

正しい書き方とは何か、どういった履歴書であれば、病院側に悪印象を与えずに、希望の転職先に「合格」をもらえるのか、10個ポイントをお伝えしていきます。

看護師転職時の履歴書のポイント


丁寧に読める字で書く


当然ですが、履歴書は、採用担当者の方に読んでもらうものですから、読みやすいものでなくてはいけません。字が汚すぎて読めない・・・ということがないように黒のボールペン、又は、万年筆を使用し、丁寧に記入しましょう。せっかく書いても読めなければ意味がないですし、字が汚いという人も「読める文字」で丁寧に書く努力が必要です。もちろん、誤字・脱字や達筆過ぎにも注意です。

「自信がないので、パソコンで作成してはいけないの?」と思うかもしれませんが、一般的には、「手書き」が推奨されています。また、修正テープなどでの修正は厳禁ですし、二重線、訂正印での修正も悪印象に繋がります。

手書きが大変だからといって、コピーや使い回しは、絶対に辞めましょう。不採用になると履歴書を返却してくれる病院もありますが、返却された履歴書を使い回すと日付等で気づかれますので、やめましょう。

人に読ませる時の気配りができるかどうかが見られています。

履歴書は、正しい書き方で記入する


履歴書には、正しい書き方があります。採用担当者は、そういったことも詳しい場合が多いですので、各項目の書き方にも注意しましょう。書き方自体も忘れちゃった・・・という方も多いと思いますので、各項目の書き方を解説して行きます。

日付
履歴書の氏名欄の右上辺りに日付記入欄があります。郵送の場合は、投函日を記入します。持参の場合、持参日を記入します。また、年号は履歴書全体で、西暦か元号を統一します。

3か月以内撮影の証明写真を使用する
スナップ写真の利用や3か月以上前のものを使用するのはNGです。スピード写真だと不採用になるということはありませんが、第一印象を大きく左右するものなので、 なるべく写真館で撮った写真が望ましいです。

服装や髪型、化粧も見られているので、スーツ等ジャケット着用で派手な色は避け、髪もまとめ、化粧もナチュラルメイクにしましょう。

住所・連絡先
住所は、省略せず、正式な住所を記入します。電話番号は、必ず連絡がつく番号を記入します。間違っても契約の終了した電話番号や普段使用しない携帯電話などにしないようにしましょう。又、現在就業中の病院を緊急連絡先にすることは避けてください。

学歴・職歴
年次計算を間違えないようにしましょう。もう忘れてしまったという方は、インターネット検索で「履歴書 学歴」や「卒業年早見表」などと検索しましょう。早見表で一覧になっているサイトや自動算出してくれるサイトもあります。学校名・病院名等は、正式名称を記入し、略称は避けます。また前述のとおり、西暦または元号で統一します。

当たり前のことですが、学歴等は真実を記入します。詐称をした場合、解雇等になる場合もありますので、相違がないよう注意しましょう。「正社員」「契約社員」「パート」なども明記し、退職理由が会社都合か自己都合かも明記します。

資格・免許
持っている資格は、民間資格も含め、記入します。取得中の資格は、その旨を記入してもOKです。

本人希望記入欄
特別希望がある場合は、記入します。配属の希望や給与、休日などの希望は、明記しておくと、面接時確認しやすくなります。給与の希望を出す場合は、求人内容や前職の給与を加味して、前職同等程度にするのが無難です。

以上が基本的な項目の記入方法になります。その他、志望理由や長所・短所、趣味などについては、後述します。記入内容も大切ですが、丁寧に間違いなく記入できているかも見られています。提出前には、しっかりと確認しましょう。

郵送の場合の宛名書きにも注意


郵送で履歴書を送付する場合は、宛名書きにも注意が必要です。担当者がわかる場合は、担当者様宛に、ない場合は、「御中」を忘れずに書きます。細かいことですが、そういったところまで、行き届くかということも看護師として、社会人として必要なマナーとして見ていることが多いのが事実です。

また、履歴書だけの送付ではなく、添え状をつけることで印象が良くなります。

空欄がないように全項目を埋める


「書く事ない」とペンが止まってしまって空欄のまま提出してしまう方も多い様ですが、空欄が目立つと、記入漏れだと思われたり 、自己PRのない人と思われてしまい、印象がよくありません。履歴書は、入職意思を持って、採用試験に臨むための資料になりますので、「手抜きは厳禁」です。

本当に書く事がない場合、「特になし」と書いた方が、何も書かないよりはマシだと言われる事もありますが、印象は良くありません。できるだけ埋める努力をしましょう。

これは、ちょっとした裏ワザですが、元々項目が少ない履歴書を選ぶことで、不必要な項目を避ける事ができます。ただし、指定の用紙がある場合、避ける事ができないことがありますので、次から、各項目を埋めるコツも一緒にお伝えします。

長所、短所、趣味、特技等もしっかり書く


記入方法に決まった形式はないですが、前述したとおり、空欄は、悪印象に繋がります。自己分析をできることも必要な能力のひとつですので、自分の長所や短所も明記しましょう。ただし、短所に関しては、「改善の努力をしている」「反対に役立つ事もある」など、マイナスのまま終わらない様に書きましょう。

<例>
長所は、誰とでも円滑なコミュニケーションを取れる事です。前職では様々な年代の方の看護をする機会がありましたが、スムーズにコミュニケーションを取る事ができました。
短所は、神経質なところで、細かいことが気になってしまいますが、ミスのないように
業務を遂行出来るように、活かしています。

また、趣味・特技も同様で、チェックされていることがあります。空欄や「特にありません」はNGです。何か一つは記入し、面接で聞かれたら答えられる知識は、必要です。

<例>
ゴルフ
体力をつけるためとリフレッシュを兼ねて月2回のラウンドにもいきます。

意外かもしれませんが、長所や短所のような項目も見られていますので、手を抜かず、しっかり書きましょう。

志望理由の使い回しは、NG


履歴書の中でも「ありきたりになってしまう」「条件が合ってただけなんだけど・・・」と、悩むのが「志望理由」ですよね。とはいえ、志望理由の使い回しは、絶対にやってはいけません。

ありきたりになってしまう理由は、転職先を探す時に「自分の希望条件かどうか」だけに注目してしまうということです。残念ながら、それだけでは、「不採用」になってしまう可能性があります。

病院にもそれぞれ理念や特徴があり、その部分を理解してくれる人を求めているからです。そこも加味した上で、履歴書の肝とも言える「志望理由」を書く必要があります。当然ながら、相手を知ろうとしない人より、きちんと相手の情報も把握した上で、応募してくれる人の方が病院側としても嬉しいはずです。

どうしても自分に都合のいい条件ばかりに目がいきがちですが、病院の看護理念や教育理念、機能評価、歴史などから、どのような看護をしてきたのかそして、どのような看護師が求められているかを知る事が必要です。

例えば、急性期、救急指定病院で、緊急時にも冷静に迅速に対応出来、かつ、忙しい中でも患者さん1人1人に目を配れる人物であって欲しいと思っていたとします。その病院への志望理由に「私は、じっくり看護をしたいです」と書いたら、うちの病院では、やっていけないかな・・・と思われてしまいます。

この場合、この病院に魅力を感じたなら、「救急対応のスキルを高めながら、急性期の中でもきちんと患者さんに向き合う看護をしたいです」など、病院の状況も加味した理由を書く事で、病院側も「理解してくれている」「前向きな姿勢がある」とポジティブに捉えてくれます。

現在は、ホームページを持っている病院がほとんどですので、じっくりとホームページをみたり、転職エージェントが介入しているのであれば、病院の実情などについて聞いてみるなどで情報収集することが可能です。

観察力を発揮して、病院側の求める人材となる志望理由を書く事が必要です。

自分の看護観も伝えるべき


志望理由を書く時は、「自身の看護観」も踏まえて書く事で、看護師としての考え方、仕事のスタイルがわかるので、病院としても知っておきたい事の一つです。その看護観と病院理念や看護理念を上手に関連づける事ができると強い志望理由となります。

当たり障りのない内容ではなく、「自分の思い」をしっかり伝える事が必要です。採用担当者は多くの履歴書を読み込んでいるプロですから、サンプル文章をコピペして引っ張って来たような文章は当然ながらバレてしまいます。 参考にすることは、問題ないですが、自分の言葉で置き換えて書く事が必要です。

看護学生じゃないんだから、そこまでしなくても・・・と思うかもしれませんが、何年目であっても、あぐらをかく事なく、謙虚な気持ちで臨む必要があります。正直な話・・・扱いにくい人間と思われてしまったら、それこそ不採用になってしまいます。

せっかく転職するわけですから、初心を思い出し、新鮮な気持ちで採用試験に臨むためにも、履歴書を書く時から自分の看護観や思いを整理しておきましょう。

転職回数が多い場合は・・・


転職回数が多い場合、「印象が悪いんじゃないか」と不安になると思います。ですが、看護師の転職の場合、一概に転職していることが悪いとは言えません。看護師の場合、経験が重要になってきますので、多くの経験を積んでいることは、即戦力になると考えられることがほとんどです。看護師の中途採用を行う病院の場合、即戦力を求めている場合が多いですので、決して転職回数によって印象が悪くなるということはありません。

ただし、短期間で転職を繰り返している場合は、悪印象を与える場合があります。何か特別な理由がある場合は、きちんと答えられるようにすることが必要です。正当な理由があれば、転職回数が原因で不採用になることはありませんので、虚偽の申告などをしないようにしてください。

学歴や職歴の詐称は、仮に入職出来たとしても、病院側がその事実に気づけば、解雇となる可能性もありますので、絶対にやってはいけません。

前職や現職の不平不満は書かないこと


前職の退職理由が、「忙しい」「給料が安い」など病院に対する不満である場合もあるかと思います。ですが、履歴書に記入する場合は、不平不満のようなネガティブな理由や、転職先でも発生するような理由の記載をしてしまうと不採用の可能性が高くなります。

不満がない完璧な職場はほとんどないと思います。病院側もそれは認識し、出来る限り改善する様、努力していることが多いはずです。そこへ「忙しいから嫌だ」「給料が安くてやってられない」などと言われてしまうと頭を抱えてしまうところかもしれません。また、こう言った理由は、「自分都合」でしかないので、「相手都合」を考えられない人だと認識される可能性もあります。

嘘をつく必要はありませんが、転職する先でやりたいことがあるなど、あくまでも、今後のプラスにするための転職としてポジティブな理由を書きましょう。

結婚、出産、育児などで、保育所やシフトの優遇があることが理由の場合、環境面を理由にすることは問題ありません。ただし、その場合も前職で理解がなかったなどのネガティブな理由ではなく、恵まれた環境の中、看護師としての成長もしたいというような仕事に対する意欲も十分にアピールする必要があります。

職務経歴書も書きましょう


職務履歴書は、提出を明示、義務づけられていないこともありますが、提出した方が自分の強みをアピールすることができます。新卒者や第二新卒の場合で、経歴が少ない場合は、省略しても問題がないですが、職歴の長い方や転職回数の多い方は、提出した方がいいです。

職務履歴書は、「 ◯年 △×病院 外科病棟勤務 」だけではなく、勤務先情報、詳細の業務内容や実績・貢献度も記入して行きます。上記のようにわかりやすく、実績や能力が伝わるように記入し、提出することで、採用担当者も短い時間の中で、多くの情報を得られ、選考にも有利になります。

自己PR欄も志望理由同様しっかりと書きましょう。自分の強みをアピールし、それをどのように活かせるのかを明記しましょう。


看護師転職の履歴書10のチェックポイントについてお話ししてきましたが、いかがでしたでしょうか?

10のポイントを話してきましたが、履歴書も相手に自分のことを伝えるための一種のコミュニケーションです。看護師は、コミュニケーション能力が必須の職業です。病院側としては、そのコミュニケーション能力を測る基準としても履歴書を見ています。

求人を見ていない、病院について何も知らないと思われるような文章ではないか、読み手のことを考えない文字や文章ではないかどうかを考えて、「相手目線」で書く事が、「合格」をもらうための最大のポイントです。

また、履歴書の書き方に自信がない、どうしても書けないという場合は、転職エージェントの力を借りる事で解決出来ることがあります。多くの転職エージェントでは、履歴書の添削や面接のレクチャーをしてくれますし、細かな病院情報なども教えてくれます。そういったサービスを利用することで、より有利に転職を進める事ができます。

せっかくの機会を活かすために、今回お話したポイントは必ずチェックしてくださいね。

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さて、ここからは転職を考えている看護師が登録しておきたい転職サイトを紹介します。

転職先を探す時には転職サイトに登録し、たくさんの情報の中から自分に合った求人を見つけることが得策です。

看護師の転職サイトを選ぶポイントは以下の3点です。

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公開求人件数が多いか・・・非公開求人もあるので完全にはわからないが取扱求人件数の目安になる
信頼できる会社が運営しているか・・・求人、キャリアアドバイザーの質に影響する可能性がある

これらの点を踏まえ、看護師が登録しておきたい転職サイトを選びましたので紹介します。どのサイトも登録は無料です。


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